特許拒絶査定不服審判
2021-014835
電池レスリモコン装置
- 審判番号
- 2021-014835
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-148596
- 請求日
- 2021年11月02日
- 審決日
- 2022年08月24日
- 公報発行日
- 2022年09月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社LIXIL
- 【請求人代理人】小西 富雅
- 審判長/審判官
- 審判長 角田 慎治
- 審判官 赤穂 美香
- 審判官 土居 仁士
- 分類
- P18 .121-WY (H04Q) / P18 .537-WY (H04Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2017-148596「電池レスリモコン装置」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 2月21日出願公開、特開2019- 29872、請求項の数(11)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成29年7月31日の出願であって、その手続の経緯の概要は、以下のとおりである。
令和2年12月25日付け 拒絶理由通知書
令和3年 2月15日 意見書・手続補正書
令和3年 7月28日付け 拒絶査定(原査定)
令和3年11月 2日 審判請求書・手続補正書
令和4年 5月13日付け 拒絶理由通知書
令和4年 6月21日 意見書・手続補正書
第2 本願発明
本願請求項1-11に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明11」という。)は、令和4年6月21日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-11に記載された事項により特定される発明であり、そのうち、本願発明1及び本願発明10は、以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
ケースと、
該ケースへ移動可能に取り付けられる複数のボタンと、
前記ボタンの操作の力を利用して電力を発生する発電素子と、
前記ボタンの操作を検出するボタン操作検出部と、
前記ボタン操作検出部の検出結果に基づき、外部へ所定の信号を発信する発信回路であって、発信の電力が前記発電素子から供給される発信回路と、
前記各ボタンの操作に連動して前記発電素子に作用して発電をさせる発電素子操作部であって、
本体部と、
該本体部と前記各ボタンとを繋ぐ第1連結部と、
前記本体部と前記発電素子とを繋ぐ第2連結部とを備え、
少なくとも1つの前記ボタンが操作されたとき、前記第1連結部を介して前記本体部は前記ケース内を移動し、かつ前記各ボタンの操作が停止されたとき操作前の位置に戻るとともに、前記第2連結部は前記本体部の移動に伴い前記発電素子に作用して発電させる、電池レスリモコン装置において、
前記本体部は前記ボタンに対向する部分に貫通孔を備え、
前記ボタン操作検出部は、前記本体部の前記貫通孔内に前記ボタンに対向して配置され、
前記貫通孔の周面において移動方向下流側の周面が前記ボタンと結合される前記第1連結部となり、前記ボタンの操作により前記周面が前記移動方向下流側へ押圧されて前記本体部が移動し、該本体部の移動に伴い前記第2連結部が前記発電素子に作用して発電させる、電池レスリモコン装置。」
「【請求項10】
電池レスリモコン装置において、ボタンの押下力を発電素子へ伝達する発電素子操作部に用いられるリンク部材であって、
ボタンの押圧を検出するスイッチを挿入可能な貫通孔を備え、該貫通孔の周面に前記ボタンに形成されたカム部と対向するカムフォロア部が形成されている、リンク部材。」
なお、本願発明2-9及び11の概要は以下のとおりである。
本願発明2-9は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明11は、本願発明10を減縮した発明である。
第3 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2015-168959号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0024】
図2に示すように、リモコン装置RCのパネルRCPは、後述する第2ケース60と、上方に配列されるメインボタン群MBと、メインボタン群MBの下方に配列されるサブボタン群SBから構成される。」
【0025】
