特許拒絶査定不服審判
2021-012640
水面浮遊性粒剤組成物
- 審判番号
- 2021-012640
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-501759
- 請求日
- 2021年09月21日
- 審決日
- 2023年04月21日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人 津国
- 審判長/審判官
- 審判長 木村 敏康
- 審判官 瀬良 聡機
- 審判官 関 美祝
- 分類
- P18 .121-WY (A01N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018-501759「水面浮遊性粒剤組成物」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 8月31日国際公開、WO2017/146147、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2017年(平成29年)2月23日(パリ条約による優先権主張 2016年2月23日 米国(US))を国際出願日とする出願であって、令和2年12月4日付けで拒絶理由通知がされ、令和3年4月5日に意見書及び手続補正書が提出され、同年6月16日付けで拒絶査定され、これに対し、同年9月21日(受付日)に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 原査定の概要
原査定(令和3年6月16日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1~10に係る発明は、本願の優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1、2、3、4又は5に記載された発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献等一覧
1 特開平8-99804号公報
2 特開平8-99803号公報
3 特開2001-39801号公報
4 特開2005-82547号公報
5 特開2000-239103号公報
第3 本願発明
本願請求項1~9に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明9」という。)は、令和3年9月21日受付の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~9に記載された事項により特定される、以下のとおりの発明である。
「 【請求項1】
コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉、ベントナイト、浮力材、界面活性剤、農薬有効成分および水を含有する水面浮遊性粒剤組成物。
【請求項2】
澱粉がコーンスターチである請求項1に記載の水面浮遊性粒剤組成物。
【請求項3】
浮力材が、焼成バーミキュライト、発泡シラス、発泡パーライト、コルクおよび発泡スチロールからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の水面浮遊性粒剤組成物。
【請求項4】
農薬有効成分が除草剤活性成分である、請求項1~3のいずれか1項に記載の水面浮遊性粒剤組成物。
【請求項5】
農薬有効成分が、(A1)白化型除草性化合物もしくはその塩および/又は(A2)アセトラクテート合成酵素阻害型除草性化合物もしくはその塩である、請求項1~4のいずれか1項に記載の水面浮遊性粒剤組成物。
【請求項6】
(a)コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉、ベントナイト、浮力材、界面活性剤、農薬有効成分および水並びに必要に応じてその他補助剤成分を混合し、湿式造粒する工程、並びに(b)前記工程で得られた粒剤を、乾燥、解砕および篩分する工程を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の水面浮遊性粒剤組成物の製造方法。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載の水面浮遊性粒剤組成物を、水田に直接散布することを特徴とする水面浮遊性粒剤組成物の施用方法。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか1項に記載の水面浮遊性粒剤組成物を、水溶性フィルムに封入し、水田に直接散布することを特徴とする水面浮遊性粒剤組成物の施用方法。
【請求項9】
請求項1~5のいずれか1項に記載の水面浮遊性粒剤組成物を、水溶性フィルムに封入することを特徴とする、農薬製剤。」
なお、審判請求書の2頁の「請求項1及び6は、それぞれ、補正前の請求項1及び7に基づき、補正前の記載「澱粉(但し、加工澱粉を除く。)」を、補正前の請求項2及び実施例1~3に基づいて「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉」としたものです。」との補正後のコーンスターチおよび馬鈴薯澱粉に関する説明、並びに同3~4頁の「(相違点1)本願発明の水面浮遊性粒剤組成物はコーンスターチ及び馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉(以下「本願未加工澱粉」ともいいます)を含有するのに対して、引用発明1の水面浮遊拡展性粒状農薬製剤はかかる澱粉を含有することが特定されていない点。」との本願発明と引用発明1との相違点に関する主張からみて、本願発明1の「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉」の範囲は、補正により「(但し、加工澱粉を除く。)」という発明特定事項の記載が削除されたものの、加工澱粉を含まない「未加工澱粉」に限られるもの(例えば審判請求書に添付された資料1のPage 3 of 4に記載の「α化馬鈴薯デンプン」などを含まないもの)として解釈される。
第4 引用文献1~5の記載及び引用文献1~5に記載された発明
1 引用文献1の記載について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、次の事項が記載されている。
(1ア)
「【請求項1】水面浮遊性の粒核に農薬有効成分が担持され、水面拡展剤と、分子構造中に少なくとも一つのグルコース残基を含有する乳化分散剤とが配合されたことを特徴とする水面浮遊拡展性粒状農薬製剤。
【請求項2】水面拡展剤がアセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤より選ばれる1種以上である請求項1に記載の水面浮遊拡展性粒状農薬製剤。
【請求項3】分子構造中に少なくとも一つのグルコース残基を含有する乳化分散剤が、アシル化されたデンプン、アシル化されたデキストリン、および炭化水素化されたモノもしくはオリゴグルコースから選ばれる請求項1に記載の水面浮遊拡展性粒状農薬製剤。
【請求項4】アシル基の個数が、デンプンまたはデキストリンのグルコース単位100個当たり1ないし3であり、当該アシル基は、置換分を有しない飽和もしくは不飽和の脂肪族アシル基であるか、または当該脂肪族アシル基の末端がアミノ、ヒドロキシ、カルボキシもしくはヒドロキシスルホニルオキシまたはそれらの塩で置換された飽和もしくは不飽和の脂肪族アシル基であるか、またはグルコース残基が1ないし6のモノもしくはオリゴグルコースでありそれに結合する炭化水素残基が飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素残基である請求項3に記載の水面浮遊拡展性粒状農薬製剤。
【請求項5】アシル基の個数が、デンプンまたはデキストリンのグルコース残基100個当たり1.5ないし2であり、当該脂肪族アシル基の末端が1個のカルボキシの塩で置換された炭素原子数5ないし20の飽和もしくは不飽和の脂肪族アシル基であるか、またはグルコース残基が1ないし3のモノもしくはオリゴグルコースでありそれに結合する炭化水素残基が炭素原子数6ないし24の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素残基である請求項4に記載の水面浮遊拡展性粒状農薬製剤。
【請求項6】アシル基の個数が、デンプンまたはデキストリンのグルコース残基100個当たり1.5ないし2であり、当該脂肪族アシル基の末端が1個のカルボキシの塩で置換された炭素原子数8ないし12の飽和もしくは不飽和の分枝状脂肪族アシル基であるか、またはグルコース残基が1ないし3のモノもしくはオリゴグルコースでありそれに結合する炭化水素残基が炭素原子数8ないし18の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素残基である請求項5に記載の水面浮遊拡展性粒状農薬製剤。
【請求項7】アシル基の個数が、デンプンまたはデキストリンのグルコース残基100個当たり1.5ないし2であり、当該脂肪族アシル基の末端が1個のカルボキシの塩で置換された炭素原子数8ないし12の不飽和の分枝状脂肪族アシル基であるか、またはグルコース残基が1ないし3のモノもしくはオリゴグルコースでありそれに結合する炭化水素残基が炭素原子数8ないし18の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素残基である請求項6に記載の水面浮遊拡展性粒状農薬製剤。
【請求項8】アシル基の個数が、デンプンまたはデキストリンのグルコース残基100個当たり1.5ないし2であり、当該脂肪族アシル基が2-(2-オクテニル)-ソジウムスクシニル基であるか、またはグルコース残基が1ないし3のモノもしくはオリゴグルコースでありそれに結合する炭化水素残基が炭素原子数8ないし18の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素残基である請求項6に記載の水面浮遊拡展性粒状農薬製剤。
【請求項9】水面浮遊性の粒核が、発泡シラス、焼成バーミキュライト、発泡パーライト、コルク並びにこれらを含有する水面浮遊性の造粒物より選ばれる1種以上である請求項1に記載の水面浮遊拡展性粒状農薬製剤。
【請求項10】水に対する溶解度が2000ppm 以下である農薬有効成分の1種以上を含有する請求項1に記載の水面浮遊拡展性粒状農薬製剤。
【請求項11】請求項1に記載の水面浮遊拡展性粒状農薬製剤を水溶紙に分包とした水田投げ込み用農薬製剤。」
(1イ)「【0040】本発明の水面浮遊拡展性農薬製剤には、粒剤の水面での浮遊拡展性を維持し、農薬有効成分を乳化分散させるために、分子構造中に少なくとも一つのグルコース残基を含有する乳化分散剤が配合される。
【0041】本発明の分子構造中に少なくとも一つのグルコース残基を含有する乳化分散剤は、好ましくは、アシル化されたデンプン、アシル化されたデキストリンおよび炭化水素化されたモノもしくはオリゴグルコースから選ばれる。ここで、デキストリンとは、デンプンの部分的加水分解産物を意味し、加水分解の方法およびその程度により種々のグレードのものがあり、中にはヨードでんぷん反応を示さない程度に加水分解が進んだものもあるが、本発明はそれらのいずれをも包含する。アシル化されたデンプンもしくはデキストリンにおけるアシル基の結合部位は、多くはグルコースの6位であるが、一部は2位または3位とも結合しているものと推定される。また、アシル基の結合数は特に限定されないが、通常はデンプンまたはデキストリン中のグルコース残基100個当たり1ないし3個であり、好適には1.5ないし2個である。アシル基は、置換分を有しない飽和もしくは不飽和の脂肪族アシル基であるか、またはその末端がアミノ、ヒドロキシ、カルボキシまたはヒドロキシスルホニルオキシ基で置換された飽和もしくは不飽和の脂肪族アシル基であるものが好適である。」
(1ウ)「【0091】
【実施例】
(実施例1)F-155原体(96%)78.13部、カープレックス#100(塩野義製薬(株)製、無晶形二酸化珪素)10.00部、ネオペレックスNo.6F(花王(株)製、ドデシルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩を主成分とする界面活性剤)2.00部、エマルスター#30Aの9.87部を混合し、ジェットオーマイザー0101型(セイシン企業(株)製、ジェットミル)により粉砕し、F-155を75%含有するプレミックスを得た。別に、シラックスPB03(発泡シラス平均粒径75μm,シラックスウ社製)70.0部、マツノリンM-22(α化澱粉、松谷化学工業(株)製)1.0部、ベントナイト(豊順鉱業(株)製、穂高印)24.0部、タブ粉5.0部を混合し、ニューコール291PG(ジエチルヘキシルスルホサクシネートのナトリウム塩、日本乳化剤(株)製)0.2%液を粉末100重量部に対し110部の量で練合し、バスケット型造粒機L-5型を用いて1.0mmのスクリーンを通して押し出し造粒した。粒を流動層乾燥機を用いて100℃で乾燥し、4.760~0.710mmのふるいでふるい分け、造粒キャリヤーを得た。造粒キャリヤー70.7部をナウタミキサーに仕込み、スーパーオイルCの10.0部を加えて粒の表面を湿らせ、上記プレミックス16.8部を加えて混合し、粒の表面に被覆した。次いで、サーフィノール104Sの2.5部を加えて混合・被覆し、F-155を12.6%含有する粒剤を得た。」
2 引用文献2の記載について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、次の事項が記載されている。
(2ア)
「【請求項1】発泡パーライト、発泡シラス、コルクより選ばれる1種以上を含有し、水面浮遊性で、且つ水中で非崩壊性とした造粒キャリヤーに、融点が50℃以上の農薬有効成分の粉末プレミックスを被覆し、更に水面拡展剤を配合した水面浮遊拡展性農薬粒剤。
【請求項2】水中投入1分後の有効成分遊離率が20%以下であり、水中投入2時間後の有効成分遊離率が80%以上である請求項1に記載の水面浮遊拡展性農薬粒剤。
【請求項3】チオシクラム、カルタップ、ベンタゾン、ピロキロン、イミダクロプリド、ニッテンピラム、プロベナゾール、トリシクラゾール、イソプロチオラン、フルトラニル、メプロニル、アセフェート、メフェナセット、ベンスルフロンメチル、イマゾスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、CH-900、HOE404、DPX-47より選ばれる1種以上の農薬有効成分を含有する請求項1または2に記載の水面浮遊拡展性農薬粒剤。
【請求項4】水中投入3分後の拡展距離が4m以上である請求項1乃至3に記載の水面浮遊拡展性農薬粒剤。
