商標拒絶査定不服審判
2021-009236
モコモコアワ、モコモコ
- 審判番号
- 2021-009236
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-031467
- 請求日
- 2021年07月09日
- 審決日
- 2022年08月02日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】高梨 範夫
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 松江
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -Z (W010305) / T18 .272-Z (W010305)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020- 31467拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年3月23日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 2月19日付け:拒絶理由通知書
令和3年 4月 6日 :意見書の提出
令和3年 4月 8日付け:拒絶査定
令和3年 7月 9日 :審判請求書の提出
令和4年 3月23日付け:証拠調べ通知書
令和4年 5月 6日 :意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「モコモコ泡」の文字を標準文字で表してなり、別掲1のとおりの商品を指定商品として、令和2年3月23日に登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「モコモコ泡」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「モコモコ」の文字は、「柔らかな弾力があってふくらんでいるさま。」(出典:株式会社岩波書店 広辞苑第七版)等の意味を有する「もこもこ」の語を片仮名で表したものと認識されるものであり、その構成中の「泡」の文字は、「液体が空気を含んで、まるくふくれたもの。気泡。」(出典:同上)等の意味を有する語として、それぞれ一般に知られているから、本願商標は、全体として、「柔らかな弾力があってふくらんでいる泡」程の意味合いを認識させる。そして、本願の指定商品中「芳香洗浄剤,その他のせっけん類,歯磨き,化粧品」を取り扱う分野においては、「モコモコ泡」又は「もこもこ泡」の文字が、柔らかな弾力があってふくらんでいる泡を表すものとして、広く使用されている実情が認められ、また、このような泡を特徴とする泡タイプの商品が製造・販売されている実情が見受けられる。そうすると、本願商標は、これをその指定商品中、例えば、「芳香洗浄剤,その他のせっけん類,歯磨き,化粧品」等に使用したときは、これに接する取引者、需要者に、「柔らかな弾力があってふくらんでいる泡を生じる商品」であることを理解させるにすぎないというのが相当であり、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨、認定判断し、拒絶したものである。
4 当審においてした証拠調べ
審判長は、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲2に示すとおりの事実を発見したので、令和4年3月23日付けで、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、上記証拠調べの結果を通知し、相当の期間を指定して、意見を申し立てる機会を与えた。
5 証拠調べ通知に対する請求人の意見
請求人は、上記4の証拠調べ通知に対し、要旨以下の意見を述べた。
(1)証拠調べ通知書に引用された情報は、せっけん類(洗顔料、手洗石鹸(ハンドソープ)、ボディソープ(身体用洗浄剤))、化粧品(入浴剤)及び洗浄剤に関して、「キメが細かい」、「(もっちりとした)弾力」、「やさしい」、「濃密」、「泡立てやすく流しやすい」、「やさしい」、「手洗いが楽しくなる」、「潤いたっぷり」、「ふわふわ」、「見た目も体も癒す」、「心身が疲れているときに(使用)」、「きめ細かい泡やモコモコとしたボリュームのある泡」、「密着(高密着)」、「はりつく」、「汚れ(水垢汚れ)を落とす」といった様々な語句をもって商品を説明している。他方、「モコモコ泡」の文字がこれらの商品の説明文に記載されていることが認められるものの、あまりにも多様かつ内容の異なる語句がこれに付随して用いられていて、「モコモコ泡」の文字単独ではその明確かつ具体的な性質・内容は定かではない。証拠調べ通知書に引用された情報では、「モコモコ泡」の文字が単独で用いられているのではなく、「キメ細か」であるとか、「弾力」であるとか、「やさしい」等といった商品を明確かつ具体的に表示する文字と併用されているにすぎない。「モコモコ泡」の文字が、明確かつ具体的な性質・内容を表す文字やその他の情報を何ら併用されることなく、単独で使用された場合には、商品の明確かつ具体的な品質・性質が直ちに認識されることはなく、単に商品が泡に関連するものであることを暗示させるにすぎない。
