商標拒絶査定不服審判
2021-007998
テレワーク
- 審判番号
- 2021-007998
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-034771
- 請求日
- 2021年06月18日
- 審決日
- 2022年05月06日
- 公報発行日
- 2022年07月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】内野株式会社
- 【請求人代理人】前島 大吾
- 【請求人代理人】宇高 克己
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 淳
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 渡邉 潤
- 分類
- T18 .16 -Z (W25)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020- 34771拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「テレワーク」の文字を標準文字で表してなり、第25類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和2年3月30日に登録出願されたものである。
本願は、令和2年12月24日付けで拒絶理由の通知がされ、同3年2月12日に意見書が提出され、本願の指定商品は、同日受付の手続補正書(以下「原審補正書」という。)により、第25類に属する別掲1に記載のとおりの商品に補正されたが、同年4月19日付けで拒絶査定がされた。
これに対し、令和3年6月18日に拒絶査定不服審判の請求がされ、本願の指定商品は、同4年2月10日受付の手続補正書(以下「当審補正書」という。)により、第25類に属する別掲2に記載のとおりの商品に補正されている。
第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「テレワーク」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「コンピュータやネットワークの技術を駆使して、勤務場所(オフィスへの出社)や勤務時間(定時出退勤)の制約を免れて仕事に取り組む、新しい働き方のこと。いわゆる在宅勤務や遠隔地勤務の総称。」を意味する語として広く知られており、本願の指定商品を取り扱う業界において、テレワークに適した被服等の商品が販売されている実情が認められる。そうすると、本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する需要者は、当該商品が「テレワークに適した商品」であること、すなわち商品の品質を理解するにすぎないというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標を、その指定商品中の「テレワークに適した商品」以外の商品に使用した場合には、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、本願商標は、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における審尋
当審において、令和4年1月11日付け審尋により、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に対し、別掲3のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
第4 審尋に対する請求人の回答(要旨)
請求人は、上記第3の審尋に対し、令和4年2月10日付け回答書を提出し、要旨、以下、1及び2のとおりの意見を述べた。
1 仮に、「テレワーク」が「テレワーク用の商品」を表しているとしたならば、別掲3で提示された証拠の表現のうち、例えば、「ニット&セーター for テレワーク」は、「テレワーク」を「テレワーク用の商品」と置き換えた場合でも、同じ意味合いでなければならないのであり、「ニット&セーター for テレワーク」の「テレワーク」を「テレワーク用の商品」と置き換えた「ニット&セーター for テレワーク用の商品」は意味不明である。このことは、「テレワーク」が「テレワーク用の商品」を表す語として使用されていないことを証している。さらに、別掲3で提示された証拠には、「テレワーク」のみ(単独)の使用例はなく、「テレワーク」が商品等の販売・広告等に使用されている訳ではない。
2 過去の審決例、異議決定例の論理に鑑みると、12件にすぎない「テレワーク」の使用例が多いとはいえず(もっとも、「テレワーク」のみの使用例は皆無である。)、「テレワーク」が広く知られていたとしても、「テレワーク」が自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないといえるほどに、不特定多数の者によって商品等の販売、広告等に使用されているとの証明もない。また、「テレワーク」は他の語や記述を伴って紹介文や説明文の中で用いられているにすぎず、「テレワーク」の文字が単独で本願の指定商品の具体的な品質や効能を表示するとはいい難く、さらに、「テレワーク」自体は、本願の指定商品との関係において、一般的な名称であると認識されるものではなく、自他商品を識別することができなくなっているともいえず、「テレワーク」自体が商品の宣伝広告や企業理念・経営方針等を表示する標章として使用されているということはできないから、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当しない。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第6号の該当性について
本願商標は、「テレワーク」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「ネットワークを利用して、職場から離れた場所で勤務すること。」(「コンサイスカタカナ語辞典 第5版」株式会社三省堂)の意味を有する語として親しまれているものである。
そして、「テレワーク」の文字は、別掲3のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界において、「テレワーク用の商品」を表す語として商品の宣伝広告に一般的に使用されている実情にある。
そうすると、本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「テレワーク用の商品」であることを説明した宣伝広告としてのみ認識、理解するというべきである。
したがって、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を有しない、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきであり、商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、仮に、「テレワーク」が「テレワーク用の商品」を表しているとしたならば、別掲3で提示された証拠の表現のうち、例えば、「ニット&セーター for テレワーク」は、「テレワーク」を「テレワーク用の商品」と置き換えた場合でも、同じ意味合いでなければならないのであり、「ニット&セーター for テレワーク」の「テレワーク」を「テレワーク用の商品」と置き換えた「ニット&セーター for テレワーク用の商品」は意味不明である。このことは、「テレワーク」が「テレワーク用の商品」を表す語として使用されていないことを証している。さらに、別掲3で提示された証拠には、「テレワーク」のみ(単独)の使用例はなく、「テレワーク」が商品等の販売・広告等に使用されている訳ではない旨主張する。
しかしながら、本件において問題となるのは、本願商標に接した取引者、需要者が、これを自他商品の識別標識として認識するか否か、又は、これを商品の宣伝広告として認識するか否かであるところ、別掲3で提示した証拠に基づけば、本願商標である「テレワーク」の文字が、その指定商品に使用されたときには、これに接する取引者、需要者は、たとえ、「for」などの文字がなくとも、当該文字をもって、「テレワーク用の商品」であることを説明した宣伝広告としてのみ認識、理解するというべきであり、別掲3で提示した証拠の「テレワーク」の文字部分を、「テレワーク用の商品」と置き換えたときに意味が通じるか否かによって、上記1の判断が左右されるものではない。
(2)請求人は、過去の審決例、異議決定例の論理に鑑みると、12件にすぎない「テレワーク」の使用例が多いとはいえず(もっとも、「テレワーク」のみの使用例は皆無である。)、「テレワーク」が広く知られていたとしても、「テレワーク」が自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないといえるほどに、不特定多数の者によって商品等の販売、広告等に使用されているとの証明もない。また、「テレワーク」は他の語や記述を伴って紹介文や説明文の中で用いられているにすぎず、「テレワーク」の文字が単独で本願の指定商品の具体的な品質や効能を表示するとはいい難く、さらに、「テレワーク」自体は、本願の指定商品との関係において、一般的な名称であると認識されるものではなく、自他商品を識別することができなくなっているともいえず、「テレワーク」自体が商品の宣伝広告や企業理念・経営方針等を表示する標章として使用されているということはできないから、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当しない旨主張する。
しかしながら、請求人の挙げる審決例等は、本願商標とは、構成文字や構成態様が異なるものであって、かつ、具体的事案の判断においては、過去の登録例等に拘束されることなく、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきであるから、これらの事例の存在によって、上記1の認定、判断が左右されるものではない。
そして、本件において問題となるのは、本願商標に接した取引者・需要者が、これを自他商品の識別標識として認識するか否か、又は、これを商品の宣伝広告として認識するか否かということであり、「テレワーク」の文字の使用例が多いか否かのみによって決せられるものではないところ、本願商標に接した取引者、需要者が、これを商品の宣伝広告としてのみ認識、理解するということは,上記1のとおりであり、また、「テレワーク」の文字は、別掲3のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界において、「テレワーク用の商品」を表す語として商品の宣伝広告に一般的に使用されている実情にある。
(3)以上のとおり、請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、その他、請求人の主張は、採用するべき事情はない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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