商標拒絶査定不服審判
2021-014218
エスエヌエスクリエイター、エスエヌエスクリエーター、エスエヌエス、クリエーター
- 審判番号
- 2021-014218
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-161479
- 請求日
- 2021年10月20日
- 審決日
- 2022年10月26日
- 公報発行日
- 2023年01月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】一般社団法人日本SNSクリエイター協会
- 【請求人代理人】潮崎 宗
- 審判長/審判官
- 審判長 岩崎 安子
- 審判官 大森 友子
- 審判官 清川 恵子
- 分類
- T18 .13 -Z (W41) / T18 .272-Z (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-161479拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年12月28日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 3月23日付け:拒絶理由通知書
令和3年 5月10日付け:意見書
令和3年 8月26日付け:拒絶査定
令和3年10月20日付け:審判請求書
令和4年 6月14日付け:審尋
令和4年 8月 1日付け:意見書
第2 本願商標
本願商標は、「SNSクリエイター」の文字を標準文字で表してなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,書籍の制作,インターネットを利用して行う映像の提供,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」を指定役務として、登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「SNSクリエイター」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字よりは「SNSを主に活動の場としているクリエイター」ほどの意味合いを容易に理解、認識させる。そうすると、本願商標をその指定役務に使用した場合には、「SNSを主に活動の場としているクリエイターに関する役務」であることを認識するにとどまり、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものにすぎない。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当し、上記意味合いに照応する役務以外の指定役務に使用するときは、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審においてした審尋(令和4年6月14日付け)
当審において、本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について職権に基づく証拠調べを実施し、請求人に対し、審尋で、別掲のとおり、その結果を通知するとともに、当審の暫定的見解について通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第5 審尋に対する請求人の意見の要点
請求人は、上記第4の審尋に対して、意見書において、要旨、以下のように主張し、甲第19号証ないし甲第21号証を提出した。
1「SNSクリエイター」という言葉が、具体的な意味を有するものとして認識されるとは考えられないし、ある種の職業の名前や肩書きとして用いられていることは理解できるが、具体的な意味内容が明確に特定されて使用されているものではない。
2 判決例(東京高裁 平成12年(行ケ)第164号)でも示されているとおり、インターネットにおける例がいくつか存在したとしても、それが取引者、需要者においてその役務の質等を認識・理解させるということにはならない(甲19)。
また、検索エンジン「Google」で検索した場合の1ページ目には、請求人の及び関係者のウェブサイトの記事が列挙されている。
3 本願商標は、本願の出願時の出願人の代表者が、新たなサービスを提供する新規の職種・肩書きを表すものとして、自ら創出した造語である。
4 以上より、本願商標を指定役務に使用しても、十分に自他役務の識別標識として機能するから、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号には該当しない。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、上記第2のとおり、「SNSクリエイター」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「SNS」の文字は、「[Social Networking Service]インターネット上で、会員同士が文章や写真などの投稿を通して交流できるサービスの総称。」(「現代用語の基礎知識 2022」自由国民社)を表す文字として、また、「クリエイター」(クリエーター)の文字は、「creator」(「ベーシックジーニアス英和大辞典」株式会社大修館書店)の表音を片仮名表記したものと容易に理解されるとともに、創造者、創案者の意味を有するものとして、それぞれ一般に親しまれているものである。
そして、SNSには、文章・写真・動画・音楽投稿、メッセージを送るなどの様々なネットワークサービスがあるところ、そのサービスの場において、自分の表現や作品等を創作してコンテンツとして投稿している個人を、「クリエーター(クリエイター)」と称している実情がある(別掲1)。
また、SNSにコンテンツを投稿し、収入を得て仕事としている者が「SNSクリエーター」と称されており、「SNSクリエーター」の文字が職種名としても使用されていること、その「SNSクリエーター」を肩書きとする者をマネジメントしたり、企業に紹介するようなサービスがあること等の記事も確認できる(別掲2)。
そうすると、「SNSクリエイター」の文字からなる本願商標からは、「SNSにおけるコンテンツの創作者(クリエイター、クリエーター)」ほどの意味合いを理解させるものであり、上記のとおり職種を表すものとして使用されていることからすれば、本願商標をその指定役務中、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,書籍の制作,インターネットを利用して行う映像の提供,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」に使用したときには、「SNSにおけるコンテンツの創作者(クリエイター、クリエーター)になるための役務」又は「SNSにおけるコンテンツの創作者(クリエイター、クリエーター)による役務」であることを取引者、需要者に、認識させるにとどまるものというのが相当である。
してみれば、本願商標は、これを前記役務に使用するときは、単に役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、自他役務の識別標識としての機能を果たさないものであり、また、本願商標を前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質について誤認を生ずるおそれがある。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、「SNSクリエイター」という言葉が、具体的な意味を有するものとして認識されないし、使用例も具体的な意味内容が明確に特定されて使用されているものではない旨主張する。
しかしながら、「SNSクリエーター」の文字は、前記1のとおり、いずれも一般に親しまれた語で構成されていることから、その意味合いは容易に理解されるものである上、本願指定役務の分野における使用事実においても、「SNSにおけるコンテンツの創作者」ほどの意味合いで使用されていることを容易に理解させるものである。
(2)請求人は、判決例(東京高裁 平成12年(行ケ)第164号)でも示されているとおり、インターネットにおける例がいくつか存在したとしても、それが取引者、需要者においてその役務の質等を認識・理解させるということにはならない旨主張する。
しかしながら、当合議体が審尋において示した証拠は、本願指定役務の分野における一般の取引者、需要者が容易に閲覧可能な新聞記事及びインターネットのウェブサイトの記事であって、当該記事に、本願商標が「SNSにおけるコンテンツの創作者」の意味合いで使用されているのであるから、本願商標に対する取引者、需要者の認識を示す根拠となり得るものというべきである。
(3)また、請求人は、本願商標の使用の実情として「SNSにおけるコンテンツの創作者」は、一般的に「コンテンツクリエイター」といった言葉が広く用いられている旨主張し、甲第20号証を提出している。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本願商標がその指定役務に使用された場合、取引者、需要者によって役務の特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解されるから、「コンテンツクリエイター」があるからといって、「SNSクリエイター」を、「SNSにおけるコンテンツの創作者」と理解しない理由にはならず、本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性を否定するものとはならない。
(4)したがって、請求人の主張はいずれも採用することはできない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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