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特許拒絶査定不服審判

2021-009579

身体装着型浄化空気供給装置

審判番号
2021-009579
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-158295外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年07月19日
審決日
2022年03月29日
公報発行日
2022年05月27日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (A62B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-158295「身体装着型浄化空気供給装置」拒絶査定不服審判事件〔令和3年3月11日出願公開、特開2021-36930、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 22項目
理 由

第1 手続の経緯

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本願は、令和元年8月30日の出願であって、令和2年7月10日付け(発送日:令和2年7月21日)で拒絶理由通知がされ、令和2年9月4日に意見書及び手続補正書が提出され、令和2年12月2日付け(発送日:令和2年12月8日)で拒絶理由通知がされ、令和3年1月20日に意見書及び手続補正書が提出されたが、令和3年4月15日付け(発送日:令和3年4月20日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、これに対し、令和3年7月19日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。

第2 原査定の概要

原査定の概要は次のとおりである。

(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)

・請求項 1

・引用文献等 1-3,6

・請求項 2-3

・引用文献等 1-7

<引用文献等一覧>

1.中国実用新案第203775388号明細書

2.特開2011-288号公報(周知技術を示す文献)

3.実願昭54-77214号(実開昭55-180448号)のマイクロフィルム(周知技術を示す文献)

4.中国特許出願公開第104984489号明細書(周知技術を示す文献)

5.中国実用新案第206381508号明細書(周知技術を示す文献)

6.特開昭58-89282号公報(周知技術を示す文献)

7.特開2006-326475号公報(周知技術を示す文献)

第3 本願発明

本願の請求項1ないし3に係る発明(以下それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明3」という。)は、令和3年1月20日の手続補正により補正がされた特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。

「 【請求項1】
身体に装着して使用される身体装着型浄化空気供給装置であって、
周辺の空気を取り込んで浄化しながら使用者の口元へ供給する浄化空気供給部と、
使用者の頭周部に装着するバンド部と、バンド部の両端部に設けた一対の耳当部とで構成された頭部装着部と、
続きを表示(全17行)
アーム状の部材からなり、その後端が一方の耳当部に取り付けられて、その前端に浄化空気供給部が支持される支持部と、
を備え、
浄化空気供給部が、
空気を取り入れるための空気取り入れ口を前面側に有し、使用者の口元へ空気を送出する空気送出口を後面側に有するケース部材と、
ケース部材の内部に収容され、空気取り入れ口からケース部材の内部に取り込まれた空気を空気送出口まで一直線状に移送する空気移送手段と、
ケース部材の内部に取り入れられた空気を浄化するフィルター部材と、
メッシュ状の部材で構成され、フィルター部材を空気取り入れ口側及び空気送出口側から挟んだ状態で支持するフィルター支持部材と
を備えたものとされた
ことを特徴とする身体装着型浄化空気供給装置。
【請求項2】
空気移送手段を駆動する電力を供給するためのバッテリーが、支持部が取り付けられていない側の耳当部に設けられた請求項1記載の身体装着型浄化空気供給装置。
【請求項3】
浄化空気供給部が、支持部との連結部分において、左右方向及び前後方向に回動できる構造とすることにより、頭部装着部に対する浄化空気供給部の位置又は向きが調節可能とされた請求項1又は2記載の身体装着型浄化空気供給装置。」

第4 引用文献、引用発明等

1 引用文献1

本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったものであって、原査定の拒絶の理由に引用された中国実用新案第203775388号明細書(以下「引用文献1」という。)には、「

[図:0001383912000001.jpg]

」(当審訳:「ヘッドマウント式空気浄化器」)に関して、以下のように記載されている(下線は当審が付与した。以下同様。)。

(1)

[図:0001383912000002.jpg]

(当審訳:本実用新案は空気浄化器分野を渡り、特にヘッドマウント式空気浄化器に関する。)

(2)

[図:0001383912000003.jpg]

(当審訳:発明の開示

[0003] 本実用新案の目的は従来技術不足を克服することにあり、使用快適、美観、機能多様化および浄化効果のよいヘッドマウント式空気浄化器を提供する。

[0004] これに対し、本実用新案のヘッドマウント式空気浄化器は、内を含むことで回路コンポーネントおよびスピーカを駆動するラグとマイクロホンがあり、前記マイクロホン上に空気浄化部材を設け、空気浄化部材は空気浄化装置、送風ファンおよび接続風管を含み、送風ファンはラグ上に設けられ、風管を接続する端部と送風ファンは接続し、風管を接続する末端と空気浄化装置は接続し、空気浄化装置に接近する接続風管はマイクロホンを設け、マイクロホンはリード線によってと連絡して回路コンポーネントを駆動して接続する。

[0005] 上記する最適化によって、前記ラグは左のラグと右ラグを取り付けることを含み、送風ファンは左のラグ上に設けられて、風管を接続して左のラグ上に設置して且つその端部と送風ファンは接続する。

