商標拒絶査定不服審判
2021-009807
コラーゲンタオル、コラーゲン
- 審判番号
- 2021-009807
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-158524
- 請求日
- 2021年07月21日
- 審決日
- 2022年10月27日
- 公報発行日
- 2023年01月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】内野株式会社
- 【請求人代理人】前島 大吾
- 【請求人代理人】宇高 克己
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 渡邉 潤
- 分類
- T18 .13 -Z (W24) / T18 .272-Z (W24)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号、商標法第10条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-158524拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び本願の手続きの経緯
本願商標は、「コラーゲンタオル」の文字を標準文字で表してなり、第24類に属する願書記載の商品を指定商品として、令和2年1月31日に登録出願された商願2020-11200に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同年12月23日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年2月25日付けで拒絶理由の通知がされ、同年4月6日に意見書(以下「原審意見書」という、)が提出されたが、同年6月29日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して令和3年7月21日に拒絶査定不服審判の請求がされ、本願の指定商品は、同日受付の手続補正書により、第24類「タオル,タオル製身の回り品,タオル地を有する敷布・布団・布団カバー・布団側・まくらカバー・毛布」(以下「当審補正商品」という。)に補正されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「コラーゲンタオル」の文字を標準文字で表してなるところ、構成中の「コラーゲン」の文字は、「動物の皮革・腱・軟骨などを構成する硬蛋白質の一種。温水で処理すると溶けてゼラチンとなる。膠原室。」(出典:広辞苑第7版)の意味を有する語であり、「コラーゲン」は、美肌効果が期待できるため、これを利用した商品が取引され、構成中の「タオル」の文字は、「主に綿製で、布面に輪奈を出した織物。保温性・保湿性・吸水性に富む。浴布。タオル地。」(出典:前掲書)の意味で、我が国において広く親しまれた語である。そうすると、これらの文字を結合した本願商標は、全体として「コラーゲンを利用したタオル(地)」を使用した商品であることを需要者に容易に認識させるから、商品の品質・原材料を普通に用いられる方法で表してなるものである。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当し、上記意味合いに照応しない商品に使用する時は、その商品が「コラーゲンを利用したタオル(地)」を使用した商品であるかのように、商品の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し本願を拒絶したものである。
第3 当審における審尋
当審において、令和4年6月17日付け審尋(以下「審尋」という。)により、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に対し、別掲のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第4 審尋に対する請求人の意見(要旨)
請求人は、上記第3の審尋に対し、令和4年7月22日受付の意見書(以下「当審意見書」という。)を提出し、要旨、以下、1及び2のとおりの意見を述べた。
1 原審の拒絶理由で示された「「JAPAN GALS sc」、「楽天市場」及び「業務用美容用品・商材の卸・通販のbh(ビー・エイチ)」のウェブサイト」や当審で示された「「YAHOO! JAPAN ショッピング」のウェブサイト」や「「amazon.co.jp」のウェブサイト」等で用いられている商品は、いずれも、当審補正商品とは異なり、かつ、当審補正商品と類似しない商品である。
2 当審で発見した事例中、「「YAHOO! JAPAN ショッピング」のウェブサイト」、「「amazon.co.jp」のウェブサイト」、「「神戸どうぶつ王国 公式ネットショップ」のウェブサイト」、「「ウエダウェブ」のウェブサイト」及び「「USAMART GIFT」のウェブサイト」において使用されているのは、「コラーゲンボディタオル」であって、「コラーゲンタオル」とは異なる商標である。また、当審で発見した事例中、「pinkoi」のウェブサイトにおいて使用されているのは、「コラーゲンタオルグレー」であって、「コラーゲンタオル」とは異なる商標である。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
(1)商標法第3条第1項第3号の趣旨
商標法第3条第1項第3号が、「その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠くものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品の取引者及び需要者によって本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年(行ケ)第10107号、同年10月21日判決参照)。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、上記第1のとおり、「コラーゲンタオル」の文字を標準文字で表してなるところ、当審補正商品は、「タオル」及び「タオル地の商品」であることから、本願商標は、同書・同大・等間隔で構成上まとまりよく一体的に表されているとしても、「コラーゲン」の文字及び「タオル」の文字を、結合して表したものと容易に認識できるものである。
そして、本願商標の構成中の「コラーゲン」の文字は、原審説示のとおり、「動物の皮革・腱・軟骨などを構成する硬蛋白質の一種。温水で処理すると溶けてゼラチンとなる。膠原質。」の意味を有する語であり、別掲にて提示した証拠のとおり、美肌効果(保湿効果)が期待できるものとして、これを利用した商品が取引されている。
また、本願商標の構成中の「タオル」の文字は、原審説示のとおり、「主に綿製で、布面に輪奈を出した織物。保温性・保湿性・吸水性に富む。浴布。タオル地。」の意味で、我が国において広く親しまれた語である。
さらに、別掲で提示する証拠によると、コラーゲンを配合したタオルやコラーゲンを配合したボディタオルが、実際に取引されており、それを「コラーゲンタオル」や「コラーゲンボディタオル」と称している実情があることが確認できる。
