商標拒絶査定不服審判
2021-013188
シトラスフローラルノカオリ、シトラスフローラルノ、シトラスフローラル
- 審判番号
- 2021-013188
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2019-085857
- 請求日
- 2021年09月30日
- 審決日
- 2022年08月02日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】高梨 範夫
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 松江
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .16 -Z (W0305)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2019- 85857拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和元年6月19日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年 4月 9日 :刊行物等提出書
令和2年 7月28日付け:拒絶理由通知書
令和2年 9月23日 :意見書の提出
令和3年 6月25日付け:拒絶査定
令和3年 9月30日 :審判請求書の提出
令和4年 5月 9日付け:審尋
令和4年 6月20日 :回答書の提出
2 本願商標
本願商標は、「シトラスフローラルの香り」の文字を標準文字で表してなり、別掲1のとおりの商品を指定商品として、令和元年6月19日に登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原審において、「本願商標は、「シトラスフローラルの香り」の文字を標準文字で表してなり、その構成中、「シトラス」は「柑橘類。」を、「フローラル」は「花のようであるさま。」を意味する語として広く一般に用いられているから、本願商標は、全体として「柑橘類の花のような香り」程の意味合いを容易に認識させる。そして、本願に対して令和2年4月9日付で提出された刊行物等提出書に係る資料2.「インターネット打ち出し資料抜粋」、並びにインターネット情報によると、本願に係る指定商品の分野においては、「シトラスフローラルの香り」の文字が商品の香りの名称として一般に使用されている事実が確認できる。このような実情からすると、本願商標は、これをその指定商品中「柑橘類の花のような香りを有する商品」に使用した場合、これに接する需要者をして、単に商品の品質を表示したものと理解させるにとどまる。また、先述の認定からすれば、本願商標は、これをその指定商品中「柑橘類の花のような香りを有する商品」以外の商品に使用した場合、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、これをその指定商品中「柑橘類の花のような香りを有する商品」に使用するときは、商標法第3条第1項第3号に該当し、それ以外の商品に使用するときは、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨、認定判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋(要旨)
当審において、令和4年5月9日付け審尋で、別掲2に示すとおりの事実を示した上で、「本願商標をその指定商品中「香りを特徴とする商品」に使用しても、これに接する需要者、取引者は、出願人の取扱いにかかる商品であることを認識するよりも、「柑橘類の花のような香り」もしくは「柑橘類と花の香り」程の商品の発する香りの一種類を表したものと認識、理解するにとどまるというのが相当であり、本願商標は、需要者が何人かの業務にかかる商品であることを認識することができない商標と認められるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨の見解を示し、期間を限定して、これに対する回答を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
請求人は、上記4の審尋に対し、要旨以下を回答した。
(1)本件商標は、「柑橘類の花のような香り」であったり、あるいは、「柑橘類と花の香り」であったりと、状況や場面に応じて異なる意味合いを想起させる。決して、明確かつ具体的な特定の意味合いを直感させるものではない。ときに応じて、「柑橘類の花のような香り」であるとか、「柑橘類と花の香り」であるとかといった意味合いを暗示させるにすぎず、新聞記事やインターネット情報について、商品の需要者、取引者は「シトラスフローラルの香り」の文字が「柑橘類の花のような香り」または「柑橘類と花の香り」のいずれか一種類を表したものであると容易かつ直ちに認識、理解するというよりは、むしろ、新聞記事やインターネット情報の中において、同文字は、「柑橘類の花のような香り」であるとか、あるいは、「柑橘類と花の香り」であるとかといった複数の意味合いを漠然と暗示させる曖昧模糊としたものとして読み進められているにすぎないというべき。同文字の部分からは、商品の漠然としたイメージを感じ取っているにすぎない。
(2)「シトラス」、「ベリー」、「チェリー」等の果物の名称を表す文字、香りの種類を表す「スイート」の文字、あるいは、「コットン」や「ハーブ」といった花の名称を表す文字を構成文字の一部とし、これと「フローラル」の文字を結合した商標が多数登録されている。