【請求項5】水面拡展剤としてアセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤より選ばれる1種又は2種以上を含有する請求の範囲1乃至4のいずれかに記載の水面浮遊拡展性農薬粒剤、
【請求項6】請求項4または5に記載の水面浮遊拡展性農薬粒剤を、振込口を付した箱、瓶、袋等に包装した水田振込用農薬製剤。
【請求項7】請求項4または5に記載の水面浮遊拡展性農薬粒剤を、水溶紙に分包とすることを特徴とする水田投げ込み用農薬製剤。」
(2イ)「【0033】粒剤の崩壊性の程度は、結合剤の種類に依存するために、適当な結合剤を選択することが必要である。結合剤には比較的高分子量のデキストリンやα化でんぷん、βーでんぷん、その他種々のでんぷん誘導体、タブ粉、比較的高分子量或いは鹸化率の高いポリビニルアルコールや比較的高分子量のポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースの塩、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子物質をあげることが出来る。」
(2ウ)「【0086】(実施例13)粒剤例
ベンタゾン原体85部、カープレックス#80の3部、エマルスター#30(澱粉系乳化分散剤、松谷化学(株)製)12部を混合し、ジェットオーマイザー0101型により粉砕し、ベンタゾンを85%含有するプレミックスを得た。参考例2の造粒キャリヤー55.3部をナウタミキサーに仕込み、スーパーオイルC15.0部を加えて混合し、粒の表面を湿らせた。次いでベンタゾンプレミックス28.2部を加えて混合し、粒の表面に被覆した。更に、サーフィノール104Sの1.5部を加えて混合し、粒の表面に被覆してベンタゾン24.0%を含有する粒剤を得た。」
3 引用文献3の記載について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3には、次の事項が記載されている。
(3ア)
「【請求項1】分子中にエチレングリコールとプロピレングリコールとをブロック状に含有するポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤を配合して高濃度の農薬有効成分を含有する懸濁液を湿式粉砕し、得られた懸濁液を練り込み造粒することにより得られる高濃度農薬固形製剤。」
(3イ)「【0041】かくして得られた固体の農薬有効成分を湿式粉砕した懸濁液は、例えば、適当な増量剤、結合剤、崩壊・分散剤、湿潤剤、造粒性改良剤、安定剤、効力増強剤、薬害軽減剤、浮遊剤、水面拡展剤及び乾式で粉砕したその他の農薬有効成分と混合し、必要に応じて水を加えて練合し、通常農薬の造粒に用いられる適当な練り込み造粒機を用いて湿式造粒することができる。ただし、これら増量剤、結合剤、崩壊・分散剤、湿潤剤、造粒性改良剤、安定剤、効力増強剤、薬害軽減剤、浮遊剤及びその他の農薬有効成分は、互いに拮抗しないようなものを選択して用いる必要がある乾式で粉砕したその他の農薬有効成分は、その農薬有効成分が水に対して極めて不安定で、湿式粉砕できない場合のように、何らかの理由で乾式粉砕する場合に、その乾式粉砕品をその他の助剤と共に混合し、上記の懸濁液とともに練合及び造粒することもできる。
【0042】本発明において用いられる増量剤は、一般に農薬のキャリアーとして用いられるものであれば特に限定はなく、例えば、クレー、炭酸カルシウム、珪藻土、無晶形二酸化珪素、タルク及びベントナイト等の鉱物質微粉;でんぷん、木粉、オガクズ、コーヒー豆粉末、タブ粉、セルロース粉末、微結晶セルロース、籾殻粉末、米糠、ふすま及びヤシ殻粉末等の植物質粉末;尿素、塩化カリウム、硫安及びボウ硝等の水溶性無機化合物;又は、砂糖、乳糖及びぶどう糖等の水溶性糖類であり得、好適には、鉱物質微粉又は植物質粉末である。
【0043】用いられる増量剤の配合量は、その他の助剤の種類や量により異なるが、通常、高濃度農薬固形製剤中に、0.1~80質量%であり、好適には、1~50質量%である。
【0044】本発明の高濃度農薬固形製剤は、粉末原料を造粒して高濃度農薬固形製剤を調製する場合に、製剤に硬度を付与するために結合剤を含有することができる。用いられる結合剤は、高濃度農薬固形製剤が水中で崩壊した方が好ましいか、崩壊しない方が好ましいかにより異なるが、崩壊した方が好ましい場合には、例えば、比較的低分子量の、デキストリン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸の塩若しくはカルボキシメチルセルロースの塩、比較的低分子量で鹸化率の低いポリビニルアルコール、リグニンスルホン酸の塩、アラビアゴム等の水溶性高分子物質又はベントナイト等のモンモリロナイト系の鉱物質微粉であり得、好適には、低分子量のデキストリン、低分子量のカルボキシメチルセルロースの塩、リグニンスルホン酸の塩又はベントナイトであり、崩壊しない方が好ましい場合には、例えば、澱粉;水溶性澱粉、デキストリン、α化澱粉、その他種々の澱粉誘導体;又は比較的高分子量の、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸の塩、カルボキシメチルセルロースの塩若しくはポリビニルアルコールであり得、好適には、水溶性澱粉、デキストリン、α化澱粉又はその他の澱粉誘導体である。」
(3ウ)「【0087】
【実施例】
【0088】
【試験例1】ピラゾレートスラリーの粉砕実験
下記表1に記載の処方により、ピラゾレート原体、サーフィノールTGE、NE291PG、プルロニックP103及び水を混合してピラゾレートスラリーとした。
・・・
【0095】
【実施例1】プルロニックP103を配合して湿式粉砕したスラリーを用いて製造した1キロ粒剤
カルフィン600(足立石灰工業株式会社製、炭酸カルシウム粉末、48.2部)、ベントナイト粉末(豊順穂高印、22.0部)、アミコールNo.1(日澱化学株式会社製、デキストリン、3.0部)及びセロゲン5A(第一工業製薬株式会社製、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、0.5部)をニーダー中で混合し、次いで、試験例1に実験番号1として記載されたスラリー(29.0部)及びトキサノンGR31A(5.0部)を加えて練合し、押し出し造粒機EXK1型(不二パウダル株式会社製、0.9mmスクリーン)を用いて、造粒した。流動層乾燥機を用いて105℃で乾燥し、1.0~0.5mm区分に篩い分けて基粒を調製した。得られた基粒(95.08部)をナウタミキサーに仕込み、プレチラクロール原体(96.0%、4.92部)を加えて混合し、基粒に吸収させ、1キロ粒剤を得た。本粒剤はピラゾレート18%及びプレチラクロール4.5%を含有し、10a当り1kgを水田に施用するいわゆる1キロ粒剤である。
・・・
【0100】
【実施例3】プルロニックP103を配合して湿式粉砕したスラリーを用いて製造した顆粒状水和剤
ニプシールNA(日本シリカ株式会社製、無晶系シリカ、5.0部)、パールレックスNP(日本製紙株式会社製、リグニンスルホン酸ナトリウム、10.0部)、ネオゲンパウダー(第一工業製薬株式会社製、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、2.0部)及び乾燥馬鈴薯澱粉(松谷化学株式会社製、18.42部)を混合し、試験例1に実験番号5として記載のスラリー(79.53部)及び練合水(少量)を加えて練合した。次いで、バスケット型造粒機(菊水製作所株式会社製、L-5型)を用いて、0.7mmのスクリーンにより造粒したのち、70℃に設定した送風乾燥機中で乾燥した。得られた粒剤を1mm~0.3mmの篩で整粒して、ピラゾレート63%を含有する顆粒状水和剤を得た。本剤は10a当り300gを少量の水に希釈してフロアブル剤と同様に使用することができる。」
4 引用文献4の記載について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献4には、次の事項が記載されている。
(4ア)
「【請求項1】
(A)ベンジルアルコール及び/又はシクロヘキサノール、
(B)シメトリン、及び
(C)融点が70℃以下の固体もしくは液体の農薬活性成分の中から選ばれる少なくとも1種の農薬活性成分
を含むことを特徴とする水田除草粒剤組成物。」
(4イ)「【0030】
本発明に使用し得る増量剤は、硅石、カオリナイトもしくはパイロフィライトを主成分とする粘土鉱物、タルク、ベントナイト、無晶形二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の一般的に農薬のキャリアーとして用いられる鉱物質微粉、塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の樹脂粉末、グルコース、砂糖、乳糖等の糖類、カルボキシメチルセルロースおよびその塩等のセルロース類、澱粉およびその誘導体等の澱粉類、微結晶セルロース、木粉、米糠、ふすま、籾殻の粉末、コーヒー豆粉末、セルロース粉末、甘草粉末等の有機物、安息香酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、塩化カリウム等の水溶性無機塩類、尿素等を挙げることができる。増量剤の配合量は、通常、水田除草粒剤組成物100質量部当たり20~90質量部、好ましくは、30~80質量部である。増量剤として特に好ましいのは、有効成分に対する吸着性が弱く、膨潤性がないので、シハロホップブチルの水面浮上を良好にする、硅石、カオリナイトもしくはパイロフィライトを主成分とする粘土鉱物である。
・・・
【0032】
本発明の水田除草粒剤組成物には、結合剤を配合することができる。好適な結合剤としては、加工澱粉、デキストリンやポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースの塩、メチルセルロース、アラビアゴム、ポリエチレングリコールおよびその誘導体、タブ粉、ベントナイト等を挙げることができる。加工澱粉としては、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、とうもろこし澱粉、タピオカ澱粉を人工的に加工したアルファー化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、デキストリン等を挙げることができる。これら内、デキストリンは、分解の程度に応じて種々のグレードがあるが、分解の進んでいない、水中で粒剤が非崩壊性を示すものだけに限られる。」
(4ウ)「【0044】
実施例2
シメトリン原体(純度98.7%) 50.66質量部及びカルフィン600(炭酸カルシウム粉末、足立石灰工業(株)製)49.34質量部を混合し、サンプルミル(ダルトン(株)製、KIIW-1型、スクリーン径3mmφ)により粉砕し、シメトリン 50.0%を含有するプレミックスを得た。
【0045】
得られたシメトリンプレミックス10.55質量部、ロカヘルプ439 11.73質量部、アミコールNo.1(酵素変性デキストリン、日澱化学(株)製)2.35質量部、トリポリリン酸ソーダ(三井化学(株)製)3.52質量部、ネオペレックスNo.6Fパウダー(アルキルベンゼンスルホン酸塩、花王(株)製)1.76質量部、豊順ベントナイト穂高印(ベントナイト、豊順鉱業(株))35.18質量部及びカルフィン60034.91質量部の混合粉末に、常水20.00質量部を加え、実施例1-(2)と同様の方法で、練合、造粒、乾燥及び整粒を行い、シメトリン5.3%を含有する基粒を得た。
【0046】
ベンフレセート原体(純度98.7%) 41.30部、MCPBエチル原体(純度91.0%) 17.93質量部、ベンジルアルコール40.77質量部を混合溶解し、ベンフレセート40.8%及びMCPBエチル16.3%を含有するオイルプレミックスを得た。
【0047】
ポリ袋の中で、シメトリン基粒 85.28質量部に、オイルプレミックス 14.72質量部を加えて、混合し、基粒にオイルプレミックスを吸収させて、シメトリン4.5%、ベンフレセート6.0%及びMCPBエチル2.4%を含有する本発明の農薬粒剤を得た。
【0048】
実施例3
実施例1で得られたシメトリンプレミックス6.83質量部、ロカヘルプ439 19.32質量部、アミコールHF(α化デンプン、日澱化学(株)製)5.15質量部、及びクレー68.69質量部の混合粉末に、ニューコール291PG0.03%の水溶液29.00質量部を加え、実施例1と同様の方法で、練合、造粒、乾燥及び整粒を行い、シメトリン5.8%を含有する基粒を得た。
【0049】
シハロホップブチル原体(純度96.5%) 6.93質量部、ベンフレセート原体(純度98.7%) 27.18質量部、MCPBエチル原体(純度91.0%)11.80質量部、ビニサイザー20(フタル酸ジトリデシル、花王(株)製)22.35質量部、アイソゾール400(イソパラフィン、日本石油化学(株)製)4.47質量部、ベンジルアルコール26.82質量部を混合溶解した中に、α-アミラーゼ3A(α-アミラーゼ、阪急バイオインダストリー(株)製)0.45質量部を加えて混合・分散させシハロホップブチル6.7%、ベンフレセート26.8%およびMCPBエチル10.7%を含有するオイルプレミックスを得た。
【0050】
ポリ袋の中で、シメトリン基粒 77.63質量部に、オイルプレミックス 22.37質量部を加えて、混合し、基粒にオイルプレミックスを吸収させて、シメトリン4.5%、シハロホップブチル1.5%、ベンフレセート6.0%及びMCPBエチル2.4%を含有する本発明の農薬粒剤を得た。」
5 引用文献5の記載について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献5には、次の事項が記載されている。
(5ア)
「【請求項1】1種又は2種以上の農薬有効成分、下記化合物群から選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤及び見掛け比重が1未満である粒核を含有する水面施用農薬組成物であって、化合物群は、α-オレフィンスルホン酸塩、α-スルホ脂肪酸塩及びオレイルメチルタウライド塩からなる群である。
【請求項2】農薬有効成分が、除草剤、殺虫剤、殺菌剤、殺ダニ剤又は植物調節剤である、請求項1に記載の水面施用農薬組成物。
【請求項3】農薬有効成分の配合割合が、水面施用農薬粒状組成物中に1~90%である、請求項1又は2に記載の水面施用農薬組成物。
・・・
【請求項13】見掛け比重が1未満である粒核が、中空状鉱物質担体、植物担体、合成樹脂発泡体又はこれらの1種又は2種以上を含有して水に浮く性質を付与した成形された粒核である、請求項1乃至12のいずれか一つに記載の水面施用農薬組成物。