メインボタン群MBは、停止ボタンMB1と、吐水ボタンWBと、乾燥ボタンMB4からなる。さらに、吐水ボタンWBは、おしり洗浄ボタンMB2と、ビデ洗浄ボタンMB3からなる。これら4つのボタンは、いずれも正面視で略正方形を呈しており、リモコン装置RCの幅方向に略一直線上に配列されている。吐水ボタンWBは、ノズルN2からの吐水動作を行わせる際に押すボタンであり、おしり洗浄ボタンMB2が押された場合には使用者の肛門に向けて吐水させ、ビデ洗浄ボタンMB3が押された場合には女性の局部に向けて吐水させる。また、乾燥ボタンMB4は、局部洗浄後に、本体部WAaに内蔵されているファンから局部に向けて温風を吹き出す乾燥動作を行わせる際に押すボタンである。停止ボタンMB1は、上記吐水動作及び乾燥動作を停止させる際に押すボタンである。」
「【0027】
図2において破線で示すように、メインボタン群MBとサブボタン群SBの背面側には、第一リンク機構であるリモコン装置RCの幅方向に延びる第1スライド部材10、第二リンク機構である第2スライド部材20、第1スライド部材10の動きを第2スライド部材20に、第2スライド部材20の動きを第1スライド部材10にそれぞれ伝えるギア15が内蔵されている。ギア15は、第1スライド部材10又は第2スライド部材20のどちらか一方の部材を動かすことで、他方の部材も連動して動くための伝達手段である。また、第1スライド部材10の下方であって、第2スライド部材の側方には、押圧されることで自己発電可能な発電装置である発電ユニットGUが内蔵されている。なお、発電ユニットGU、第1スライド部材10、第2スライド部材20は、後述する第1ケース50と第2ケース60の内部に収納されている。」
「【0031】
このように、メインボタン群MBと、サブボタン群SBのいずれかのボタンSB、MBが押されることによって、第2スライド部材20が矢印A2の方向にスライドする。すると、第2スライド部材20の端部22によって、発電ユニットGUの入力部GU2が力F3で押し込まれる。発電ユニットGUの発電に必要な電装部品は、略矩形のケースによって収納されている。入力部GU2は、発電ユニットGUのケースの一辺の端部に軸支され、ケースの外側に配置されており、押圧されることで、発電ユニットGUのケースの内部に押し込まれる。発電ユニットGUはこの入力部GU2から入力される機械的エネルギーにより、電力を発生させる。」
「【0034】
発電ユニットGUは、バネ機構GSと発電機構GGとを有する。発電機構GGは、第2スライド部材20から入力される機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換することで電力を発生させている。バネ機構GSは、入力部GU2が第2スライド部材20によって発電ユニットGUの内部に押し込まれた際に、入力部GU2を元の位置に戻すためのものである。具体的には、使用者がボタンSB、MBを押すと入力部GU2が押し込まれ、その際、入力部GU2に設けられたバネ機構GSのバネが収縮する。その後、使用者がボタンSB、MBの押圧を止めると、バネが開放され入力部GU2が元の位置に戻り、入力部GU2を介して、第2スライド部材20が元の位置に戻り、それに伴い、ギア15が回転することで、第1スライド部材も元の位置に戻る。
【0035】
発電ユニットGUが発生させた電力は、コンデンサ30へと供給される。コンデンサ30は、供給された電力を充電する。」
「【0037】
メインボタン群MBとサブボタン群SBの各ボタンSB、MBには、それぞれに対応する検知スイッチMS1~MS4、SS1~SS4が接続されている。これらの検知スイッチは、対応する各ボタンSB、MBが使用者によって押されたことを検知するためのスイッチである。
【0038】
メインボタン群MBとサブボタン群SBのいずれかのボタンSB、MBが押された結果、コンデンサ30に充電された電力が基準の量以上となった場合、コンデンサ30からの電力供給を受けてマイコン42が起動し、検知スイッチから情報(いずれのボタンSB、MBが押されたのか)を取得する。そしてマイコン42は、取得したその情報に対応する高周波信号を高周波生成回路44で生成させ、その後、送信機46から便座装置WAに向けて送信させる。」
「【0051】
具体的には、図8に示すように、停止ボタンMB1は、その背面の中央部に、第1スライド部材10側に向けて延びる第一突起部である中央突起MB1aを有している。一方、第1スライド部材10には、中央突起MB1aに対向するよう延びる第二突起部である突起131を有しており、それぞれの対向する面には、傾斜面MB1b、傾斜面151が形成されている。また、停止ボタンMB1は、その背面の側部に、第1スライド部材10側に向けて延びる側部突起MB1cを有している。この側部突起MB1cの背面側の端部にも、傾斜面MB1dが形成されている。さらに、この傾斜面MB1dから距離L1だけ背面側に離間した位置に、検知スイッチMS1が配置されている。停止ボタンMB1は、第2ケース60に取り付けられるバネ100によって支持されている。
【0052】
使用者の手指Hによって停止ボタンMB1に力F1が加えられると、停止ボタンMB1は矢印A5の方向に押し込まれる。そして、停止ボタンMB1の傾斜面MB1bが第1スライド部材10の傾斜面151と当接するまで押し込まれると、その後第1スライド部材10は、傾斜面MB1dで受ける力によって矢印A1の方向にスライドを開始する。
