2021-010555
Electrolytic generator
- 審判番号
- 2021-010555
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2019-501489外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年08月06日
- 審決日
- 2021年10月19日
- 公報発行日
- 2021年12月24日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】マクフィー エナジー イタリア ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ
- 【請求人代理人】高岡 亮一
- 【請求人代理人】小田 直
- 【請求人代理人】會田 悠介
- 分類
- D18 .4 -WY (K6-4)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第9条第2項、意匠法第9条第4項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
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結論
理由
目次 ▾ 8項目
第1 手続の経緯
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本願は,平成31年(2019年)4月4日の欧州連合知的財産庁への出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴う,国際登録日を令和1年(2019年)10月4日とする国際意匠登録出願であって,その後の手続の主な経緯は以下のとおりである。
8月 6日 :審判請求書の提出
8月 6日 :手続補正書の提出
第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面によれば,意匠に係る物品を「Electrolytic generator」(参考訳:「電解発電機」,以下日本語訳で示す。)とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。
第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
この意匠登録出願の意匠は,同日に出願された意願2019-501488(不服2021-10554)の意匠と同一又は類似のものと認められるので,特許庁長官名による指令書に記載した届出が期間内にないときは,意匠法第9条第2項後段の規定により意匠登録を受けることができないとしたものである。
併せて,この審理の結果を踏まえて,特許庁長官は,意匠法第9条第4項の規定に基づいて,令和2年10月30日付けで,意匠法第9条第2項に定められた協議をしてその結果を届け出るべき旨を命じる指令書を送付した。
第4 本件に係る補正について
審判請求と同日の,令和3年8月6日に提出された手続補正書によって,請求人は,本願の願書の「本意匠の表示」の欄を追加し,その本意匠の表示を「意願2019-501488」にして,本願の意匠を,審査官が類似と判断した意願2019-501488(不服2021-10554。以下「本意匠」という。別紙第2参照)を本意匠とする関連意匠になる手続補正をした。
これにより,それぞれの出願について協議の結果の届出が提出されていないが,本願意匠に対する原査定の拒絶の理由は解消しているものであるから,原査定の拒絶の理由によっては,本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。
第5 当審の判断
本件においては,上記の手続補正があったので,ここでは,本願意匠が,本意匠と類似しているか否かについて検討する。
1.両意匠の対比
(1)意匠に係る物品の対比
本願意匠と本意匠(以下,本願意匠と本意匠を併せて「両意匠」ともいう。)を対比すると,意匠に係る物品は,共に「電解発電機」である。
(2)両意匠の形状の対比
両意匠の形状を対比すると,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。
ア.共通点について
〔共通点1〕全体は,奥行きがやや短い縦長の直方体である。
〔共通点2〕全体の,高さ・横幅・奥行きの比率は,約9対6対5である。〔共通点3〕柱状の太いフレームが四隅に立っている。
〔共通点4〕正面の上端に設けた梁(はり)状の太いフレームによって,正面側の左右の柱状フレームが,上端でつながっている(以下,この倒コ字状のフレームを「前側ブリッジ・フレーム」という。)。
〔共通点5〕背面の上端に設けた梁状の太いフレームによって,背面側の左右の柱状フレームが,上端でつながっている(以下,この倒コ字状のフレームを「後側ブリッジ・フレーム」という。)。