【請求項14】見掛け比重が1未満である粒核が、焼成バーミキュライト、発泡シラス、発泡パーライト、コルク、発泡スチロール又はこれらの1種又は2種以上を含有して水に浮く性質を付与した成形された粒核である、請求項1乃至12のいずれか一つに記載の水面施用農薬組成物。」
(5イ)「【0052】本発明に用いられる増量剤は、農薬有効成分を希釈し、投げ込みやすい量に調製するために用いられ、例えば、ベントナイト、タルク、クレー、珪藻土、無晶形二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の一般的に農薬のキャリアーとして用いられる鉱物質微粉の他に、塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の樹脂粉末、グルコース、砂糖、乳糖等の糖類、カルボキシメチルセルロース及びその塩類、澱粉及びその誘導体、微結晶セルロース、木粉、オガクズ、米糠、ふすま、籾殻の粉末、コーヒー豆粉末、セルロース粉末、甘草粉末等の有機物、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、塩化カリウム等の水溶性無機塩類及尿素等を挙げることができ、特に木粉やオガクズは安価で軽く、水中で粒を浮かせやすいという利点があり有利である。」
(5ウ)「【0068】
【実施例1】粒剤
ベンスルフロンメチル原体(純度99.47%)5.30部、カフェンストロール原体(純度98.39%)20.88部及びダイムロン原体(純度99.4%)36.18部を混合し、この混合物をジェットミル(SK-ジェット・オー・マイザー0101型、株式会社セイシン企業)により粉砕し、プレミックス粉末を得た。前記プレミックス粉末62.36部、サンエキスP252(日本製紙株式会社製、リグニンスルホン酸塩)7.50部、M-3801G(第一工業製薬株式会社製、α-オレフィンスルホン酸塩)3.42部、ネオペレックスNo6Fパウダー(花王株式会社製、アルキルベンゼンスルホン酸塩)0.68部、アミコールNo.1(日澱化学株式会社製、澱粉)5.48部、ベントナイト(ネオライト興産株式会社製)10.28部及びコルク(見掛け比重:0.04~0.09)10.28部を混合し、これをニーダー(富士産業株式会社、FM-NW-5型)に移し、水18部を添加し、練合した。得られた練合物を、ドームグラン(不二パウダル株式会社、DG-L1型、スクリーン1.0mmφ)にて押出し造粒した。得られた造粒物を、送風棚型乾燥機(送風温度90℃)にて2時間乾燥後、850~1410μmに篩分し、ベンスルフロンメチル5%、カフェンストロール20%及びダイムロン35%を含有する粒剤を得た。」
6 引用文献1に記載された発明
引用文献1は、水面浮遊拡展性粒状農薬製剤に関する文献であって(摘記(1ア))、請求項1を引用する請求項3に記載された発明(摘記(1ア))については、明細書に同請求項に対応する具体例も製造方法を伴って記載されていることから(摘記(1ウ))、請求項3に記載された発明として、引用文献1には次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
引用発明1:「水面浮遊性の粒核に農薬有効成分が担持され、水面拡展剤と、アシル化されたデンプン、アシル化されたデキストリン、および炭化水素化されたモノもしくはオリゴグルコースから選ばれる分子構造中に少なくとも一つのグルコース残基を含有する乳化分散剤とが配合された水面浮遊拡展性粒状農薬製剤。」
引用文献1【0070】の引用発明1に対応した農薬製剤の製造に関する記載を考慮すると次の発明(以下「引用製造方法発明1」という。)も記載されているといえる。
引用製造方法発明1:「水面浮遊性の粒核に農薬有効成分が担持され、水面拡展剤と、アシル化されたデンプン、アシル化されたデキストリン、および炭化水素化されたモノもしくはオリゴグルコースから選ばれる分子構造中に少なくとも一つのグルコース残基を含有する乳化分散剤とを配合し、その他の補助剤を混合し被覆するか、又は各成分を適当な形に成形する水面浮遊拡展性粒状農薬製剤の製造方法。」
7 引用文献2に記載された発明
引用文献2は、水面浮遊拡展性農薬粒剤に関する文献であって(摘記(2ア))、請求項1を引用する請求項5に記載された発明(摘記(2ア))については、明細書には同請求項に対応する具体例も製造方法を伴って記載されていることから(摘記(2ウ))、請求項5に記載された発明として、引用文献2には次の発明(以下「引用発明2-1」という。)が記載されていると認められる。
また、請求項1を引用する請求項5を引用する請求項7に記載された発明として、引用文献2には次の発明(以下「引用発明2-2」という。)も記載されていると認められる。
引用発明2-1:「発泡パーライト、発泡シラス、コルクより選ばれる1種以上を含有し、水面浮遊性で、且つ水中で非崩壊性とした造粒キャリヤーに、融点が50℃以上の農薬有効成分の粉末プレミックスを被覆し、更にアセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤より選ばれる1種又は2種以上を含有する水面拡展剤を配合した水面浮遊拡展性農薬粒剤。」
引用発明2-2:「発泡パーライト、発泡シラス、コルクより選ばれる1種以上を含有し、水面浮遊性で、且つ水中で非崩壊性とした造粒キャリヤーに、融点が50℃以上の農薬有効成分の粉末プレミックスを被覆し、更にアセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤より選ばれる1種又は2種以上を含有する水面拡展剤を配合した水面浮遊拡展性農薬粒剤を水溶紙に分包とする水田投げ込み用農薬製剤。」
また、引用文献2には、引用発明2-1に対応した農薬粒剤が製造されているので、次の発明(以下「引用製造方法発明2」という。)も記載されているといえる。
引用製造方法発明2:「発泡パーライト、発泡シラス、コルクより選ばれる1種以上を含有し、水面浮遊性で、且つ水中で非崩壊性とした造粒キャリヤーに、融点が50℃以上の農薬有効成分の粉末プレミックスを被覆し、更にアセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤より選ばれる1種又は2種以上を含有する水面拡展剤を配合する水面浮遊拡展性農薬粒剤の製造方法。」
8 引用文献3に記載された発明
引用文献3は、高濃度農薬固形製剤に関する文献であって(摘記(3ア))、請求項1に対応した実施例1に記載された発明として(摘記(3ウ))、引用文献3には次の発明(以下「引用発明3」という。)が記載されていると認められる。
引用発明3:「カルフィン600(足立石灰工業株式会社製、炭酸カルシウム粉末、48.2部)、ベントナイト粉末(豊順穂高印、22.0部)、アミコールNo.1(日澱化学株式会社製、デキストリン、3.0部)及びセロゲン5A(第一工業製薬株式会社製、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、0.5部)をニーダー中で混合し、次いで、ピラゾレート原体、サーフィノールTGE、NE291PG、プルロニックP103及び水を混合したピラゾレートスラリー(29.0部)及びトキサノンGR31A(5.0部)を加えて練合し、押し出し造粒機EXK1型(不二パウダル株式会社製、0.9mmスクリーン)を用いて、造粒し、流動層乾燥機を用いて105℃で乾燥し、1.0~0.5mm区分に篩い分けて基粒を調製し、得られた基粒(95.08部)をナウタミキサーに仕込み、プレチラクロール原体(96.0%、4.92部)を加えて混合し、基粒に吸収させて得たピラゾレート18%及びプレチラクロール4.5%を含有し、10a当り1kgを水田に施用する粒剤。」
また、引用文献3には、引用発明3に対応した粒剤が製造されているので、次の発明(以下「引用製造方法発明3」という。)も記載されているといえる。
引用製造方法発明3:「カルフィン600(足立石灰工業株式会社製、炭酸カルシウム粉末、48.2部)、ベントナイト粉末(豊順穂高印、22.0部)、アミコールNo.1(日澱化学株式会社製、デキストリン、3.0部)及びセロゲン5A(第一工業製薬株式会社製、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、0.5部)をニーダー中で混合し、次いで、ピラゾレート原体、サーフィノールTGE、NE291PG、プルロニックP103及び水を混合したピラゾレートスラリー(29.0部)及びトキサノンGR31A(5.0部)を加えて練合し、押し出し造粒機EXK1型(不二パウダル株式会社製、0.9mmスクリーン)を用いて、造粒し、流動層乾燥機を用いて105℃で乾燥し、1.0~0.5mm区分に篩い分けて基粒を調製し、得られた基粒(95.08部)をナウタミキサーに仕込み、プレチラクロール原体(96.0%、4.92部)を加えて混合し、基粒に吸収させて得るピラゾレート18%及びプレチラクロール4.5%を含有し、10a当り1kgを水田に施用する粒剤の製造方法。」
9 引用文献4に記載された発明
引用文献4は、水田除草粒剤組成物に関する文献であって(摘記(4ア))、請求項1に対応した実施例2に記載された発明として(摘記(4ウ))、引用文献4には次の発明(以下「引用発明4」という。)が記載されていると認められる。
引用発明4:「シメトリン原体(純度98.7%) 50.66質量部及びカルフィン600(炭酸カルシウム粉末、足立石灰工業(株)製)49.34質量部を混合し、サンプルミル(ダルトン(株)製、KIIW-1型、スクリーン径3mmφ)により粉砕し、シメトリン 50.0%を含有するプレミックスを得て、得られたシメトリンプレミックス10.55質量部、ロカヘルプ43911.73質量部、アミコールNo.1(酵素変性デキストリン、日澱化学(株)製)2.35質量部、トリポリリン酸ソーダ(三井化学(株)製)3.52質量部、ネオペレックスNo.6Fパウダー(アルキルベンゼンスルホン酸塩、花王(株)製)1.76質量部、豊順ベントナイト穂高印(ベントナイト、豊順鉱業(株))35.18質量部及びカルフィン600 34.91質量部の混合粉末に、常水20.00質量部を加え、練合、造粒、乾燥及び整粒を行い、シメトリン5.3%を含有する基粒を得て、ベンフレセート原体(純度98.7%)41.30部、MCPBエチル原体(純度91.0%)17.93質量部、ベンジルアルコール40.77質量部を混合溶解し、ベンフレセート40.8%及びMCPBエチル16.3%を含有するオイルプレミックスを得て、ポリ袋の中で、シメトリン基粒85.28質量部に、オイルプレミックス14.72質量部を加えて、混合し、基粒にオイルプレミックスを吸収させて、シメトリン4.5%、ベンフレセート6.0%及びMCPBエチル2.4%を含有させた農薬粒剤。」
また、引用文献4には、引用発明4に対応した農薬粒剤が製造されているので、次の発明(以下「引用製造方法発明4」という。)も記載されているといえる。
引用製造方法発明4:「シメトリン原体(純度98.7%) 50.66質量部及びカルフィン600(炭酸カルシウム粉末、足立石灰工業(株)製)49.34質量部を混合し、サンプルミル(ダルトン(株)製、KIIW-1型、スクリーン径3mmφ)により粉砕し、シメトリン 50.0%を含有するプレミックスを得て、得られたシメトリンプレミックス10.55質量部、ロカヘルプ439 11.73質量部、アミコールNo.1(酵素変性デキストリン、日澱化学(株)製)2.35質量部、トリポリリン酸ソーダ(三井化学(株)製)3.52質量部、ネオペレックスNo.6Fパウダー(アルキルベンゼンスルホン酸塩、花王(株)製)1.76質量部、豊順ベントナイト穂高印(ベントナイト、豊順鉱業(株))35.18質量部及びカルフィン600 34.91質量部の混合粉末に、常水20.00質量部を加え、練合、造粒、乾燥及び整粒を行い、シメトリン5.3%を含有する基粒を得て、ベンフレセート原体(純度98.7%)41.30部、MCPBエチル原体(純度91.0%)17.93質量部、ベンジルアルコール40.77質量部を混合溶解し、ベンフレセート40.8%及びMCPBエチル16.3%を含有するオイルプレミックスを得て、ポリ袋の中で、シメトリン基粒85.28質量部に、オイルプレミックス14.72質量部を加えて、混合し、基粒にオイルプレミックスを吸収させる、シメトリン4.5%、ベンフレセート6.0%及びMCPBエチル2.4%を含有させた農薬粒剤の製造方法。」
10 引用文献5に記載された発明
引用文献5は、水面施用農薬組成物に関する文献であって(摘記(5ア))、請求項1を引用する請求項14に係る発明に対応した実施例1に記載された発明として(摘記(5ウ))、引用文献5には次の発明(以下「引用発明5」という。)が記載されていると認められる。
引用発明5:「ベンスルフロンメチル原体(純度99.47%)5.30部、カフェンストロール原体(純度98.39%)20.88部及びダイムロン原体(純度99.4%)36.18部を混合し、ジェットミル(SK-ジェット・オー・マイザー0101型、株式会社セイシン企業)により粉砕し、プレミックス粉末を得て、該プレミックス粉末62.36部、サンエキスP252(日本製紙株式会社製、リグニンスルホン酸塩)7.50部、M-3801G(第一工業製薬株式会社製、α-オレフィンスルホン酸塩)3.42部、ネオペレックスNo6Fパウダー(花王株式会社製、アルキルベンゼンスルホン酸塩)0.68部、アミコールNo.1(日澱化学株式会社製、澱粉)5.48部、ベントナイト(ネオライト興産株式会社製)10.28部及びコルク(見掛け比重:0.04~0.09)10.28部を混合し、ニーダー(富士産業株式会社、FM-NW-5型)に移し、水18部を添加し、練合し、得られた練合物を、ドームグラン(不二パウダル株式会社、DG-L1型、スクリーン1.0mmφ)にて押出し造粒し、得られた造粒物を、送風棚型乾燥機(送風温度90℃)にて2時間乾燥後、850~1410μmに篩分し、ベンスルフロンメチル5%、カフェンストロール20%及びダイムロン35%を含有させた粒剤。」
また、引用文献5には、引用発明5に対応した粒剤が製造されているので、次の発明(以下「引用製造方法発明5」という。)も記載されているといえる。
引用製造方法発明5:「ベンスルフロンメチル原体(純度99.47%)5.30部、カフェンストロール原体(純度98.39%)20.88部及びダイムロン原体(純度99.4%)36.18部を混合し、ジェットミル(SK-ジェット・オー・マイザー0101型、株式会社セイシン企業)により粉砕し、プレミックス粉末を得て、該プレミックス粉末62.36部、サンエキスP252(日本製紙株式会社製、リグニンスルホン酸塩)7.50部、M-3801G(第一工業製薬株式会社製、α-オレフィンスルホン酸塩)3.42部、ネオペレックスNo6Fパウダー(花王株式会社製、アルキルベンゼンスルホン酸塩)0.68部、アミコールNo.1(日澱化学株式会社製、澱粉)5.48部、ベントナイト(ネオライト興産株式会社製)10.28部及びコルク(見掛け比重:0.04~0.09)10.28部を混合し、ニーダー(富士産業株式会社、FM-NW-5型)に移し、水18部を添加し、練合し、得られた練合物を、ドームグラン(不二パウダル株式会社、DG-L1型、スクリーン1.0mmφ)にて押出し造粒し、得られた造粒物を、送風棚型乾燥機(送風温度90℃)にて2時間乾燥後、850~1410μmに篩分する、ベンスルフロンメチル5%、カフェンストロール20%及びダイムロン35%を含有させた粒剤の製造方法。」