【0053】
この停止ボタンMB1が矢印A5の方向にL1だけ押し込まれると、その側部突起MB1cの傾斜面MB1dによって検知スイッチMS1が押され、停止ボタンMB1を押されたことが検知可能となる。」
(※当審注:引用文献1の段落【0052】の「傾斜面MB1d」は、第1スライド部材10が矢印A1の方向にスライドを開始する力を受ける面であるから、「傾斜面MB1b」の誤記と認める。)
したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「第2ケース60と、上方に配列されるメインボタン群MBと、メインボタン群MBの下方に配列されるサブボタン群SBから構成され(【0024】)、
メインボタン群MBは、停止ボタンMB1と、吐水ボタンWBと、乾燥ボタンMB4からなり(【0025】)、
メインボタン群MBとサブボタン群SBの背面側には、第一リンク機構であるリモコン装置RCの幅方向に延びる第1スライド部材10、第二リンク機構である第2スライド部材20、第1スライド部材10の動きを第2スライド部材20に、第2スライド部材20の動きを第1スライド部材10にそれぞれ伝えるギア15が内蔵されており、
第1スライド部材10の下方であって、第2スライド部材の側方には、押圧されることで自己発電可能な発電装置である発電ユニットGUが内蔵されており、
発電ユニットGU、第1スライド部材10、第2スライド部材20は、第1ケース50と第2ケース60の内部に収納されており(【0027】)、
メインボタン群MBと、サブボタン群SBのいずれかのボタンSB、MBが押されることによって、第2スライド部材20が矢印A2の方向にスライドし、
第2スライド部材20の端部22によって、発電ユニットGUの入力部GU2が力F3で押し込まれ、
発電ユニットGUはこの入力部GU2から入力される機械的エネルギーにより、電力を発生させ(【0031】)、
使用者がボタンSB、MBを押すと入力部GU2が押し込まれ、その際、入力部GU2に設けられたバネ機構GSのバネが収縮し、
その後、使用者がボタンSB、MBの押圧を止めると、バネが開放され入力部GU2が元の位置に戻り、入力部GU2を介して、第2スライド部材20が元の位置に戻り、それに伴い、ギア15が回転することで、第1スライド部材も元の位置に戻り(【0034】)、
発電ユニットGUが発生させた電力は、コンデンサ30へと供給され、
コンデンサ30は、供給された電力を充電し(【0035】)、
メインボタン群MBとサブボタン群SBの各ボタンSB、MBには、それぞれに対応する検知スイッチMS1~MS4、SS1~SS4が接続されており(【0037】)、
メインボタン群MBとサブボタン群SBのいずれかのボタンSB、MBが押された結果、コンデンサ30に充電された電力が基準の量以上となった場合、コンデンサ30からの電力供給を受けてマイコン42が起動し、検知スイッチから情報(いずれのボタンSB、MBが押されたのか)を取得し、
マイコン42は、取得したその情報に対応する高周波信号を高周波生成回路44で生成させ、その後、送信機46から便座装置WAに向けて送信させ(【0038】)、
停止ボタンMB1は、その背面の中央部に、第1スライド部材10側に向けて延びる第一突起部である中央突起MB1aを有しており、
第1スライド部材10には、中央突起MB1aに対向するよう延びる第二突起部である突起131を有しており、それぞれの対向する面には、傾斜面MB1b、傾斜面151が形成されており、
停止ボタンMB1は、その背面の側部に、第1スライド部材10側に向けて延びる側部突起MB1cを有しており、
この側部突起MB1cの背面側の端部にも、傾斜面MB1dが形成されており、
この傾斜面MB1dから距離L1だけ背面側に離間した位置に、検知スイッチMS1が配置されており(【0051】)、
使用者の手指Hによって停止ボタンMB1に力F1が加えられると、停止ボタンMB1は矢印A5の方向に押し込まれ、
停止ボタンMB1の傾斜面MB1bが第1スライド部材10の傾斜面151と当接するまで押し込まれると、その後第1スライド部材10は、傾斜面MB1bで受ける力によって矢印A1の方向にスライドを開始し(【0052】)、
この停止ボタンMB1が矢印A5の方向にL1だけ押し込まれると、その側部突起MB1cの傾斜面MB1dによって検知スイッチMS1が押され、停止ボタンMB1を押されたことが検知可能となる(【0053】)
リモコン装置RCのパネルRCP。」
2.引用文献2について
また、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(実願昭49-45521号(実開昭50-134680号)のマイクロフィルム)には、図面とともに次の事項が記載されている。
