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商標拒絶査定不服審判

2021-009043

ミミマワリハダトラブル

審判番号
2021-009043
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2020-059396
請求日
2021年07月07日
審決日
2022年10月21日
公報発行日
2023年01月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】小林製薬株式会社
  • 【請求人代理人】高梨 範夫
審判長/審判官
  • 審判長 小松 里美
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 青野 紀子
分類
T18 .16 -Z (W05)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項6号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項、商標法第55条の2第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2020-59396拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、「耳まわり肌トラブル」の文字を標準文字で表してなり、第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。),医療用試験紙,医療用油紙,医療用接着テープ,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,歯科用材料,おむつ,おむつカバー,はえ取り紙,防虫紙,乳幼児用粉乳,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。),人工受精用精液」を指定商品として、令和2年5月13日に登録出願されたものである。 本願は、令和2年10月22日付けで拒絶理由が通知され、同3年1月4日に意見書、並びに同月6日受付の手続補足書が提出されたが、同年4月5日付けで拒絶査定がされたものである。 これに対して、令和3年7月7日に拒絶査定不服審判の請求がされ、さらに、同月8日受付の手続補足書が提出されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、「耳まわり肌トラブル」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、その構成中の「まわり」の文字は、「まわること。周囲。」等の意味を有し、「トラブル」の文字は、「もめごと。不調。」等の意味を有する語であるから、本願商標全体としては「耳の周囲の肌の不調。」程の意味合いを容易に認識させるものである。そして、本願の指定商品を取り扱う業界においては、一般的に耳の周囲のかゆみ、腫れ、肌荒れ等の治療に薬剤が使用され、さらに耳まわりに使用される薬剤が普通に取引されている実情が認められる。そうすると、本願商標を、その指定商品中、「耳の周囲の皮膚用薬剤」等に使用した場合、これに接する需要者は、「耳の周囲の肌荒れ等の不調を治療する薬剤」であること、すなわち、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきである。また、本願商標を前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。 3 当審における審尋 当審において、令和4年1月26日付け審尋により、請求人に対し、別掲1及び別掲2に係る証拠を示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。 4 審尋に対する請求人の回答(要旨) 請求人は、上記3の審尋に対し、令和4年3月8日受付の回答書を提出し、要旨、以下(1)ないし(3)のとおりの意見を述べた。 (1)原審と審尋とは、その根拠となる条文、並びに、拒絶理由の具体的な内容及び裏付けとなる引用情報を全く異にしている。請求人は、審尋で提示された根拠条文、並びに、拒絶理由の具体的な内容及び裏付けとなる引用情報について意見を申し述べる機会を与えられておらず、審査及び審判の2段階手続の観点からはいささか不満が残る。 (2)本願商標の構成中、「耳」及び「まわり」の文字は、多くの意味合いを有し、具体的な部位を容易かつ明確に特定することができず、本願商標「耳まわり肌トラブル」の文字からは、耳のどのあたりが、如何なる原因により、如何なる症状を患っているのかが全く不明である。また、「耳のあたりの肌の厄介」を改善・治療する際には、症状の出ている部位、症状の内容と程度、症状の原因等により、処方すべき医薬品は異なるため、耳の周辺の肌用の薬剤であれば何でも良いというわけではない。そして、薬剤については、その成分表示及び効能を明確かつ具体的に表示する必要があり、さらに、薬剤の販売促進活動を展開するに際しては、その商品を明確に説明し、商品の特性を具体的に表した宣伝広告を行うことが肝要である。本願商標は、商品を客観的に説明したり、商品の具体的な特性を表すものではなく、商品の販売促進活動を展開するための宣伝広告に用いられるべきものではない。 (3)審尋にて引用した新聞記事情報及びインターネット情報については、別掲1では、「耳まわり」の文字は2件しか認められず、かつ、「耳まわり」が具体的にどの部位を意味するのか明確ではない。また、「肌トラブル」の文字は3件中に認められるが、耳や耳の近辺に使用する薬剤を紹介する記事ではない。別掲2は、「口周りの肌トラブル」及び「目のまわりの肌トラブル」に関するものであり、耳の近辺の肌トラブルを記載したものではない。したがって、これらの情報を根拠にして、本願商標「耳まわり肌トラブル」の文字が、「耳の周囲の肌の不調に対応する商品」といった商品の明確な説明や商品の具体的な特性を表す宣伝広告であると容易に認識されるとは認められない。 5 当審の判断 (1)本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性について 本願商標は、上記1のとおり、「耳まわり肌トラブル」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標の構成中の「まわり」の文字は、「周囲。近辺。」等の意味を有し、「トラブル」の文字は、「もめごと。不調。」等の意味を有する語(いずれも「大辞泉第二版」株式会社小学館)であるから、全体として「耳の周囲の肌の不調。」