第5 対比・判断
1 本願発明と引用文献1記載の発明との対比・判断について
(1)本願発明1と引用発明1との対比・判断
ア 対比
引用発明1における「水面浮遊性の粒核」は、本願発明1における「浮力材」に相当する。
また、引用発明1における「水面拡展剤」は、引用文献1の【0032】~【0039】における水面拡展剤の界面活性剤の例示及び含有量の記載及び本願明細書の【0026】~【0033】における界面活性剤の例示や含有量の記載からみて、本願発明1の「界面活性剤」に相当するといえる。
さらに、引用発明1における「水面浮遊拡展性粒状農薬製剤」は、本願発明1の「水面浮遊性粒剤組成物」に該当するといえる。
したがって、本願発明1と引用発明1とを対比すると、両者は、
「浮力材、界面活性剤、農薬有効成分を含有する水面浮遊性粒剤組成物。」である点で一致し、以下の点で相違する。
相違点1:本願発明1は、「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉、ベントナイトおよび水を」さらに含有することを特定しているのに対して、引用発明1は、「アシル化されたデンプン、アシル化されたデキストリン、および炭化水素化されたモノもしくはオリゴグルコースから選ばれる、分子構造中に少なくとも一つのグルコース残基を含有する乳化分散剤」をさらに配合することを特定するものであって、なおかつ「ベントナイトおよび水」をさらに含有することを特定するものではない点。
イ 相違点の判断
(ア)相違点1について
引用文献1には、引用発明1に規定される分子構造中に少なくとも一つのグルコース残基を含有する乳化分散剤の一例として、アシル化されたデンプンが示されているだけで、実施例1においても、マツノリンM-22(α化澱粉、松谷化学工業(株)製)が記載されるのみである(摘記(1ウ))。
そして、前記第3で述べたとおり、審判請求人が、審判請求書に添付した資料1のデンプンの構造の欄及び商品リストに示されるように、デンプンには、未加工のものと変性処理(加工処理)が施されたものがあり、本願発明1は、未加工澱粉であると主張していることを考慮すると、引用発明1のアシル化されたデンプン(引用文献1の実施例では、マツノリンM-22(α化澱粉、松谷化学工業(株)製))は変性処理をした加工デンプンであると解され、本願発明1の特定事項である「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉」をさらに含有することには、変性処理(人工的な加工を加えたもの)をしたものは含まないと理解できる。
そうすると、引用文献1の記載に接した当業者があえて特定成分である乳化分散剤に着目し、アシル化されたデンプンを選択する動機付けはなく、さらに、そのアシル化されたデンプンであることを前提とする引用発明1において、あえてコーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉とすることの記載ないし示唆があるとはいえないので、引用発明1において、本願発明1の相違点1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得る技術的事項であるとはいえない。
また、引用文献2~5に記載の技術的事項をあわせて考慮しても、水面浮遊性粒剤組成物の技術分野において、未加工の澱粉を用いることの記載も示唆もないので、同様に当業者が容易に想到し得る技術的事項であるとはいえない。
(イ)本願発明1の効果について
上記のとおり、上記相違点1の構成は、当業者が容易に採用し得る技術的事項ではないが、本願発明1の効果についても、検討しておくこととする。
本願発明1については、実施例1~4と比較例1~4において、相違点1に係るコーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉、ベントナイトに加えて、浮力材、界面活性剤、農薬有効成分及び水を含有することで、押し出し造粒時の成形性、農薬活性成分の化学的安定性、製剤の物理化学的安定性のいずれの面でも良好な水面浮遊性粒剤を得られるという効果(段落【0010】)が確認されている。
一方、引用文献1には、押し出し造粒時の成形性、農薬活性成分の化学的安定性、製剤の物理化学的安定性の効果が得られることについての記載もなく、本願発明1の構成により、そのような効果が得られるという技術常識が本願優先日時点に存在したとも認められないので、本願発明1は、上記相違点1に係る構成を備えることにより、引用発明1及び本願優先日時点の技術常識から当業者が予測し得ない顕著な効果を奏するものといえる。
ウ 本願発明1と引用発明1との対比・判断のまとめ
したがって、本願発明1は、引用発明1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
(2)本願発明2~5と引用発明1との対比・判断
(2-1)本願発明2との対比・判断
ア 対比
本願発明2は、本願発明1において、澱粉をコーンスターチに特定したものであるから、本願発明2と引用発明1の間には、次の相違点2がある。
相違点2:本願発明2は「澱粉」としての「コーンスターチ」、「ベントナイトおよび水を」さらに含有することを特定しているのに対して、引用発明1は、「アシル化されたデンプン、アシル化されたデキストリン、および炭化水素化されたモノもしくはオリゴグルコースから選ばれる、分子構造中に少なくとも一つのグルコース残基を含有する乳化分散剤」がさらに配合されたことを特定している点。
イ 相違点の判断
上記相違点2について検討すると、上記(1)の相違点1について検討したのと同様に、引用発明1において、相違点2の構成をなすことも当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献2~5の文献の記載をあわせて考慮しても同様である。
したがって、本願発明2は、本願発明1と引用発明1との対比において検討したように、引用発明1に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(2-2)本願発明3との対比・判断
ア 対比
本願発明3は、本願発明1又は2において、「浮力材」を「焼成バーミキュライト、発泡シラス、発泡パーライト、コルクおよび発泡スチロールからなる群より選択される少なくとも1種である」ことを特定したものであるから、本願発明3と引用発明1の間には、相違点1又は2に加えて、次の相違点3がある。
相違点3:本願発明3は「浮力材が、焼成バーミキュライト、発泡シラス、発泡パーライト、コルクおよび発泡スチロールからなる群より選択される少なくとも1種である」と特定されているのに対して、引用発明1は、「水面浮遊性の粒核」と特定されている点。
イ 相違点の判断
上記(1)及び(2-1)で検討したとおり、引用発明1において、相違点1又は相違点2の構成をなすことは当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献2~5の文献の記載をあわせて考慮しても同様である。
したがって、本願発明3は、相違点3について検討するまでもなく、本願発明1又は2と引用発明1との対比・判断において検討したように、引用発明1に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(2-3)本願発明4との対比・判断
ア 対比
本願発明4は、本願発明1~3において、「農薬有効成分」を「除草剤活性成分である」ことを特定したものであるから、本願発明4と引用発明1の間には、相違点1~3に加えて、次の相違点4がある。
相違点4:本願発明4は「農薬有効成分が除草剤活性成分である」と特定されているのに対して、引用発明1は、「農薬有効成分」と特定されている点。
イ 相違点の判断
上記(1)及び(2-1)で検討したとおり、引用発明1において、相違点1又は相違点2の構成をなすことは当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献2~5の文献の記載をあわせて考慮しても同様である。
したがって、本願発明4は、相違点3及び4について検討するまでもなく、本願発明1又は2と引用発明1との対比・判断において検討したように、引用発明1に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(2-4)本願発明5との対比・判断
ア 対比
本願発明5は、本願発明1~4において、「農薬有効成分」を「(A1)白化型除草性化合物もしくはその塩および/又は(A2)アセトラクテート合成酵素阻害型除草性化合物もしくはその塩である」ことを特定したものであるから、本願発明5と引用発明1の間には、相違点1~3に加えて、次の相違点5がある。
相違点5:本願発明5は「農薬有効成分が(A1)白化型除草性化合物もしくはその塩および/又は(A2)アセトラクテート合成酵素阻害型除草性化合物もしくはその塩である」と特定されているのに対して、引用発明1は、「農薬有効成分」と特定されている点。
イ 相違点の判断
上記(1)及び(2-1)で検討したとおり、引用発明1において、相違点1又は相違点2の構成をなすことは当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献2~5の文献の記載をあわせて考慮しても同様である。
したがって、本願発明5は、相違点3及び5について検討するまでもなく、本願発明1又は2と引用発明1との対比・判断において検討したように、引用発明1に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(3)本願発明6と引用製造方法発明1との対比・判断
ア 対比
引用製造方法発明1における「水面浮遊性の粒核」は、本願発明6における「浮力材」に相当する。
また、引用製造方法発明1における「水面拡展剤」は、引用文献1の【0032】~【0039】における水面拡展剤の界面活性剤の例示及び含有量の記載及び本願明細書の【0026】~【0033】における界面活性剤の例示や含有量の記載からみて、本願発明6の「界面活性剤」に相当するといえる。
さらに、引用製造方法発明1における「水面浮遊拡展性粒状農薬製剤の製造方法」は、本願発明6の「水面浮遊性粒剤組成物の製造方法」に該当するといえる。
したがって、本願発明6と引用製造方法発明1とを対比すると、両者は、
「浮力材、界面活性剤、農薬有効成分及びその他補助剤成分を混合する工程を含む水面浮遊性粒剤組成物の製造方法。」である点で一致し、以下の点で相違する。
相違点1’:本願発明6は、「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種(請求項2を引用する場合は、コーンスターチ)である澱粉、ベントナイトおよび水を」含有させて混合することを特定しているのに対して、引用製造方法発明1は、「アシル化されたデンプン、アシル化されたデキストリン、および炭化水素化されたモノもしくはオリゴグルコースから選ばれる、分子構造中に少なくとも一つのグルコース残基を含有する乳化分散剤」を配合することを特定している点。
相違点6:本願発明6は、「成分を混合し、湿式造粒する工程」及び「前記工程で得られた粒剤を、乾燥、解砕および篩分する工程を含む」ことが特定されているのに対して、引用製造方法発明1は、各成分を「配合し、その他の補助剤を混合し被覆するか、又は各成分を適当な形に成形する」ことが特定されている点。
イ 相違点の判断
相違点1’は、実質的に相違点1と同一の内容であり、上記(1)の相違点1又は上記(2-1)の相違点2について検討したのと同様に、引用製造方法発明1において、相違点1’の構成をなすことも当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献2~5に記載の技術的事項をあわせて考慮しても、水面浮遊性粒剤組成物の製造方法の技術分野において、未加工の澱粉を用いることの記載も示唆もないので、同様に当業者が容易に想到し得る技術的事項であるとはいえない。
したがって、本願発明6は、相違点6について検討するまでもなく、本願発明1又は2と引用発明1との対比・判断において検討したように、引用発明1に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(4)本願発明7~9と引用発明1との対比・判断
ア 対比
本願発明7~9は、本願発明1~5の水面浮遊性粒剤組成物を、それぞれ、「水田に直接散布することを特徴とする水面浮遊性粒剤組成物の施用方法」、「水溶性フィルムに封入し、水田に直接散布することを特徴とする水面浮遊性粒剤組成物の施用方法。」、「水溶性フィルムに封入することを特徴とする、農薬製剤。」として特定した発明であり、上記(1)の相違点1又は上記(2-1)の相違点2について検討したのと同様に、引用発明1において、相違点1又は2の構成をなすことは、当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献2~5に記載の技術的事項をあわせて考慮しても、水面浮遊性粒剤組成物の施用方法又は水面浮遊性粒剤組成物を用いた農薬製剤の技術分野において、未加工の澱粉を用いることの記載も示唆もないので、同様に当業者が容易に想到し得る技術的事項であるとはいえない。
(5)小括
本願発明1~9は、引用文献1に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
2 本願発明と引用文献2記載の発明との対比・判断について
(1)本願発明1と引用発明2-1との対比・判断
ア 対比
引用発明2-1における「発泡パーライト、発泡シラス、コルクより選ばれる1種以上」は、本願発明1における「浮力材」に相当する。
また、引用発明2-1における「融点が50℃以上の農薬有効成分」は、本願発明1における農薬有効成分に該当する。
さらに、引用発明2-1における「アセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤より選ばれる1種又は2種以上を含有する水面拡展剤」は、本願発明1の「界面活性剤」に相当するといえる。
そして、引用発明2-1における「水面浮遊拡展性農薬粒剤」は、本願発明1の「水面浮遊性粒剤組成物」に該当するといえる。
したがって、本願発明1と引用発明2-1とを対比すると、両者は、
「浮力材、界面活性剤、農薬有効成分を含有する水面浮遊性粒剤組成物。」である点で一致し、以下の点で相違する。
