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意匠拒絶査定不服審判

2021-012527

印刷作業室の内装

審判番号
2021-012527
法域
意匠
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
意願2020-006690外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
1720008
請求日
2021年09月17日
審決日
2022年05月31日
公報発行日
2025年07月25日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
D18 .121-WY (L3-7)
条文(本文から自動抽出・参考)
意匠法第3条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

意願2020- 6690「印刷作業室の内装」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の意匠は、登録すべきものとする。

理由

目次 ▾ 8項目
理 由

第1 手続の経緯

本願は、令和2年(2020年)4月1日の意匠登録出願であって、その後の主な手続の経緯は、以下のとおりである。

令和 2年(2020年)10月30日付け 拒絶理由通知書

同年 12月14日 意見書の提出

令和 3年(2021年) 6月22日付け 拒絶査定

同年 9月17日 審判請求書の提出

第2 本願の意匠

本願は、店舗、事務所その他の施設の内部の設備及び装飾を構成する物品及び建築物の部分(以下、「店舗、事務所その他の施設の内部の設備及び装飾」を「内装」といい、内装を構成する物品及び建築物の部分を「内装の部分」という。)について意匠登録を受けようとする意匠登録出願であり、本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、願書の意匠に係る物品の欄の記載を「印刷作業室の内装」とし、その内装を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載したとおりとしたものであり、本願意匠において内装の部分として意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を、「青色を施した部分以外が、意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである。(別紙第1参照)

第3 原査定の拒絶の理由及び引用した意匠

原査定における拒絶の理由は、本願意匠は、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下、「その意匠の属する分野における通常の知識を有する者」を「当業者」という。)が日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった形状等(形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合)又は画像に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので、意匠法3条2項の規定に該当するとしたものであって、具体的には、以下のとおりである。

「本願意匠は印刷作業室の内装であって、室内の入隅部壁面から平面視略L字状に間隔を設けて、大型プリンターを2台ずつ背中合わせにして計4台、島状に配置し、その4台が接する平面視上下左右中央の天面の一部、角丸平坦面4つについて、意匠登録を受けようとするものです。
この本願意匠の創作非容易性について、以下、当業者の観点から検討します。
まず配置について、印刷作業室にテーブルを4台、本願意匠と同様に島状に配置して作業スペースとすることは、本願出願前より行われています(以下の意匠1)。また、大型プリンターを背中合わせにして島状に配置することも、本願出願前より行われています(意匠2)。
次に形状について、本願意匠の意匠登録を受けようとする天面の部分と同様に、角丸の平坦面を有する大型プリンターは、本願出願前に公知となっています(意匠3)。
続きを表示(全36行)
そうすると、意匠3を基本とし、上述の手法を用いて、2台ずつ背中合わせにして計4台、室内に島状に配置し、4つの角丸平坦面を構成したにすぎない本願意匠に格別の創意を見いだすことができず、当業者であれば、容易に創作できる内装の意匠と判断されます。
なお、室内の入隅部壁面から平面視略L字状に間隔を設けた配置について、特段例を挙げるまでもない一般的な配置であって、当業者であれば格別の創意を要するとは言えず、上記判断に影響を及ぼすものではありません。
【意匠1】
著者の氏名 岐阜市立本荘小学校
表題 印刷室変身
掲載箇所 以下URLのページ内
媒体のタイプ [online]
掲載年月日 2008年5月16日
検索日 2020年10月30日
情報の情報源 インターネット
情報のアドレス
http://cms.gifu-gif.ed.jp/honjyo-e/modules/wordpress/index.php?p=88
(拡大画像)
http://cms.gifu-gif.ed.jp/honjyo-e/modules/wordpress/attach/P1060283.
JPG
に掲載された印刷室の内装の意匠
【意匠2】
著者の氏名 株式会社インプレス
表題 東京・丸の内にエプソン集結。新ショールーム「エプソンスクエア」がオープン - AV Watch
掲載箇所 以下URLのページ内
媒体のタイプ [online]
掲載年月日 2019年5月30日
検索日 2020年10月29日
情報の情報源 インターネット
情報のアドレス
https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1187455.html
(拡大画像)
https://av.watch.impress.co.jp/img/avw/docs/1187/455/html/ep05_o.jpg.html
に掲載されたショールームの内装の意匠
【意匠3】
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1148835号の意匠」

