商標拒絶査定不服審判
2021-015933
トクジョーアカ、トクジョー
- 審判番号
- 2021-015933
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2019-153344
- 請求日
- 2021年11月19日
- 審決日
- 2022年12月06日
- 公報発行日
- 2023年02月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】キッコーマン株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 松江
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -Z (W33) / T18 .272-Z (W33)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2019-153344拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和元年12月6日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 3月22日付け:拒絶理由通知書
令和3年 7月 8日 :意見書の提出
令和3年11月15日付け:拒絶査定
令和3年11月19日 :審判請求書の提出
令和4年 7月25日付け:証拠調べ通知書
令和4年 9月 5日 :意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「特醸赤」の文字を標準文字で表してなり、第33類「アルコール飲料(ビールを除く。),泡盛,合成清酒,焼酎,白酒,日本酒,日本産以外の清酒,直し,みりん,洋酒,果実酒,酎ハイ,中国酒,薬味酒」を指定商品として、令和元年12月6日に登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「特醸赤」の文字を標準文字で表してなり、本願の指定商品との関係において、構成中の「赤」の文字は、「赤ワイン」を表すものとして使用され、そして、ワインの醸造工程で長期熟成させるなど特別な方法で醸造した程の意味合いで「特醸」と称されて製造・販売されている実情があるから、本願商標全体として「特別な方法で醸造した赤ワイン」程度の意味合いを容易に理解、認識させる。そうとすると、本願商標は、「特醸赤」の文字を標準文字で表してなるにすぎないから、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は「特別な方法で醸造した赤ワイン」程の意味を認識、理解するにとどまり、単に、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品(「特別な方法で醸造した赤ワイン」)以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における証拠調べ通知
審判長は、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲1ないし別掲3に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、令和4年7月25日付け証拠調べ通知書によって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。
5 証拠調べに対する請求人の意見(要旨)
請求人は、前記4の証拠調べ通知に対し、要旨以下の意見を述べた。
(1)別掲1について、「特醸」が「特別な醸造」あるいは「特別な方法で醸造されたもの」とした商品の品質を直接的かつ具体的に表す語であるとする事実までは確認できない。あくまでも「醸造における製法や貯蔵に用いる容器・容器の材質、あるいは貯蔵(熟成)期間等について、具体的にどうとは理解できないが、何らかの工夫をこらして、特別な醸造を行った商品」であることを暗示することはあるにしても、それ以上の具体的な品質を想起することはできず、漠然とした暗示可能性を有するにすぎない語である。
(2)別掲2について、当該商品が「赤ワイン」である旨の説明がされている。これらの事実をもって、本願商標「特醸赤」の構成文字の一部である「赤」の文字が、直ちに直接的かつ具体的に「赤ワイン」を表す語であるとする根拠としては足らないといわざるを得ない。
(3)別掲3について、文字構成が「プレミアム赤」や「ビンテージ赤」といったように、「片仮名+漢字」と異なる文字種の組み合わせであったり、「特選 赤」「ビンテージ 赤」といったように、「赤」の前にスペースが入ったりと、一連一体に使用している事例は見当たらない。そのうち「豊潤赤」は、文字種も同じで「赤」の前にスペースもなく一連一体の態様であるが、「豊潤」部分が、辞書に掲載されるような商品の品質等を示す語として一般的に広く知られている語であることからも、本願商標「特醸赤」と同様の文字構成であるとはいえない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「特醸赤」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「特醸」の文字は、辞書類に載録されている成語ではないが、本願の指定商品である「果実酒」(以下「果実酒」という。)との関係においては、「特別な醸造」若しくは「特別な方法で醸造されたもの」程の意味合いで、商品の品質(特徴)を表示する語として、遅くとも1981年頃から使用されている事実があることは別掲1よりうかがえる。そして、「赤」の文字は「色の名。三原色の一つで、新鮮な血のような色。」(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)の意味を有する語として一般に知られているところ、「果実酒」との関係においては、「赤ワイン」を指称する語として使用されていることは別掲2よりうかがえるものである。
また、「果実酒」を取り扱う業界では、商品の品質等を表示する文字と「赤ワイン」を指称する「赤」の文字とを一連に表した「○○赤 」(以下「〇〇」の文字は商品の品質を表す文字。)の文字が「○○な赤ワイン」を意味する語として使用されていることが別掲3よりうかがえる。
そうすると、本願商標の構成全体からは「特別な醸造の赤ワイン」若しくは「特別な方法で醸造された赤ワイン」程の意味合いを容易に認識、理解できるものといえる。
してみれば、本願商標をその指定商品中「果実酒」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「特別な醸造の赤ワイン」若しくは「特別な方法で醸造された赤ワイン」という商品の品質(特徴)を表したものと認識、理解するにすぎないというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質(特徴)を普通に用いられる方法で表してなる標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、「特別な醸造の赤ワイン」若しくは「特別な方法で醸造された赤ワイン」以外の「果実酒」に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、別掲1に示した例は、「特醸」の文字が「特別な醸造」あるいは「特別な方法で醸造されたもの」とした商品の品質を直接的かつ具体的に表す語であるとする事実までは確認できない。あくまでも「醸造における製法や貯蔵に用いる容器・容器の材質、あるいは貯蔵(熟成)期間等について、具体的にどうとは理解できないが、何らかの工夫をこらして、特別な醸造を行った商品」であることを暗示することはあるにしても、それ以上の具体的な品質を想起することはできず、漠然とした暗示可能性を有するにすぎない語である旨主張する。
しかしながら、「特醸」の文字について、「果実酒」との関係においては、その特別な醸造がどのようなものか明確でないとしても、「特別な醸造の商品」若しくは「特別な方法による醸造の商品」という商品の品質(特徴)を認識させるにすぎないことは、前記(1)のとおりである。
イ 請求人は、別掲2に示した例は、「赤」の文字が、「赤ワイン」である旨の説明がされているが、これらの事実をもって、本願商標の構成文字の一部である「赤」の文字が、直ちに直接的かつ具体的に「赤ワイン」を表す語であるとする根拠としては足らない旨主張する。
しかしながら、別掲2で示した例は、「果実酒」との関係において、「赤」の文字が「赤ワイン」を意味する語として使用されていることは、前記(1)のとおりである。
ウ 請求人は、別掲3で示した例は、商品の品質を表示する文字と赤ワインを指称する「赤」の文字とを一連に表した「○○赤」の文字構成が、「プレミアム赤」や「ビンテージ赤」といったように、異なる文字種の組み合わせであったり、「特選 赤」、「ビンテージ 赤」といったように、「赤」の前にスペースが入ったりと、一連一体に使用している事例は見当たらない。そのうち「豊潤赤」は、文字種も同じで「赤」の前にスペースもなく一連一体の態様であるが、「豊潤」部分が、辞書に掲載されるような商品の品質等を示す語として一般的に広く知られている語であることからも、本願商標「特醸赤」と同様の文字構成であるとはいえない旨主張する。
しかしながら、別掲3で示した「○○赤」の文字について、本願商標と同一の文字種の構成ではないとしても、「○○」の文字が、「果実酒」の分野において、商品の品質等を表示する文字であるから「○○な赤ワイン」の意味合いを認識させるものであり、本願商標を構成する「特醸」の文字について、「特別な醸造」もしくは「特別な方法による醸造」程の商品の品質(特徴)を表す語であることは前記アのとおりである。
エ したがって、請求人の前記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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