相違点1-2:本願発明1は、「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉、ベントナイトおよび水を」さらに含有することを特定しているのに対して、引用発明2-1は、澱粉、ベントナイトおよび水に関する特定のない点。
イ 相違点の判断
引用文献2には、結合剤として、比較的高分子量のデキストリンやα化でんぷん、βーでんぷん、その他種々のでんぷん誘導体、タブ粉、比較的高分子量或いは鹸化率の高いポリビニルアルコールや比較的高分子量のポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースの塩、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子物質を例示する記載があるものの(摘記(2イ))、本願発明1の「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉」に関する記載がなく、上記1で述べたとおり、本願発明1の特定事項である「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉」をさらに含有することには、変性処理(人工的な加工を加えたもの)をしたもの、でんぷん誘導体は含まないと理解できる。
そうすると、引用文献2の記載に接した当業者があえて、「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉、ベントナイトおよび水を含有」させて成分を追加する動機付けはなく、引用発明2-1において、本願発明1の相違点1-2の構成とすることは、当業者が容易に想到し得る技術的事項であるとはいえない。
また、引用文献1、3~5に記載の技術的事項をあわせて考慮しても、水面浮遊性粒剤組成物の技術分野において、未加工の澱粉を用いることの記載も示唆もないので、同様に当業者が容易に想到し得る技術的事項であるとはいえない。
さらに、本願発明1は、上記相違点1-2に係る構成を備えることにより、引用発明2-1及び本願優先日時点の技術常識から当業者が予測し得ない顕著な効果を奏するものといえる。
(2)本願発明2~5と引用発明2-1との対比・判断
(2-1)本願発明2との対比・判断
ア 対比
本願発明2は、本願発明1において、澱粉をコーンスターチに特定したものであるから、本願発明2と引用発明2-1の間には、次の相違点2-2がある。
相違点2-2:本願発明2は「澱粉」としての「コーンスターチ」、「ベントナイトおよび水を」さらに含有することを特定しているのに対して、引用発明2-1は、澱粉、ベントナイトおよび水に関する特定のない点。
イ 相違点の判断
上記相違点2-2について検討すると、上記(1)の相違点1-2について検討したのと同様に、引用発明2-1において、相違点2-2の構成をなすことも当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1、3~5の文献の記載をあわせて考慮しても同様である。
したがって、本願発明2は、本願発明1と引用発明2-1との対比において検討したように、引用発明2-1に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(2-2)本願発明3との対比・判断
ア 対比
本願発明3は、本願発明1又は2において、「浮力材」を「焼成バーミキュライト、発泡シラス、発泡パーライト、コルクおよび発泡スチロールからなる群より選択される少なくとも1種である」ことを特定したものであるから、本願発明3と引用発明2-1の間には、相違点1-2又は2-2以外に新たな相違点はない。
イ 相違点の判断
上記(1)及び(2-1)で検討したとおり、引用発明2-1において、相違点1-2又は相違点2-2の構成をなすことは当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1、3~5の文献の記載をあわせて考慮しても同様である。
したがって、本願発明3は、本願発明1又は2と引用発明2-1との対比・判断において検討したように、引用発明2-1に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(2-3)本願発明4との対比・判断
ア 対比
本願発明4は、本願発明1~3において、「農薬有効成分」を「除草剤活性成分である」ことを特定したものであるから、本願発明4と引用発明2-1の間には、相違点1-2又は2-2に加えて、次の相違点4-2がある。
相違点4-2:本願発明4は「農薬有効成分が除草剤活性成分である」と特定されているのに対して、引用発明2-1は、「融点が50℃以上の農薬有効成分」と特定されている点。
イ 相違点の判断
上記(1)及び(2-1)で検討したとおり、引用発明2-1において、相違点1-2又は相違点2-2の構成をなすことは当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1、3~5の文献の記載をあわせて考慮しても同様である。
したがって、本願発明4は、相違点4-2について検討するまでもなく、本願発明1又は2と引用発明2-1との対比・判断において検討したように、引用発明2-1に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(2-4)本願発明5との対比・判断
ア 対比
本願発明5は、本願発明1~4において、「農薬有効成分」を「(A1)白化型除草性化合物もしくはその塩および/又は(A2)アセトラクテート合成酵素阻害型除草性化合物もしくはその塩である」ことを特定したものであるから、本願発明5と引用発明2-1の間には、相違点1-2又は2-2に加えて、次の相違点5-2がある。
相違点5-2:本願発明5は「農薬有効成分が(A1)白化型除草性化合物もしくはその塩および/又は(A2)アセトラクテート合成酵素阻害型除草性化合物もしくはその塩である」と特定されているのに対して、引用発明2-1は、「融点が50℃以上の農薬有効成分」と特定されている点。
イ 相違点の判断
上記(1)及び(2-1)で検討したとおり、引用発明2-1において、相違点1-2又は相違点2-2の構成をなすことは当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1、3~5の文献の記載をあわせて考慮しても同様である。
したがって、本願発明5は、相違点5-2について検討するまでもなく、本願発明1又は2と引用発明2-1との対比・判断において検討したように、引用発明2-1に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(3)本願発明6と引用製造方法発明2との対比・判断
ア 対比
引用製造方法発明2における「発泡パーライト、発泡シラス、コルクより選ばれる1種以上を含有し、水面浮遊性で、且つ水中で非崩壊性とした造粒キャリヤー」は、本願発明6における「浮力材」に相当する。
また、引用製造方法発明2における「アセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤より選ばれる1種又は2種以上を含有する水面拡展剤」は、本願発明6の「界面活性剤」に相当するといえる。 さらに、引用製造方法発明2における「水面浮遊拡展性農薬粒剤の製造方法」は、本願発明6の「水面浮遊性粒剤組成物の製造方法」に該当するといえる。
したがって、本願発明6と引用製造方法発明2とを対比すると、両者は、
「浮力材、界面活性剤、農薬有効成分及びその他補助剤成分を混合する工程を含む水面浮遊性粒剤組成物の製造方法。」である点で一致し、以下の点で相違する。
相違点1’-2:本願発明6は、「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種(請求項2を引用する場合は、コーンスターチ)である澱粉、ベントナイトおよび水を」含有させて混合することを特定しているのに対して、引用製造方法発明2は、澱粉、ベントナイトおよび水に関する特定のない点。
相違点6-2:本願発明6は、「成分を混合し、湿式造粒する工程」及び「前記工程で得られた粒剤を、乾燥、解砕および篩分する工程を含む」ことが特定されているのに対して、引用製造方法発明2は、各成分を「造粒キャリヤーに」「農薬有効成分の粉末プレミックスを被覆し、更に」「水面拡展剤を配合する」ことが特定されている点。
イ 相違点の判断
相違点1’-2は、実質的に相違点1-2と同一の内容であり、上記(1)の相違点1-2又は上記(2-1)の相違点2-2について検討したのと同様に、引用製造方法発明2において、相違点1’-2の構成をなすことも当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1、3~5に記載の技術的事項をあわせて考慮しても、水面浮遊性粒剤組成物の製造方法の技術分野において、未加工の澱粉を用いることの記載も示唆もないので、同様に当業者が容易に想到し得る技術的事項であるとはいえない。
したがって、本願発明6は、相違点6-2について検討するまでもなく、本願発明1又は2と引用発明2-1との対比・判断において検討したように、引用製造方法発明2に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(4)本願発明7~9と引用発明2-2との対比・判断
ア 対比
本願発明7~9は、本願発明1~5の水面浮遊性粒剤組成物を、それぞれ、「水田に直接散布することを特徴とする水面浮遊性粒剤組成物の施用方法」、「水溶性フィルムに封入し、水田に直接散布することを特徴とする水面浮遊性粒剤組成物の施用方法。」、「水溶性フィルムに封入することを特徴とする、農薬製剤。」として特定した発明であり、上記(1)の相違点1-2又は上記(2-1)の相違点2-2について検討したのと同様に、引用発明2-2との対比において、少なくとも以下の相違点1”-2(相違点2”-2)を有する。
相違点1”-2(相違点2”-2):本願発明7~9は、「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種(請求項2を引用する場合は、コーンスターチ)である澱粉、ベントナイトおよび水を」含有することを特定しているのに対して、引用発明2-2は、澱粉、ベントナイトおよび水に関する特定のない点。
イ 相違点の判断
相違点1”-2は、実質的に相違点1-2と同一の内容であり、上記(1)の相違点1-2又は上記(2-1)の相違点2-2について検討したのと同様に、引用発明2-2において、相違点1”-2の構成をなすことは当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1、3~5に記載の技術的事項をあわせて考慮しても、水面浮遊性粒剤組成物の施用方法又は水面浮遊性粒剤組成物を用いた農薬製剤の技術分野において、未加工の澱粉を用いることの記載も示唆もないので、同様に当業者が容易に想到し得る技術的事項であるとはいえない。
(5)小括
本願発明1~9は、引用文献2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
3 本願発明と引用文献3記載の発明との対比・判断について
(1)本願発明1と引用発明3との対比・判断
ア 対比
引用発明3における「ベントナイト粉末(豊順穂高印、22.0部)」は、本願発明1における「ベントナイト」に相当する。
また、引用発明3における「ピラゾレート原体」及び「プレチラクロール原体(96.0%、4.92部)」は、本願発明1における「農薬有効成分」に該当する。
さらに、引用発明3における「サーフィノールTGE、NE291PG、プルロニックP103」は、本願発明1の「界面活性剤」に相当するといえる。
そして、引用発明3における「基粒に吸収させて得たピラゾレート18%及びプレチラクロール4.5%を含有し、10a当り1kgを水田に施用する粒剤」は、本願発明1の「粒剤組成物」に該当するといえる。
したがって、本願発明1と引用発明3とを対比すると、両者は、
「ベントナイト、界面活性剤、農薬有効成分および水を含有する粒剤組成物。」である点で一致し、以下の点で相違する。
相違点1-3:本願発明1は、「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉、浮力材を」さらに含有することを特定しているのに対して、引用発明3は、澱粉、および浮力材に関する特定のない点。
イ 相違点の判断
引用文献3には、増量剤として、多数の例示の中にでんぷんが、結合剤として、高濃度農薬固形製剤が水中で崩壊した方が好ましい場合はデキストリン等が、崩壊しない方が好ましい場合は水溶性澱粉、デキストリン、α化澱粉等の澱粉を例示する記載があるものの(摘記(3イ))、本願発明1の「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉」に関する記載がなく、顆粒状水和剤の実施例3に乾燥馬鈴薯澱粉が使用されているだけであり(摘記(3ウ))、前記1で述べたとおり、本願発明1の特定事項である「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉」をさらに含有することには、変性処理(人工的な加工を加えたもの)をしたもの、でんぷん誘導体は含まないと理解できる。
そうすると、引用文献3の記載に接した当業者が拡展性を重視して崩壊させた方が好ましい実施例1で比較的低分子のデキストリンを使用しているのをあえて、「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉、浮力材を含有」させて成分を追加する動機付けはなく、引用発明3において、本願発明1の相違点1-3の構成とすることは、当業者が容易に想到し得る技術的事項であるとはいえない。
また、引用文献1、2、4、5に記載の技術的事項をあわせて考慮しても、水面浮遊性粒剤組成物の技術分野において、未加工の澱粉を用いることの記載も示唆もないので、同様に当業者が容易に想到し得る技術的事項であるとはいえない。
さらに、本願発明1は、上記相違点1-3に係る構成を備えることにより、引用発明3及び本願優先日時点の技術常識から当業者が予測し得ない顕著な効果を奏するものといえる。
(2)本願発明2~5と引用発明3との対比・判断
(2-1)本願発明2との対比・判断
ア 対比
本願発明2は、本願発明1において、澱粉をコーンスターチに特定したものであるから、本願発明2と引用発明3の間には、次の相違点2-3がある。
相違点2-3:本願発明2は「澱粉」としての「コーンスターチ」、「浮力材を」さらに含有することを特定しているのに対して、引用発明3は、澱粉、および浮力材に関する特定のない点。
イ 相違点の判断
