商標拒絶査定不服審判
2021-015969
シイオオツーゼロ、シイオオニゼロ、ゼロ
- 審判番号
- 2021-015969
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-028313
- 請求日
- 2021年11月22日
- 審決日
- 2022年10月13日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】香川電力株式会社
- 【請求人代理人】植田 吉伸
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 山根 まり子
- 分類
- T18 .16 -Z (W39)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-28313拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年3月16日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年3月16日付け:拒絶理由通知書
令和3年7月30日付け:意見書、手続補正書
令和3年8月11日付け:拒絶査定
令和3年11月22日付け:審判請求書
第2 本願商標
本願商標は、「CO2ゼロ」の文字を標準文字で表してなり、第39類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定役務については、上記第1の手続補正により、第39類「電気の供給,電気の供給に関する情報の提供,電気の供給に関するコンサルティング」に補正されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「CO2ゼロ」の文字を標準文字で表してなるところ、全体として「二酸化炭素がゼロであること」ほどの意味を認識させる。そして、「CO2ゼロ」の文字は、「二酸化炭素の排出を実質ゼロにすること」ほどの意味合いで使用され、また、自治体や企業が「CO2ゼロ」を内容とする目標や宣言を発表している実情が確認できるから、本願商標は、「二酸化炭素の排出を実質ゼロにすること」ほどの意味を理解、認識させる。そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者は、「二酸化炭素の排出を実質ゼロにする」という役務の特性や優位性を表した宣伝文句の一種、あるいは企業理念・経営方針等を表していると認識するにとどまり、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審の判断
1 商標法第3条第1項第6号の該当性について
本願商標は、「CO2ゼロ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「CO2」の文字は「二酸化炭素」の意味を、「ゼロ」の文字は「零。何もないこと。」の意味を(三省堂国語辞典 第八版)、それぞれ有する語であり、我が国において、それぞれ広く一般的に親しまれている平易な語であるから、本願商標は、これに接する取引者、需要者に、全体として「二酸化炭素がゼロであること」や「二酸化炭素がないこと」ほどの意味合いを容易に認識、理解されるものである。
そして、別掲の1~6の新聞記事情報によると、地方公共団体や鉄道会社等では、その活動等において、CO2(二酸化炭素)の排出をゼロにするための施策等や企業目標が策定され、それを実現するための働きかけがされていることがうかがえる。
また、別掲の7~12のインターネット情報及び新聞記事情報によると、本願の指定役務を提供する業界では、発電や電気の供給において、CO2(二酸化炭素)の排出をゼロにするといった企業目標が掲げられ、また、実際に水素、太陽光や風力などを用いたCO2(二酸化炭素)を排出(生じ)させず発電された電気の供給等がされていることがうかがえる。
そして、上記の地方公共団体や企業による二酸化炭素(CO2)の排出をゼロにするための各種の取り組みにおいて、「CO2ゼロ」の文字が、「二酸化炭素(CO2)の排出をゼロにすること」ほどの意味合いで使用されていることが認められる。
このような実情を踏まえると、これらの「CO2ゼロ」の文字は、CO2(二酸化炭素)の排出をゼロにするといった企業等の目標、すなわち、企業理念・経営方針等を表示したものとして認識させるものであり、あるいは、本願の指定役務との関連において、CO2(二酸化炭素)を排出(生じ)させずに発電された電気の供給等の役務を提供することができるといった役務の特性、優位性、質、特徴等を強調するための宣伝広告として一般的に使用されているものとして認識させるものといえる。
そうすると、本願商標を、その指定役務に使用する場合、これに接する需要者において、企業理念・経営方針等を表示したもの、あるいは、本願の指定役務の特性、優位性、質、特徴等を簡潔に表示した役務の宣伝広告を表示したものと認識されるにすぎないものというべきであって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、拒絶査定の別掲2で提示した記事では、「CO2ゼロ」の文字が単独ではなく、その他の単語や文章が結合されていることから、「CO2ゼロ」の文字のみは、目標や宣言であるとは把握されないこと、また、当該文字からは「二酸化炭素の排出を実質ゼロにすること」という意味合いは生じず、「二酸化炭素がゼロであること」の意味合いが生じるところ、これは、指定役務との関係で、どのような役務の特性や優位性を表しているかが不明であり、宣伝広告等として認識することはないことから、本願商標は、自他役務の識別力を有する商標である旨を主張する。
しかしながら、上記1のとおり、本願商標は、これに接する需要者に、企業理念・経営方針等を表示したものとして、あるいは、その指定役務の特性、優位性、質、特徴等を簡潔に表示した役務の宣伝広告として表示したものと認識されるにすぎず、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であるというべきである。
(2)請求人は、請求人が、商標として「CO2ゼロ」の文字を、電気の供給に関するサービスに使用しており、このことが、プレスリリース等を通じて多くのメディアに報じられた結果、本願商標は、何人かの業務に係る役務の名称であることを認識することができる状態に至っている旨主張し、証拠方法として、請求人のウェブサイト、プレスリリース、請求人に関連するニュース記事のURLの一覧等の証拠を提出している。
しかしながら、提出された証拠からは、請求人が、2021年7月から、販売、供給する電気料金メニューやプランの名称として、「CO2ゼロ」、「CO2ゼロプラン」等の文字を使用していることが確認できるとしても、それはわずか1年程度と短い期間であるし、提出された証拠から確認できるこれらの文字は、「実質的に再生可能エネルギー100%でCO2排出量ゼロ」とする電気料金メニューやプランの特徴を簡潔に表した名称とみるのが自然である。また、「CO2ゼロ」の文字は別掲のとおり、請求人以外の多数の者によっても、企業理念・経営方針、宣伝広告等として使用されているものである。
してみれば、請求人が「CO2ゼロ。」の文字を料金メニュー等に使用しているとしても、当該文字は、これに接する需要者には、当該文字にかかる役務の特性、優位性、質、特徴等を簡潔に表示した役務の宣伝広告として表示したものと認識されるにすぎないというべきである。
そうすると、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標と認められる。
(3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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