「1はプッシュボタンで、突起2、3をもち、スイッチ本体4にあけられた孔5、6を突起2、3が貫通するように取り付けられている。7は孔8、9と傾斜部10を有し、スプリング11によって下方向に附勢された摺動可能なスライド板であり、通常はプッシュボタン1の突起2は本体4の孔5を貫通して、スライド板7の孔8内に位置し、プッシュスイッチ1の突起3は本体4の孔6を貫通して、スライド板7に当接した状態にある。スライド板7が上方に移動すれば、スライド板7内の孔9とスイッチ本体4の孔6とが一致し、そのときの孔9の位置にスイッチ部12のボタンがくるように設けられている。
上記構成において、プッシュボタン1を押せば、プッシュボタン1の突起2はスイッチ本体4の孔6を貫通し、スライド板7の傾斜部10と接触し、スライド板7を上方に押しあげる。上方に押しあげられたスライド板7の孔9はスイッチ本体4の孔6と一致し、プッシュボタン1の突起3が本体4の孔6とスライド板7の孔9を貫通してスイッチ部12を作動させる。」(第1頁第16行-第2頁第16行)
上記記載から、引用文献2には次の技術的事項が記載されているものと認められる。
「1はプッシュボタンで、突起2、3をもち、スイッチ本体4にあけられた孔5、6を突起2、3が貫通するように取り付けられており、
7は孔8、9と傾斜部10を有し、スプリング11によって下方向に附勢された摺動可能なスライド板であり、
プッシュボタン1を押せば、プッシュボタン1の突起2はスイッチ本体4の孔6を貫通し、スライド板7の傾斜部10と接触し、スライド板7を上方に押しあげ、
上方に押しあげられたスライド板7の孔9はスイッチ本体4の孔6と一致し、プッシュボタン1の突起3が本体4の孔6とスライド板7の孔9を貫通してスイッチ部12を作動させること。」
第4 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア「ケースと、」について
引用発明において、「発電ユニットGU、第1スライド部材10、第2スライド部材20は、第1ケース50と第2ケース60の内部に収納されて」いるから、ケースを備えるといえる。したがって、引用発明の「第1ケース50と第2ケース60」からなるケースは、本願発明1の「ケース」に相当する。
イ「該ケースへ移動可能に取り付けられる複数のボタンと、」について
引用発明の「メインボタン群MB」及び「サブボタン群SB」は、本願発明1の「複数のボタン」に相当する。
そして、当該「メインボタン群MB」及び「サブボタン群SB」のうち、特に「メインボタン群MB」の「停止ボタンMB1」の「使用者」による使用については、「使用者の手指Hによって停止ボタンMB1に力F1が加えられると、停止ボタンMB1は矢印A5の方向に押し込まれ」るとあることから、引用発明の前記「メインボタン群MB」及び「サブボタン群SB」は上記アで示した引用発明のケースへ押し込まれるように移動可能に取り付けられるといえる。したがって、引用発明の前記「メインボタン群MB」及び「サブボタン群SB」は、本願発明1の「該ケースへ移動可能に取り付けられる複数のボタン」に相当するといえる。
ウ「前記ボタンの操作の力を利用して電力を発生する発電素子と、」について
引用発明において、「メインボタン群MBと、サブボタン群SBのいずれかのボタンSB、MBが押されることによって、第2スライド部材20が矢印A2の方向にスライドし、第2スライド部材20の端部22によって、発電ユニットGUの入力部GU2が力F3で押し込まれ、発電ユニットGUはこの入力部GU2から入力される機械的エネルギーにより、電力を発生させ」ることから、「発電ユニットGU」は、前記イで示した引用発明の前記「メインボタン群MB」及び「サブボタン群SB」のいずれかのボタンが押される力を利用して電力を発生するものといえる。また、引用発明において、ボタンが「押される」ことは、本願発明1において、ボタンが「操作」されることに相当する。したがって、引用発明の「発電ユニットGU」は、本願発明1の「前記ボタンの操作の力を利用して電力を発生する発電素子」に相当するといえる。
エ「前記ボタンの操作を検出するボタン操作検出部と、」について
引用発明において、「停止ボタンMB1が矢印A5の方向にL1だけ押し込まれると、その側部突起MB1cの傾斜面MB1dによって検知スイッチMS1が押され、停止ボタンMB1を押されたことが検知可能となる」ことから、引用発明の「停止ボタンMB1を押されたことが検知可能」な「検知スイッチMS1」は、本願発明1の「前記ボタンの操作を検出するボタン操作検出部」に相当する。
オ「前記ボタン操作検出部の検出結果に基づき、外部へ所定の信号を発信する発信回路であって、発信の電力が前記発電素子から供給される発信回路と、」について
引用発明の「検知スイッチから情報(いずれのボタンSB、MBが押されたのか)」は、前記エを踏まえると、本願発明1の「前記ボタン操作検出部の検出結果」に相当する。また、引用発明の「便座装置WA」は、「高周波生成回路44で生成させ」た「高周波信号」を「送信機46から」「送信させ」る先の相手側であり、「高周波生成回路44」からみて外側にあるといえることから、当該「便座装置WA」は、本願発明1の「外部」に相当する。また、前記「高周波生成回路44で生成させ」た「高周波信号」は、前記「便座装置WA」に送信する信号であるから、本願発明1の「所定の信号」に相当する。
