商標拒絶査定不服審判
2021-012953
トリアエズコレダケ
- 審判番号
- 2021-012953
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-046015
- 請求日
- 2021年09月27日
- 審決日
- 2022年12月12日
- 公報発行日
- 2023年02月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社Yumi Core Body
- 【請求人代理人】橋本 京子
- 【請求人代理人】橋本 克彦
- 【請求人代理人】橋本 大輔
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 山根 まり子
- 分類
- T18 .16 -Z (W0532)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-46015拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年4月13日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年3月8日付け:拒絶理由通知書
令和3年5月17日付け:意見書
令和3年7月26日付け:拒絶査定
令和3年9月27日付け:審判請求書
令和4年8月15日付け:審尋
令和4年9月22日付け:意見書
第2 本願商標
本願商標は、「とりあえずこれだけ!」の文字を標準文字で表してなり、第5類「栄養補助食品,サプリメント」及び第32類「飲料用青汁」を指定商品として、登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「とりあえずこれだけ!」の文字を標準文字で表してなり、本願に係る指定商品は、美容成分や栄養が豊富に含まれているものであるところ、その商品を摂取するだけで十分な美容効果又は栄養の摂取が期待できる商品であることをうたった商品が広く販売されている実情に加え、高い栄養素を含んだ食品等について「とりあえずこれだけを摂取しておけば十分」ほどの意味合いの文字が使用されている実情も見受けられるから、本願商標に接する需要者は、「とりあえず当該商品だけで栄養等が十分に摂取できること」ほどの意味合いを認識するにすぎない。したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であり、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審においてした審尋
当審において、本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性について、請求人に対し、審尋で、別掲の事実を示すとともに、当審の暫定的見解について通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第5 審尋に対する請求人の意見の要点
請求人は、上記第4の審尋に対して、上記第1のとおりの意見書において、要旨、以下のように主張した。
1 本願商標は、指定商品について直接的、具体的な意味合いは何ら表していないものであり、需要者の要望に応える商品でありたいという販売者の普遍的な願望を感得できるとしても、当該商品の特性や優位性などには到底なり得ない。
また、本願商標は、9文字の短い語の語尾が感嘆符「!」で完結することにより、全体で称呼上も、外観上もまとまりを呈しているから、需要者がこれを、商品を説明する単なる宣伝広告であると認識するとは到底考えられず、これを特別な意図で選択された商標として認識すると考えるのが自然であるから、需要者の強い興味・関心を惹きつける特徴のある商標である。
そうすると、本願商標は、十分に自他商品識別機能を発揮する商標である。
2 審尋で示された事例は、様々な内容の商品の宣伝広告の文章の一部に「とりあえずこれだけ」の語が使用されていることを示したに過ぎず、「とりあえずこれだけ」の語が単独で商品の宣伝広告になっていることは、全く示されていないから、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当することを示す実情とはなり得ない。
3 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当しない。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第6号の該当性について
本願商標は、「とりあえずこれだけ!」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「とりあえず」の文字は「たちまちに。さしあたって。まず。」の意味を、「これ」の文字は「今、自分が話題にしている物・事・人。」の意味を、「だけ」の文字は「それと限る意。のみ。」の意味をそれぞれ有する語であり(広辞苑第七版 株式会社岩波書店)、「!」は「感嘆や強調を表す符号」であるから、全体として「まずこれだけ」や「とりあえずこれのみ」ほどの意味合いを容易に認識、理解されるものである。
ところで、一般に、商品やサービスの選択肢があまたある中、各需要者が、その取捨選択の検討をするに際し、その候補を絞るための有用な情報を、各事業者等が示すような場面において、原審で提示したものを含む別掲の事例、例えば、「とりあえずこれを食べておけば血流改善に役立つ」、「栄養不足と思ったら、とりあえずこれ食べよう」、「美肌サプリはこれだけで充分!・・・あらゆる美肌有効成分を含有しているため」、「これだけでOKなフルスペック黄金比サプリメント」、「一日に必要な栄養素をこれだけで」、「たったこれだけで野菜の摂取量を補うことができます」、「初めてという方に“とりあえずこれだけあれば”という内容のセット」、「超ビギナーさんに、とりあえずこれだけはのシンプル工具」、「オススメは・・・だ。とりあえずこれだけは持っとけ。」、「初めてメイクをする時って、・・・実際どうやって選んだらいいかわからないですよね。・・・おすすめアイテムをご紹介。・・・とりあえず、これだけ覚えればOK」、「一番オーソドックスな360mlボトル!サイズに迷ったらとりあえずこれにしておけば間違い無し!」、「言わすと知れたウクレレ弦のスタンダード・・・迷ったらとりあえずこれを!」、「とりあえずコレを買っておけ・・・オールマイティに活用できる性能をリーズナブルな価格でまとめた本機は、有力な選択肢の1つになるだろう。」等のように、「まず、この商品(サービス)だけを購入候補とすること又は購入すれば目的にかなう」や「とりあえずこれのみ(を食べれば栄養が足りる)」といったような意味合いにて、商品やサービスの宣伝広告の文字の一部として、「とりあえずこれだけ」、「とりあえずこれ」及び「これだけ」の文字(「これ」部分は片仮名表記の「コレ」の場合もある。)が、本願の指定商品に係る業界のみならず、一般に広く使用されている実情が認められる。
そうすると、本願商標を、その指定商品に使用する場合、その需要者において、例えば、「まず、購入候補とすること又は購入すれば目的にかなう商品であること」や「これのみを摂取すれば(栄養が)足りる商品であること」など、商品の特性や優位性、特徴を簡潔に表示したもの、商品の宣伝広告として表示したものと認識されるにすぎないものというべきである。
してみれば、本願商標は、何人もその使用を欲するといい得るものであり、特定人による独占使用を認めることを公益上適当としないものであるとともに、自他商品の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであるため、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標は、指定商品について、どのような品質や特徴で、どのような状況に適した商品であるか、どのような効果が期待できるのか等、直接的・具体的な内容について全く意味を有していない商標であること、また、本願商標は、9文字の短い語の語尾が感嘆符「!」で完結することにより、全体で称呼上も、外観上もまとまりを呈しているから、需要者に、特別な意図で選択された商標として認識されると考えるのが自然であり、需要者の強い興味・関心を惹きつける特徴のある商標であること、及び、別掲の証拠は、様々な内容の商品の宣伝広告の文章の一部に「とりあえずこれだけ」の語が使用されていることを示したに過ぎず、「とりあえずこれだけ」の語が単独で商品の宣伝広告になっていることは、全く示されていないことから、本願商標は登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、「とりあえずこれだけ」等の文字が、単独ではなく、宣伝広告の文字の一部としての使用であるとしても、当該文字が、本願の指定商品に係る業界のみならず、一般に広く使用されている実情がある。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品に使用するときは、たとえ、その商品の品質や効果などにかかる具体的な説明がなされたものではないとしても、需要者に、商品の特性や優位性、特徴を簡潔に表示したもの、商品の宣伝広告として表示したものと認識されるにすぎないものである。
また、「!」の記号は、上記のとおり「感嘆や強調を表す符号」であり、文字の内容を強調し、関心を持たせるために慣用されている記号であって、当該記号を語尾に付す表現方法は、とりたてて特殊な構成態様とは言い得ないから、本願商標は、その構成から、これに接する需要者に、特別な意図で選択された特徴のある商標として認識されるとする請求人の主張は理由がないものである。
(2)請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標もそれらと同様に判断されるべきである旨を主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品との関係や、その商品を販売する業界における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるもの、又は、本願商標を使用する商品とは異なる商品である点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
(3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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