そうすると、「コラーゲン」の文字及び「タオル」の文字を結合した本願商標は、構成全体として「コラーゲンを利用したタオル(地)」程の意味合いを容易に理解させるものといえることから、本願商標を当審補正商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が、「コラーゲンを配合したタオル」であること、「コラーゲンを配合したタオル製の身の回り品」であること及び「コラーゲンを配合したタオル地を有する敷布・布団・布団カバー・布団側・まくらカバー・毛布」であることを認識するにとどまるので、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法により表示するものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(3)本願商標の商標法第4条第1項第16号該当性について
上記(2)のとおり、本願商標は、構成全体として「コラーゲンを利用したタオル(地)」程の意味合いを容易に理解させるものといえることから、これを当審補正商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が、「コラーゲンを配合したタオル」であること、「コラーゲンを配合したタオル製の身の回り品」であること及び「コラーゲンを配合したタオル地を有する敷布・布団・布団カバー・布団側・まくらカバー・毛布」であることを理解するにとどまるので、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法により表示するものである。
そうすると、本願商標を、「コラーゲンを配合したタオル」、「コラーゲンを配合したタオル製の身の回り品」及び「コラーゲンを配合したタオル地を有する敷布・布団・布団カバー・布団側・まくらカバー・毛布」以外の当審補正商品に使用する場合は、これがあたかも「コラーゲンを配合したタオル」、「コラーゲンを配合したタオル製の身の回り品」及び「コラーゲンを配合したタオル地を有する敷布・布団・布団カバー・布団側・まくらカバー・毛布」であるかのように、商品の品質を誤認するおそれがある。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、原審意見書、審判請求書及び当審意見書にて、「原審の拒絶理由で示された「「JAPAN GALS sc」、「楽天市場」及び「業務用美容用品・商材の卸・通販のbh(ビー・エイチ)」のウェブサイト」や当審で示された「「YAHOO! JAPAN ショッピング」のウェブサイト」や「「amazon.co.jp」のウェブサイト」等で用いられている商品は、いずれも、当審補正商品とは異なり、かつ、当審補正商品と類似しない商品である。」旨主張する。
しかしながら、例えば、「「JAPAN GALS scのウェブサイト」において、「コラーゲンタオル」を紹介する記事に「お肌に近いタオルでソフトピーリング」の記載はあるものの、当該商品はあくまでも「タオル」であって、また、「お肌に近いタオルでソフトピーリング」の記載は、「コラーゲンタオル」と称されるタオルの使い心地(肌に優しいこと)を表現したにすぎない。
また、「「楽天市場」のウェブサイト」における「コラーゲンタオル」の紹介記事に「やさしく撫でるだけで古い角質や、皮脂などの汚れを拭き取ります。」の記載、「「業務用美容用品・商材の卸・通販のbh(ビー・エイチ)」のウェブサイト」における「お顔に乗せるだけでふき取りが可能です。加齢臭や汗臭、アンモニア臭も除去」の記載、「「YAHOO! JAPAN ショッピング」のウェブサイト」における「毛穴の汚れや角質をキャッチ」の記載及び「「amazon.co.jp」のウェブサイト」における「お肌の汚れをすっきり落とします」等の記載は、「コラーゲンタオル」や「コラーゲンボディタオル」と称されるタオルの使い心地(肌に優しいこと)や特徴を表現したにすぎないものである。
したがって、「「JAPAN GALS sc」のウェブサイト」、「「YAHOO! JAPAN ショッピング」のウェブサイト」及び「「amazon.co.jp」のウェブサイト」において紹介された商品が、「タオル製あかすり(ピーリングタオル)」と判断することはできず、また、「「楽天市場」のウェブサイト」や「「業務用美容用品・商材の卸・通販のbh(ビー・エイチ)」のウェブサイト」において紹介された商品は「化粧用具」と判断することはできない。
(2)請求人は、当審意見書にて、「当審で発見した事例中、「YAHOO! JAPAN ショッピング」のウェブサイト」、「「amazon.co.jp」のウェブサイト」、「「神戸どうぶつ王国 公式ネットショップ」のウェブサイト」、「「ウエダウェブ」のウェブサイト」及び「「USAMART GIFT」のウェブサイト」において使用されているのは、「コラーゲンボディタオル」であって、「コラーゲンタオル」とは異なる商標である。また、当審で発見した事例中、「「pinkoi」のウェブサイト」において使用されているのは、「コラーゲンタオルグレー」であって、「コラーゲンタオル」とは異なる商標である。」旨主張する。
しかしながら、当審において提示したのは、当審補正商品を取り扱う業界において、コラーゲンを配合したタオルやコラーゲンを配合したボディタオルが実際に取引されている事実、及びそれらの商品を「コラーゲンタオル」や「コラーゲンボディタオル」と称している実情があることを立証するための証拠であって、「コラーゲンタオル」や「コラーゲンボディタオル」を、請求人以外の者(社)が商標として使用している事例を挙げたものではない。
また、当審補正商品中の「タオル」は、上記第2のとおり、「主に綿製で、布面に輪奈を出した織物。保温性・保湿性・吸水性に富む。浴布。タオル地。」を意味する語であり、「タオル」の商品表示は、「ボディタオル」や「ハンドタオル」等の商品の総称にすぎないことからすると、当審で提示した「コラーゲンボディタオル」の使用事実は、コラーゲンを利用したタオルに該当する商品が実際に取引されている事実を証明するものといえる。
さらに、「pinkoi」のウェブサイトにおいて使用されている「コラーゲンタオルグレー」の文字は、商品「コラーゲンタオル」の色が「グレー(灰色)」であることを示す記載であると判断するのが相当である。
(3)請求人は、原審意見書及び審判請求書にて、過去の商標登録例や審決例を挙げ、本願商標も同様に自他商品識別力を有し、登録されるべき旨主張する。
しかしながら、出願された商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かは、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、これに接する取引者、需要者の認識を基準として判断されるべきであり、当該商標の構成態様と指定商品との関係や商品の取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるものであって、他の登録例の存在によって、本願商標が同項第3号に該当するという判断が左右されるものではない。
(4)請求人の上記(1)ないし(3)の主張は、いずれも採用できない。 その他、請求人の主張は、採用するべき特段の事情はない。
3 まとめ
以上によれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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