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商標拒絶査定不服審判

2021-014129

ダシノキイタマロヤカナオス、ダシノキータマロヤカナオス、ダシノキータ、キータ、マロヤカナオス

審判番号
2021-014129
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2019-167737
請求日
2021年10月18日
審決日
2023年05月11日
公報発行日
2023年08月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社創味食品
  • 【請求人代理人】山尾 憲人
  • 【請求人代理人】川本 真由美
  • 【請求人代理人】市川 久美子
審判長/審判官
  • 審判長 大森 友子
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 飯田 亜紀
分類
T18 .13 -Z (W30) / T18 .17 -Z (W30)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法3条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第2項、商標法第3条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2019-167737拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和元年12月26日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年 2月 5日付け:拒絶理由通知書 令和3年 7月15日付け:拒絶査定 令和3年10月18日 :審判請求書の提出 令和3年12月 1日 :手続補正書の提出 令和4年 9月29日付け:審尋 令和4年11月11日 :回答書の提出 第2 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願され、その後、指定商品については、当審における上記第1の手続補正書により、第30類「調味酢」と補正されたものである。 第3 原査定の拒絶の理由の要点 原審において、「本願商標は、ややデザイン化された「だしのきいた」及び「まろやかなお酢」の文字を縦二行に書してなるところ、当該構成態様は、本願商標に係る指定商品を取り扱う業界において、ことさら特殊なものではなく、一般的に使用される構成態様の範囲を出ないとみるのが相当である。そして、本願商標を構成する「だし」の文字は「「出し汁」の略。」の意味を、「まろやか」の文字は、「味などが、おだやかなさま。」の意味を有し、本願商標の構成全体から「だしがきいたまろやかな味の酢」程の意味合いを容易に理解させる。加えて、本願商標に係る指定商品を含む調味料を取り扱う業界において、だしがきいた商品やまろやかな味わいの商品が取引されている実情がある。そうとすれば、「だしのきいた」及び「まろやかなお酢」の文字を普通に用いられる方法で書してなる本願商標を、その指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「だしがきいたまろやかな味の酢」であること、すなわち、商品の品質を表示したものとして認識するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないとみるのが相当である。したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標を「だしがきいたまろやかな味の酢」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。 第4 当審における審尋 当審において、上記第1のとおり、審判長は、請求人に対し、令和4年9月29日付けで、別掲3ないし別掲5に示すとおりの用例を提示した上で、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、同条第2項に規定する要件を具備しないとする旨の見解を示した審尋を通知し、期間を指定して、これに対する回答を求めた。 