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商標拒絶査定不服審判

2021-016945

マスクカユミ、カユミ

審判番号
2021-016945
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2020-113174
請求日
2021年12月09日
審決日
2022年12月26日
公報発行日
2023年03月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】小林製薬株式会社
  • 【請求人代理人】高梨 範夫
審判長/審判官
  • 審判長 豊瀬 京太郎
  • 審判官 板谷 玲子
  • 審判官 須田 亮一
分類
T18 .13 -Z (W0305) / T18 .272-Z (W0305)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法4条1項16号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2020-113174拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は,成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は,令和2年9月11日の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年3月8日付け:拒絶理由通知書 令和3年5月18日 :意見書の提出 令和3年9月7日付け:拒絶査定 令和3年12月9日 :審判請求書の提出 第2 本願商標 本願商標は,「マスクかゆみ」の文字を標準文字で表してなり,第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つけまつ毛用接着剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つけづめ,つけまつ毛」及び第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,医療用接着テープ,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,歯科用材料,おむつ,おむつカバー,はえ取り紙,防虫紙,乳幼児用粉乳,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。),人工受精用精液」を指定商品として,登録出願されたものである。 第3 原査定の拒絶の理由(要点) 本願商標は「マスクかゆみ」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中の「マスク」の文字は「鼻・口を覆う不織布やガーゼ製などの衛生用具」の意味を,また「かゆみ」の文字は「かゆい感覚」の意味を有する語として,それぞれ広く一般に認識されているものであるから,これらの文字を組み合わせた本願商標の構成全体からは「マスクによるかゆい感覚」ほどの意味合いを容易に認識させるものといえる。 そして,近時,新型コロナウイルスなどの感染予防の観点からマスクを着用する機会が増加したことに伴い,それに起因する肌荒れやかゆみなどの肌トラブルも増加しているところ,本願の指定商品を取り扱う業界においては,そのようなマスクの使用による肌のかゆみに効果を有する医薬品や,かゆみをケアするための化粧品など各種商品が販売されている事実が認められる。 そうすると,本願商標を,その指定商品中,肌のかゆみに効果を有する医薬品や,かゆみをケアするための化粧品について使用しても,これに接する取引者,需要者は,単にそれが「マスクによる(肌の)かゆみに効果を有する商品」であるという,商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものと理解するにとどまり,自他商品の識別標識とは認識し得ないものと判断するのが相当である。 したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,「マスクによる(肌の)かゆみに効果を有する商品」以外の医薬品,化粧品に使用するときは,商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから,同法第4条第1項第16号に該当する。 第4 当審の判断 1 商標法第3条第1項第3号について 商標法第3条第1項第3号が,「その商品の産地,販売地,品質,原材料,効能,用途,形状(包装の形状を含む。),生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴,数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは,このような商標は,指定商品との関係で,「その商品の産地,販売地,品質,形状その他の特性」を表示記述する標章であって,取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから,特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに,一般的に使用される標章であって,多くの場合自他商品の識別力を欠くものであることによるものと解される。 そうすると,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには,審決の時点において,本願商標が,その指定商品との関係で,「その商品の産地,販売地,品質,形状その他の特性」を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり,本願商標の指定商品の取引者及び需要者によって本願商標がその指定商品に使用された場合に,将来を含め,商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年(行ケ)第10107号同年10月21日判決,知財高裁平成27年(行ケ)第10061号同年9月16日判決)。 2 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本願商標は,上記第2のとおり,「マスクかゆみ」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中「マスク」の文字は「病菌・埃などを防ぐために鼻・口を覆うもの。」等の,「かゆみ」の文字は「かゆい感覚。ヒスタミンなどの物質が神経を活動させることによって生ずる感覚」の意味を有する語である(いずれも「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)。 そして,原審において示した例のほか,当審における職権調査によれば,別掲のように,新型コロナ禍においてマスクの着用が日常化した今日において,「マスク着用によるかゆみに適した商品(治療薬,化粧水,乳液等)」が一般に販売されている。 以上からすれば,本願商標は,構成全体として「マスク着用によるかゆみ」程の意味合いを容易に認識させるものであり,これをその指定商品中,第3類「化粧品」及び第5類「薬剤」について使用するときは,これに接する取引者,需要者に当該商品が「マスク着用によるかゆみに適した商品」であるという商品の品質,効能,用途を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにとどまり,自他商品の識別標識としては認識し得ないというのが相当である。 また,本願商標を,その指定商品中,「マスク着用によるかゆみに適した商品」以外の第3類「化粧品」及び第5類「薬剤」に使用するときは,商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるというべきである。 したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。 3 請求人の主張について (1)請求人は,要旨,「マスク」の文字は複数の意味を有する語であって,これと「かゆみ」の語を結合してなる本願商標全体としては,複数の意味合いを認識させるものであるから,本願商標は特定の意味合いを直ちに認識させることのない一種の造語であり,特定の商品について,その品質を容易かつ直接的に表示したものではない旨を主張している。 しかしながら,たとえ「マスク」の文字(語)が複数の意味を有するとしても,これと「かゆみ」の文字(語)とを組み合わせた本願商標の構成においては,「マスク」及び「かゆみ」の各文字(語)が有する意味,並びに別掲の事実に,本願の指定商品との関係を踏まえると,上記2のとおり,本願商標は,「マスク着用によるかゆみ」程の意味合いを容易に認識させるものであって,特定の意味合いを直ちに認識させることのないものとはいえず,商品の品質等を表示したものと判断するのが相当である。 (2)請求人は,「「マスクかゆみ」の文字が商品の品質を直接的に言い表す成語として使用されているといった事情は認められない。」旨を主張している。 しかしながら,上記1のとおり,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには,審決の時点において,本願商標がその指定商品との関係で商品の品質等その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり,その指定商品に使用された場合に,将来を含め,指定商品の取引者,需要者によって商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足り,それが取引上現実に使用されていた事実があったことまで必要とするものではないというべきである。 また,本願商標が,その指定商品との関係において,自他商品の識別標識として認識され得ないものであることは,上記2のとおりである。 (3)請求人は,「マスク」あるいは「かゆみ」と他の文字を結合した商標の登録例を挙げて,本願商標も登録されるべき旨を主張している。 しかしながら,登録出願に係る商標がその指定商品との関係において,自他商品の識別標識として機能し得るか否かは,当該商標の構成態様と指定商品との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ,請求人の示す登録例(甲2~甲15)と本願商標とは,構成文字が異なり,事案を異にするものであり,本願商標が自他商品の識別力を欠くものであることは,上記2のとおりであるから,登録例があるからといってその判断が左右されることはない。 (4)したがって,請求人の主張はいずれも採用できない。 4 まとめ 以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから,登録することができない。 よって,結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

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