[0006] 上記する最適化によって、前記左ラグ内で解消送風ファン騒音の遮音部材を取り付ける。

[0007] あるいは、前記ラグは左のラグと右ラグを取り付けることを含み、送風ファンは右ラグ上に設けられ、送風ファンは風管の端部が接続した伸びた風管を設け接続し、風管を接続して左のラグ上に設置する。

[0008] 上記する最適化によって、前記左ラグ内で解消送風ファン騒音の遮音部材を取り付ける。

[0009] 上記する最適化によって、前記左ラグと右ラグの間でヘッドクランプを設け、左のラグと右ラグはそれぞれヘッドクランプの左右両端上に設けられる。

[0010] あるいは、前記左ラグと右ラグはそれぞれ掛夾上を設置する。

[0011] 上記する最適化によって、前記接続風管の中部は末端角度を調整することが可能であるヒンジ位を設ける。

[0012] 上記する最適化によって、前記リード線は風管外面を接続することに設けられる。

[0013] あるいは、前記リード線は風管内に且つ合着を接続して風管の内壁を接続して設置することに設けられる。

[0014] 本実用新案の利点はあり、ラグに空気浄化部材を増設することによって、イヤホンと空気浄化部材相結合に達し、帯びるイヤホンと同時にまた清々しい空気をすぐに吸うことができ、効率的縮小細菌ウイルスの繁殖および拡散は、有効に人体健康を維持して、機能多様化;そして、送風ファンを取り付けるラグに遮音部材を増設して風管を接続する中部に位をヒンジで連結することを増設し、製品全体使用効果に影響しない場合、有効に全体製品の使用快適感を高める。)

(3)

[図:0001383912000004.jpg]

[図:0001383912000005.jpg]

(当審訳:発明を実施するための最良の形態

[0022] 以下に図を結合することは本実用新案に一歩の記述を作進し、図1~図4は本実用新案の好ましい実施例を示し、それは内を含むことで回路コンポーネント21およびスピーカ22を駆動するラグ2があり、ラグ2上に空気浄化部材を設け、空気浄化部材は空気浄化装置5、送風ファン6を含んで風管7を接続し、送風ファン6はラグ2上に設けられる。そのうち、前記ラグ2は左のラグ8と右ラグ9を取り付けることを含み、前記左ラグ8と右ラグ9の間でヘッドクランプ1を設け、左のラグ8と右ラグ9はそれぞれヘッドクランプ1の左右両端上に設けられる。送風ファン6は左のラグ8上に設けられて、風管7を接続して左のラグ8上に設置して且つその端部と送風ファン6は接続して、且つ風管7の端部と送風ファン6を接続して、風管7を接続する末端と空気浄化装置5は接続し、空気浄化装置5に接近する接続は風管7上にマイクロホン3を設けて、マイクロホン3はリード線4と駆動回路群の件によって21は接続する。このヘッドマウント空気浄化器が動作する時は、回路コンポーネント21を駆動して上記の送風ファン6を駆動して動作し、送風ファンは外部の空気を風管7を接続することによって空気浄化装置5に進んで浄化し、浄化後の空気人体の呼吸部位は排出し、製品全体使用効果に影響しない場合、イヤホンと空気浄化部材相結合に達し、持ち運びしやすく、機能多様化を用いてかつ、美観は、且つすぐに細菌ウイルスの繁殖および拡散を減少し、空気浄化効果はよく、有効に人体健康を維持する。

[0023] それに、前記接続風管7の中部は末端角度を調整することが可能であるヒンジ位12を設けて、使用時、実際の適用によって、利用者は接続風管7の末端を調節して向上して、下向きは、左あるいは後ろに向かうことに向かって調節して、これによって理想的快適な使用位置に達する。そして、左のラグ8内に取り付けた送風ファン6の騒音を解消する遮音部材10は、送風ファン6が動作した騒音を減少し、利用者が用いた快適感を高める。注意しなければならないのは、送風ファン6の速度を調節することができてさらに、浄化後の空気を排出する強度を制御し、製品の使用快適感を増加する。

[0024] 及び、実際の適用によって、リード線4は風管7内に且つ合着を接続することに設けられて風管7を接続する内壁は設置して、これによって接続風管7を換気ラインはまた、図3に示すようにリード線4を保護する保護筒とすることができる;あるいは、このリード線4は風管7の外面を接続することに設けられ、図4に示すように製品の使用品質を高める。

[0025] 図5および図6を参照して示し、別実施例と上記の相異点はあり、前記ラグ2は左のラグ8と右ラグ9を取り付けることを含み、この送風ファン6は右ラグ9上に設けられ、送風ファン6は接続風管7の端部に接続される伸びた風管11を設け、風管7を接続して左のラグ8上に設置し、風管7の端部を接続して風管11と送風ファン6に延在することによって接続し、風管7を接続する末端と空気浄化装置5は接続し、マイクロホン3は空気浄化装置5に接近する接続風管7上に設置し、かつ右ラグ9内で送風ファン6の騒音をなくす遮音部材10を取り付け、持ち運びしやすく、用いた快適感を高める。そして、前記伸びた風管11はヘッドクランプ1上に設けられて、製品全体使用効果に影響しない場合、製品保護の美観。