第5 審尋に対する請求人の回答(要旨) 商標法第3条第2項について 1 請求人は、本願商標を付した商品(以下「請求人商品」という。)について、2019年の発売開始以来、「だしのきいたまろやかなお酢、略して、だしまろ酢。」というキャッチフレーズを用いて、本願商標と「だしまろ酢」という略称を前面に押し出した宣伝広告・販促活動を行っており、2020年以降もイベントの継続開催や影響力のあるインフルエンサーを集めた試食会の開催などの需要者への認知拡大や定着を図る活動の継続により、本願商標は、略称「だしまろ酢」とともに請求人商品の商標として、需要者の間に広く浸透している(甲106、甲107、甲116の1、11、甲117~甲126)。 2 請求人商品が、本願の指定商品「調味酢」の分野で、継続して高いシェアを維持している(甲63の4、甲72、甲109~甲113)。 3 請求人は、請求人商品のパッケージに、本願商標と「創味」の標章を全く異なる書体及び態様で構成し、本願商標が「創味」の文字と離れて需要者の目につき易いように、「創味」の文字よりも大きく表示し、パッケージに付された本願商標は、構成上、明らかに「創味」の文字よりも需要者に強い印象を与える。そして、雑誌広告等でパッケージを表示するにあたっては、「創味」の文字は小さくて判別できない場合でも、本願商標は明瞭に認識できるよう大きく表示し、見出しや説明でも、「だしのきいたまろやかなお酢」の文字を単独で表示している(甲18の1、甲18の8、甲19の1、甲19の2、甲19の5、甲19の7、甲19の8、甲20の1、甲20の2、甲21の1、甲22の2、甲24の5、甲33~甲35、甲37の3)ことから、請求人商品に接する取引者、需要者が、パッケージに表示された本願商標に着目して商品の出所を識別しているというべきであり、本願商標が、「創味」の文字部分と離れて認識され、独立して自他商品識別力を有するに至っている。 第6 当審の判断 1 商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、別掲1のとおり、毛筆風の書体で表された「だしのきいた」及び「まろやかなお酢」の文字を二列に書し、その構成中の「だし」、「まろ」及び「酢」の各文字を、他の文字に比べやや大きく表してなるところ、「だし」の文字は「「出し汁」の略」の意味を、「まろやか」の文字は「味などが、おだやかなさま。」の意味を有する語(いずれも「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)として、いずれも一般に親しまれた語である。 そして、別掲3及び別掲4のとおり、本願の指定商品に関する調味料の分野では、「だしのきいた商品」や「味がまろやかであることをうたう商品」が販売されている実情があることが認められる。 そうすると、本願商標は、その指定商品である、第30類「調味酢」に使用するときは、これに接する取引者、需要者に「だしのきいたまろやかな味の調味酢」という商品の品質を認識、理解させるにとどまるというのが相当である。また、本願商標の構成態様について、別掲5のとおり、本願の指定商品に関する調味料の分野では、商品名を毛筆風の書体で表記したり、大きさの異なる文字を用いたりすることが普通に行われていることからすると、本願商標は、殊更に、特殊な態様からなるものと認めるべき特段の事情は見当たらない。 したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示してなる標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。 2 商標法第3条第2項に規定する要件を具備するか否かについて (1)商標法第3条第2項について 商標登録出願された商標が、商標法第3条第2項の要件を具備し、登録が認められるか否かは、使用に係る商標及び商品、使用開始時期及び使用期間、使用地域、当該商品の販売数量等並びに広告宣伝の方法及び回数等を総合考慮して、出願商標が使用された結果、判断時である審決時において、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものと認められるか否かによって決すべきものであり、商標法第3条第2項の要件を具備するためには、使用商標は、出願に係る商標と同一であることを要するものというべきである(知財高裁平成22年6月29日第1部判決・同21年(行ケ)第10388号参照)。 