そして、引用発明において、「メインボタン群MBとサブボタン群SBのいずれかのボタンSB、MBが押された結果、コンデンサ30に充電された電力が基準の量以上となった場合、コンデンサ30からの電力供給を受けてマイコン42が起動し、検知スイッチから情報(いずれのボタンSB、MBが押されたのか)を取得し、マイコン42は、取得したその情報に対応する高周波信号を高周波生成回路44で生成させ、その後、送信機46から便座装置WAに向けて送信させ」ることから、引用発明の「高周波生成回路44」は、本願発明1の「前記ボタン操作検出部の検出結果に基づき、外部へ所定の信号を発信する発振回路」に相当する。
次に、引用発明において、「発電ユニットGUが発生させた電力は、コンデンサ30へと供給され、コンデンサ30は、供給された電力を充電し」、そして、「コンデンサ30からの電力供給を受けてマイコン42が起動し、」マイコン42が「高周波信号を高周波生成回路44で生成させ」ることから、高周波生成回路44の電力は、「発電ユニットGU」から供給されるといえる。したがって、引用発明の「高周波生成回路44」は、本願発明1の「発信の電力が前記発電素子から供給される発信回路」に相当する。
カ「前記各ボタンの操作に連動して前記発電素子に作用して発電をさせる発電素子操作部であって、」について
引用発明において、「第1スライド部材10の動きを第2スライド部材20に、第2スライド部材20の動きを第1スライド部材10にそれぞれ伝えるギア15が内蔵されており、」「メインボタン群MBと、サブボタン群SBのいずれかのボタンSB、MBが押されることによって、第2スライド部材20が矢印A2の方向にスライドし、第2スライド部材20の端部22によって、発電ユニットGUの入力部GU2が力F3で押し込まれ、発電ユニットGUはこの入力部GU2から入力される機械的エネルギーにより、電力を発生させ」ることから、前記イ及びウを踏まえると、引用発明の「第1スライド部材10、第2スライド部材20及びギア15」は、本願発明1の「前記各ボタンの操作に連動して前記発電素子に作用して発電をさせる発電素子操作部」に相当する。
キ「本体部と、」について
引用発明において、「第1スライド部材10の動きを第2スライド部材20に、第2スライド部材20の動きを第1スライド部材10にそれぞれ伝えるギア15が内蔵されており、」「メインボタン群MBと、サブボタン群SBのいずれかのボタンSB、MBが押されることによって、第2スライド部材20が矢印A2の方向にスライド」することから、「第1スライド部材10」及び「第2スライド部材20」はボタンが操作されたときにケース内を移動するといえる。
したがって、引用発明の「第1スライド部材10」及び「第2スライド部材20」は、本願発明1の「本体部」に相当する。
ク「該本体部と前記各ボタンとを繋ぐ第1連結部と、」について
引用発明において、「停止ボタンMB1の傾斜面MB1bが第1スライド部材10の傾斜面151と当接するまで押し込まれると、その後第1スライド部材10は、傾斜面MB1bで受ける力によって矢印A1の方向にスライドを開始」することから、引用発明の第1スライド部材10または第2スライド部材20において、メインボタン群MBと、サブボタン群SBのいずれかのボタンSB、MBと当接する「傾斜面」は、上記キ及びイを踏まえると、本願発明1の「上記本体部と前記各ボタンとを繋ぐ第1連結部」に相当する。
ケ「前記本体部と前記発電素子とを繋ぐ第2連結部とを備え、」について
引用発明において、「第2スライド部材20の端部22によって、発電ユニットGUの入力部GU2が力F3で押し込まれ」ることから、引用発明の「第2スライド部材20の端部22」は、上記キ及びウを踏まえると、本願発明1の「前記本体部と前記発電素子とを繋ぐ第2連結部」に相当する。
コ「少なくとも1つの前記ボタンが操作されたとき、前記第1連結部を介して前記本体部は前記ケース内を移動し、かつ前記各ボタンの操作が停止されたとき操作前の位置に戻るとともに、前記第2連結部は前記本体部の移動に伴い前記発電素子に作用して発電させる、」について
引用発明において、「メインボタン群MBと、サブボタン群SBのいずれかのボタンSB、MBが押されることによって、第2スライド部材20が矢印A2の方向にスライドし、第2スライド部材20の端部22によって、発電ユニットGUの入力部GU2が力F3で押し込まれ、発電ユニットGUはこの入力部GU2から入力される機械的エネルギーにより、電力を発生させ、」「使用者がボタンSB、MBの押圧を止めると、バネが開放され入力部GU2が元の位置に戻り、入力部GU2を介して、第2スライド部材20が元の位置に戻り、それに伴い、ギア15が回転することで、第1スライド部材も元の位置に戻」ることから、前記ア~ウ及びキ~ケを踏まえると、引用発明と本願発明1は「少なくとも1つの前記ボタンが操作されたとき、前記第1連結部を介して前記本体部は前記ケース内を移動し、かつ前記各ボタンの操作が停止されたとき操作前の位置に戻るとともに、前記第2連結部は前記本体部の移動に伴い前記発電素子に作用して発電させる」点で共通するといえる。