(2)「泡」について、「石鹸百科」のウェブサイトのうち、「石鹸生活の知識館」欄の「石鹸とは」の項目に掲載されている内容によると、気泡は、液体によって気体が閉じ込められた状態であり、泡沫(ほうまつ)は、気泡が沢山集まった状態を意味する。したがって、シャボン玉は泡、洗顔用に泡立てたクリーム状の泡は泡沫(ほうまつ)であり、また、コップに注いだビールからシュワシュワと湧き上がるのが泡、それが集まってビール表面をおおう白い泡の層になったものが泡沫(ほうまつ)である。
そうすると、「泡」は、「コップに注いだビールからシュワシュワと湧き上がる」ものであるから、「モコモコ泡」の文字は、「次々と下から湧き上がる泡」の意味合いで理解するのが自然である。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「モコモコ泡」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「モコモコ」の文字は「柔らかな弾力があってふくらんでいるさま。」及び「次々と下から湧き上がるさま。」の意味を有する「もこもこ」の語(出典:株式会社岩波書店 広辞苑第七版)をカタカナで表したものと認識し得るものであり、「泡」の文字は「液体が空気を含んで、まるくふくれたもの。気泡。あぶく。」の意味を有する語(出典:同上)であるから、これらの語を一連に表した本願商標の構成全体からは「柔らかな弾力があってふくらんでいる泡」若しくは「次々と下から湧き上がる泡」の意味合いを容易に認識し得るものといえる。
そして、本願の指定商品中、第3類「芳香洗浄剤,その他のせっけん類,化粧品」を取り扱う分野では、泡を特徴とする泡タイプの商品が製造、販売されているところ、本願商標若しくはこれに通ずる「もこもこ泡」、「モコモコの泡」及び「もこもこの泡」の文字が、「柔らかな弾力があってふくらんでいる泡」若しくは「次々と下から湧き上がる泡」程の商品の品質(商品を使用する際の泡の特徴若しくは商品を使用した際に生ずる泡の特徴)を指称する語として、広く使用されている実情があることは、別掲2のとおりである。
そうすると、本願商標を上記した指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、これら商品が「柔らかな弾力があってふくらんでいる泡」若しくは「次々と下から湧き上がる泡」程の商品の品質(商品を使用する際の泡の特徴若しくは商品を使用した際に生ずる泡の特徴)を表示したものと理解、認識するにとどまるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質(特徴)を普通に用いられる方法で表示してなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記品質(特徴)を有する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、証拠調べ通知書に引用された情報では、「モコモコ泡」の文字が単独で用いられているのではなく、「キメ細か」であるとか、「弾力」であるとか、「やさしい」等といった商品を明確かつ具体的に表示する文字と併用されているにすぎず、「モコモコ泡」の文字が、明確かつ具体的な性質・内容を表す文字やその他の情報を何ら併用されることなく、単独で使用された場合には、商品の明確かつ具体的な品質・性質が直ちに認識されることはなく、単に商品が泡に関連するものであることを暗示させるにすぎない旨主張する。
しかしながら、「キメ細か」、「弾力」若しくは「やさしい」等の、「モコモコ泡」を形容する文字の有無に係わらず、「モコモコ泡」の文字が、本願の指定商品中、第3類「芳香洗浄剤,その他のせっけん類,化粧品」との関係において、「柔らかな弾力があってふくらんでいる泡」若しくは「次々と下から湧き上がる泡」程の商品の品質(商品を使用する際の泡の特徴若しくは商品を使用した際に生ずる泡の特徴)を表示する語として理解、認識されていることは上記(1)のとおりである。
イ 請求人は、「モコモコ泡」の文字は、「次々と下から湧き上がる泡」の意味合いで理解するのが自然である旨主張する。
しかしながら、「モコモコ泡」の文字が、本願の指定商品中、第3類「芳香洗浄剤,その他のせっけん類,化粧品」との関係において、「柔らかな弾力があってふくらんでいる泡」若しくは「次々と下から湧き上がる泡」程の商品の品質(商品を使用する際の泡の特徴若しくは商品を使用した際に生ずる泡の特徴)を表示する語として理解、認識されていることは上記(1)のとおりである。
ウ 請求人は、「モコモコ泡洗顔」の文字からなる商標の登録例を挙げ、本願商標についても、如何なる状態の泡であるのかを具体的に特定することはできず、商品の品質を直感的に認識させることはない旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標については、「モコモコ泡」の文字が、自他商品の識別標識として機能し得ないことは上記(1)のとおりであるから、過去の登録例によって、その判断が左右されるものではない。
エ したがって、上記請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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