そして、請求人は、本願商標について、仮に、商標法第3条第1項第3号に該当するとしても、それが請求人商品に使用された結果、需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識することができるに至った商標であるから、同条第2項の規定により、商標登録を受けることができるものである旨主張し、その証拠方法として、甲第1号証ないし甲第126号証を提出しているため(枝番号及び別紙を含む。以下、枝番号及び別紙のすべてを引用するときは、枝番号及び別紙の番号を省略して記載する。)、本願商標が同条第2項の要件を具備するかについて、前記判決に照らし、以下、検討する。 (2)商標の使用について ア 本願商標と使用商標との同一性について (ア)本願商標は、別掲1のとおり、毛筆風の書体で表された「だしのきいた」及び「まろやかなお酢」の文字を二列に書し、その構成中の「だし」、「まろ」及び「酢」の各文字を、他の文字に比べやや大きく表してなるものである。 (イ)これに対し、請求人が商標法第3条第2項の要件を具備するものとして登録出願に係る商標と同一性を有すると主張する標章(以下「使用商標」という。)は、別掲2のとおり、毛筆風の書体で表された「だしのきいた」及び「まろやかなお酢」の文字を二列に書し、その構成中の「だし」、「まろ」及び「酢」の各文字を、他の文字に比べやや大きく表してなるものであり、請求人が使用商標を付して販売する商品(以下「本件商品」という。)の包装容器に付されているものである(甲8)。 (ウ)そして、本願商標と使用商標とは、文字の構成及び形状を同じくするものであって、同一視することができるから、同一性があると認められる。 イ 商品の同一性について 本件商品は、国産リンゴ酢をベースに焼津産花かつおと利尻昆布の一番だし、柚子果汁等を使用した調味酢であり(甲10)、本願の指定商品「調味酢」と同一のものといえる。 (3)商標の使用状況に関する事実について ア 使用開始時期、使用期間及び使用地域 請求人は、2019年1月に本件商品の製造、販売を開始、同年3月に全国発売を開始し、約3年3月程、使用商標を使用している(甲10、甲72の2)。 本件商品は、2019年12月には、全国3,551店舗のスーパーマーケットの店頭で販売されている(甲12、甲12の別紙3)。 イ 商品の販売数、販売金額及び市場占有率等 本件商品の販売数については、発売開始から10ヶ月である2019年10月には300万本超を出荷し(甲69)、2020年1月には500万本を出荷している(甲70の8)ことがうかがえるが、2020年以降の詳細は不明である。 また、販売金額については、2019年8月には約2,900万、同年10月には約5,400万、同年12月には約8,500万(甲72の2)であることがうかがえるが、2020年以降の詳細は不明である。 さらに、本件商品の市場占有率については以下のとおりである。 (ア)カタリナマーケティングPOSデータによれば、「調味酢カテゴリー」において、2019年4月には「販売金額シェア13%、販売数量シェア12.8%」、同年12月には「販売金額シェア24.4%、販売数量シェア24.5%」であることがうかがえ(甲72の2、甲72の3)、「合わせ酢カテゴリー(調味酢、ぽん酢、すし酢)」において、2019年4月には「売上ランキング5位」、同年12月には「売上ランキング4位」であることがうかがえる(甲72の5)。 (イ)日経POSデータの2019年1月ないし2022年6月までの各年毎の「合わせ酢・土佐酢」分類における分析データ(「合わせ酢」には、「ぽん酢(ぽん酢しょうゆを含む)」と「すし酢」は含まれない)によれば、販売金額シェアについて、500mmlサイズの2019年は11.3%(3位)、2020年は12%(3位)、2021年は8.5%(3位)、2022年1月ないし6月は8%(4位)であることがうかがえ、2020年に販売が開始された1Lサイズの2020年は9位、2021年は9位、2022年1月ないし6月は14位であることがうかがえる(甲110、甲111)。 (ウ)雑誌「ダイヤモンドチェーンストア」で各年度の半期毎に特集されている、注目商品カテゴリーランキング「パワーカテゴリー」の2020年から2022年までの記事(同記事のランキングは、株式会社KSP‐SPのデータ提要サービス「KSPワイド 食品スーパー」のPOSデータに基づいて分析されたもの(甲112、甲113))によれば、「ぽん酢」、「すし酢」を含む「合わせ酢(和風)」カテゴリーにおける、500mlサイズの売上シェアは、2019年4月から9月は2.3%(11位)、同年10月から2020年3月は3%(7位)、同年4月から同年9月は7.5%(3位)、同年10月から2021年3月は6%(4位)、同年4月から同年9月は4.9%(5位)、同年10月から2022年3月は4.6%(6位)であることがうかがえる(甲63の4、甲112)。 ウ 広告宣伝等の方法、期間、地域及び規模 (ア)テレビCM 請求人は、タレントの明石家さんま氏を起用した本件商品に関するテレビCMを制作し、日本全国を対象に、2019年3月15日から同年6月14日の約3か月間に5000GRP(延べ視聴率のこと。以下同じ。)(以下「2019年前期CM」という。)、同年9月15日から同年12月7日の約3か月間に5000GRP(以下「2019年後期CM」という。)、2020年4月1日から同年6月30日の約3か月間に3000GRP(以下「2020年前期CM」という。)及び同年9月16日から同年12月15日の約3か月間に3000GRP(以下「2020年後期CM」という)のテレビCMを放映したことがうかがえ、その内容は以下のとおりである。 a 2019年前期CM 「だしのきいたまろやかなお酢」等がナレーションされるとともに、本件商品の包装容器に付された使用商標が表示されたテレビタイムCM及びテレビスポットCMが、日本全国に放映された(甲11の1、甲13の1、甲14の1、甲15の1)。 b 2019年後期CM 本件商品の包装容器に付された使用商標が表示されたテレビタイムCM及びテレビスポットCMが、日本全国に放映された(甲11の2、甲13の1、甲14の1、甲15の1)。 c 2020年前期CM 「だしのきいたまろやかなお酢」がナレーションされるとともに、本件商品の包装容器に付された使用商標が表示されたテレビタイムCM及びテレビスポットCMが、日本全国に放映された(甲11の3、甲13の2、甲14の2、甲15の2)。 d 2020年前期CM 本件商品の包装容器に付された使用商標が表示されたテレビタイムCM及びテレビスポットCMが、日本全国に放映された(甲11の4、甲13の2、甲14の2、甲15の2)。 e 前記d以降は、請求人が、本件商品についてのテレビCMを放映している事実は確認できない。 (イ)インフォマーシャル 請求人は、2019年7月8日から同月12日及び同年12月16日から同月20日に、日本テレビの全国ネットのテレビ番組「ヒルナンデス!」において、本件商品を用いた料理レシピを紹介するインフォマーシャル(依頼された特定の商品の内容を出演者が紹介する番組)を行い、「だしのきいたまろやかなお酢」がナレーションされるとともに、本件商品の包装容器に付された使用商標が表示されていることがうかがえる(甲17)。 (ウ)雑誌広告・新聞広告 a 純広告 2019年4月から2020年8月にかけて雑誌等に掲載された、本件商品の広告には、(a)本件商品の包装容器に付された使用商標及び「だしのきいたまろやかなお酢」の文字を一般的な書体(フォント)で表したもの等が表示されている(甲18の8、甲24の5、甲25の3、甲25の6、甲29、甲37の1)、(b)本件商品の包装容器に付された使用商標及び赤地長方形内に「創味」の文字を白抜きで表したものの右横に「だしのきいたまろやかなお酢」の文字を一般的な書体(フォント)で表したもの等が表示されている(甲18の2~甲18の7、甲19の2~甲19の4、甲19の6,甲20の1、甲20の2、甲20の4、甲20の5、甲20の7、甲21の2~甲21の5、甲22、甲23、甲24の1~甲24の4、甲25の1,甲25の2、甲25の4、甲25の5、甲26、甲27、甲28、甲30)、(c)本件商品の包装容器に付された使用商標等が表示されている(甲20の8、甲21の6、甲21の7)。 当該広告が掲載された主な雑誌は、「きょうの料理」(NHK出版 発行部数約32万7000部)、「おかずのクッキング」(テレビ朝日 発行部数約7万4000部)、「サンキュ!」