商標拒絶査定不服審判
2021-012008
ケサキブラシ、ケサキ
- 審判番号
- 2021-012008
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2019-030760
- 請求日
- 2021年09月09日
- 審決日
- 2023年01月23日
- 公報発行日
- 2023年04月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】中村 仁
- 【請求人代理人】土生 真之
- 【請求人代理人】大塚 啓生
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 岩谷 禎枝
- 分類
- T18 .13 -Z (W21) / T18 .16 -Z (W21)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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商願2019-30760拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「毛先ブラシ」の文字を標準文字で表してなり、第21類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成31年2月27日に登録出願されたものである。
本願は、令和2年3月6日付けで拒絶理由の通知がされ、同年5月19日に意見書が提出され、本願の指定商品は、同日付け手続補正書により、第21類「舌ブラシ,歯茎マッサージ用ブラシ,入れ歯洗浄ブラシ,歯間ブラシ,歯ブラシ,電気式歯ブラシ,おけ用ブラシ,金ブラシ,管用ブラシ,船舶ブラシ,ペット用ブラシ,洋服ブラシ,靴ブラシ」に補正されたが、同3年6月7日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年9月9日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、要旨、以下の旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
本願商標は、「毛先ブラシ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「毛先」の文字は「毛の先端」(「広辞苑 第六版」岩波書店発行)の意味を、「ブラシ」の文字は「獣毛・植物繊維・合成樹脂などを、柄または板面に多数植えつけた道具。」(前掲書)の意味を有するものであるから、全体として、「毛の先端の(を使用した)ブラシ」ほどの意味合いを容易に認識させる。そうすると、本願商標を、その指定商品中、例えば「舌ブラシ,歯茎マッサージ用ブラシ,入れ歯洗浄ブラシ,歯間ブラシ,歯ブラシ」について使用するときは、これに接する取引者・需要者は、全体として「獣毛等の先端を使用した(毛の先端によって作られた)舌ブラシ・歯茎マッサージ用ブラシ・入れ歯洗浄ブラシ・歯間ブラシ・歯ブラシブラシ」を表したものと容易に認識し得るものである。したがって、本願商標は、「舌ブラシ,歯茎マッサージ用ブラシ,入れ歯洗浄ブラシ,歯間ブラシ,歯ブラシ」の品質を表示するものに該当するので、商標法第3条第1項第3号に該当する。
第3 当審における審尋
1 当審において、令和4年4月22日付け審尋(以下「審尋1」という。)により、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に対し、別掲1のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
2 当審において、令和4年9月29日付け審尋(以下「審尋2」という。)により、請求人に対し、別掲2のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
第4 審尋に対する請求人の回答(要旨)
1 請求人は、審尋1に対し、令和4年6月8日付け意見書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。
本願商標「毛先ブラシ」の文字からは、直ちにどのような毛先のブラシであるかを具体的に認識することはできず、特定の意味合いが一義的に認識されることもないのであるから、本願の指定商品との関係では品質等を表す語句でないことは明白である。
また、本願商標「毛先ブラシ」の文字は一般的に使用されておらず、本願の指定商品の分野における需要者や取引者にとっては馴染みのない組み合わせの語句といえるから、単に本願の指定商品の分野において「毛先」の文字と「ブラシ」の文字のそれぞれが一般的に使用されていることを理由に、「毛先ブラシ」の文字が出所識別標識として機能しないとの判断は論理に飛躍があるといわざるを得ず、「毛先ブラシ」の文字はその品質等を直観させない造語として認識されるべき構成であり、本願の指定商品との関係において十分に自他商品識別機能を備えた商標である。
2 請求人は、審尋2に対し、令和4年11月8日付け意見書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。
審尋2で示された引用情報を詳細に検討すると、「毛先ブラシ」が「歯ブラシ及び電気式歯ブラシの毛先のブラシ部分」又は「タフトブラシ(歯ブラシ)」を表す語句であると判断する根拠としては不十分であることは明らかであり、これらによって、「毛先ブラシ」が「歯ブラシ,電気式歯ブラシ」の品質を表す語として一般需要者に認識され、理解されるとの判断は適当でない。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第6号の該当性について
本願商標は、上記第1のとおり、「毛先ブラシ」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標は、同書、同大、等間隔で表されているとしても、その構成は、「毛先」及び「ブラシ」の文字を横一連に結合したものと容易に認識できるものである。
そして、本願商標の構成中の「毛先」の文字は、「(髪や歯ブラシなどの)毛の部分で、根元からいちばん遠いところ。」(「三省堂国語辞典 第八版」株式会社三省堂)を、「ブラシ」の文字は、「獣毛・植物繊維・合成樹脂などを、柄または板面に多数植えつけた道具。」(「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)を意味する語であるところ、別掲1のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界において、「毛先」の語及び「ブラシ」の語は、本願の指定商品である各種ブラシの毛の部分及び各種ブラシ自体を表す語として一般に使用されている。
そうすると、本願商標「毛先ブラシ」は、本願の指定商品との関係において、本願の商品の「毛の部分」を表す語である「毛先」と商品名である「ブラシ」の語を羅列したにすぎないものと理解するにとどまるものであり、かつ、本願商標は、その構成中に、自他商品の識別機能を有すると判断し得る構成要素を有さないものである。