〔共通点6〕左右両側面の上端に設けた梁状の太いフレームによって,前側ブリッジ・フレームと後側ブリッジ・フレームがつながっている(以下,この前後のブリッジ・フレームをつなぐ左右の梁状のフレームを「サイド・フレーム」という。)。
〔共通点7〕左右両側と上側を太いフレームに囲まれている,正面・背面・左右両側面のそれぞれの面には,はかま状に(下端に),各面の高さの約9分の1の高さの,土台パネルを設けており,各フレームと土台パネルに囲まれた部分が本体パネルとなっている。
〔共通点8〕正面側の本体パネル(以下「正面パネル」という。)は,下から約5分の1の高さ位置で上下2段に分かれており,なおかつ,上側のパネルは,左から約5分の3の位置で左右に分かれており,上下2箇所のヒンジで左右のパネルはつながっている。左側のパネルには,上に横長長方形の窓部を設けている。
下側のパネルには,4列4段にして横長の放熱口を設けている。
〔共通点9〕右側の本体パネル(以下「右パネル」という。)は,上端左端に縦長長方形のフタを設け,その下に縦に細長い長円形のものを設けており,それらを避けるようにして残りの全面に,4列にして横長の放熱口を設けている。
〔共通点10〕左側の本体パネル(以下「左パネル」という。)は,全面に,4列にして横長の放熱口を設けている。
〔共通点11〕背面側の本体パネル(以下「背面パネル」という。)は,左から約5分の1の位置で左右に分かれている。
〔共通点12〕前後のブリッジ・フレームの梁状部分とサイド・フレームに囲まれている上面は,平坦であって,四隅でネジ止めされている。
〔共通点13〕底面は,四隅に接地部を設け,その余に,角取り四角の底板を取り付けてある。
イ.相違点について
〔相違点1〕正面パネルの内上段左側のパネルにつき,本願意匠は,窓部の下の横一列に四つ並べたポチ(小さな点)を始め,複数のポチを設けているのに対して,本件関連意匠は,ポチを設けていない。
〔相違点2〕背面パネルにつき,本願意匠は,左側のパネルにスイッチ等を設け,右側のパネルに通気孔及び2つのファンを設けているのに対して,本件関連意匠は,何も設けていない。
2.判断
(1)意匠に係る物品の類否判断
両意匠の,意匠に係る物品は共に「電解発電機」であるから,一致している。
(2)両意匠における形状の評価
ア.共通点について
共通点1については,この種物品分野においては,ごくありふれた形状と認められ,両意匠のみの特徴とは認められないから,両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
共通点2については,この種物品分野においては,各種の比率のものが多数存在しているから,全く同じ比率のものは,共通感を生み出すものと認められ,両意匠の類否判断に与える影響は大きい。
共通点3ないし6については,この種物品分野においては,珍しいものであって,視覚的に構造上,造形上に両意匠のみの特徴と捉えることができ,両意匠の類否判断に与える影響は大きい。
共通点7ないし13については,各々は小さな共通点ではあるが,全てが相まって醸し出す共通感は強いものと認められ,両意匠の類否判断に与える影響は大きい。
イ.相違点について
相違点1は,ごく小さな点であるポチの有無という相違であるから,正面パネルの相違とはいえ,全体観察における両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
相違点2は,冷却性能などが異なると視覚的に伝わってくるものであり,背面のみを見た場合は,大きく異なるものと認められるが,背面の態様は,この種物品の使用状態から,正面や左右側面よりは見えづらい,又は評価が低いものである。そして,この相違を持ってしても,共通点2ないし13から生まれる共通感を覆すものとは認められず,せいぜい同機種の派生モデル(高性能モデル)と思われる程の相違といえ,全体観察における両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
(3)両意匠における形状の類否判断
以上のとおり,相違点は,両意匠の類否判断に与える影響は,小さいものであり,これらの相違点によっては,両意匠の類否判断を決するものといえないのに対して,共通点2ないし13によっては,需要者に共通の印象を起こさせるものであるから,両意匠の類否判断を決するものといえる。
よって,本願意匠の形状と本意匠の形状は,類似すると認められる。
(4)両意匠における類否判断
よって,両意匠は,意匠に係る物品は一致しており,上記のとおり本願意匠と本意匠の形状が類似しているのであるから本願意匠と本意匠は類似する。
6.結び
以上のとおりであって,本願意匠は,本意匠に類似しているものと認められ,原査定の拒絶の理由によっては,本願意匠を拒絶すべきものとすることができないことは,前記のとおりである。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
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