(ベネッセコーポレーション 発行部数約20万9000部)、「レタスクラブ」(KADOKAWA 発行部数約16万7000部)、「クックパッドプラス」(セブン&アイ出版)、「CHANTO」(主婦と生活社 発行部数約15万部)、「きょうの料理ビギナーズ」(NHK出版 発行部数約12万3000部)、「あまから手帖」(クリエテ関西 発行部数約10万部)、「からだにいいこと」(発行部数約6万部)、「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」(学研プラス 発行部数約5万3000部)、「技あり!dancyu 酢」(プレジデント社 発行部数約10万部)、「るるぶ 京都を歩こう’20」(JTBパブリッシング 初回流通予定部数6万1000部)などである(甲97~甲103)。 b タイアップ広告 2019年4月から2020年8月にかけて、本件商品を使用したメニューを取り上げる広告には、本件商品の包装容器に付された使用商標及び「だしのきいたまろやかなお酢」の文字を一般的な書体(フォント)で表したもの等が表示されている(甲18の1、甲19の1、甲19の2、甲19の5、甲19の7、甲19の8、甲20の1、甲20の2、甲21の1、甲22の2、甲31~甲35、甲37の2、甲37の3)。 当該広告が掲載された主な雑誌は、「きょうの料理」(NHK出版 発行部数約32万7000部)、「オレンジページ」(オレンジページ 発行部数約19万3000部)、「ESSE」(扶桑社 発行部数約19万8000部)、「レタスクラブ」(KADOKAWA 発行部数約16万6000部)、「おかずのクッキング」(テレビ朝日 発行部数約7万4000部)、「Mart」(光文社 発行部数約6万2000部)、「クロワッサン」(マガジンハウス 発行部数約8万1000部)、「サンキュ!」(ベネッセコーポレーション 発行部数約20万1000部)、「クックパッドプラス」(セブン&アイ出版)である(甲97、甲98)。 その他、女性を読者層とする無料の生活情報誌(朝日新聞に折り込まれる「ABCマガジン」(ABCクッキングスタジオ)(甲35)や、日本経済新聞に折り込まれる「レディ東京」(シティ・コミュニケーションズ 発行部数約34万4000部)にも当該広告が掲載されている(甲37、甲105)。 c プレゼントキャンペーン広告 雑誌や新聞に掲載された、本件商品のプレゼントキャンペーン広告には、本件商品の包装容器に付された使用商標及び「だしのきいたまろやかなお酢」の文字を一般的な書体(フォント)で表したもの等が表示されている(甲20の3、甲20の6、甲27の1、甲27の4、甲36、甲38~甲43)。 d キャンペーン等 (a)「だしまろ酢大喜利コンテスト」(2019年4月8日~同年4月21日)と称する、請求人の公式Twitterアカウントをフォローし、お題に対する答えと所定のハッシュタグをつけて投稿するキャンペーンが開催され、実施期間内に約1万7000件の応募があったことがうかがえる。同キャンペーンのサイトには、本件商品の包装容器に付された使用商標、毛筆風の書体で表された「だしのきいた」及び「まろやかなお酢」の文字を二段に書し、その構成中の「だし」、「まろ」及び「酢」の各文字を、他の文字に比べやや大きく表してなるもの等が表示されている(甲45、甲46)。 (b)「Instagram投稿キャンペーン」(2019年4月15日~同年6月14日)と称するキャンペーンが開催され、2か月間で406件の投稿があり、その投稿を見た人数は263,596件とされたことがうかがえる。同キャンペーンのサイトには、本件商品の包装容器に付された使用商標及び「だしのきいたまろやかなお酢」の文字を一般的な書体(フォント)で表したもの等が表示されている(甲47、甲48)。 (c)「これ1本で味が決まる!だしのきいたまろやかなお酢でコク旨料理」(募集期間2019年4月15日~同年4月23日、投稿期間同年4月23日~同年5月30日)というキャンペーンが開催され、本件商品を使用したレシピが投稿されたことがうかがえる。同キャンペーンのサイトには、本件商品の包装容器に付された使用商標及び「創味 だしのきいたまろやかなお酢」の文字を一般的な書体(フォント)で表したもの等が表示されている(甲49)。 (d)「だしまろ酢 3歳からクッキング キッズフォトコンテスト」(2019年11月1日~2020年1月9日)と称するキャンペーンが開催されたところ、当該キャンペーンは、料理している子供の写真に「#だしまろ酢 #3歳からクッキング」のハッシュタグをつけて投稿する企画で、Twitterにはキャンぺーン関連のツイートが合計23,119回、Instagramには1,675回表示され、累計1,200件を超える投稿があったことがうかがえる。