上記相違点2-3について検討すると、上記(1)の相違点1-3について検討したのと同様に、引用発明3において、相違点2-3の構成をなすことも当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1、2、4、5の文献の記載をあわせて考慮しても同様である。
したがって、本願発明2は、本願発明1と引用発明3との対比において検討したように、引用発明3に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(2-2)本願発明3との対比・判断
ア 対比
本願発明3は、本願発明1又は2において、「浮力材」を「焼成バーミキュライト、発泡シラス、発泡パーライト、コルクおよび発泡スチロールからなる群より選択される少なくとも1種である」ことを特定したものであるから、本願発明3と引用発明3の間には、相違点1-3又は2-3以外に以下の相違点3-3を有する。
相違点3-3:本願発明3は、浮力材を含有する水面浮遊性粒剤組成物であるのに対して、引用発明3は、浮力材を含有しない水田に施用する粒剤である点。
イ 相違点の判断
上記(1)及び(2-1)で検討したとおり、引用発明3において、相違点1-3又は相違点2-3の構成をなすことは当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1、2、4、5の文献の記載をあわせて考慮しても同様である。
したがって、本願発明3は、相違点3-3について検討するまでもなく、本願発明1又は2と引用発明3との対比・判断において検討したように、引用発明3に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(2-3)本願発明4との対比・判断
ア 対比
本願発明4は、本願発明1~3において、「農薬有効成分」を「除草剤活性成分である」ことを特定したものであるから、本願発明4と引用発明3の間には、相違点1-3~相違点3-3に加えて、次の相違点4-3がある。
相違点4-3:本願発明4は「農薬有効成分が除草剤活性成分である」と特定されているのに対して、引用発明3は、「ピラゾレート原体」及び「プレチラクロール原体(96.0%、4.92部)」である点。
イ 相違点の判断
上記(1)及び(2-1)で検討したとおり、引用発明3において、相違点1-3又は相違点2-3の構成をなすことは当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1、2、4、5の文献の記載をあわせて考慮しても同様である。
したがって、本願発明4は、相違点3-3及び相違点4-3について検討するまでもなく、本願発明1又は2と引用発明3との対比・判断において検討したように、引用発明3に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(2-4)本願発明5との対比・判断
ア 対比
本願発明5は、本願発明1~4において、「農薬有効成分」を「(A1)白化型除草性化合物もしくはその塩および/又は(A2)アセトラクテート合成酵素阻害型除草性化合物もしくはその塩である」ことを特定したものであるから、本願発明5と引用発明3の間には、相違点1-3~相違点3-3に加えて、次の相違点5-3がある。
相違点5-3:本願発明5は「農薬有効成分が(A1)白化型除草性化合物もしくはその塩および/又は(A2)アセトラクテート合成酵素阻害型除草性化合物もしくはその塩である」と特定されているのに対して、引用発明3は、「ピラゾレート原体」及び「プレチラクロール原体(96.0%、4.92部)」である点。
イ 相違点の判断
上記(1)及び(2-1)で検討したとおり、引用発明3において、相違点1-3又は相違点2-3の構成をなすことは当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1、2、4、5の文献の記載をあわせて考慮しても同様である。
したがって、本願発明5は、相違点3-3及び相違点5-3について検討するまでもなく、本願発明1又は2と引用発明3との対比・判断において検討したように、引用発明3に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(3)本願発明6と引用製造方法発明3との対比・判断
ア 対比
引用製造方法発明3における「ベントナイト粉末(豊順穂高印、22.0部)」は、本願発明6における「ベントナイト」に相当する。
また、引用製造方法発明3における「ピラゾレート原体」及び「プレチラクロール原体(96.0%、4.92部)」は、本願発明6における「農薬有効成分」に該当する。
さらに、引用製造方法発明3における「サーフィノールTGE、NE291PG、プルロニックP103」は、本願発明6の「界面活性剤」に相当するといえる。
そして、引用製造方法発明3における「基粒に吸収させて得るピラゾレート18%及びプレチラクロール4.5%を含有し、10a当り1kgを水田に施用する粒剤」は、本願発明6の「粒剤組成物」に該当するといえる。
さらに、引用製造方法発明3における「カルフィン600(足立石灰工業株式会社製、炭酸カルシウム粉末、48.2部)、ベントナイト粉末(豊順穂高印、22.0部)、アミコールNo.1(日澱化学株式会社製、デキストリン、3.0部)及びセロゲン5A(第一工業製薬株式会社製、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、0.5部)をニーダー中で混合し、次いで、ピラゾレート原体、サーフィノールTGE、NE291PG、プルロニックP103及び水を混合したピラゾレートスラリー(29.0部)及びトキサノンGR31A(5.0部)を加えて練合し、押し出し造粒機EXK1型(不二パウダル株式会社製、0.9mmスクリーン)を用いて、造粒し、流動層乾燥機を用いて105℃で乾燥し、1.0~0.5mm区分に篩い分けて基粒を調製し、得られた基粒(95.08部)をナウタミキサーに仕込み、プレチラクロール原体(96.0%、4.92部)を加えて混合し、基粒に吸収させて得るピラゾレート18%及びプレチラクロール4.5%を含有し、10a当り1kgを水田に施用する粒剤の製造方法。」することは、本願発明6の「混合し、湿式造粒する工程、並びに前記工程で得られた粒剤を、乾燥、」「篩分する工程を含む」「粒剤組成物の製造方法」に該当するといえる。
したがって、本願発明6と引用製造方法発明3とを対比すると、両者は、
「ベントナイト、界面活性剤、農薬有効成分及び水、並びにその他補助剤成分を混合し、湿式造粒する工程、並びに前記工程で得られた粒剤を、乾燥、篩分する工程を含む粒剤組成物の製造方法。」である点で一致し、以下の点で相違する。
相違点1’-3:本願発明6は、「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種(請求項2を引用する場合は、コーンスターチ)である澱粉、浮力材を」含有させて混合することを特定しているのに対して、引用製造方法発明3は、澱粉、および浮力材に関する特定のない点。
相違点6-3:本願発明6は、粒剤を、乾燥後、「解砕」する工程を含むことが特定されているのに対して、引用製造方法発明3は、カルフィン600(足立石灰工業株式会社製、炭酸カルシウム粉末、48.2部)、ベントナイト粉末(豊順穂高印、22.0部)、アミコールNo.1(日澱化学株式会社製、デキストリン、3.0部)及びセロゲン5A(第一工業製薬株式会社製、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、0.5部)をニーダー中で混合し、次いで、ピラゾレート原体、サーフィノールTGE、NE291PG、プルロニックP103及び水を混合したピラゾレートスラリー(29.0部)及びトキサノンGR31A(5.0部)を加えて練合し、押し出し造粒機EXK1型(不二パウダル株式会社製、0.9mmスクリーン)を用いて、造粒し、流動層乾燥機を用いて105℃で乾燥し、1.0~0.5mm区分に篩い分けて基粒を調製し、得られた基粒(95.08部)をナウタミキサーに仕込み、プレチラクロール原体(96.0%、4.92部)を加えて混合し、基粒に吸収させて得ることが特定されている点。
イ 相違点の判断
相違点1’-3は、実質的に相違点1-3と同一の内容であり、上記(1)の相違点1-3又は上記(2-1)の相違点2-3について検討したのと同様に、引用製造方法発明3において、相違点1’-3の構成をなすことも当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1、2、4、5に記載の技術的事項をあわせて考慮しても、水面浮遊性粒剤組成物の製造方法の技術分野において、未加工の澱粉を用いることの記載も示唆もないので、同様に当業者が容易に想到し得る技術的事項であるとはいえない。
したがって、本願発明6は、相違点6-3について検討するまでもなく、本願発明1又は2と引用発明3との対比・判断において検討したように、引用製造方法発明3に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(4)本願発明7~9と引用発明3との対比・判断
ア 対比
本願発明7~9は、本願発明1~5の水面浮遊性粒剤組成物を、それぞれ、「水田に直接散布することを特徴とする水面浮遊性粒剤組成物の施用方法」、「水溶性フィルムに封入し、水田に直接散布することを特徴とする水面浮遊性粒剤組成物の施用方法。」、「水溶性フィルムに封入することを特徴とする、農薬製剤。」として特定した発明であり、上記(1)の相違点1-3又は上記(2-1)の相違点2-3について検討したのと同様に、引用発明3との対比において、少なくとも以下の相違点1”-3(相違点2”-3)を有する。
相違点1”-3(相違点2”-3):本願発明7~9は、「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種(請求項2を引用する場合は、コーンスターチ)である澱粉、浮力材を」含有することを特定しているのに対して、引用発明3は、澱粉、および浮力材に関する特定のない点。
イ 相違点の判断
相違点1”-3は、実質的に相違点1-3と同一の内容であり、上記(1)の相違点1-3又は上記(2-1)の相違点2-3について検討したのと同様に、引用発明3において、相違点1”-3の構成をなすことは当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1、2、4、5に記載の技術的事項をあわせて考慮しても、水面浮遊性粒剤組成物の施用方法又は水面浮遊性粒剤組成物を用いた農薬製剤の技術分野において、未加工の澱粉を用いることの記載も示唆もないので、同様に当業者が容易に想到し得る技術的事項であるとはいえない。
(5)小括
本願発明1~9は、引用文献3に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
4 本願発明と引用文献4記載の発明との対比・判断について
(1)本願発明1と引用発明4との対比・判断
ア 対比
引用発明4における「豊順ベントナイト穂高印(ベントナイト、豊順鉱業(株))」は、本願発明1における「ベントナイト」に相当する。
また、引用発明4における「シメトリン原体(純度98.7%)」及び「ベンフレセート原体(純度98.7%)」は、本願発明1における「農薬有効成分」に該当する。
さらに、引用発明4における「ネオペレックスNo.6Fパウダー(アルキルベンゼンスルホン酸塩、花王(株)製)」は、本願発明1の「界面活性剤」に相当するといえる。
引用発明4は、常水 20.00質量部を加え、練合、造粒、乾燥及び整粒を行い、シメトリン 5.3%を含有する基粒を得ているので、乾燥工程を経ていても、水を含有していることは明らかである。
そして、引用発明4における「基粒にオイルプレミックスを吸収させて、シメトリン 4.5%、ベンフレセート6.0%及びMCPBエチル2.4%を含有させた農薬粒剤」は、本願発明1の「粒剤組成物」に該当するといえる。
したがって、本願発明1と引用発明4とを対比すると、両者は、
「ベントナイト、界面活性剤、農薬有効成分および水を含有する粒剤組成物。」である点で一致し、以下の点で相違する。
相違点1-4:本願発明1は、「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉、浮力材を」さらに含有することを特定しているのに対して、引用発明4は、澱粉、および浮力材に関する特定のない点。
イ 相違点の判断
引用文献4には、増量剤として、多数の例示の中に澱粉が、結合剤として、加工澱粉が例示され、加工澱粉として、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、とうもろこし澱粉、タピオカ澱粉を人工的に加工したアルファー化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、デキストリン等が例示できることが記載されているものの(摘記(4イ))、本願発明1の「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉」に関する記載がなく、引用発明4とは別の実施例において、アミコールHF(α化デンプン、日澱化学(株)製)が使用されているだけであり(摘記(4ウ))、前記1で述べたとおり、本願発明1の特定事項である「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉」をさらに含有することには、変性処理(人工的な加工を加えたもの)をしたもの、でんぷん誘導体は含まないと理解できる。
そうすると、引用文献4の記載に接した当業者が結合剤として、加工澱粉としてデキストリンを使用しているのをあえて、「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉、浮力材を含有」させて成分を変更及び追加する動機付けはなく、引用発明4において、本願発明1の相違点1-4の構成とすることは、当業者が容易に想到し得る技術的事項であるとはいえない。
また、引用文献1~3、5に記載の技術的事項をあわせて考慮しても、水面浮遊性粒剤組成物の技術分野において、未加工の澱粉を用いることの記載も示唆もないので、同様に当業者が容易に想到し得る技術的事項であるとはいえない。
さらに、本願発明1は、上記相違点1-4に係る構成を備えることにより、引用発明4及び本願優先日時点の技術常識から当業者が予測し得ない顕著な効果を奏するものといえる。
(2)本願発明2~5と引用発明4との対比・判断
(2-1)本願発明2との対比・判断
ア 対比
本願発明2は、本願発明1において、澱粉をコーンスターチに特定したものであるから、本願発明2と引用発明4の間には、次の相違点2-4がある。
相違点2-4:本願発明2は「澱粉」としての「コーンスターチ」、「浮力材を」さらに含有することを特定しているのに対して、引用発明4は、澱粉、および浮力材に関する特定のない点。
イ 相違点の判断