[0026] 図7を参照して示し、第三実施例と上記の相異点はあり、左のラグ8と右ラグ9はそれぞれ掛夾13上を設置し、掛夾13によって左のラグ8、右ラグ9を利用者の耳上に掛からせ、美観はまた携帯に便利であり、有効に快適感を用いることを高める。)

(4)図1

[図:0001383912000006.jpg]

(5)図2

[図:0001383912000007.jpg]

(6)図3及び図4

[図:0001383912000008.jpg]

(7)図5

[図:0001383912000009.jpg]

(8)図6

[図:0001383912000010.jpg]

(9)図7

[図:0001383912000011.jpg]

したがって、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

<引用発明>

「ヘッドマウント式空気浄化器であって、
外部の空気を浄化して人体の呼吸部位に排出する空気浄化部材と、
ヘッドクランプ1と、ヘッドクランプ1の両端部に設けた一対のラグ8、9とで構成されたヘッドマウント部と、
風管7及びヒンジ位12からなり、その後端が左のラグ8に取り付けられて、その前端に空気浄化装置5が支持される風管7及びヒンジ位12と
を備え、
空気浄化部材が、
左のラグ8上に設けられた送風ファン6と、
送風ファン6に接続される風管7と、
風管7に接続され、空気を浄化する空気浄化装置5と
を備えるヘッドマウント式空気浄化器。」

2 引用文献2

本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったものであって、原査定の拒絶の理由に引用された特開2011-288号公報(以下「引用文献2」という。)には、「太陽電池で稼働するファン付きマスク」に関して、以下のように記載されている。

(1)「【0022】
太陽電池で稼働するファン付きマスク1は、面体2の上方中央には外気を取り入れる為の通孔3が格子状に形成される。この通孔3は、マスクをした際、人体の鼻腔部近傍に位置する箇所に形成される。
【0023】
前記の面体2の構成部材は、花粉症用、医療従事者用、クリーンルーム従事者用、粉塵工事従業者用等のそれぞれの目的に応じて最適な部材を選択する必要があり、花粉症用を例にとって説明すると、外層部には熱可塑性合成繊維不織布と内層部には再生セルロース繊維を含有する不織布から構成される積層型不織布を用いることにより適度な保湿性と通気性を有すると同時に立体形状の保持性能の優れた面体2を作製することが出来る。
続きを表示(全18行)
【0024】
そして、通孔3の外部側には中空状の吸気用枠体4が、通孔3を覆うように面体2に取り付けられる。
【0025】
この吸気用枠体4には、外部と面体2内部とを遮断するフィルター5が設けられ、外界からの有害物質を除去するものである。
【0026】
フイルター5の構成部材は、花粉症用、医療従事者用、クリーンルーム従事者用、粉塵工事従業者用等のそれぞれの目的に応じて外界からの有害成分を除去する最適な部材を選択する必要があり、医療従事者用を例にとって説明すると、脂肪族ポリエステル不織布を単層、または複数層重ねたものを用いることが可能である。
【0027】
これらの脂肪族ポリエステル層は目付、繊維径、繊維密度の異なる不織布の組み合わせを適宜選択して作製する。
【0028】
そして、吸気用枠体4内部の、フィルター5と通孔3との間には、外気をフィルター5で濾過した空気を吸引するためのファン6が設けられている。
【0029】
このファン6はフィルター5に、モータ8と一体で取り付けられており、太陽電池7をエネルギー源としてモータ8を動力源として回転可動する。このモータ8はフィルター5に埋設固定されている。
【0030】
ファン6はフィルター5と通孔3との間に設けているので、マスクをした際、人体の鼻腔部にファン6が接触することなく、安全性が確保できる。」

(2)図1

[図:0001383912000012.jpg]

(3)図2

[図:0001383912000013.jpg]

以上から、引用文献2には次の事項(以下「引用文献2記載事項」という。)が記載されている。

<引用文献2記載事項>

「ファン付きマスク1において、吸気用枠体4内に、外気を濾過するフィルター5、空気を吸引するファン6及び人体の鼻腔部近傍に位置する通孔3を備えること。」

3 引用文献3

本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったものであって、原査定の拒絶の理由に引用された実願昭54-77214号(実開昭55-180448号)のマイクロフィルム(以下「引用文献3」という。)には、「防塵用保護面」に関して、以下のように記載されている。

