商標拒絶査定不服審判
2021-013190
ウッディームスク、ウッディー
- 審判番号
- 2021-013190
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2019-160078
- 請求日
- 2021年09月30日
- 審決日
- 2022年09月21日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】高梨 範夫
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 淳
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 須田 亮一
- 分類
- T18 .13 -Z (W0305) / T18 .272-Z (W0305)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2019-160078拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は,成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は,令和元年12月18日の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年1月6日付け :拒絶理由通知書
令和3年3月22日 :意見書の提出
令和3年6月29日付け:拒絶査定
令和3年9月30日 :審判請求書の提出
第2 本願商標
本願商標は,「ウッディームスク」の文字を標準文字で表してなり,第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つけまつ毛用接着剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,身体用消臭剤,身体用防臭剤,その他の化粧品,香料,芳香剤(身体用のものを除く。),消臭芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つけづめ,つけまつ毛」及び第5類「芳香消臭剤(身体用・動物用及び工業用の芳香消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),その他の消臭剤(身体用・動物用及び工業用の消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),防臭剤(身体用・動物用及び工業用のものを除く。),脱臭剤(工業用のものを除く。),その他の薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,おりものシート,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,医療用接着テープ,歯科用材料,おむつ,おむつカバー,はえ取り紙,防虫紙,乳幼児用粉乳,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。),人工受精用精液」を指定商品として,登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は「ウッディームスク」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中の「ウッディー」の文字は「木質であるさま。木の部分の多いさま。また,木に似せたさま。」の意味を有する語として,また「ムスク」の文字は「香料の1。麝香。麝香鹿の雄の分泌物からとれるもの。」の意味を有する語として,それぞれ広く一般に認識されているものであって,これらの文字を組み合わせた本願商標の構成全体からは「木のようなムスクの香り」程の意味合いを容易に認識させるものといえる。
そして,本願の指定商品を取り扱う業界においては,木のような香りとムスクの香りとを組み合わせた香りを有する各種商品が製造,販売されており,中にはそのような香りのことを「ウッディ(ー)ムスク」と指称している事実が認められる。
そうすると,本願商標を,その指定商品中,前記文字に照応する商品について使用しても,これに接する取引者,需要者は,単にその商品が「木のような香りとムスクの香りとを組み合わせた香りを有する商品」であるという,商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものと理解するにとどまり,自他商品の識別標識とは認識し得ないものと判断するのが相当である。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記商品以外の商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから,同法第4条第1項第16号に該当する。
第4 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本願商標は,前記第2のとおり,「ウッディームスク」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中「ウッディー」の文字は「(外見・きめ・堅さなどが)木材に似た,木材のような(感じの)」等の意味を有する英語「Woody」(「ランダムハウス英和大辞典第2版」株式会社小学館)を片仮名表記したものと看取されるものであり,「ムスク」の文字は「香料の1。麝香。」(「コンサイスカタカナ語辞典第5版」株式会社三省堂)の意味を有する語である。
そして,本願の指定商品は,前記第2のとおりであるところ,我が国において,香料,化粧品,せっけん類などを中心として,香りを有する商品が多数製造販売されており,これらの商品の香りを表す際に,「木の香り」を指称する語として「ウッディ(ー)」の文字が,「じゃこうの香り」を指称する語として「ムスク」の文字が用いられており,また,調合香料の香りを表す際には,これらのような香りの種類を表す語を複数組み合わせて表す方法が採用されていることは広く知られている。
また,本願の指定商品中,香りを有する商品を取り扱う業界においては,木の香りとじゃこうの香りを組み合わせた香りを表す際に,「ウッディ(ー)ムスク」の文字が広く一般に用いられている(別掲)。
さらに,本願の指定商品中には,例えば,第3類「洗濯用柔軟剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,歯磨き,身体用消臭剤,身体用防臭剤,その他の化粧品,香料,芳香剤(身体用のものを除く。),消臭芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料」や第5類「芳香消臭剤(身体用・動物用及び工業用の芳香消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),その他の消臭剤(身体用・動物用及び工業用の消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),防臭剤(身体用・動物用及び工業用のものを除く。)」のように,香りを有し得る ,あるいは香りを特長とする商品(以下「香り関連商品」という。)が含まれている。
以上からすれば,「ウッディームスク」の文字からなる本願商標は,構成全体として「木の香りとじゃこうの香りを組み合わせた香り」の意味合いを容易に認識させるものであり,これをその指定商品中,「木の香りとじゃこうの香りを組み合わせた香りを有する香り関連商品」に使用するときは,これに接する取引者,需要者は,商品の品質(香りの種別)を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにとどまり,自他商品の識別標識としては認識し得ないというのが相当であるから,本願商標は,その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。
また,本願商標を,その指定商品中,前記商品以外の香り関連商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標というべきである。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は,「本願商標「ウッディームスク」は,これを指定商品に使用した場合,木やじゃこうに関連した商品であることを連想させるものの,漠然としていてなんであるのかが曖昧であり,商品の品質を容易に認識させることはない。本願商標は,その指定商品との関係において,特定の品質を直感的に認識させることのない一種の造語として把握されるべきである。」旨を主張している。
しかしながら,香りを有する商品を取り扱う業界における,「ウッディ(ー)ムスク」の文字の使用の実情に照らせば,本願商標は,取引者,需要者に,「木の香りとじゃこうの香りを組み合わせた香り」という意味合いを容易に認識させるとみるのが相当であることは,前記1のとおりである。
したがって,請求人の主張は採用できない。
(2)請求人は,「ウッディ」あるいは「ムスク」とほかの文字を結合した商標の登録例を挙げて,本願商標も登録されるべき旨を主張している。
しかしながら,登録出願に係る商標がその指定商品との関係において,自他商品の識別標識として機能し得るか否かは,当該商標の構成態様と指定商品との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ,請求人の示す登録例(甲1~4)と本願商標とは,構成文字が異なり,事案を異にするものであるし,本願商標が自他商品の識別力を欠くものであることは,前記1のとおりであるから,登録例があるからといってその判断が左右されることはない。
したがって,請求人の主張は採用できない。
3 まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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