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商標拒絶査定不服審判

2021-009816

審判番号
2021-009816
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2019-075758
請求日
2021年07月23日
審決日
2022年06月28日
公報発行日
2022年11月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社小泉製作所
  • 【請求人代理人】大谷 嘉一
審判長/審判官
  • 審判長 佐藤 松江
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 飯田 亜紀
分類
T18 .13 -Z (W2035) / T18 .17 -Z (W2035) / T18 .272-Z (W2035)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法3条1項6号商標法3条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第2項、商標法第3条第1項第6号、特許法第150条第5項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2019- 75758拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和元年5月30日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和2年 8月 6日付け:拒絶理由通知書 令和2年12月24日 :手続補正書の提出 令和2年12月24日 :意見書の提出 令和3年 4月23日付け:拒絶査定 令和3年 7月23日 :審判請求書の提出 令和4年 1月27日付け:証拠調べ通知書 令和4年 3月10日 :意見書の提出 令和4年 4月12日 :意見書の提出 2 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第6類、第20類及び第35類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和元年5月30日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、原審における同2年12月24日提出の手続補正書により、第20類「葬祭用具,愛玩動物用葬祭用具」及び第35類「葬祭用具の小売り又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,愛玩動物用葬祭用具の小売り又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に補正されたものである。 3 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、以下の(1)及び(2)の拒絶の理由をもって、本願を拒絶した。 (1)商標法第3条第1項第3号 本願商標は、本願の指定商品及び指定商品中、第6類「ベル」及び第20類「葬祭用具,愛玩動物用葬祭用具」との関係において、当該商品の形状を立体的に表したといえるものであって、同種の商品が形状として採用し得る立体的形状の範囲を超えているとはいえないから、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、指定商品の形状を表示したものと認識するにとどまる。したがって、本願商標は、単に商品の形状を普通に用いられる方法で表示するものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)商標法第3条第1項第6号 本願商標は、本願の指定商品及び指定役務中、第35類「ベルの小売り又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,葬祭用具の小売り又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,愛玩動物用葬祭用具の小売り又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「小売等役務」という場合がある。)との関係において、当該小売等役務の取扱商品の形状を立体的に表したといえるものであって、同種の取扱商品が形状として採用し得る立体的形状の範囲を超えているとはいえないから、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その取扱商品の形状を表示したものと認識するにとどまる。したがって、本願商標は、単に前記役務の取扱商品の形状を普通に用いられる方法で表示するものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。 4 当審においてした証拠調べ 審判長は、本願商標が、商標法第3条第1項第3号(商品の形状)及び同項第6号(小売等役務の取扱商品の形状)に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲2に示すとおりの事実を発見した。 