(1)「本考案は上述の様な現実に鑑み、簡単な構造で高い効果を持つ装置を得る事を目的として考えられた防塵用保護面であつて、二次的効果として、顔面に対する冷却作用を合せ待つ事によつて炎天下又は、暑い温度環境下での使用にも適する装置を得んとするものであって、上記目的を達成する為に、取付具を有する保護面の一部に設けた通風孔と、該通風孔を通して鼻及び口元にむかつて送風するフアン装置及び交換可能な、濾(原文ではさんずいに「戸」。以下同じ。)過材を備えた防塵用保護面を提供するものである。」(明細書2ページ2行ないし12行)

(2)「以下に本考案の一実施例の詳細を図面に基き説明すると、1は通常用いられる安全帽で、その外殻2は適宜硬質プラスチツク又は金属等の材料を成形して構成され、その内部には作業者の頭部4に直接当接する内殻3が合成ゴム、布等の軟質材により成形されて取り付けられる。即ち該頭部当て内殻3は外殻2との間に若干の空間部を保有する様に形成されて頭部を保護するものであつて、且つ通気孔5が設けられている。6は上記安全帽に対して取付自在な保護面であつて、該保護面上において本考案の主要部をなす防塵装置が一体化して設けられているものである。7は一端が保護面に結合された取付具であつて、図示のようなベルト形式でも良く、又は図示しない通常の取付金具を用いて、安全帽の側面に掛止しても良い。保護面6は、プラスチツク、ポリカーボネート、アクリル等の透明体から成り、作業者の視界を確保するとともに、その前面部下方に通風孔6′を多数設け、その周囲に支持部材6”を保護面と一体化して設けて、濾過材8が取付けられる。9は押え板であつて通気性を持たせてネジ9′を用いて支持部材に固定して構成される。10は送風フアン、11は小形のモータであつて、該モータは保護面6上に固定される。送風フアンの送風方向は矢印のように通風孔6′を通して作業者の鼻及び口元にむかう方向に設定される。12は外殻2の任意の場所、例えば後方部に設置された電池であり、ベルト等の取付具及び、保護面6の端部に設けたワイヤー13を用いて、小形モータ11に連結されている。14は外殻2の側方部に設けられ小形モータ11と電池12を断続させるスイツチである。15は前記内殻3に取付けられたアゴ紐である。
前記構成において、電池12は安全帽の後方部に限定されるものではなく、任意の位置に設ける事が可能で、場合によつては作業衣のポケツトに収納して、ワイヤーを導出するも可能である。更に小形モーター11の取付け位置も、図示の保護面6上に固定する外、該保護面と一体に設けた支持部材7上に固定しても良い。押え板9は、その内部に濾紙等のフイルターを保持しながら、前記支持部材7にネジ9′を用いて固定されるか、又は、取外しが簡単な嵌着機構としておき、一定時間使用後に濾過材8を交換可能とするものである。
上記の構成において安全帽1を着用し、アゴ紐15を締めて固定した後、保護面6を装着してスイツチ14をオンの状態にすると、電池12により小形モータ11が作動を開始し、送風フアン10が回動を開始する。この際外気は矢印に示すように押え板9、濾過材8、通風孔6を経て、作業者の顔面部、とりわけて鼻及び口元部分に対して吹付けられた後、顔面に沿って広がるように流れるものであつて、フイルターをへておくられるフアンによる送風を有効に呼吸することができる。又、送風を有効に呼吸することができるために必要とする送風量は少なくて良くモータ消費電力も少なくて良い。よつて本考案の場合、直接鼻及び口元に送風する為に保護面の左右両側面、又は上下部と顔面との密着又は密閉性を必要としないものであつて、ごく晋通の取付状態で充分であるという特長を有する。」(明細書2ページ13行ないし5ページ16行)

(3)第1図

[図:0001383912000014.jpg]

以上から、引用文献3には次の事項(以下「引用文献3記載事項」という。)が記載されている。

<引用文献3記載事項>

「防塵用保護面において、取付具を有する保護面の一部に設けた通風孔と、該通風孔を通して鼻及び口元にむかつて送風するフアン装置及び交換可能な濾過材を備えたこと。」

4 引用文献4

本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったものであって、原査定の拒絶の理由に引用された中国特許出願公開第104984489号明細書(以下「引用文献4」という。)には、「

[図:0001383912000015.jpg]

」(当審訳:「装着式空気浄化装置及びその浄化器」)に関して、以下のように記載されている。

(1)

[図:0001383912000016.jpg]