例えば、登録第5518973号商標「フローラルシトラスの香り」は、「シトラスの花の香り」や「花の香りとシトラスの香り」といった複数の意味合いを漠然と想起させ、自他商品の識別標識として機能するものとして登録を認められている。登録第5405379号商標「ベリーフローラルの香り」、登録第6068789号商標「フローラルチェリーの香り」、登録第5446502号商標「スイートフローラル」、登録第5677389号商標「コットンフローラル」及び登録第5698356号商標「ハーバルフローラル」においても同様である。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性
本願商標は、「シトラスフローラルの香り」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「シトラス」の文字は「柑橘類。ミカン、オレンジ、レモン、グレープフルーツなど。」の意味を有する語(コンサイスカタカナ語辞典 第4版 株式会社三省堂)として、そして、「フローラル」の文字は「花の。花のような。特に香水や香料がバラやラベンダーなど花の香りを基調にしていることを指す。」の意味を有する語(現代用語の基礎知識2018 自由国民社発行)として、いずれも一般に親しまれている語であるから、本願商標の構成全体からは「柑橘類の花のような香り」若しくは「柑橘類と花の香り」程の意味合いを容易に認識し得るものといえる。
そして、本願の指定商品中「香りを特徴とする商品」を取り扱う分野において、「シトラスフローラルの香り」の文字が、「柑橘類の花のような香り」若しくは「柑橘類と花の香り」程の商品の発する香りの一種類を表す語として広く使用されている事実があることは別掲2(1)及び(2)のとおりである。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者、取引者は、出願人の取扱いにかかる商品であることを認識するよりも、「柑橘類の花のような香り」若しくは「柑橘類と花の香り」程の商品の発する香りの一種類を表したものと認識、理解するにすぎないといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務にかかる商品であることを認識することができない商標と認められるものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 本件商標は、「柑橘類の花のような香り」であったり、あるいは、「柑橘類と花の香り」であったりと、状況や場面に応じて異なる意味合いを想起させる。決して、明確かつ具体的な特定の意味合いを直感させるものではない。ときに応じて、「柑橘類の花のような香り」であるとか、「柑橘類と花の香り」であるとかといった意味合いを暗示させるにすぎず、新聞記事やインターネット情報について、商品の需要者、取引者は「シトラスフローラルの香り」の文字が「柑橘類の花のような香り」または「柑橘類と花の香り」のいずれか一種類を表したものであると容易かつ直ちに認識、理解するというよりは、むしろ、新聞記事やインターネット情報の中において、同文字は、「柑橘類の花のような香り」であるとか、あるいは、「柑橘類と花の香り」であるとかといった複数の意味合いを漠然と暗示させる曖昧模糊としたものとして読み進められているにすぎないというべき。同文字の部分からは、商品の漠然としたイメージを感じ取っているにすぎない旨主張している。
しかしながら、「シトラスフローラルの香り」の文字が、本願の指定商品中「香りを特徴とする商品」を取り扱う分野において、「柑橘類の花のような香り」若しくは「柑橘類と花の香り」程の商品の発する香りの一種類を表す語として広く使用されていることは上記(1)のとおりであるから、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者、取引者は、出願人の取扱いにかかる商品であることを認識するよりも、「柑橘類の花のような香り」若しくは「柑橘類と花の香り」程の商品の発する香りの一種類を表したものと認識、理解するにすぎないといわざるを得ない。
イ 請求人は、「シトラス」、「ベリー」、「チェリー」等の果物の名称を表す文字、香りの種類を表す「スイート」の文字、あるいは、「コットン」や「ハーブ」といった花の名称を表す文字を構成文字の一部とし、これと「フローラル」の文字を結合した商標が多数登録されており、本願商標も同様に判断されるべきである旨主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標については、本願の指定商品中「香りを特徴とする商品」を取り扱う分野において、「シトラスフローラルの香り」の文字が、「柑橘類の花のような香り」若しくは「柑橘類と花の香り」程の商品の発する香りの一種類を表す語として広く使用されていることは上記(1)のとおりであるから、過去の登録例により、その判断が左右されるものではない。
ウ したがって、上記請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するから、登録することができない。
なお、原査定は、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶したものであるが、本願商標は、上記のとおり自他商品の識別標識としての機能を有しないとするものであるから、この当審の認定、判断の内容は、原査定と実質的に相違するものではない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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