上記相違点2-4について検討すると、上記(1)の相違点1-4について検討したのと同様に、引用発明4において、相違点2-4の構成をなすことも当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1~3、5の文献の記載をあわせて考慮しても同様である。
したがって、本願発明2は、本願発明1と引用発明4との対比において検討したように、引用発明4に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(2-2)本願発明3との対比・判断
ア 対比
本願発明3は、本願発明1又は2において、「浮力材」を「焼成バーミキュライト、発泡シラス、発泡パーライト、コルクおよび発泡スチロールからなる群より選択される少なくとも1種である」ことを特定したものであるから、本願発明3と引用発明4の間には、相違点1-4又は2-4以外に以下の相違点3-4を有する。
相違点3-4:本願発明3は、焼成バーミキュライト、発泡シラス、発泡パーライト、コルクおよび発泡スチロールからなる群より選択される少なくとも1種を含有する水面浮遊性粒剤組成物であるのに対して、引用発明4は、浮力材を含有しない農薬粒剤である点。
イ 相違点の判断
上記(1)及び(2-1)で検討したとおり、引用発明4において、相違点1-4又は相違点2-4の構成をなすことは当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1~3、5の文献の記載をあわせて考慮しても同様である。
したがって、本願発明3は、相違点3-4について検討するまでもなく、本願発明1又は2と引用発明4との対比・判断において検討したように、引用発明4に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(2-3)本願発明4との対比・判断
ア 対比
本願発明4は、本願発明1~3において、「農薬有効成分」を「除草剤活性成分である」ことを特定したものであるから、本願発明4と引用発明4の間には、相違点1-4~相違点3-4に加えて、次の相違点4-4がある。
相違点4-4:本願発明4は「農薬有効成分が除草剤活性成分である」と特定されているのに対して、引用発明4は、「シメトリン原体(純度98.7%)」及び「ベンフレセート原体(純度98.7%)」である点。
イ 相違点の判断
上記(1)及び(2-1)で検討したとおり、引用発明4において、相違点1-4又は相違点2-4の構成をなすことは当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1~3、5の文献の記載をあわせて考慮しても同様である。
したがって、本願発明4は、相違点3-4及び相違点4-4について検討するまでもなく、本願発明1又は2と引用発明4との対比・判断において検討したように、引用発明4に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(2-4)本願発明5との対比・判断
ア 対比
本願発明5は、本願発明1~4において、「農薬有効成分」を「(A1)白化型除草性化合物もしくはその塩および/又は(A2)アセトラクテート合成酵素阻害型除草性化合物もしくはその塩である」ことを特定したものであるから、本願発明5と引用発明4の間には、相違点1-4~相違点3-4に加えて、次の相違点5-4がある。
相違点5-4:本願発明5は「農薬有効成分が(A1)白化型除草性化合物もしくはその塩および/又は(A2)アセトラクテート合成酵素阻害型除草性化合物もしくはその塩である」と特定されているのに対して、引用発明4は、「シメトリン原体(純度98.7%)」及び「ベンフレセート原体(純度98.7%)」である点。
イ 相違点の判断
上記(1)及び(2-1)で検討したとおり、引用発明4において、相違点1-4又は相違点2-4の構成をなすことは当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1~3、5の文献の記載をあわせて考慮しても同様である。
したがって、本願発明5は、相違点3-4及び相違点5-4について検討するまでもなく、本願発明1又は2と引用発明4との対比・判断において検討したように、引用発明4に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(3)本願発明6と引用製造方法発明4との対比・判断
ア 対比
引用製造方法発明4における「豊順ベントナイト穂高印(ベントナイト、豊順鉱業(株))」は、本願発明6における「ベントナイト」に相当する。
また、引用製造方法発明4における「シメトリン原体(純度98.7%)」及び「ベンフレセート原体(純度98.7%)」は、本願発明6における「農薬有効成分」に該当する。
さらに、引用製造方法発明4における「ネオペレックスNo.6Fパウダー(アルキルベンゼンスルホン酸塩、花王(株)製)」は、本願発明6の「界面活性剤」に相当するといえる。
引用製造方法発明4は、常水 20.00質量部を加え、練合、造粒、乾燥及び整粒を行い、シメトリン 5.3%を含有する基粒を得ているので、乾燥工程を経ていても、水を含有していることは明らかである。
そして、引用製造方法発明4における「シメトリン原体(純度98.7%) 50.66質量部及びカルフィン600(炭酸カルシウム粉末、足立石灰工業(株)製)49.34質量部を混合し、サンプルミル(ダルトン(株)製、KIIW-1型、スクリーン径3mmφ)により粉砕し、シメトリン 50.0%を含有するプレミックスを得て、得られたシメトリンプレミックス10.55質量部、ロカヘルプ439 11.73質量部、アミコールNo.1(酵素変性デキストリン、日澱化学(株)製)2.35質量部、トリポリリン酸ソーダ(三井化学(株)製)3.52質量部、ネオペレックスNo.6Fパウダー(アルキルベンゼンスルホン酸塩、花王(株)製)1.76質量部、豊順ベントナイト穂高印(ベントナイト、豊順鉱業(株))35.18質量部及びカルフィン600 34.91質量部の混合粉末に、常水20.00質量部を加え、練合、造粒、乾燥及び整粒を行い、シメトリン5.3%を含有する基粒を得て、ベンフレセート原体(純度98.7%)41.30部、MCPBエチル原体(純度91.0%)17.93質量部、ベンジルアルコール40.77質量部を混合溶解し、ベンフレセート40.8%及びMCPBエチル16.3%を含有するオイルプレミックスを得て、ポリ袋の中で、シメトリン基粒85.28質量部に、オイルプレミックス14.72質量部を加えて、混合し、基粒にオイルプレミックスを吸収させる、シメトリン4.5%、ベンフレセート6.0%及びMCPBエチル2.4%を含有させた農薬粒剤の製造方法。」は、本願発明6の「ベントナイト、界面活性剤、農薬有効成分および水並びに必要に応じてその他補助剤成分を混合し、湿式造粒する工程、並びに前記工程で得られた粒剤を、乾燥」「工程を含む粒剤組成物の製造方法」に該当するといえる。
したがって、本願発明6と引用製造方法発明4とを対比すると、両者は、
「ベントナイト、界面活性剤、農薬有効成分及び水、並びにその他補助剤成分を混合し、湿式造粒する工程、並びに前記工程で得られた粒剤を、乾燥する工程を含む粒剤組成物の製造方法。」である点で一致し、以下の点で相違する。
相違点1’-4:本願発明6は、「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種(請求項2を引用する場合は、コーンスターチ)である澱粉、浮力材を」含有させて混合することを特定しているのに対して、引用製造方法発明4は、澱粉、および浮力材に関する特定のない点。
相違点6-4:本願発明6は、粒剤を、乾燥後、「解砕および篩分する」工程を含むことが特定されているのに対して、引用製造方法発明4は、シメトリン原体(純度98.7%)50.66質量部及びカルフィン600(炭酸カルシウム粉末、足立石灰工業(株)製)49.34質量部を混合し、サンプルミル(ダルトン(株)製、KIIW-1型、スクリーン径3mmφ)により粉砕し、シメトリン 50.0%を含有するプレミックスを得て、得られたシメトリンプレミックス10.55質量部、ロカヘルプ439 11.73質量部、アミコールNo.1(酵素変性デキストリン、日澱化学(株)製)2.35質量部、トリポリリン酸ソーダ(三井化学(株)製)3.52質量部、ネオペレックスNo.6Fパウダー(アルキルベンゼンスルホン酸塩、花王(株)製)1.76質量部、豊順ベントナイト穂高印(ベントナイト、豊順鉱業(株))35.18質量部及びカルフィン600 34.91質量部の混合粉末に、常水20.00質量部を加え、練合、造粒、乾燥及び整粒を行い、シメトリン5.3%を含有する基粒を得て、ベンフレセート原体(純度98.7%)41.30部、MCPBエチル原体(純度91.0%)17.93質量部、ベンジルアルコール40.77質量部を混合溶解し、ベンフレセート40.8%及びMCPBエチル16.3%を含有するオイルプレミックスを得て、ポリ袋の中で、シメトリン基粒85.28質量部に、オイルプレミックス14.72質量部を加えて、混合し、基粒にオイルプレミックスを吸収させる、シメトリン4.5%、ベンフレセート6.0%及びMCPBエチル2.4%を含有させた農薬粒剤の製造方法が特定されている点。
イ 相違点の判断
相違点1’-4は、実質的に相違点1-4と同一の内容であり、上記(1)の相違点1-4又は上記(2-1)の相違点2-4について検討したのと同様に、引用製造方法発明4において、相違点1’-4の構成をなすことも当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1~3、5に記載の技術的事項をあわせて考慮しても、水面浮遊性粒剤組成物の製造方法の技術分野において、未加工の澱粉を用いることの記載も示唆もないので、同様に当業者が容易に想到し得る技術的事項であるとはいえない。
したがって、本願発明6は、相違点6-4について検討するまでもなく、本願発明1又は2と引用発明4との対比・判断において検討したように、引用製造方法発明4に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(4)本願発明7~9と引用発明4との対比・判断
ア 対比
本願発明7~9は、本願発明1~5の水面浮遊性粒剤組成物を、それぞれ、「水田に直接散布することを特徴とする水面浮遊性粒剤組成物の施用方法」、「水溶性フィルムに封入し、水田に直接散布することを特徴とする水面浮遊性粒剤組成物の施用方法。」、「水溶性フィルムに封入することを特徴とする、農薬製剤。」として特定した発明であり、上記(1)の相違点1-4又は上記(2-1)の相違点2-4について検討したのと同様に、引用発明4との対比において、少なくとも以下の相違点1”-4(相違点2”-4)を有する。
相違点1”-4(相違点2”-4):本願発明7~9は、「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種(請求項2を引用する場合は、コーンスターチ)である澱粉、浮力材を」含有することを特定しているのに対して、引用発明4は、澱粉、および浮力材に関する特定のない点。
イ 相違点の判断
相違点1”-4は、実質的に相違点1-4と同一の内容であり、上記(1)の相違点1-4又は上記(2-1)の相違点2-4について検討したのと同様に、引用発明4において、相違点1”-4の構成をなすことは当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1~3、5に記載の技術的事項をあわせて考慮しても、水面浮遊性粒剤組成物の施用方法又は水面浮遊性粒剤組成物を用いた農薬製剤の技術分野において、未加工の澱粉を用いることの記載も示唆もないので、同様に当業者が容易に想到し得る技術的事項であるとはいえない。
(5)小括
本願発明1~9は、引用文献4に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
5 本願発明と引用文献5記載の発明との対比・判断について
(1)本願発明1と引用発明5との対比・判断
ア 対比
引用発明5における「ベントナイト(ネオライト興産株式会社製)10.28部」は、本願発明1における「ベントナイト」に相当する。
また、引用発明5における「コルク(見掛け比重:0.04~0.09)10.28部」は、本願発明1の「浮力材」に相当する。
そして、引用発明5における「ベンスルフロンメチル原体(純度99.47%)、カフェンストロール原体(純度98.39%)20.88部及びダイムロン原体(純度99.4%)36.18部」は、本願発明1における「農薬有効成分」に該当する。
さらに、引用発明5における「サンエキスP252(日本製紙株式会社製、リグニンスルホン酸塩)7.50部、M-3801G(第一工業製薬株式会社製、α-オレフィンスルホン酸塩)3.42部、ネオペレックスNo6Fパウダー(花王株式会社製、アルキルベンゼンスルホン酸塩)0.68部」は、本願発明1の「界面活性剤」に相当するといえる。
そして、引用発明5における「ベンスルフロンメチル5%、カフェンストロール20%及びダイムロン35%を含有させた粒剤」は、本願発明1の「粒剤組成物」に該当するといえる。
したがって、本願発明1と引用発明5とを対比すると、両者は、
「ベントナイト、浮力材、界面活性剤、農薬有効成分および水を含有する粒剤組成物。」である点で一致し、以下の点で相違する。
相違点1-5:本願発明1は、「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉を含有」することを特定しているのに対して、引用発明5は、澱粉を含有すると特定している点。
イ 相違点の判断
引用文献5には、増量剤として、多数の例示の中に澱粉の記載があるものの(摘記(5イ))、本願発明1の「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉」であるとの記載がなく、前記1で述べたとおり、本願発明1の特定事項である「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉」を含有させることには、変性処理(人工的な加工を加えたもの)をしたもの、でんぷん誘導体は含まないと理解できる。
そうすると、引用文献5の記載に接した当業者が引用発明5の増量剤として添加されている澱粉に着目して、「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉を含有」させるように、澱粉の種類を特定する動機付けはなく、引用発明5において、本願発明1の相違点1-5の構成とすることは、当業者が容易に想到し得る技術的事項であるとはいえない。