(当審訳:[0055] 本発明の目的に達するため、図1に示すように、本発明の装着式空気浄化装置6は、浄化アセンブリ3を含み、また電源ユニット1と通気口5を含んで、前記浄化アセンブリは第1の変形後によって1の一端定型の接続具2は前記電源ユニット3に接続されて、前記浄化アセンブリは第2の変形後によって3の他端定型の接続具4は前記通気口5に接続されて、そして前記第1、2の変形可能接続具変形後は型を定めることができ、リセットする可能性がない。この装着式空気浄化装置は、可繰り返し屈曲、変形を用いて、そして変形後が型を定めることができる材料は接続構造とし、実需要変形後によって、着用し、時のバランスと安定を着用することを実現する;着用者は自身によって需要があり、ヘッドマウント、頸部夾戴、肩当てなどの着用方法を用いて、且つ任意に着用した緩さ、長さ、製品と身体の合着の度、通気口と鼻部距離の遠近などを調節し、これによって浄化空気を効果的に着用者の口、鼻近傍に輸送し、着用者が実際は空気を吸い込んだ品質を高める;そのうえ本発明の空気浄化装置は、便利にでき、安定して自動車内部部材上に巻き付けて、座席、ハンドルなどのように、車載浄化機として用いる;あるいはベビーカー、ベビーカーの構造部材上に巻き付け、車内に浄化空気を提供する;用いた後、浄化機は便利に折り畳むことができて、コイルは、持ち運びしやすく、機能は多く、適用面は広い。

[0056] さらに本発明の実施効果を向上させるため、前記第1、2は字形コネクタ2、4を変えて全部ゴム、プラスチックあるいは合金から作成する。実需要によって後定型の材料を選択することができて任意に湾曲することができる。

[0057] さらに本発明の実施効果を向上させるため、前記電源ユニット1は出力インターフェース103によって第1の変形可能接続具2に接続される。)

(2)図1

[図:0001383912000017.jpg]

段落[0055]の「装着式空気浄化装置」、「ヘッドマウント」という記載及び図1の記載からみて、引用文献4の装着式空気浄化装置はヘッドマウント式空気浄化装置を含むものであるといえる。

また、図1において、電源ユニット1は、ヘッドマウント端部の耳当て部に設けられているといえる。

以上から、引用文献4には次の事項(以下「引用文献4記載事項」という。)が記載されている。

<引用文献4記載事項>

「ヘッドマウント式空気浄化装置6において、電源ユニット1をヘッドマウント端部の耳当て部に設けたこと。」

5 引用文献5

本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったものであって、原査定の拒絶の理由に引用された中国実用新案第206381508号公報(以下「引用文献5」という。)には、「

[図:0001383912000018.jpg]

」(当審訳:「ヘッドマウント式スモッグ防止装置」)に関して、以下のように記載されている。

(1)

[図:0001383912000019.jpg]

[図:0001383912000020.jpg]

(当審訳:

[0023] 図1、図2、図3に示すように、本実用新案はヘッドマウント式スモッグ防止装置を提供し、空気浄化モジュールを含み、リード線の与前記空気浄化モジュール連結した駆動モジュール、及び浄化後空気を搬送することに用いて鼻孔の空気搬送モジュールによって、その特徴は、前記空気搬送モジュールは輸風管001と排気機構を含み、前記輸風管001のヘッドエンドの前記空気搬送モジュールと接続し、前記排気機構は送風管001、第1の排気管003と第2の排気管004を含んで、前記送風管002の一端閉塞他端の前記輸風管001の尾部端と接続して、前記第1の排気管003と第2の排気管004は前記送風管002に接続し、前記第1の排気管003と第2の排気管004はそれぞれ両鼻孔中に挿入する;前記輸風管001は方向を決定することができる屈曲001;前記第1の排気管003と第2の排気管004はホースとする;前記第1の排気管003と第2の排気管004与鼻孔の間に呼吸排気ガスを排出することに用いる空隙がある;前記空気浄化モジュールは吸気口100、物理除塵ユニット101、化学的浄化ユニット102を含んで並びに外気進入空気浄化モジュール中を吸引するファン103を用いて、外気は順に吸気口100、物理集塵浄化101、化学的浄化ユニット102及びファン103後を通して輸風管001中に輸送する;前記駆動モジュールは調節したファン103の回転速度に用いる調節ノブ201を含み、前記駆動モジュールはまたファン103に給電する電源ユニット200を含む;電源ユニット200はファン103に給電してそれを作動させ、その後ファン103の回転速度を制御する調整ボタン201を調整することが可能であり、外気を1の速度でヒト呼吸のものに適させて、すなわちゆっくりした速度、空気入り口100の進入空気浄水モジュール中によって、先に物理集塵に用いた物理除塵ユニット101によって、例えばこの浄化ユニットは使用していることは活性炭不織布から作成する活性炭濾過層または小さなバー状のポリプロピレンホイルから作成する静電でありきわめて止める空気濾過層、電荷を利用した静電力作用が外気中を捕集するほこり、濾過PM2.5に達する目的で;物理除塵ユニット101の濾過後空気を経て再び化学的浄化ユニット102を通って、濾過除去空気中二酸化硫黄(SO2)または二酸化窒素(NO2)などの有害ガス、前記化学的浄化ユニットは一層の空気加湿層を含み、空気進入化学的浄化ユニット102中後自動で空気に加湿をし、その後加湿後の空気はファン103を通って空気浄化モジュールが直接に接続したものに輸送して輸風管001中。)

(2)図1

[図:0001383912000021.jpg]