当該キャンペーンのサイトには、本件商品の包装容器に付された使用商標及び「だしのきいたまろやかなお酢」の文字を一般的な書体(フォント)で表したもの等が表示されている(甲50、甲51)。 なお、当該キャンペーンは、2021年、2022年にも開催されているが、投稿数等は不明である。そして、同キャンペーンのサイトには、本件商品の包装容器に付された使用商標が表示されている(甲106)。 (e)スーパーマーケットとコラボレーションしてレシピの提案を行う販促イベントが開催され、開催したことを報道する記事には、「だしのきいたまろやかなお酢(だしまろ酢)」の文字が記載されている(甲116の1)。 (f)本件商品は、2019年12月には、全国3,551店舗の小売店で扱われているとされるが、その販売にあたって、店頭で使用したと思われる販促物には、本件商品の包装容器に付された使用商標、赤地長方形内に「創味」の文字を白抜きで表したものの右横に「だしのきいたまろやかなお酢」の文字を一般的な書体(フォント)で表したもの、「だしのきいたまろやかなお酢」の文字を一般的な書体(フォント)で表したもの、毛筆風の書体で表された「だしのきいた」及び「まろやかなお酢」の文字を二段に書し、その構成中の「だし」、「まろ」及び「酢」の各文字を、他の文字に比べやや大きく表してなるもの等が使用されている(甲52)。 エ 広告・宣伝の効果 請求人は、本件商品を市場に投入するにあたり、前記ウのとおりの広告宣伝・販売促進活動を行い、その費用は、2019年の1年間で約15億円であり、これは、請求人の2019年度売上高(299億円)の約5%に相当することがうかがえる(甲12)。 その結果、本件商品は、発売直後から前記(3)イのとおりの売上を記録し、以下のメディアで取り上げられたとされる(甲63~甲92)。 (ア)テレビ番組 2019年4月25日放送の「ビーバップ!ハイヒール!」(朝日放送)、同年5月21日放送の「ゴゴスマ~GO!GO!Smile!」(中部日本放送)、同月25日放送の「王様のデザート」(TBSテレビ)、同年8月30日放送の「よーいドン!」(関西テレビ)、同年9月4日放送の「5時に夢中!」(東京MXテレビ)、同年11月6日放送の「本日はダイアンなり!」(朝日放送)、同月30日放送の「せやねん!」(毎日放送)及び同放送の問い合わせウェブページ、同年12月18日放送の「こだわりナビ」(テレビ朝日)、同月21日放送の「デルサタ」(名古屋テレビ)、同月24日放送の「スーパーJチャンネル」(テレビ朝日)において、本件商品を使用したレシピが紹介され、本件商品の包装容器に付された使用商標及び「だしのきいたまろやかなお酢」の文字を一般的な書体(フォント)で表したもののいくつかが表示されている(甲73~甲83)。 (イ)雑誌、新聞 本件商品について、「ダイヤモンドチェーンストア」などに、商品の評判・売上等を報じる記事(甲63~甲71)や、「おかずのクッキング」等の本件商品を使用したレシピを紹介する記事(甲84~甲92)などで取り上げられ、本件商品の包装容器に付された使用商標、「創味 だしのきいたまろやかなお酢」及び「だしのきいたまろやかなお酢」の文字を一般的な書体(フォント)で表したもの等が表示されている。 (ウ)Webサイト 需要者により、本件商品を使用したレシピが、本件商品の写真とともに料理投稿サイト等に投稿されており、本件商品の包装容器に付された使用商標及び「だしのきいたまろやかなお酢」の文字を一般的な書体(フォント)で表したものが表示されている(甲93~甲96)。 また、本件商品を使用したレシピを紹介するサイトにおいて、本件商品の包装容器に付された使用商標及び「だしのきいたまろやかなお酢」の文字を一般的な書体(フォント)で表したもの等が表示されている(甲119~甲126)。 (4)判断 以上によれば、請求人は、本件商品の包装容器に付された使用商標を、2019年1月から現在に至るまで、継続して本願の指定商品に使用していることが認められる。 そして、本件商品の発売後に行われたタレントの明石家さんま氏を起用した本件商品のテレビCMが、日本全国を対象に広く放映され及び積極的な雑誌への広告等が行われたことにより、本件商品が需要者に一定程度の認識をされていたものと推認でき、また、2020年以降における本件商品の具体的な販売数量や売上高は不明なものの、前記(3)イ(ア)ないし(ウ)の市場シェアによれば、使用商標が付された本件商品は、一定程度の市場シェアを有しているものと推認される。 