また、使用による識別性(商標法第3条第2項)を有していることを主張するのであれば追加の証拠の提出を求め、令和4年1月27日付けで、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、上記証拠調べの結果を通知し、相当の期間を指定して、意見を申し立てる機会を与えた。 5 証拠調べ通知に対する請求人の意見 請求人は、上記4の証拠調べ通知に対し、要旨以下の意見を述べた。 (1)本願商標と同一の形状の商品(以下「本願商品」という。)は、平成16年から販売を開始し、令和3年3月末までに約56万2千個を販売している。 (2)販売先は、令和2年12月24日提出の意見書に添付し、各種インターネット通販サイトを検索すると確認できるように、ヤフーショッピングの通販サイトで約2300件、楽天市場の通販サイトで約1800件、アマゾンの通販サイトで約300件ヒットする。本願商品の販売先は全国に約1800以上有している。 (3)本願商品は、葬祭用具「りん」(以下、単に「りん」という場合がある。)に属し、本願商品の市場におけるシェアを調査したが、明確な資料を見つけられなかった。しかし、資料2「全国仏具店」の業務調査によると、宗教用具の小売業者は全国に4886事業所あると記載されていることからすると、本願商品の販売先が1800以上あることは、約40%の小売業者にて本願商品が取引されているか、少なくとも知られていることが推定される。 (4)本願商品の商品名「たまゆらりん」は、商標登録第6201599号として存在し、ウェブサイトで検索すると明らかになるように、資料3に示すように大手通販サイトにて人気商品としてリストアップされている。これが、消費者にとっては充分な広告宣伝効果をもたらしている。 6 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号の該当性について 本願商標は、別掲1のとおり、球形状の中央からやや下の部分で上下に分離されており、その分離された金色地の上部と黄土色地の下部の台座部分を球形状の内部中央の支柱で連結された立体的形状からなるものである。 そして、本願商標は、上記2において補正された第20類の指定商品との関係において、「りん」の形状を立体的に表したといえるものであって、上記4の証拠調べ通知において開示したように、本願商標の特徴と共通する球形状、類似する半球形状、若しくは鉢形、振り子式及びその他の個性的な形状の商品が販売されていることから、本願商標の立体的形状は、商品の機能又は美観上の理由による形状の変更又は装飾等と予測し得る範囲のものといわざるを得ない。 したがって、本願商標は、単に商品の形状を普通に用いられる方法で表示するものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)商標法第3条第1項第6号の該当性について 本願商標は、別掲1のとおり、球形状の中央からやや下の部分で上下に分離されており、その分離された金色地の上部と黄土色地の下部の台座部分を球形状の内部中央の支柱で連結された立体的形状からなるものである。 そして、本願商標は、上記2において補正された第35類の小売等役務の取扱商品との関係において、当該小売等役務の取扱商品「りん」の形状を立体的に表したといえるものであって、上記4の証拠調べ通知において開示したように、本願商標の特徴と共通する球形状、類似する半球形状、若しくは鉢形、振り子式及びその他の個性的な形状の商品が販売されていることから、本願商標の立体的形状は、小売等役務の取扱商品の機能又は美観上の理由による形状の変更又は装飾等と予測し得る範囲のものといわざるを得ない。 したがって、本願商標は、単に、指定役務の取扱商品の形状を普通に用いられる方法で表示するものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。 (3)商標法第3条第2項の要件の具備について 請求人は、本願商標に係る立体的形状は、商品名「たまゆらりん」として、平成16年度から現在まで独占的に販売している請求人の継続した使用により、全国的に周知であり、類似商品が市場に存在しない旨を主張しているところ、この主張は、本願商標が使用された結果、広く需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものに至っている(商標法第3条第2項)旨の主張として解釈される(証拠方法として、原審における令和2年12月24日付意見書に添付の資料(以下「原審意見書資料」という。)、当審における同3年7月23日提出の審判請求書添付の資料(以下「審判請求書資料」という。)1及び資料2,同4年4月12日提出の意見書添付の資料(以下「当審意見書資料」という。)1ないし資料3を提出している。)。 ところで、出願に係る商標が、商標法第3条第2項の要件を具備し、登録が認められるかどうかは、使用に係る商標、商標の使用開始時期、使用期間及び使用地域、当該商品の取引実績等並びに広告宣伝の方法及び回数等を総合考慮して、出願に係る商標が使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものと認められるかどうかによって決すべきものである。 そこで、以上の観点を踏まえて、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するか否かについて、検討する。 