サ「前記本体部は前記ボタンに対向する部分に貫通孔を備え、」について
引用発明において、「第1スライド部材10には、中央突起MB1aに対向するよう延びる第二突起部である突起131を有して」いることから、前記イ及びキを踏まえると、引用発明と、本願発明1の「前記本体部は前記ボタンに対向する部分に貫通孔を備え」る構成とは、「前記本体部は前記ボタンに対向する部分を備え」る点で共通する。
シ「前記ボタン操作検出部は、前記本体部の前記貫通孔内に前記ボタンに対向して配置され、」について
引用発明において、「停止ボタンMB1は、その背面の側部に、第1スライド部材10側に向けて延びる側部突起MB1cを有しており、この側部突起MB1cの背面側の端部にも、傾斜面MB1dが形成されており、この傾斜面MB1dから距離L1だけ背面側に離間した位置に、検知スイッチMS1が配置されて」いることから、前記イ及びエを踏まえると、引用発明と、本願発明1の「前記ボタン操作検出部は、前記本体部の前記貫通孔内に前記ボタンに対向して配置され」る構成とは、「前記ボタン操作検出部は、前記本体部に前記ボタンに対向して配置され」る点で共通する。
ス「前記貫通孔の周面において移動方向下流側の周面が前記ボタンと結合される前記第1連結部となり、前記ボタンの操作により前記周面が前記移動方向下流側へ押圧されて前記本体部が移動し、該本体部の移動に伴い前記第2連結部が前記発電素子に作用して発電させる、」について
引用発明において、「使用者の手指Hによって停止ボタンMB1に力F1が加えられると、停止ボタンMB1は矢印A5の方向に押し込まれ、停止ボタンMB1の傾斜面MB1bが第1スライド部材10の傾斜面151と当接するまで押し込まれると、その後第1スライド部材10は、傾斜面MB1bで受ける力によって矢印A1の方向にスライドを開始」することから、前記イ及びクを踏まえると、引用発明と、本願発明1の「前記貫通孔の周面において移動方向下流側の周面が前記ボタンと結合される前記第1連結部となり、前記ボタンの操作により前記周面が前記移動方向下流側へ押圧されて前記本体部が移動」する構成とは、「移動方向下流側の面が前記ボタンと結合される前記第1連結部となり、前記ボタンの操作により前記面が前記移動方向下流側へ押圧されて前記本体部が移動」する点で共通する。
また、引用発明において、「メインボタン群MBと、サブボタン群SBのいずれかのボタンSB、MBが押されることによって、第2スライド部材20が矢印A2の方向にスライドし、第2スライド部材20の端部22によって、発電ユニットGUの入力部GU2が力F3で押し込まれ、発電ユニットGUはこの入力部GU2から入力される機械的エネルギーにより、電力を発生させ」ることから、前記キ及びケを踏まえると、引用発明と、本願発明1とは、「該本体部の移動に伴い前記第2連結部が前記発電素子に作用して発電させる」点で共通する。
セ「電池レスリモコン装置。」について
引用発明の「リモコン装置RCのパネルRCP」は、前記オに記載されるように、発電素子から電力が供給されるものであるから、後述する相違点を除き、本願発明1の「電池レスリモコン装置」に相当する。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「ケースと、
該ケースへ移動可能に取り付けられる複数のボタンと、
前記ボタンの操作の力を利用して電力を発生する発電素子と、
前記ボタンの操作を検出するボタン操作検出部と、
前記ボタン操作検出部の検出結果に基づき、外部へ所定の信号を発信する発信回路であって、発信の電力が前記発電素子から供給される発信回路と、
前記各ボタンの操作に連動して前記発電素子に作用して発電をさせる発電素子操作部であって、
本体部と、
該本体部と前記各ボタンとを繋ぐ第1連結部と、
前記本体部と前記発電素子とを繋ぐ第2連結部とを備え、
少なくとも1つの前記ボタンが操作されたとき、前記第1連結部を介して前記本体部は前記ケース内を移動し、かつ前記各ボタンの操作が停止されたとき操作前の位置に戻るとともに、前記第2連結部は前記本体部の移動に伴い前記発電素子に作用して発電させる、
電池レスリモコン装置において、
前記本体部は前記ボタンに対向する部分を備え、
前記ボタン操作検出部は、前記本体部に前記ボタンに対向して配置され、
移動方向下流側の面が前記ボタンと結合される前記第1連結部となり、前記ボタンの操作により前記面が前記移動方向下流側へ押圧されて前記本体部が移動し、該本体部の移動に伴い前記第2連結部が前記発電素子に作用して発電させる、電池レスリモコン装置。」
(相違点1)
本願発明1は、「前記本体部は前記ボタンに対向する部分に貫通孔を備え」るのに対し、引用発明は、前記本体部は前記ボタンに対向する部分に突起を備えており、貫通孔を備えない点。
(相違点2)
ボタン操作検出部は、本願発明1では、「前記本体部の前記貫通孔内に前記ボタンに対向して配置され」るのに対し、引用発明では、本願発明1のような「貫通孔」を備えないため、本体部の貫通孔内に配置されない点。