しかしながら、2020年以降における、テレビCMや雑誌広告などの販売促進活動が継続して行われている事実は確認できないうえ、使用商標の使用について、使用開始から約3年3月とさほど長いものともいえない。 また、本願商標と同一性が認められる商標は、本件商品の包装容器に付された使用商標のほか、店頭で使用したと思われる販促物やキャンペーンサイト等に表示された、毛筆風の書体で表された「だしのきいた」及び「まろやかなお酢」の文字を二段に書し、その構成中の「だし」、「まろ」及び「酢」の各文字を、他の文字に比べやや大きく表してなるものがあるが、前者について、その使用態様は、使用商標の上部に近接して請求人の略称及び出所識別標識である「創味」の文字が表記されているものであるから、出所識別機能を有しない使用商標に他の出所識別機能を有する商標を組み合わせて出所識別標識のある商標として使用しているものと認められる。そして、請求人がこのような使用をしていることは、広告や雑誌記事における、赤地長方形内に「創味」の文字を白抜きで表したものの右横に「だしのきいたまろやかなお酢」の文字を一般的な書体(フォント)で表したものの表示からも認められるものであり、後者については、販促物やキャンペーンサイト等の一部に使用されているにすぎない。 加えて、広告や雑誌記事等においては、「だしのきいたまろやかなお酢」の文字を一般的な書体(フォント)で表したものが使用されているものの、当該文字は本願商標と文字種が異なることから、同一性が認められない。 そして、他に本願商標と同一の商標を使用したとする証拠は提出されていない。 そうすると、提出された証拠からすれば、本願商標は、使用された結果、請求人の業務に係る商品の出所を表示するものとして、または、独立して識別標識として認識されるに至っているとは認められない。 したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものとはいえない。 3 請求人の主張について 請求人は、請求人商品のパッケージに、本願商標(審決注:使用商標のこと。この段落においては、以下同じ。)と「創味」の標章を全く異なる書体及び態様で構成し、本願商標が「創味」の文字と離れて需要者の目につき易いように、「創味」の文字よりも大きく表示し、パッケージに付された本願商標は、構成上、明らかに「創味」の文字よりも需要者に強い印象を与える。そして、雑誌広告等でパッケージを表示するにあたっては、「創味」の文字は小さくて判別できない場合でも、本願商標は明瞭に認識できるよう大きく表示し、見出しや説明でも、「だしのきいたまろやかなお酢」の文字を単独で表示していることから、請求人商品に接する取引者、需要者が、パッケージに表示された本願商標に着目して商品の出所を識別しているというべきであり、本願商標が、「創味」の文字部分と離れて認識され、独立して自他商品識別力を有するに至っている旨主張する。 しかしながら、雑誌広告等で「創味」の文字が小さくて判別できないことがあるとしても、本願商標と同一視できる文字のほとんどは、本件商品の包装容器に付された使用商標であり、加えて、使用商標の使用態様について「創味」の文字が当該文字に近接して表記されていることから、本件商品を取り扱う取引者及び本件商品を購入する需要者は、必ず請求人の略称及び出所識別標識である「創味」の文字を視認するものといえる。また、上記2(4)のとおり、雑誌広告上の見出しや説明に記載されている「だしのきいたまろやかなお酢」の文字は、紙面で表記される際に用いられる一般的な書体(フォント)で記載されているものであり、本願商標と同一のものではない。 したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。 4 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであって、かつ、同条第2項に規定する要件を具備するものではないから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-014129

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