また、引用文献1~4に記載の技術的事項をあわせて考慮しても、水面浮遊性粒剤組成物の技術分野において、未加工の澱粉であるコーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉を用いることの記載も示唆もないので、同様に当業者が容易に想到し得る技術的事項であるとはいえない。
さらに、本願発明1は、上記相違点1-5に係る構成を備えることにより、引用発明5及び本願優先日時点の技術常識から当業者が予測し得ない顕著な効果を奏するものといえる。
(2)本願発明2~5と引用発明5との対比・判断
(2-1)本願発明2との対比・判断
ア 対比
本願発明2は、本願発明1において、澱粉をコーンスターチに特定したものであるから、本願発明2と引用発明5の間には、次の相違点2-5がある。
相違点2-5:本願発明2は「澱粉」として「コーンスターチ」を含有していることを特定しているのに対して、引用発明5は、澱粉の種類の特定のない点。
イ 相違点の判断
上記相違点2-5について検討すると、上記(1)の相違点1-5について検討したのと同様に、引用発明5において、相違点2-5の構成をなすことも当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1~4の文献の記載をあわせて考慮しても同様である。
したがって、本願発明2は、本願発明1と引用発明5との対比において検討したように、引用発明5に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(2-2)本願発明3との対比・判断
ア 対比
本願発明3は、本願発明1又は2において、「浮力材」を「焼成バーミキュライト、発泡シラス、発泡パーライト、コルクおよび発泡スチロールからなる群より選択される少なくとも1種である」ことを特定したものであるが、引用発明5は、コルクを含有しており、本願発明3と引用発明5の間には、相違点1-5又は相違点2-5以外に新たな相違点はない。
イ 相違点の判断
上記(1)及び(2-1)で検討したとおり、引用発明5において、相違点1-5又は相違点2-5の構成をなすことは当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1~4の文献の記載をあわせて考慮しても同様である。
したがって、本願発明3は、本願発明1又は2と引用発明5との対比・判断において検討したように、引用発明5に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(2-3)本願発明4との対比・判断
ア 対比
本願発明4は、本願発明1~3において、「農薬有効成分」を「除草剤活性成分である」ことを特定したものであるから、本願発明4と引用発明5の間には、相違点1-5又は相違点2-5に加えて、次の相違点4-5がある。
相違点4-5:本願発明4は「農薬有効成分が除草剤活性成分である」と特定されているのに対して、引用発明5は、「ベンスルフロンメチル原体(純度99.47%)、カフェンストロール原体(純度98.39%)及びダイムロン原体(純度99.4%)」である点。
イ 相違点の判断
上記(1)及び(2-1)で検討したとおり、引用発明5において、相違点1-5又は相違点2-5の構成をなすことは当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1~4の文献の記載をあわせて考慮しても同様である。
したがって、本願発明4は、相違点4-5について検討するまでもなく、本願発明1又は2と引用発明5との対比・判断において検討したように、引用発明5に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(2-4)本願発明5との対比・判断
ア 対比
本願発明5は、本願発明1~4において、「農薬有効成分」を「(A1)白化型除草性化合物もしくはその塩および/又は(A2)アセトラクテート合成酵素阻害型除草性化合物もしくはその塩である」ことを特定したものであるから、本願発明5と引用発明5の間には、相違点1-5又は2-5に加えて、次の相違点5-5がある。
相違点5-5:本願発明5は「農薬有効成分が(A1)白化型除草性化合物もしくはその塩および/又は(A2)アセトラクテート合成酵素阻害型除草性化合物もしくはその塩である」と特定されているのに対して、引用発明5は、「ベンスルフロンメチル原体(純度99.47%)、カフェンストロール原体(純度98.39%)及びダイムロン原体(純度99.4%)」である点。
イ 相違点の判断
上記(1)及び(2-1)で検討したとおり、引用発明5において、相違点1-5又は相違点2-5の構成をなすことは当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1~4の文献の記載をあわせて考慮しても同様である。
したがって、本願発明5は、相違点5-5について検討するまでもなく、本願発明1又は2と引用発明5との対比・判断において検討したように、引用発明5に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(3)本願発明6と引用製造方法発明5との対比・判断
ア 対比
引用製造方法発明5における「ベントナイト(ネオライト興産株式会社製)10.28部」は、本願発明6における「ベントナイト」に相当する。
また、引用製造方法発明5における「ベンスルフロンメチル原体(純度99.47%)5.30部、カフェンストロール原体(純度98.39%)20.88部及びダイムロン原体(純度99.4%)」は、本願発明6における「農薬有効成分」に該当する。
さらに、引用製造方法発明5における「サンエキスP252(日本製紙株式会社製、リグニンスルホン酸塩)7.50部、M-3801G(第一工業製薬株式会社製、α-オレフィンスルホン酸塩)3.42部、ネオペレックスNo6Fパウダー(花王株式会社製、アルキルベンゼンスルホン酸塩)0.68部」は、本願発明6の「界面活性剤」に相当するといえる。
引用製造方法発明5の「コルク(見掛け比重:0.04~0.09)10.28部」は、本願発明6の「浮力材」に相当する。
そして、引用製造方法発明5における「ベンスルフロンメチル5%、カフェンストロール20%及びダイムロン35%を含有させた粒剤の製造方法」は、本願発明6の「粒剤組成物の製造方法」に該当するといえる。
さらに、引用製造方法発明5における「ベンスルフロンメチル原体(純度99.47%)5.30部、カフェンストロール原体(純度98.39%)20.88部及びダイムロン原体(純度99.4%)36.18部を混合し、ジェットミル(SK-ジェット・オー・マイザー0101型、株式会社セイシン企業)により粉砕し、プレミックス粉末を得て、該プレミックス粉末62.36部、サンエキスP252(日本製紙株式会社製、リグニンスルホン酸塩)7.50部、M-3801G(第一工業製薬株式会社製、α-オレフィンスルホン酸塩)3.42部、ネオペレックスNo6Fパウダー(花王株式会社製、アルキルベンゼンスルホン酸塩)0.68部、アミコールNo.1(日澱化学株式会社製、澱粉)5.48部、ベントナイト(ネオライト興産株式会社製)10.28部及びコルク(見掛け比重:0.04~0.09)10.28部を混合し、ニーダー(富士産業株式会社、FM-NW-5型)に移し、水18部を添加し、練合し、得られた練合物を、ドームグラン(不二パウダル株式会社、DG-L1型、スクリーン1.0mmφ)にて押出し造粒し、得られた造粒物を、送風棚型乾燥機(送風温度90℃)にて2時間乾燥後、850~1410μmに篩分する、ベンスルフロンメチル5%、カフェンストロール20%及びダイムロン35%を含有させた粒剤の製造方法」は、本願発明6の「混合し、湿式造粒する工程、並びに前記工程で得られた粒剤を、乾燥、」「篩分する工程を含む」「粒剤組成物の製造方法」に該当するといえる。
したがって、本願発明6と引用製造方法発明5とを対比すると、両者は、
「澱粉、ベントナイト、浮力材、界面活性剤、農薬有効成分及び水、並びにその他補助剤成分を混合し、湿式造粒する工程、並びに前記工程で得られた粒剤を、乾燥、篩分する工程を含む粒剤組成物の製造方法。」である点で一致し、以下の点で相違する。
相違点1’-5:本願発明6は、「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種(請求項2を引用する場合は、コーンスターチ)である澱粉を」含有させて混合することを特定しているのに対して、引用製造方法発明5は、澱粉の種類の特定のない点。
相違点6-5:本願発明6は、粒剤を、乾燥後、「解砕」する工程を含むことが特定されているのに対して、引用製造方法発明5は、ベンスルフロンメチル原体(純度99.47%)5.30部、カフェンストロール原体(純度98.39%)20.88部及びダイムロン原体(純度99.4%)36.18部を混合し、ジェットミル(SK-ジェット・オー・マイザー0101型、株式会社セイシン企業)により粉砕し、プレミックス粉末を得て、該プレミックス粉末62.36部、サンエキスP252(日本製紙株式会社製、リグニンスルホン酸塩)7.50部、M-3801G(第一工業製薬株式会社製、α-オレフィンスルホン酸塩)3.42部、ネオペレックスNo6Fパウダー(花王株式会社製、アルキルベンゼンスルホン酸塩)0.68部、アミコールNo.1(日澱化学株式会社製、澱粉)5.48部、ベントナイト(ネオライト興産株式会社製)10.28部及びコルク(見掛け比重:0.04~0.09)10.28部を混合し、ニーダー(富士産業株式会社、FM-NW-5型)に移し、水18部を添加し、練合し、得られた練合物を、ドームグラン(不二パウダル株式会社、DG-L1型、スクリーン1.0mmφ)にて押出し造粒し、得られた造粒物を、送風棚型乾燥機(送風温度90℃)にて2時間乾燥後、850~1410μmに篩分する、ベンスルフロンメチル5%、カフェンストロール20%及びダイムロン35%を含有させた粒剤の製造方法が特定されている点。
イ 相違点の判断
相違点1’-5は、実質的に相違点1-5と同一の内容であり、上記(1)の相違点1-5又は上記(2-1)の相違点2-5について検討したのと同様に、引用製造方法発明5において、相違点1’-5の構成をなすことも当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1~4に記載の技術的事項をあわせて考慮しても、水面浮遊性粒剤組成物の製造方法の技術分野において、コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種(請求項2を引用する場合は、コーンスターチ)の未加工の澱粉を用いることの記載も示唆もないので、同様に当業者が容易に想到し得る技術的事項であるとはいえない。
したがって、本願発明6は、相違点6-5について検討するまでもなく、本願発明1又は2と引用製造方法発明5との対比・判断において検討したように、引用製造方法発明5に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
(4)本願発明7~9と引用発明5との対比・判断
ア 対比
本願発明7~9は、本願発明1~5の水面浮遊性粒剤組成物を、それぞれ、「水田に直接散布することを特徴とする水面浮遊性粒剤組成物の施用方法」、「水溶性フィルムに封入し、水田に直接散布することを特徴とする水面浮遊性粒剤組成物の施用方法。」、「水溶性フィルムに封入することを特徴とする、農薬製剤。」として特定した発明であり、上記(1)の相違点1-5又は上記(2-1)の相違点2-5について検討したのと同様に、引用発明5との対比において、少なくとも以下の相違点1”-5(相違点2”-5)を有する。
相違点1”-5(相違点2”-5):本願発明7~9は、「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種(請求項2を引用する場合は、コーンスターチ)である澱粉を」含有することを特定しているのに対して、引用発明5は、澱粉の種類の特定のない点。
イ 相違点の判断
相違点1”-5は、実質的に相違点1-5と同一の内容であり、上記(1)の相違点1-5又は上記(2-1)の相違点2-5について検討したのと同様に、引用発明5において、相違点1”-5の構成をなすことは当業者が容易に想到できる技術的事項ではない。
また、引用文献1~4に記載の技術的事項をあわせて考慮しても、水面浮遊性粒剤組成物の施用方法又は水面浮遊性粒剤組成物を用いた農薬製剤の技術分野において、未加工の澱粉であるコーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉を用いることの記載も示唆もないので、同様に当業者が容易に想到し得る技術的事項であるとはいえない。
(5)小括
本願発明1~9は、引用文献5に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
6 まとめ
以上のとおり、本願発明1~9は、引用文献1~5に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
第6 原査定について
理由2(特許法第29条第2項)について
審判請求時の補正により、補正前の請求項2が削除され、補正前の請求項1、7に係る発明に、補正前の請求項2の発明特定事項のうちタピオカ澱粉を除いた「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である」との特定事項が追加され、結果として、補正後の本願発明1~9は「コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である澱粉」との発明特定事項を有する補正前の請求項2をより限定したものとなった。
そして、前記第5で検討したとおり、本願発明1~9は、引用文献1、2、3、4又は5に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものといえない。
したがって、原査定の理由2を維持することはできない。
また、原査定においては、引用文献1~5記載の発明において、引用文献9(特開昭61-134302号公報)、引用文献10(特開平5-262606号公報)、引用文献11(特開平6-157203号公報)を提示して、結合剤や増量剤や崩壊分散剤として周知の未加工澱粉を使用してみることは当業者が容易になし得る事項であるとの判断がなされているが、前記第5で検討のとおり、引用文献1、2、3、4又は5に記載された発明において、あえて特定成分に着目する動機付けはないし、未加工澱粉が結合剤や増量剤や崩壊分散剤として、上記提示文献を参照しても、水面浮遊性粒剤組成物の技術分野で周知技術であるともいえず、当業者が未加工澱粉に変更することが容易であるともいえない。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、ほかに本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2021-012640