商標拒絶査定不服審判
2021-013896
ウメスイショー、スイショー
- 審判番号
- 2021-013896
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-138036
- 請求日
- 2021年10月13日
- 審決日
- 2023年02月14日
- 公報発行日
- 2023年10月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】サブ水産株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人京都国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 淳
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .16 -Z (W29)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1項第1号、商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-138036拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年11月9日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 1月22日付け:拒絶理由通知書
令和3年 3月 5日 :意見書の提出
令和3年 7月 8日付け:拒絶査定
令和3年10月13日 :審判請求書の提出
令和4年 7月 8日 :手続補正書の提出
令和4年 7月22日 :手続補正書の提出
令和4年 9月 6日付け:審尋
令和4年10月24日 :回答書の提出
2 本願商標
本願商標は、「梅水晶」の文字を標準文字で表してなり、第29類「サメ軟骨の梅肉和え,サメ軟骨及び鶏軟骨の梅肉和え,魚介類又は魚介類の加工品を主材とする惣菜,食肉又は肉製品を主材とする惣菜」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「梅水晶」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「サメ軟骨を梅肉で和えたもの」を表示する語として一般に使用されている。そうすると、本願商標をその指定商品に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が、「サメ軟骨を梅肉で和えたもの」であること、すなわち、商品の品質を表示したものと理解するにとどまるというのが相当であり、本願商標は、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、「サメ軟骨を梅肉で和えたもの」に照応する商品以外の商品について使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、令和4年9月6日付け審尋により、別掲1及び別掲2に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
(1)本願商標について、審尋で述べた理由は、特許庁商標審査基準の商標法第3条第1項第6号の解説にある2ないし11までのそのいずれにも該当しない。「指定商品において多数使用されていることが明らかな場合」は、商標法第3条第1項第1号又は同項第2号に該当するとされるべきであるが、審尋で挙げた別掲1及び別掲2の例によって、本願商標が商標法第3条第1項第1号又は同項第2号に該当するといえる程度まで広く使用されているという証明がなされているとは到底いえない。
(2)請求人は、業務用加工食品の製造業者であり、競合相手は業務用加工食品のメーカー各社である。別掲2の「本願商標が「サメ軟骨を梅肉で和えたもの」を指称する料理の名称として一般に認識されている事実」はいずれも「料理の名称」の例であり、既に業者(需要者)により選択された、飲食店で突き出しや酒のつまみあるいは食事のおかずとして一般顧客に提供される商品に付されている標章であるから、そのような料理を食する者には何らの商品の選択の余地はない。別掲2の事実は、本願商標が「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」であることの証拠にはならない。
(3)別掲1について、楽天市場において、「梅水晶」と入力し、本願指定商品(サメ軟骨の梅肉和え,サメ軟骨及び鶏軟骨の梅肉和え,魚介類又は魚介類の加工品を主材とする惣菜,食肉又は肉製品を主材とする惣菜)に関連するのは96件であり、このうち、請求人の出所に係る商品は37件(甲35のうち、赤枠で囲んだもの)と約38%に及ぶ。また、Amazon.co.jpにおいて、「梅水晶」と入力し、本願指定商品(サメ軟骨の梅肉和え,サメ軟骨及び鶏軟骨の梅肉和え,魚介類又は魚介類の加工品を主材とする惣菜,食肉又は肉製品を主材とする惣菜)に関連するものは26件だが、その中で請求人の出所に係る商品は13件(甲36のうち、赤枠で囲んだもの)と、こちらも50%に及ぶ。審尋ではこれらの全体像を提示することなく、別掲1は、その中の都合の良い少数のデータのみを抽出したものであり、このような恣意的な抽出によって「一般に認識されている」ことが証明されているということはできない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「梅水晶」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、辞書類に載録のある既成の語ではないから、特定の意味合いを生ずるものではないが、別掲1に示すように、本願の指定商品を取り扱う業界において、「梅水晶」の文字は「サメ軟骨を梅肉で和えたもの」を指称する語として使用されている実情がうかがえる。
そして、「梅水晶」の文字が、居酒屋をはじめとする様々な飲食店において提供される商品の名称(料理名)として、一般に知られている実情があることは別掲2より裏付けられるものである。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者に、「サメ軟骨を梅肉で和えたもの」という商品の名称(料理名)であることを認識、理解させるにとどまるというのが相当であり、本願商標は、自他商品の識別標識として認識されることはないといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務にかかる商品であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標について、審尋で述べた理由は、商標審査基準の商標法第3条第1項第6号の解説にある2ないし11までのいずれにも該当しない。「指定商品において多数使用されていることが明らかな場合」は、商標法第3条第1項第1号又は同項第2号に該当するとされるべきであるが、審尋で挙げた別掲1及び別掲2の例によって、本願商標が商標法第3条第1項第1号又は同項第2号に該当するといえる程度まで広く使用されているという証明がなされているとはいえない旨主張する。
しかしながら、本願商標が、その指定商品との関係において、これに接する取引者、需要者に、「サメ軟骨を梅肉で和えたもの」という商品の名称(料理名)であることを認識、理解させるものであることは前記(1)のとおりである。商標審査基準の商標法第3条第1項第6号の審査基準2ないし11は、同号に該当する場合を例挙しているにすぎないものであり、これらに該当しないことをもって同号に該当しないというものではない。本件については、前記(1)のとおり、需要者が何人かの業務にかかる商品であることを認識することができない商標である。
イ 請求人は、本願商標の需要者は、ホテルや旅館、居酒屋等の飲食店、あるいはそれらに商品を卸す業務用食品販売業者が、末端の一般消費者よりも多く、一般消費者は、既に業者により選択された、飲食店で突き出しや酒のつまみあるいは食事のおかずとして提供されるものであり、商標を目にすることはない旨主張する。
しかしながら、請求人の顧客がホテルや旅館、居酒屋等の飲食店、あるいはそれらに商品を卸す業務用食品販売業者であるとしても、本願商標が「サメ軟骨を梅肉で和えたもの」を指称する語として使用されていることは別掲1のとおりであり、一般消費者も対象として販売されているとみるのが相当である。
ウ 請求人は、本願の指定商品の主たる取引市場においては、本願商標が付された商品は、請求人の出所に係るものであることが全国的に理解されている旨主張する。
しかしながら、請求人と取引のある業務用食品販売業者において、本願商標が付された商品が請求人の出所に係るものであることが理解されているとしても、一般消費者をも対象として販売されている事実が少なくないことは別掲1のとおりであり、これら一般消費者の間において、本願商標が付された商品が請求人の出所に係るものであると理解されているとは認められない。
エ 請求人は、別掲1について、インターネット上での商品販売サイトである楽天市場及びAmazon.co.jpにおける記載は、請求人の出所に係る商品であることが明らかであるのは、楽天市場が約38%、Amazon.co.jpが50%に及び、審尋ではこれらの全体像を提示することなく、別掲1は単にその中の都合の良い、少数のデータのみを抽出したものであり、このような恣意的な抽出によって「一般に認識されている」ことが証明されているということはできない旨主張する。
しかしながら、別掲1は、本願の指定商品を取り扱う業界において、本願商標が「サメ軟骨を梅肉で和えたもの」を指称する語として使用されている事実の一部を示したものであって、前記に関して、楽天市場及びAmazon.co.jpでの請求人以外の第三者による使用の割合も少なくない。
オ したがって、前記アないしエの請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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