図1において、電源ユニット200は、ヘッドマウント端部の耳当て部に設けられていることが分かる。

以上から、引用文献5には次の事項(以下「引用文献5記載事項」という。)が記載されている。

<引用文献5記載事項>

「ヘッドマウント式スモッグ防止装置において、電源ユニット200を、ヘッドマウント端部の耳当て部に設けたこと。」

6 引用文献6

本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったものであって、原査定の拒絶の理由に引用された特開昭58-89282号公報(以下「引用文献6」という。)には、「汚染防止マスク」に関して、以下のように記載されている。

(1)「1はナツト1-aを有する防毒用ケースカバーである。2は殺菌効果のあるケースである。3はゴムワツシヤー、4はねじ部4-aを備えた殺菌効果のあるケースホルダー、5は殺菌効果のあるケーシングである。6,8,10及び11は本実施例では図示の通り円板状に成形した、樹脂と羊毛の混合、圧縮素材から成る円板、7及び9は本実施例では円板状に成形した炭素繊維から成る円板である。12は殺菌効果を有するケースのベースカバーであり上記6から11までの部材の収納カバーであり、13はゴムワツシヤーである。14は、電源から延びる電線用の封止状態にある開口部14-a、電源から延びる回路を構成する電線14-b及び電動機収納部材取付用孔14-cを各々有する殺菌効果のあるケース円板収納部材である。15は、電源導線連結部15-a、電動機固定ネジ孔15-b及び15-c、電動機固定用キー及び電動機固定用ネジ15-e及び15-fを各々備えた電動機取付用ホルダーである。16は、ブラシカバー16-a、圧縮バランス部材16-b、ブラシホルダー16-c、電動機ベアリング16-e、電動機固定用ネジ孔16-f及び16-g、アーマチユア電源回路電線16-h及びスナツプスロツト16-iを各々有する電動機外部ケーシングである。17は永久磁場を保つための永久磁石である。18と24は各々ベアリングパツドである。19はアーマチユア整流器である。20及び22は電気絶縁部材である。21はシリコーン鋼板である。23はアーマチユアマンドレルである。25はスナップリングである。26はタービン固定基体としてのアーマチユア絶縁リングである。27はタービンである。28は、吸込弁ホルダー28-a、電動機ホルダー取付用係合孔28-b及び電源から延びる電線28-cを有する基体電動機収納部材としての防毒用ケース基体カバーである。29は吸込弁である。30は、吸込弁用の取付孔30-a、排気弁用マスク開口部30-b、排気弁部材30-c、30-d及び30-e、及び着用バツクル30f及び30gを各々有するマスクである。31は、電源導線31-a及びプラグ31-bを有する電動圧縮機ガスマスクの全体の組立体である。32は頭部装着用バンドである。33は頭部バンド用バツクルである。34は、ソケツト34-a、スイツチ34-b、電源函用滑動ドアー34-c及び15ボルト8区画「AA」小型電池34-dを備えた電源函装置である。35は上記の各部品を組立てたマスクの組立体である。
本発明のマスクの組立てについては、まず第1図及び第4図に分解組立図として図示した防毒用ケースカバー1からゴムワツシヤー13までに配置したフイルター部材を含む各部材を先ず一体的に組立てる。更にこの組立体を第2図に図示するケース円板収納部材14に装着する。第2図及び第3図に分解組立図として同様に図示した該ケース円板収納部材14と電動機収納部材28までの間に配置した電動機構成部材を組み立てて上記フイルター部及び電動機送気部を一体的に組み立てて上記マスク30の吸気弁用取付孔30-aに吸気弁29を介して吸気弁ホルダー28-aを装着する。また該マスク30の排気弁用開口部30-bには排気弁部材30-c、30-d、及び30-eにより組立てた排気弁装置を装着する。上記導線は上記電源に接続する。
本発明のマスクの作用及びガス又は空気の流れについて、吸気はフイルター部材方向から吸気弁装置29を介してマスク内に流入し、呼気は排気弁装置を通つて排出されることは上記の説明から明らかであるが、より一層明確にするために次にその作用について説明する。
携帯可能な電池は一般的にはシヤツ等のポケツトに入れ、マスクは顔面に密着し密封するよう装着する。電動機はスイツチの操作により駆動、停止する。通電した圧縮機が汚染空気を吸込み、僅少の圧縮圧の下に浄化された清浄な空気をマスク内に供給する。この際、浄化される汚染空気は浄化構造又は機構、即ち上記のフイルター用円板部材中に吸込まれ、又はその中を強制的に通されている。当業者に自明の変更及び改修をなすこと、及び本発明の上記要素類の代りに自明の機械的又は化学的均等物を用いることは本発明の範囲内にある。
羊毛と樹脂の円板類については、樹脂は或る程度、型が変化し得るが、好ましくは石油系樹脂であり、羊毛繊維と混合し圧縮するか又はその片方の処理を行った時、両者の接触が静電気を生じ;静電気の存在が羊毛と樹脂の円板を通る汚染ガス又は汚染空気の浄化を容易にする性質が特徴となつている。」(4ページ左上欄6行ないし5ページ左上欄14行)
(2)「4.図面の簡単な説明
第1図は透視側面図としての、空気浄化要素類及びそれらのための装備及び保持要素類の分解組立て図である。
第2図は第1図の図解に連続したものを示し、同じく透視側面図として示した、空気浄化構造及びその支持構造について流れが直列となるように装備された電動機及び圧縮機用の装備構造及びそれらを開示している。
第3図は先述の図から更に連続するものであり、他の装備要素類及び電動機及び圧縮機並びにガスマスク面構造及び上述の要素類を受取るためのそれらの開口部の透視側面図を示す。この図はまた、マスク面構造の他の開口部と関連する。ガスマスクの過度の圧の出口弁構造及びそれの装備部材を示す。
第4図はフイルター用円板部材の分解組立図である。」(5ページ左上欄15行ないし右上欄12行)

