商標拒絶査定不服審判
2021-011012
コモンジョサンシ、コモン
- 審判番号
- 2021-011012
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2019-122466
- 請求日
- 2021年07月01日
- 審決日
- 2022年07月25日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】岸畑 聖月
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 淳
- 審判官 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 分類
- T18 .13 -Z (W44) / T18 .22 -Z (W44)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第7号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2019-122466拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和元年9月2日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年10月6日付け:拒絶理由通知
令和2年11月13日受付:意見書、手続補正書の提出
令和3年3月18日付け:拒絶査定
令和3年7月2日受付:審判請求書、手続補正書の提出
令和4年2月24日付け:拒絶理由通知
令和4年4月14日受付:意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「顧問助産師」の文字を標準文字で表してなり、第35類、第38類、第41類、第42類及び第44類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものであり、その後、上記1の手続補正書の提出により最終的に、第44類「医療情報の提供,病院・クリニック等の医療に関する情報の提供,その他の医療情報の提供,健康診断に関する情報の提供,人材派遣による医療看護,健康診断,栄養の指導」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は、「顧問助産師」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「助産師」の文字は、保健師助産師看護師法第3条において国家資格の名称として規定され、同法第42条の3第2項において、その使用が制限されているものである。そうすると、本願商標は、あたかも助産師の一種あるいは助産師と同様の国家資格であるかのように、需要者又は取引者に誤認を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当であるから、本願商標を出願人が自己の商標として採択・使用することは、国家資格の制度に対する社会的信用を失わせ、社会公共の利益に反し、商取引の秩序を乱すおそれがあり、穏当ではないものと認める。したがって、本願商標は商標法第4条第1項第7号に該当する。
4 当審における拒絶理由通知
当審において、別掲1及び別掲2に示すとおりの事実を示した上で、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものである旨の拒絶理由通知を送付し、期間を指定して、これに対する意見を求めた。
5 拒絶理由通知に対する意見の要旨
(1)本願商標の事業を開始した経緯について
請求人が代表取締役を務める会社(以下「請求人会社」という。)は、2019年9月には本願商標を使用して事業を始めており(証拠書類1)、この時点で「顧問助産師」と表記されているものは見受けられなかった。
(2)本願商標の社会的認知について
「顧問助産師」は、標章ではなくあくまでサービス名として運営しており、メディアでも多くとりあげられている(証拠書類2~15)。
また、「顧問助産師」の検索結果から、社会的にも「顧問助産師」は標章ではなく、請求人会社のサービスだと認知されていることは明らかである(証拠書類16)。
(3)その他ウェブサイトでの掲載に関して
拒絶理由通知書に記載されている「顧問助産師」の文言を使用しているホームページは2019年9月以降の「顧問助産師」という言葉が社会認知されてからの掲載である(証拠書類17、18)。
(4)結論
「顧問助産師」は請求人会社のサービスとして社会的に認知されており、また、請求人会社が使用する以前にこの言葉を使用している事例は見受けられない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。
6 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第7号該当性について
本願の指定役務は、上記2のとおりに補正された結果、原査定における拒絶の理由に係る指定役務は削除されたものと認められる。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとした原査定の拒絶の理由は解消した。
(2)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、上記1のとおり、「顧問助産師」の文字を標準文字で表してなるところ、構成中の「顧問」の文字は、「諮問に応じて意見を述べること。また、その職にいる人。」の意味を有する文字であり、「助産師」の文字は、「分娩を助け、また妊婦・褥婦・新生児の保健指導を職業とする者。国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受ける。産婆。」の意味(いずれも広辞苑第6版)を有する文字である。
そして、職業を指す名称等に「顧問」の文字を冠した、「顧問○○」程の文字が、一定期間の契約方式により当該職業(○○)の分野についてアドバイスをする者を示す文字として広く使用されていることが認められる(別掲1)。
また、本願の指定役務の分野においても、医師や看護師等、医療従事者に係る職業に関連する分野に関してアドバイスする者について「顧問+医療従事者の職業を表す名称」を一連に表した、「顧問医師」、「顧問看護師」等の文字が使用されているのみならず「顧問助産師」の文字も使用されている事実がある(別掲2)。
そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者は、その役務が「一定期間の契約方式により、助産師の業務に関する分野についてアドバイスをする者」によって行われる役務であること、すなわち、役務の提供の方法、役務の質を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにとどまり、自他役務の識別標識としては認識し得ないものといわざるを得ない。
してみれば、本願商標は、その役務の提供の方法、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(3)請求人の主張について
請求人は、請求人会社が、2019年9月に本願商標を使用して事業を始めた時点では「顧問助産師」と表記されているものは見受けられなかった旨主張する。
しかしながら、上記(2)のとおり、本願の指定役務の分野において、医師や看護師等の医療従事者に係る職業に関連する分野に関してアドバイスする者について、「顧問医師」、「顧問看護師」等の文字が使用されている事実があることから、本願商標に接する需要者には、その役務が「一定期間の契約方式により、助産師の業務に関する分野についてアドバイスをする者」である「顧問助産師」によって行われる役務であることを認識するにとどまるというべきである。
また、商標法第3条第1項第3号に該当するか否かの判断時期は審決時であるところ、本審決時において、本願商標「顧問助産師」の文字が第三者によって使用されている事実があることからすると、2019年(令和元年)9月当時に当該文字が存在した否かは、同項該当性についての判断を左右するものではない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとした原査定の拒絶の理由は解消したものの、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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