(相違点3)
本願発明1は、「前記貫通孔の周面において移動方向下流側の周面が前記ボタンと結合される前記第1連結部となり、前記ボタンの操作により前記周面が前記移動方向下流側へ押圧されて前記本体部が移動」するのに対し、引用発明は、本願発明1のような「貫通孔」を備えないため、第1連結部を構成する「貫通孔の周面」を備えない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑み、相違点2について検討する。
上記相違点2について検討すると、引用文献2には、「1はプッシュボタンで、突起2、3をもち、スイッチ本体4にあけられた孔5、6を突起2、3が貫通するように取り付けられており、
7は孔8、9と傾斜部10を有し、スプリング11によって下方向に附勢された摺動可能なスライド板であり、
プッシュボタン1を押せば、プッシュボタン1の突起2はスイッチ本体4の孔6を貫通し、スライド板7の傾斜部10と接触し、スライド板7を上方に押しあげ、
上方に押しあげられたスライド板7の孔9はスイッチ本体4の孔6と一致し、プッシュボタン1の突起3が本体4の孔6とスライド板7の孔9を貫通してスイッチ部12を作動させること。」が記載されている。
しかしながら、引用文献2において、「スイッチ部12」は、プッシュボタン1の突起2が接触することで、スライド板7を上方に押し上げる傾斜部10を有する孔8内に配置されておらず、「スイッチ部12」を孔8内に配置することについては記載も示唆もされていない。
したがって、相違点2に係る本願発明1の「前記ボタン操作検出部は、前記本体部の前記貫通孔内に前記ボタンに対向して配置され」る構成は、上記引用文献1-2には記載されておらず、本願出願日前において周知技術であるともいえない。
したがって、上記相違点1、3について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
2.本願発明2-9について
本願発明2-9も、上記相違点2に係る本願発明1の「前記ボタン操作検出部は、前記本体部の前記貫通孔内に前記ボタンに対向して配置され」る構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
3.本願発明10、11について
本願発明10と引用発明とを対比する。
(1)「電池レスリモコン装置において、」について
引用発明の「リモコン装置RCのパネルRCP」は、前記1.(1)オに記載されるように、発電素子から電力が供給されるものであるところから、本願発明10の「電池レスリモコン装置」に相当する。
(2)「ボタンの押下力を発電素子へ伝達する発電素子操作部に用いられるリンク部材であって、」について
引用発明の「メインボタン群MB」及び「サブボタン群SB」は、本願発明10の「ボタン」に相当する。
また、引用発明の「発電ユニットGU」は、本願発明10の「発電素子」に相当する。そして、引用発明において、「第1スライド部材10の動きを第2スライド部材20に、第2スライド部材20の動きを第1スライド部材10にそれぞれ伝えるギア15が内蔵されており、」「メインボタン群MBと、サブボタン群SBのいずれかのボタンSB、MBが押されることによって、第2スライド部材20が矢印A2の方向にスライドし、第2スライド部材20の端部22によって、発電ユニットGUの入力部GU2が力F3で押し込まれ、発電ユニットGUはこの入力部GU2から入力される機械的エネルギーにより、電力を発生させ」ることから、引用発明の「第1スライド部材10、第2スライド部材20及びギア15」は、本願発明10の「ボタンの押下力を発電素子へ伝達する発電素子操作部」に相当する。
さらに、引用発明において、「第1スライド部材10の動きを第2スライド部材20に、第2スライド部材20の動きを第1スライド部材10にそれぞれ伝えるギア15が内蔵されており、」「メインボタン群MBと、サブボタン群SBのいずれかのボタンSB、MBが押されることによって、第2スライド部材20が矢印A2の方向にスライド」することから、引用発明の「第1スライド部材10」及び「第2スライド部材20」は、ケース内を移動するリンク機構といえる。したがって、引用発明の「第1スライド部材10」及び「第2スライド部材20」は本願発明10の「リンク部材」に相当する。
(3)「ボタンの押圧を検出するスイッチを挿入可能な貫通孔を備え、」について
引用発明において、「停止ボタンMB1が矢印A5の方向にL1だけ押し込まれると、その側部突起MB1cの傾斜面MB1dによって検知スイッチMS1が押され、停止ボタンMB1を押されたことが検知可能となる」ことから、引用発明の「停止ボタンMB1を押されたことが検知可能」な「検知スイッチMS1」は、本願発明10の「ボタンの押圧を検出するスイッチ」に相当する。
したがって、引用発明と、本願発明10の「ボタンの押圧を検出するスイッチを挿入可能な貫通孔を備え」る構成とは、「ボタンの押圧を検出するスイッチを配置可能な部分を備え」る点で共通する。