(3)第1図及び第4図

[図:0001383912000022.jpg]

(4)第2図及び第3図

[図:0001383912000023.jpg]

以上から、引用文献6には、次の事項(以下「引用文献6記載事項」という。)が記載されている。

<引用文献6記載事項>

「フイルター用円板部材6、7、8、9、10、11のケーシング5と収納カバー12をメッシュ状にしたこと。」

7 引用文献7

本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったものであって、原査定の拒絶の理由に引用された特開2006-326475号公報(以下「引用文献7」という。)には、「花粉防護装置」に関して、以下のように記載されている。

(1)「【0024】
また、頭部に装着する形態として、図5(a)(b)(c)に示すように、ヘッドレスト状の花粉防護装置Cやメガネ状の花粉防護装置D、耳掛け式の花粉防護装置Eに構成することもできる。図5(a)に示すヘッドレスト状に構成した場合には、一方の耳上にプラスイオン発生器1、他方の耳上に直流電源11(図示せず)を配置するように構成すると、左右の重量のバランスが保たれて装着位置にずれが生じ難くなる。プラスイオン発生器1から額の前方に延出させた位置に送風機2又は送風機2からの送風口を設けて下向きに送風すると、目や鼻の前にプラス帯電したエアバリアを形成することができる。」

(2)図5(a)

[図:0001383912000024.jpg]

以上から、引用文献7には、次の事項(以下「引用文献7記載事項」という。)が記載されている。

<引用文献7記載事項>

「ヘッドレスト状の花粉防護装置Cにおいてプラスイオン発生器1から額の前方に延出させた位置に送風機2又は送風機2からの送風口を設けて下向きに送風すること。」

第5 対比・判断

1 本願発明1について

本願発明1と引用発明とを対比する。

引用発明における「ヘッドマウント空気浄化器」は、その機能、構成又は技術的意義からみて、本願発明1における「身体に装着して使用される身体装着型浄化空気供給装置」及び「身体装着型浄化空気供給装置」に相当し、以下同様に、「外部の空気を浄化して人体の呼吸部位に排出する」ことは「周辺の空気を取り込んで浄化しながら使用者の口元へ供給する」ことに、「空気浄化部材」及び「空気浄化装置5」は「浄化空気供給部」に、「ヘッドクランプ1」は「使用者の頭周部に装着するバンド部」及び「バンド部」に、「ラグ8、9」は「耳当部」に、「ヘッドマウント部」は「頭部装着部」に、「風管7及びヒンジ位12」は「アーム状の部材」及び「支持部」に、「左のラグ8」は「一方の耳当部」に、それぞれ相当する。

また、引用発明における「空気浄化部材が、左のラグ8上に設けられた送風ファン6と、送風ファン6に接続される風管7と、風管7に接続され、空気を浄化する空気浄化装置5とを備える」ことと、

本願発明における「浄化空気供給部が、

空気を取り入れるための空気取り入れ口を前面側に有し、使用者の口元へ空気を送出する空気送出口を後面側に有するケース部材と、

ケース部材の内部に収容され、空気取り入れ口からケース部材の内部に取り込まれた空気を空気送出口まで一直線状に移送する空気移送手段と、

ケース部材の内部に取り入れられた空気を浄化するフィルター部材と、

メッシュ状の部材で構成され、フィルター部材を空気取り入れ口側及び空気送出口側から挟んだ状態で支持するフィルター支持部材と

を備えたものとされた」こととは、

「浄化空気供給部が、
空気移送手段と、
フィルター部材と
を備えたものとされた」ことという限りで一致する。

したがって、両者の一致点、相違点は以下のとおりである。

<一致点>

「身体に装着して使用される身体装着型浄化空気供給装置であって、
周辺の空気を取り込んで浄化しながら使用者の口元へ供給する浄化空気供給部と、
使用者の頭周部に装着するバンド部と、バンド部の両端部に設けた一対の耳当部とで構成された頭部装着部と、
アーム状の部材からなり、その後端が一方の耳当部に取り付けられて、その前端に浄化空気供給部が支持される支持部と、
を備え、
浄化空気供給部が、
空気移送手段と、
フィルター部材と
を備えたものとされた
ヘッドマウント空気浄化器。」