程の意味合いを容易に認識させるものである。 そして、本願の指定商品中の「薬剤(農薬に当たるものを除く。)」を取り扱う分野において、別掲1のとおり、「耳まわり」及び「肌トラブル」の文字が、「耳の周囲」及び「肌の不調」程の意味合いで、商品の説明又は商品の特性を表す宣伝広告において、取引上使用されている事実が認められる。 加えて、本願の指定商品中の「薬剤(農薬に当たるものを除く。)」を取り扱う分野において、別掲2のとおり、「○○まわり」に通じる「○○のまわり」、「○○周り」(○○は体の部位)の文字及び「肌トラブル」の文字が、「○○の周囲」及び「肌の不調」程の意味合いで、商品の説明や商品の特性を表す宣伝広告において、取引上使用されている事実が認められる。 以上によれば、「耳まわり肌トラブル」の文字からなる本願商標は、その指定商品中「薬剤(農薬に当たるものを除く。)」に使用するときは、取引者、需要者をして、「耳の周囲の肌の不調に対応する商品」といった商品の説明や商品の特性を表す宣伝広告と認識、理解させるというのが相当であるから、自他商品の識別標識としての機能を有するものとはいえず、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわざるを得ないものである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、原審と審尋とは、その根拠となる条文、並びに、拒絶理由の具体的な内容及び裏付けとなる引用情報を全く異にしている旨、請求人は、審尋で提示された根拠条文、並びに、拒絶理由の具体的な内容及び裏付けとなる引用情報について意見を申し述べる機会を与えられていない旨主張する。 しかしながら、原査定においては、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨、認定、判断したものであるが、上記(1)のとおり、原査定と当審における判断とは、いずれも本願商標から「耳の周囲の肌の不調に対応する商品」といった認識が生じることを前提として、本願商標は自他商品識別標識としての機能を有するものではなく、商標法第3条第1項所定の商標登録の要件を欠くという共通の結論に至るものであるから、両者はその判断の内容において実質的に相違するものではない。 したがって、本件審判において、新たな拒絶理由を示したものではないから、審決に、商標法55条の2第1項で準用する同法15条の2に違反するところはなく、既に請求人は意見書を提出する機会を与えられているものであって、手続上の瑕疵はない。 加えて、請求人は、審判請求書において原査定に対しての意見を述べるのみならず、当審が発した審尋に対しても、回答書をもって意見を述べているものであるから、請求人の主張は採用することができない。 イ 請求人は、「耳」及び「まわり」の文字は、多くの意味合いを有し、具体的な部位を容易かつ明確に特定することができない旨、「耳及びその周辺に位置する肌のトラブル」は、その原因及びこれに伴う症状が極めて多種多様である旨、本願商標の文字からは、耳のどのあたりが、如何なる原因により、如何なる症状を患っているのかが全く不明である旨主張する。 そして、請求人は、薬剤については、その成分表示及び効能を明確かつ具体的に表示する必要があり、さらに、薬剤の販売促進活動を展開するに際しては、その商品を明確に説明し、商品の特性を具体的に表した宣伝広告を行うことが肝要である旨、本願商標は、商品を客観的に説明したり、商品の具体的な特性を表すものではなく、商品の販売促進活動を展開するための宣伝広告に用いられるべきものではない旨主張する。 しかしながら、請求人が主張する「耳まわり」の文字が具体的な部位を明確に特定することができず、「肌のトラブル」の文字がその原因、症状が多種多様であって、本願商標の文字が耳のどのあたりが、如何なる原因により、如何なる症状をわずらっているのかが不明であるとしても、そのことをもって「耳まわり肌トラブル」の文字が、宣伝広告等の語句となり得ないということはできない。 本願商標が、商品の宣伝広告としてのみ認識されるか否かは、商標の構成態様、全体から生じる観念、指定商品との関連性、及び、指定商品の取引の実情等を総合的に勘案して判断するものである。 そして、上記(1)のとおり、本願商標は一般に親しまれた語で構成されていることから、その意味は容易に理解されるものであり、また、本願の指定商品を取り扱う分野において、別掲1及び別掲2における事実が確認できることを踏まえれば、本願商標に接する需要者及び取引者は、本願商標をその指定商品中の「薬剤(農薬に当たるものを除く。)」に使用した場合「耳の周囲の肌の不調に対応する商品」であることを表すものと容易に認識するにとどまると判断するのが相当である。 したがって、請求人の主張は採用することができない。 ウ 請求人は、審尋で引用した新聞記事情報及びインターネット情報については、別掲1では、「耳まわり」の文字は2件しか認められず、かつ、「耳まわり」が具体的にどの部位を意味するのか明確ではない旨、「肌トラブル」の文字は3件中に認められるが、特段、耳や耳の近辺に使用する薬剤を紹介する記事ではない旨、さらに、別掲2は、「口周りの肌トラブル」及び「目のまわりの肌トラブル」に関するものであり、耳の近辺の肌トラブルを記載したものではない旨主張し、それ故に、これらの情報を根拠にして、本願商標「耳まわり肌トラブル」の文字が、「耳の周囲の肌の不調に対応する商品」といった商品の明確な説明や商品の具体的な特性を表す宣伝広告であると容易に認識されることはない旨主張する。 しかしながら、たとえ、「耳まわり肌トラブル」の一連の使用例がないとしても、商標法第3条第1項各号に該当する商標であるか否かは、現実の使用の事実が、各号の適用の要件となるものではないから、本件の判断が左右されるものではない。 そして、上記(1)のとおり、本願商標は、その構成文字全体から、「耳の周囲の肌の不調に対応する商品」程の意味合いを容易に認識させるものであり、別掲1及び別掲2で挙げた証拠の事実は、「薬剤(農薬に当たるものを除く。)」の商品に関連する分野において、「耳まわり」及び「肌トラブル」の文字が、特異なものではなく、「耳の周囲」及び「肌の不調」程の意味合いを認識させる語として、請求人以外の者が、宣伝広告等に一般的に採択し得る語句であることの一例を示したものである。 したがって、請求人の主張は採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、これを登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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