(4)「該貫通孔の周面に前記ボタンに形成されたカム部と対向するカムフォロア部が形成されている、」について
引用発明において、「使用者の手指Hによって停止ボタンMB1に力F1が加えられると、停止ボタンMB1は矢印A5の方向に押し込まれ、停止ボタンMB1の傾斜面MB1bが第1スライド部材10の傾斜面151と当接するまで押し込まれると、その後第1スライド部材10は、傾斜面MB1bで受ける力によって矢印A1の方向にスライドを開始」することから、引用発明の「傾斜面MB1b」及び「傾斜面151」はそれぞれ本願発明10の「カム部」及び「カムフォロア部」に相当する。
したがって、引用発明と、本願発明10の「該貫通孔の周面に前記ボタンに形成されたカム部と対向するカムフォロア部が形成されている」構成とは、「面に前記ボタンに形成されたカム部と対向するカムフォロア部が形成されている」点で共通する。
以上のことから、本願発明10と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「電池レスリモコン装置において、ボタンの押下力を発電素子へ伝達する発電素子操作部に用いられるリンク部材であって、
ボタンの押圧を検出するスイッチを配置可能な部分を備え、
面に前記ボタンに形成されたカム部と対向するカムフォロア部が形成されている、リンク部材。」
(相違点4)
本願発明10は、「ボタンの押圧を検出するスイッチを挿入可能な貫通孔を備え」るのに対し、引用発明は、ボタンの押圧を検出するスイッチを配置可能であるものの、スイッチを挿入可能な貫通孔を備えていない点。
(相違点5)
本願発明10は、「該貫通孔の周面に前記ボタンに形成されたカム部と対向するカムフォロア部が形成されている」のに対し、引用発明は、本願発明10のような「貫通孔」を備えないため、カムフォロア部を形成する「貫通孔の周面」を備えない点。
上記相違点4について検討すると、引用文献2には、「1はプッシュボタンで、突起2、3をもち、スイッチ本体4にあけられた孔5、6を突起2、3が貫通するように取り付けられており、
7は孔8、9と傾斜部10を有し、スプリング11によって下方向に附勢された摺動可能なスライド板であり、
プッシュボタン1を押せば、プッシュボタン1の突起2はスイッチ本体4の孔6を貫通し、スライド板7の傾斜部10と接触し、スライド板7を上方に押しあげ、
上方に押しあげられたスライド板7の孔9はスイッチ本体4の孔6と一致し、プッシュボタン1の突起3が本体4の孔6とスライド板7の孔9を貫通してスイッチ部12を作動させること。」が記載されている。
しかしながら、引用文献2において、「スイッチ部12」は、プッシュボタン1の突起2が接触することで、スライド板7を上方に押し上げる傾斜部10を有する孔8内に配置されておらず、「スイッチ部12」を孔8内に配置することについては記載も示唆もされていない。
したがって、相違点4に係る本願発明10の「ボタンの押圧を検出するスイッチを挿入可能な貫通孔を備え」という構成は、上記引用文献1-2には記載されておらず、本願出願日前において周知技術であるともいえない。
したがって、上記相違点5について判断するまでもなく、本願発明10は、当業者であっても引用発明、引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
また、本願発明11も、上記相違点4に係る本願発明10の「ボタンの押圧を検出するスイッチを挿入可能な貫通孔を備え」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明10と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第5 原査定の概要及び原査定についての判断
原査定は、請求項1-11について上記引用文献1、2に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。しかしながら、令和4年6月21日付け手続補正により補正された請求項1-9は、上記相違点2に係る事項を含むものとなり、また、請求項10及び11は、上記相違点4に係る事項を含むものとなっていることから、上記のとおり、本願発明1-11は、上記引用文献1に記載された発明及び上記引用文献2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。
第6 当審拒絶理由について
1.特許法第36条第6項第2号について
当審では、請求項1の「前記貫通孔の周面において移動方向下流側の周面が移動方向に対して直交しており、」という記載の意味が不明確であるとの拒絶の理由を通知しているが、令和4年年6月21日付けの補正において、「移動方向に対して直交しており、該周面が」を削除した結果、この拒絶の理由は解消した。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明1-11は、当業者が引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-014835