<相違点>

浄化空気供給部の構成に関して、

本願発明1は、「空気を取り入れるための空気取り入れ口を前面側に有し、使用者の口元へ空気を送出する空気送出口を後面側に有するケース部材と、

ケース部材の内部に収容され、空気取り入れ口からケース部材の内部に取り込まれた空気を空気送出口まで一直線状に移送する空気移送手段と、

ケース部材の内部に取り入れられた空気を浄化するフィルター部材と、

メッシュ状の部材で構成され、フィルター部材を空気取り入れ口側及び空気送出口側から挟んだ状態で支持するフィルター支持部材と

を備えたものとされた」ものであるのに対し、

引用発明は、「左のラグ8上に設けられた送風ファン6と、

送風ファン6に接続される風管7と、

風管7に接続され、空気を浄化する空気浄化装置5と

を備える」ものである点。

上記相違点について検討する。

引用文献2には、「ファン付きマスク1において、吸気用枠体4内に、外気を濾過するフィルター5、空気を吸引するファン6及び人体の鼻腔部近傍に位置する通孔3を備えること。」(引用文献2記載事項)が記載され、

引用文献3には、「防塵用保護面において、取付具を有する保護面の一部に設けた通風孔と、該通風孔を通して鼻及び口元にむかつて送風するフアン装置及び交換可能な濾過材を備えたこと。」(引用文献3記載事項)が記載され、

引用文献4には、「ヘッドマウント型の空気浄化装置6において、電源ユニット1をヘッドマウント端部の耳当て部に設けたこと。」(引用文献4記載事項)が記載され、

引用文献5には、「ヘッドマウント型の空気浄化装置において、電源ユニット200を、ヘッドマウント端部の耳当て部に設けたこと。」(引用文献5記載事項)が記載され、

引用文献6には、「フイルター用円板部材6、7、8、9、10、11のケーシング5と収納カバー12をメッシュ状にしたこと。」(引用文献6記載事項)が記載され、

引用文献7には、「ヘッドレスト状の花粉防護装置Cにおいてプラスイオン発生器1から額の前方に延出させた位置に送風機2又は送風機2からの送風口を設けて下向きに送風すること。」(引用文献7記載事項)が記載されている。

引用文献2記載事項は、ファン付きマスクに関するものであるが、引用発明のヘッドマウント式空気浄化器とはその構造が大きく異なるものであり、引用文献2記載事項を引用発明に適用する動機がない。さらに、引用文献1の段落[0023]に「左のラグ8内に取り付けた送風ファン6の騒音を解消する遮音部材10は、送風ファン6が動作した騒音を減少し、利用者が用いた快適感を高める。」と記載されているように、送風ファンは騒音を発生するものであるから、引用文献2記載事項を引用発明に適用しようとすると、引用文献2記載事項のファンが引用発明のマイクの近くに設けられるという阻害要因がある。

引用文献3記載事項についても同様に、引用発明のヘッドマウント式空気浄化器とはその構造が大きく異なるものであり、引用発明に適用する動機がない。

引用文献4記載事項は、ヘッドマウント式空気浄化装置に関するものであるが、相違点に係る本願発明1の発明特定事項を開示するものではない。

引用文献5記載事項は、ヘッドマウント式空気浄化装置に関するものであるが、相違点に係る本願発明1の発明特定事項を開示するものではない。

引用文献6記載事項は、密閉型の汚染防止マスクに関するものであり、引用発明のヘッドマウント式空気浄化器とはその構造が大きく異なり、相違点に係る本願発明1の発明特定事項を開示するものではない。

引用文献7記載事項は、花粉防護装置に関するものであり、引用発明のヘッドマウント式空気浄化器とはその構造が大きく異なり、相違点に係る本願発明1の発明特定事項を開示するものではない。

そして、他に、上記相違点に係る本願発明1の発明特定事項が、当業者が容易に想到し得たという証拠や根拠もない。

したがって、本願発明1は、当業者が引用発明及び引用文献2記載事項ないし引用文献7記載事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

2 本願発明2及び3について

本願の特許請求の範囲における請求項2及び3は、請求項1の記載を他の記載に置き換えることなく直接又は間接的に引用して記載されたものであるから、本願発明2及び3は、本願発明1の発明特定事項を全て含むものである。

したがって、本願発明2及び3は、本願発明1について述べたものと同様の理由により、引用発明及び引用文献2記載事項ないし引用文献7記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

3 小括

そうすると、本願発明1ないし3は、引用発明及び引用文献2記載事項ないし引用文献7記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

第6 むすび

以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-009579

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