商標拒絶査定不服審判
2021-017128
スリーシーズ、スリーシイズ、サンシイズ、スリーシイエス、サンシイエス
- 審判番号
- 2021-017128
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-019545
- 請求日
- 2021年12月13日
- 審決日
- 2022年07月20日
- 公報発行日
- 2022年08月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】シーマン メディカル, インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】特許業務法人BORDERS IP
- 審判長/審判官
- 審判長 齋藤 貴博
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 綾 郁奈子
- 分類
- T18 .16 -WY (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-19545拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「スリーシーズ」の文字及び「3Cs」の文字を二段に横書きしてなり、第41類「教育,文書の編集(広告物を除く。),文章の執筆,テキスト(広告文を除く。)の執筆及び制作,通訳及び翻訳,セミナー及びワークショップの企画・運営又は開催,オンラインによる訓練セミナー及びワークショップの提供」を指定役務として、令和2年2月25日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年2月16日付けで拒絶理由の通知がされ、同年6月1日に意見書が提出されたが、同年9月3日付けで拒絶査定がされた。
これに対して令和3年12月13日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「スリーシーズ」及び「3Cs」と上下2段に横書きしてなるところ、上段の「スリーシーズ」の文字は、下段の「3Cs」の文字の読みを表記したものと認識されるものである。昨今、我が国は、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため「3つの密(3密)」(密閉・密集・密接)を避けるよう、国民に呼びかけているところ、【引用情報】のとおり、「3つの密(3密)」を英語で表記したものとして、「3Cs」の文字が使用され、WHO(世界保健機関)も、「3Cs」を避けるよう、呼びかけているところである。そうすると、本願商標は、「3つの密(3密)」を表示するものとして、本願商標の指定役務の需要者に認識されるにとどまるものであって、これが、自他役務を識別し、役務の出所を表示する標識である商標として、認識されるものではない。したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であって、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「スリーシーズ」の文字及び「3Cs」の文字を二段に横書きに表してなるものである。
そして、その構成中「3Cs」の文字は、新型コロナウイルスへの対策として回避が呼びかけられている「3密(密閉空間、密集場所、密接場面)」の英訳であり、「Closed spaces」、「Crowded places」、「Close-contact settings」の頭文字「C」を取って「3Cs」と表現したものであることは、原審において示された証拠によって確認できる。
また、当審における職権調査によれば、「3Cs」の文字が「3密」の英訳であることは、例えば、「日本大百科全書(ニッポニカ)」において、「・・・「三つの密(3密)」という表現を用いて首相官邸がポスターを作成したことから、以後「3密」ということばが広く国民の間でも周知されるようになった。「3密」はその後、“3Cs”(Three Cs=closed spaces, crowded places and close-contact settings)として世界にも発信された。」(https://japanknowledge.com/contents/nipponica/sample_koumoku.html?entryid=2181)と記載があり、「英国のコロナ対策は「3密+2」 日本版に2項目を追加」(朝日新聞 DIGITAL)において、「日本政府は3密を3Cs(Closed spaces,Crowded places, Close-contact settings)と訳して海外向けに広報している。」(https://www.asahi.com/articles/ASNBD7SKBNBDUHBI03P.html)の記載があり、「3Cs」の文字は、我が国から世界・海外向けに情報発信される際に用いるための「3密」の英訳であることが認められる。
さらに、原審において示された証拠や、当審における職権調査によって発見した情報によると、「3Cs」の文字が「3密」の英訳であることが掲載されているのは、(1)辞書、英会話ウェブサイト、(2)外国人向け情報サイト、(3)その他情報サイト、に大別できるところ、辞書や英会話ウェブサイトは、その性質上、あえて言葉の意味や英訳を調べるものであり、外国人向け情報サイトは我が国の一般的な需要者を対象としたものではなく、その他情報サイトの記載は、例えば「独立行政法人国立病院機構 横浜医療センター」のウェブサイトにおいて、「常にマスクをする、そして3密場面(日本発、世界で3C`sと呼ばれる)や家族以外との長時間の飲食を避ける・・・」(https://yokohama.hosp.go.jp/greeting/m_202102.html)のように、常に「3密」の文字と共に用いられており、単独で「3密」を意味するものとして用いられている状況にあるとはいえない。
そうすると、「3Cs」の文字は、我が国から海外向けに情報発信される際に用いるための「3密」の英訳であることは認められるものの、我が国の一般的な需要者が、「3Cs」の文字から、ただちに「3密」との意味合いを理解するとまではいうことができない。
また、3つの英単語の頭文字を取って「3○」(○には英単語の頭文字が入る。)と表す手法は、マーケティング環境分析のフレームワーク「3C(Customer、Competitor、Company)」(https://cyber-synapse.com/dictionary/en-all/3c-analysis.html)や、環境配慮・廃棄物対策に関するキーワード「3R(Reduce、Reuse、Recycle)」(https://www.egmkt.co.jp/column/consumer/20210830_EG_168.html)などのように親しまれたものが存在するところであるから、本願商標を構成する「3Cs」の文字からは、単に「Cの頭文字が3つ」ほどの観念を想起させる場合もあるといえる。
以上を踏まえると、「3Cs」の文字から、「3密」の意味をただちに理解するとはいえないし、「Cの頭文字が3つ」の意味合いを理解したとしても、その「C」が何の頭文字であるのか具体性を欠いているため、本願の指定役務との関係において、当該文字が当該役務の宣伝広告、企業理念、経営方針等を表示するものであるとはいい難く、その他需要者が何人かの業務にかかる役務であることを認識することができない商標であるというべき事情も発見できない。
そうすると、本願商標は、これをその指定役務に使用しても、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標ということができず、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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