商標拒絶査定不服審判
2021-015968
クリーンエネルギー、クリーンエナジー、クリーン、エネルギー、エナジー
- 審判番号
- 2021-015968
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-028312
- 請求日
- 2021年11月22日
- 審決日
- 2022年09月14日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】香川電力株式会社
- 【請求人代理人】植田 吉伸
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 松江
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -Z (W39) / T18 .272-Z (W39)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020- 28312拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年3月16日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 3月16日付け:拒絶理由通知書
令和3年 7月30日 :意見書及び手続補正書の提出
令和3年 8月11日付け:拒絶査定
令和3年11月22日 :審判請求書の提出
令和4年 6月13日付け:審尋
令和4年 7月21日 :回答書の提出
第2 本願商標
本願商標は、「Clean Energy」の文字を標準文字で表してなり、第39類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、令和2年3月16日に登録出願され、その後、指定役務については、原審における前記第1の手続補正書により、第39類「電気の供給,電気の供給に関する情報の提供,電気の供給に関するコンサルティング」と補正された。
第3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「Clean Energy」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は「風力・太陽熱・地熱などの廃棄物による環境汚染をもたらさないエネルギー」を意味する「クリーンエネルギー」を欧文字で表記したものである。また、本願の指定役務を取り扱う業界において、「CLEAN ENERGY」及び「クリーンエネルギー」の文字が、「環境汚染をもたらさない又はもたらしにくいエネルギー」程の意味合いで、供給する電気・ガス・熱について広く使用されている実情がある。したがって、本願商標は、「環境汚染をもたらさない又はもたらしにくいエネルギー」程の意味合いを認識させるものであるから、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者は、「環境汚染をもたらさない又はもたらしにくいエネルギー」に関する役務であることを認識するにとどまり、本願商標は、単に役務の内容、質を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。また、上記認定によれば、本願商標を「環境汚染をもたらさない又はもたらしにくいエネルギー」に関する役務以外の指定役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨、認定判断し、拒絶したものである。
第4 当審における審尋
本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について、職権に基づく証拠調べを実施し、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、令和4年6月13日付け審尋で、その結果を通知するとともに、下記第6と同旨の暫定的見解について通知したところ、請求人は、同年7月21日付け回答書を提出した。
第5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
請求人は、上記第4の審尋に対し、要旨以下の意見を述べた。
1 本願商標を構成している「Clean」と「Energy」の間には、1文字分のスペースが存在しており、両単語の1文字目が大文字であることから視覚的にも本願商標が2つの英単語で構成される言葉であることを認識しやすく、「Clean」は「Energy」を修飾する形容詞として働くため、それぞれの文字の意味合いから、エネルギー自体に「不純物がない」といった意味になる。本願商標の指定役務は、「電気の供給等」であるが、そもそも電気自体には不純物が含まれることがないことから、指定役務との関係において、本願商標「Clean Energy」は、役務の質を直接的かつ具体的に表示するものではない。
2 別掲1では、「クリーンエネルギー」に対して、風力・太陽熱・地熱・波力などのように、電気エネルギーに変換される前(元)となるエネルギー源と定義されている。
これに対して、別掲3の新聞等では、上記エネルギー源から変換された後の電気エネルギーに対して「クリーンエネルギー」という言葉が使用されている。
別掲2の4番目の資料(緑のgooのウェブサイト)では、「クリーンエネルギー」のことを「電気や熱などに変える際、二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)などの有害物質を排出しない、または排出量の少ないエネルギー源のこと」であると解説している。
しかしながら、上記のような解説がされている部分の下の段落において、「一方で、何をもってクリーンなエネルギーとするかについては明確に定義されておらず、言葉のイメージが先行しているともいえる。」と記載されている。
このように、当該4番目の資料は、「クリーンエネルギー」のことを「二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)などの有害物質を排出しないエネルギー源のこと」と解説しておきながら、クリーンエネルギーの明確な定義は存在しないとしている。
「クリーンエネルギー」の意味は、電気エネルギーへの変換前のエネルギー(別掲1)と、変換後のエネルギー(別掲3)の2つのエネルギーに対していずれにも用いられており、また、別掲2において、明確な定義がないと述られていることから、クリーンエネルギーの意味が一義的に定まることはない。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性
本願商標は、「Clean Energy」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字及びこれの読みを表した「クリーンエネルギー」の文字は、別掲1の辞書によると「廃棄物(有害物質)による環境汚染をもたらさないエネルギー。風力・太陽熱・地熱・波力など。」を意味する語であることが認められる。