第4 当審の判断

以下、本願意匠の意匠法3条2項の該当性、すなわち、本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて検討し、判断する。

1 本願意匠(別紙第1参照)

(1)本願意匠について

本願意匠は、工場等の印刷作業室の床面に大型のプリンターを設置した「印刷作業室の内装」である。

(2)本願部分の位置、大きさ及び範囲並びに用途及び機能

本願部分の天面部の位置、大きさ及び範囲は、床面の右寄りやや奥側で床面より高い位置において、4つのプリンターを近接し配置してなる天面の四つ角の一部(以下「天面部」という。)であって、天面部の大きさは、床面の約1/274の大きさである。

また、天面部の用途及び機能は、印刷作業室の床面に設置した、4つのプリンターの天面の一部として、紙資料等を載置できる用途及び機能を有している。

(3)本願部分の形状等

ア 床

床は、平面視略横長長方形の枠状で、縦横の長さの比率は、約1:2.8である。

イ 天面部

天面部は、略横長矩形状の平坦面を4つ、近接して2行2列配置したものであって、それぞれ真ん中の四隅の角を略隅丸状に形成し、全体を灰色に着色している。

全体の縦横の長さの比率は、約1:1.4で、縦横の隙間の幅の比率は、約3:2で、縦の幅は横の幅の約1.5倍幅広である。

2 引用意匠の認定

(1)意匠1(別紙第2参照)

意匠1は、小学校校舎内の印刷室の内装の意匠であって、床面の中央付近に天板が平面視略縦長長方形のテーブルを4台、密着して2行2列配置したものである。

(2)意匠2(別紙第3参照)

意匠2は、ショールームの内装の意匠であって、床面に天板奥に給紙口を斜め後方に突出して取り付けた略横長直方体形状のプリンターを2台、背中合わせに配置したものを、近接して3列配置したものである。

(3)意匠3(別紙第4参照)

ア 意匠3の意匠に係る物品は、情報機器出力用に用いられる「電子写真プリンタ」である。

イ 形状等

意匠3の形状等は、全体を、四隅の角を隅丸とした略横長直方体形状とし、上面において、左右端寄りに縦の分割線を形成し、その線より外側を若干傾斜状に面取りしている。

3 本願意匠の創作性の検討

この内装を構成する物品又は建築物の属する分野において、床面の中央付近に天板が平面視略縦長長方形のテーブルを4台、密着して2行2列配置した内装は、本願の出願前に公然知られているものである(意匠1)。また、床面に天板奥に給紙口を斜め後方に突出して取り付けた略横長直方体形状のプリンターを2台、背中合わせに配置したものを、近接して3列配置した内装も、本願の出願前に公然知られているものである(意匠2)。さらに、プリンターの属する物品の分野において、全体を、四隅の角を隅丸とした略横長直方体形状とし、上面の左右端寄りを傾斜状に面取りしたものも、本願の出願前に公然知られているものである(意匠3)。

しかしながら、本願部分のように、天面部を、略横長矩形状の平坦面を4枚、近接して2行2列配置し、それぞれ真ん中の四隅の角を略隅丸状に形成したものとし、縦横の隙間において、縦の幅を横の幅より幅広とするとともに、その位置、大きさ及び範囲を床面の右寄りやや奥側とし、その上に紙資料等を載置できるようにしたものは、本願部分の他には見られないものであるから、本願部分は、当業者にとって、格別の創作を要したものといわざるを得ない。

そうすると、本願意匠は、この内装を構成する物品又は建築物の属する分野において、独自の着想によって創出したものであり、当業者が引用意匠に基づいて容易に本願意匠の創作をすることができたということはできない。

第5 むすび

以上のとおりであって、本願意匠は、原査定の拒絶の理由によっては意匠法3条2項に規定する意匠に該当しないものであるから、この拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また、当審において、更に審理した結果、他に拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

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2021-012527

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