商標拒絶査定不服審判
2021-015476
ニクノムラヤマ
- 審判番号
- 2021-015476
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-004064
- 請求日
- 2021年11月11日
- 審決日
- 2022年10月20日
- 公報発行日
- 2023年01月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社プロジェクトM
- 【請求人代理人】橘 哲男
- 【請求人代理人】佐藤 大輔
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 山根 まり子
- 分類
- T18 .16 -Z (W29303543)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1項第4号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-4064拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年1月15日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年3月5日付け:拒絶理由通知書
令和3年4月21日付け:意見書、手続補正書
令和3年8月10日付け:拒絶査定
令和3年11月11日付け:審判請求書
令和4年5月31日付け:拒絶理由通知書
令和4年7月12日付け:意見書
第2 本願商標
本願商標は、「肉の村山」の文字を普通に用いられる方法で表してなり、第29類、第30類、第35類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、上記第1の手続補正により、第29類、第30類、第35類及び第43類に属する別掲2のとおりの商品及び役務に補正されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「肉の村山」の文字を普通に用いられる方法で表示してなるところ、「村山」の文字は「ありふれた氏」であり、「肉の」の文字は、「肉の○○(○○には姓氏が入る。)」のように、「精肉店」を表すのに慣用的に使用されている実情が確認できる。そうすると、「肉の村山」の文字は、ありふれた氏である「村山」と「精肉店」を表すのに慣用的に付される文字を結合した「ありふれた名称」に当たる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審における拒絶理由通知(要点)
当審において、請求人に対し、令和4年5月31日付けで、別掲1の1及び2のとおりの事実を示した上で、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する旨の拒絶理由を通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第5 当審における拒絶理由通知に対する請求人の意見の要点
請求人は、上記第4の拒絶理由通知に対して、意見書において、要旨、以下のように主張した。
1 拒絶理由通知の使用例として、商店街の一精肉店に過ぎない「肉のムラヤマ」のものが挙げられているが、これらは、わずか2件にすぎず、本願商標が、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標と認定される根拠とはならない。
2 請求人は、本願商標「肉の村山」を屋号とする飲食店(参考資料4~8)を都内及びその周辺に計5店舗を展開し、各々の店舗の顧客から高い評判や名声を得ているものであるし、また、本願商標は、構成上一体不可分の商標として請求人が創出した造語と認識、把握されるのが自然であり、これに接する取引者、需要者は、本願商標の構成全体より請求人の業務にかかる出所識別標識として強い印象を受けるものであるから、本願商標に接する取引者、需要者は、請求人の業務に係る商品又は役務であると即座に理解、把握できるものである。
3 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当しない。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、上記第2のとおり、「肉」及びありふれた氏の一つである「村山」の各文字を、助詞の「の」の文字を介し結合し、「肉の村山」と明朝体様の文字で横書きしてなるところ、その構成中の「肉」の文字は、本願の指定商品及び指定役務中、第29類「肉又は肉製品を主材とする惣菜,食肉,肉製品」との関係において、その普通名称又は原材料の名称を表示したものと認められる。
そして、本願商標の構成中、「肉の」の文字部分は、別掲1の事例があるように、例えば「肉のムラヤマ」、「肉の小林」、「肉の伊藤」又は「肉の村田」などのように「肉の○○(○○には氏が入る。)」の文字が、精肉店等、肉に関連する商品を取扱う商店の名称として広く使用されているものである。
以上を踏まえると、「肉の村山」の文字からなる本願商標は、これに接する需要者に、全体として「ありふれた氏の「村山」という者の生産又は販売に係る肉」ほどの意味合いを認識、理解されるものというのが相当である。
してみれば、本願商標を、その指定商品及び指定役務中、第29類「肉又は肉製品を主材とする惣菜,食肉,肉製品」に使用する場合、その需要者に、ありふれた氏の「村山」という者の生産又は販売に係る「肉又は肉製品を主材とする惣菜,食肉,肉製品」であることを理解させるにとどまるものであって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務中、第29類「肉又は肉製品を主材とする惣菜,食肉,肉製品」に使用するときは、商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標は、構成上一体不可分の商標として請求人が創出した造語と認識、把握されるのが自然であり、かつ、当審の拒絶理由通知の使用例の「肉のムラヤマ」はわずか2件にすぎず、本願商標が、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標と認定される根拠とはならない旨を主張する。
しかしながら、「肉のムラヤマ」の使用例が2件であるとしても、「肉の小林」、「肉の伊藤」又は「肉の村田」など、「肉の○○(○○には氏が入る。)」と構成される文字が、精肉店等、肉に関連する商品を取扱う商店の名称として広く使用されていることを踏まえると、本願商標は、これに接する需要者に、請求人が創出した造語と認識、把握されるというよりも、「ありふれた氏の「村山」という者の生産又は販売に係る肉」であることを認識、理解されるにすぎないから、本願商標は自他商品の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものというべきである。
(2)請求人は、本願商標を冠する飲食店を都内及びその周辺に計5店舗を運営するものであり(参考資料4~8)、各々の店舗の顧客から高い評判や名声を得ているから、本願商標に接する取引者、需要者は、請求人の業務に係る商品又は役務であると即座に理解、把握できるものというべきである旨主張する。
しかしながら、請求人が提出した証拠は、「飲食物の提供」に係るものであって、精肉店等、肉に関連する商品を取扱う商店に係るものはない。
そして、「肉の○○(○○には氏が入る。)」と構成される文字が精肉店等、肉に関連する商品を取扱う商店の名称として広く使用されていることから、本願商標は、その指定商品及び指定役務中、第29類「肉又は肉製品を主材とする惣菜,食肉,肉製品」に使用したときは、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というのが相当であること上記1のとおりである。
(3)請求人は、登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、それらの登録例は、商標の構成文字及び取引の実情において本願とは事案を異にするものであり、また、登録出願に係る商標が自他商品の識別標識として機能しうるか否かは、当該登録出願の査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるべきものであって、本願商標についての判断は、上記1のとおりであるから、請求人が挙げる登録例をもって本件判断が左右されるものではない。
(4)請求人は、本願商標の認定について、標準文字で表したものではないにもかかわらず、原審において、「「肉の村山」の文字を普通に用いられる方法(標準文字)で表示してなるものと、その構成態様を誤って認定した点には一切触れず、あたかも本願商標は当初より他の拒絶理由に該当し得ると認定、判断した点には承服し難い旨主張する。
しかしながら、当審の拒絶理由通知においては、本願商標の構成を認定した上で、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当する旨の拒絶の理由を通知し相当の期間を指定して、これに対する意見を求めたものである。
また、原査定においては、上記第3のとおり、本願商標がありふれた氏である「村山」と「精肉店」を表すのに慣用的に付される文字を結合した「ありふれた名称」であるから、同法第3条第1項第4号に該当する旨認定、判断しているところ、当審においては上記1のとおり、ありふれた氏の「村山」という者の生産又は販売に係る商品であることを理解させるにとどまるものであるから、本願商標を「精肉店」における取り扱い商品である、第29類「肉又は肉製品を主材とする惣菜,食肉,肉製品」に使用するときは同項第6号に該当するとしており、本願商標が自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものとする点は原査定と実質的に相違するものではない。
(5)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-015476