そして、本願の指定役務に関するエネルギーの分野では、廃棄物(有害物質)による環境汚染をもたらさないエネルギー(太陽光、風力、地熱、波力等)を「クリーンエネルギー」のように指称し、「クリーンエネルギー」による発電が広く行われている事実が別掲2よりうかがえる。また、これら「クリーンエネルギー」により発電された電気も「クリーンエネルギー」のように指称されている事実が別掲3よりうかがえるものである。加えて、廃棄物(有害物質)による環境汚染をもたらさない風力・太陽熱・地熱などのクリーンエネルギーにより発電された電気が供給されている事実が別掲4よりうかがえるものである。
このような状況を考慮すると、本願商標を前記第2における補正後の指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、請求人の提供に係る役務であることを理解するよりも、「廃棄物(有害物質)による環境汚染をもたらさないエネルギー(太陽光、風力、地熱、波力等)により発電された電気に関する役務」であること、すなわち、「廃棄物(有害物質)による環境汚染をもたらさないエネルギー(太陽光、風力、地熱、波力等)により発電された電気の供給」、「廃棄物(有害物質)による環境汚染をもたらさないエネルギー(太陽光、風力、地熱、波力等)により発電された電気の供給に関する情報の提供」、「廃棄物(有害物質)による環境汚染をもたらさないエネルギー(太陽光、風力、地熱、波力等)により発電された電気の供給に関するコンサルティング」という、役務の質を表示したものと理解するにとどまるというのが相当であり、本願商標は、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから商標法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)本願商標を構成している「Clean」と「Energy」の間には、1文字分のスペースが存在しており、両単語の1文字目が大文字であることから視覚的にも本願商標が2つの英単語で構成される言葉であることを認識しやすく、「Clean」は「Energy」を修飾する形容詞として働くため、それぞれの文字の意味合いから、エネルギー自体に「不純物がない」といった意味になる。本願商標の指定役務は、「電気の供給等」であるが、そもそも電気自体には不純物が含まれることがないことから、指定役務との関係において、本願商標「Clean Energy」は、役務の質を直接的かつ具体的に表示するものではない旨主張する。
しかしながら、別掲1の辞書には、「clean energy」の文字が「クリーンエネルギー」であることが記載されており、つづりを同じくする本願商標が、「廃棄物(有害物質)による環境汚染をもたらさないエネルギー。風力・太陽熱・地熱・波力など。」を意味する語であることが認められることは前記1のとおりである。
(2)別掲1では、「クリーンエネルギー」に対して、風力・太陽熱・地熱・波力などのように、電気エネルギーに変換される前(元)となるエネルギー源と定義されている。
これに対して、別掲3の新聞等では、上記エネルギー源から変換された後の電気エネルギーに対して「クリーンエネルギー」という言葉が使用されている。
別掲2の4番目の資料(緑のgooのウェブサイト)では、「クリーンエネルギー」のことを「電気や熱などに変える際、二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)などの有害物質を排出しない、または排出量の少ないエネルギー源のこと」であると解説している。
しかしながら、上記のような解説がされている部分の下の段落において、「一方で、何をもってクリーンなエネルギーとするかについては明確に定義されておらず、言葉のイメージが先行しているともいえる。」と記載されている。
このように、当該4番目の資料は、「クリーンエネルギー」のことを「二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)などの有害物質を排出しないエネルギー源のこと」と解説しておきながら、クリーンエネルギーの明確な定義は存在しないとしている。
「クリーンエネルギー」の意味は、電気エネルギーへの変換前のエネルギー(別掲1)と、変換後のエネルギー(別掲3)の2つのエネルギーに対していずれにも用いられており、また、別掲2において、明確な定義がないと述べられていることから、クリーンエネルギーの意味が一義的に定まることはない旨主張する。
しかしながら、「クリーンエネルギー」の意味が一義的でないとしても、本願の指定役務に関するエネルギーの分野では、廃棄物(有害物質)による環境汚染をもたらさないエネルギー(太陽光、風力、地熱、波力等)を「クリーンエネルギー」のように指称し、「クリーンエネルギー」による発電が広く行われている事実があること(別掲2)、また、これら「クリーンエネルギー」により発電された電気も「クリーンエネルギー」のように指称されている事実があること(別掲3)、加えて、廃棄物(有害物質)による環境汚染をもたらさない風力・太陽熱・地熱などのクリーンエネルギーにより発電された電気が供給されている事実があること(別掲4)は、前記1のとおりであるから、これらを総合して考慮すると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「廃棄物(有害物質)による環境汚染をもたらさないエネルギー(太陽光、風力、地熱、波力等)により発電された電気の供給」、「廃棄物(有害物質)による環境汚染をもたらさないエネルギー(太陽光、風力、地熱、波力等)により発電された電気の供給に関する情報の提供」、「廃棄物(有害物質)による環境汚染をもたらさないエネルギー(太陽光、風力、地熱、波力等)により発電された電気の供給に関するコンサルティング」という、役務の質を表示したものと理解するにすぎないといわざるを得ない。
加えて、別掲2の(4)では、「クリーンエネルギー」のことを「電気や熱などに変える際、二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)などの有害物質を排出しない、または排出量の少ないエネルギー源のこと」であると解説し、「一方で、何をもってクリーンなエネルギーとするかについては明確に定義されておらず、言葉のイメージが先行しているともいえる。」と記載されているとの主張については、その先には、「たとえば、水素ガスは燃焼時に有害物質をほとんど出さないが、水素をつくるには多くのエネルギーが必要で、その過程で有害物質が排出される場合もある。また、原子力発電はCO2を排出しないが、ひとたび事故が起きた時の被害は深刻で、放射性廃棄物の処理も難題だ。」と記載されており、ここでは、風力・太陽熱・地熱・波力などのエネルギーの種類について、どこまでをクリーンエネルギーといえるのかを述べているのであって、クリーンエネルギーが「廃棄物(有害物質)による環境汚染をもたらさないエネルギー」であることを否定しているものではない。
(3)したがって、上記請求人の主張は、いずれも採用できない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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