請求人は、以下のとおり主張し、又は証拠を提出している。 ア 本願商品は、商品名「たまゆらりん」として、平成16年度から令和2年度までに、約56万2千個出荷されていると主張し、「「たまゆらりん」年度別出荷数」を表題とする表を提出している(審判請求書資料1、当審意見書資料1)。 イ 本願商品は、平成17年にグッドデザイン賞を獲得している(審判請求書資料2)。 ウ 請求人は、本願商品は、各種インターネット通販サイト(以下「通販サイト」という。)において(ヤフーショッピングにおいて約2300件、楽天市場において約1800件及びAmazonにおいて約300件)ヒットし、全国に約1800以上の販売先で販売されていると主張し、楽天市場及びAmazonの通販サイトの写しを提出している(原審意見書資料)。 エ 株式会社東京商工リサーチによる「全国「仏具店」の業績調査(公開日付:2021.3.16)」の記事によると、宗教用具の小売業者は全国に4886事業所がある旨記載されていることからすると、本件商品の販売先が1800以上あることは、約40%の小売業者にて本件商品が取引されているか、少なくとも知られていることが推定されると主張し、株式会社東京商工リサーチのウェブサイトの写しを提出している(当審意見書資料2)。 オ 本願商標に係る立体的形状の商品は、大手通販サイトにて人気商品として、「2019年度11月20日付け楽天週間ランキング りん部門第1位」、「2019年11月11日及び同月9日付け、同年9月28日及び同月23日付け楽天デイリーランキング りん部門第1位」にランキングされた(当審意見書資料3)。 しかしながら、上記アの出荷数についての資料は、請求人作成によるものであり、客観的な裏付けとなる資料の提出はなく、また、商品名「たまゆらりん」と称する商品のすべてが、本願商品であるかどうかも確認することはできない。 上記イないしオからすれば、本願商品が、平成17年にグッドデザイン賞を受賞したことから、平成17年頃には、本願商品の販売を開始し、今日まで継続して、楽天市場及びAmazonの通販サイトを通じて販売していることがうかがえるとしても、販売額や売上に関する資料の提出はなく、販売額や売上高は不明である。また、販売先について、1800以上あることについては、請求人の主張のみで、客観的な裏付けとなる資料の提出はなく、各通販サイトで販売されているとしても、各通販サイト内及び各通販サイト間において販売店が重複していることから、実際の販売先数は不明である。 そして、市場シェアについて、上記エの株式会社東京商工リサーチのウェブサイトの情報は、2002年度のものであることから、現在の市場シェアについての状況を確認するものとして適切とはいえない。 さらに、「りん」を取り扱う業界の市場規模は不明であり、それを踏まえた請求人の本願商品の市場シェアも不明といわざるを得ない。 そのうえ、請求人が、本願商品について新聞・雑誌等による広告や宣伝を行っている状況も確認できない。 そして、グッドデザイン賞を受賞した事実は、本願商標が商品の美感に資するために採用されたものであることを認め得るとしても、それが直ちに商品の出所を表示し、自他商品を識別する標識として機能することを証明するものとはいえない。 加えて、商標法第3条第2項の要件を具備するものとして登録を認められるものは、商品の形状に係る立体商標が、使用に係る商品と出願に係る指定商品が同一のものに限られるところ、本願の指定商品は、本願商標の立体的形状を表したものである「りん」以外のものも含んでいる。 してみれば、本願商標がその指定商品中、第20類「りん」について、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するということはできない。 (4)請求人の主張について 請求人は、以下のとおり主張している。 商標法第3条第1項第3号の判断に関して、知財高判平成19(行ケ)10293号において、2つの要件(要件1:一私人の独占に適当でない。要件2:自他商品識別力を欠如している。)に該当しなければ登録が認められる旨の判断がされている。 本願商標に係る商品「たまゆらりん」は、出願人が自ら創作し、長年独占的に販売されてきた実情からすると、上記「要件1」の一私人の独占に適当でないとは言えないものであり、一般消費者にとって、この特徴的な立体形状をたよりに次回も購入しようとするだけの自他商品識別力を有していると言え、「要件2」に該当しないものであることは明白である。 しかしながら、上記(1)及び(2)で述べたように、本願商標の立体的形状は、商品の機能又は美観上の理由による形状の変更又は装飾等と予測し得る範囲のものといえるものであり、また、上記(3)で述べたように、本願商標がその指定商品について使用された結果、取引者、需要者が、請求人の業務に係る商品であることを認識することができるものとは認められないから、請求人の上記主張は採用できない。 (5)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第3条第1項第6号に該当し、かつ同条第2項の要件を具備しないから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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