よって、本願商標は、これを本願の指定商品について使用しても、本願の指定商品の需要者において、他人の同種商品と識別するための標識であるとは認識し得ないものというべきであって、その構成自体からして、本願の指定商品に使用するときには、自他商品の出所識別機能を有しないものと認められることから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 商標法第3条第1項第3号の該当性について
(1)商標法第3条第1項第3号が、「その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」又は「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定商品又は指定役務との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」又は「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性」を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品又は自他役務の識別力を欠くものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定商品又は指定役務との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」又は「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性」を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品又は指定役務の取引者及び需要者によって本願商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合に、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年(行ケ)第10107号 同年10月21日判決、知財高裁平成27年(行ケ)第10061号 同年9月16日判決)。
以上を前提に、本願商標の本願の指定用品との関係における同号該当性について判断する。
(2)本願商標は、上記第1のとおり、「毛先ブラシ」の文字を標準文字で表してなるところ、別掲2の(1)ないし(6)のとおり、本願の指定商品中「電気式歯ブラシ」を取り扱う業界において、電気式歯ブラシの替えブラシを「毛先ブラシ」と称して、請求人以外の者が実際に取引を行っている事実が確認できる。
そうすると、本願商標をその指定商品中「電気式歯ブラシ」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が電気式歯ブラシの替えブラシであることを認識するにすぎないと判断するのが相当である。
そして、「毛先ブラシ」の文字は、本願の指定商品中「電気式歯ブラシ」との関係で、「その商品の品質」を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品の取引者及び需要者によって本願商標がその指定商品中「電気式歯ブラシ」に使用された場合に、将来を含め、商品の品質を表示したものと一般に認識されるものといえる。
そうすると、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
3 請求人の主張について
(1)請求人は、審尋1に対し、以下の旨主張する。
本願商標「毛先ブラシ」の文字からは、直ちにどのような毛先のブラシであるかを具体的に認識することはできず、特定の意味合いが一義的に認識されることもないのであるから、本願の指定商品との関係では品質等を表す語句でないことは明白である。また、本願商標「毛先ブラシ」の文字は一般的に使用されておらず、本願の指定商品の分野における需要者や取引者にとっては馴染みのない組み合わせの語句といえるから、単に本願の指定商品の分野において「毛先」の文字と「ブラシ」の文字のそれぞれが一般的に使用されていることを理由に、「毛先ブラシ」の文字が出所識別標識として機能しないとの判断は論理に飛躍があるといわざるを得ず、「毛先ブラシ」の文字はその品質等を直観させない造語として認識されるべき構成であり、本願の指定商品との関係において十分に自他商品識別機能を備えた商標である。
しかしながら、上記1のとおり、「毛先ブラシ」の文字は、辞書等に載録された特定の意味合いを有する語ではないため、特定の意味合いを直ちに認識することはないとしても、その構成は、本願の指定商品の分野における需要者や取引者にとっては、決して馴染みのない語とはいえない「毛先」の語と「ブラシ」の語を羅列したにすぎないものである。
また、本願商標は、「毛先ブラシ」の文字のみで構成されており、本願の指定商品の分野における需要者や取引者が、自他商品の識別機能を有すると判断し得る請求人名称やその略称等の記載を有していないことから、これを本願の指定商品について使用しても、本願の指定商品の需要者において、他人の同種商品と識別するための標識であるとは認識し得ないものというべきであって、その構成自体からして、本願の指定商品に使用されるときには、自他商品の出所識別機能を有しないと判断するのが相当である。
そして、「商標法第3条第1項第6号は、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、当該商標が取引上現実に使用されている事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきものである。」(知財高裁平成25年(行ケ)第10142号、同25年11月14日判決参照)と判示されていることからすると、本願商標「毛先ブラシ」の文字が一般的に使用されていないとしても、その事実は、上記の判断を左右するものではない。
(2)請求人は、審尋2に対し、審尋2で示された引用情報を詳細に検討すると、「毛先ブラシ」が「歯ブラシ及び電気式歯ブラシの毛先のブラシ部分」又は「タフトブラシ(歯ブラシ)」を表す語句であると判断する根拠としては不十分であることは明らかであり、これらによって、「毛先ブラシ」が「歯ブラシ,電気式歯ブラシ」の品質を表す語として一般需要者に認識され、理解されるとの判断は適当でない旨主張する。
しかしながら、上記2の(2)のとおり、「毛先ブラシ」の文字は、本願の指定商品中「電気式歯ブラシ」を取り扱う業界において、電気式歯ブラシの替えブラシを称する語として、請求人以外の者が実際に使用している事実が確認でき、そして、当該文字は、本願の指定商品中「電気式歯ブラシ」との関係で、「その商品の品質」を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品の取引者及び需要者によって本願商標が本願の指定商品中「電気式歯ブラシ」に使用された場合に、将来を含め、商品の品質を表示したものと一般に認識されるものと判断するのが相当である。
(3)以上のとおり、請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、また、その他の請求人の主張は、採用するべき事情はない。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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