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意匠拒絶査定不服審判

2021-007773

瓶

審判番号
2021-007773
法域
意匠
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
意願2020-004897外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
1706855
請求日
2021年06月15日
審決日
2021年12月08日
公報発行日
2022年02月25日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
D18 .113-WY (F4-7)
条文(本文から自動抽出・参考)
意匠法第3条第1項第3号、意匠法第3条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

意願2020- 4897「瓶」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の意匠は、登録すべきものとする。

理由

目次 ▾ 8項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、2019年9月19日のアメリカ合衆国への出願に基づくパリ条約による優先権主張を伴う、令和2年(2020年)3月12日に出願された、物品の部分について意匠登録を受けようとする意匠登録出願であって、同年8月11日付けの拒絶理由の通知に対し、令和2年(2020年)11月30日に意見書が提出されたが、令和3年3月3日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年6月15日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 本願の意匠

本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、意匠に係る物品を「瓶」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下、「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形態」という。)を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりのものであって、物品の部分として意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を、「実線で表された部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(別紙第1参照)。

第3 原審の拒絶の理由及び引用意匠

原審の拒絶の理由は、本願意匠が、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠に類似するものであるから、意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠(先行の公知意匠に類似するため、意匠登録を受けることのできない意匠)に該当する、というものであり、具体的には以下のとおりである。

「本願意匠の意匠登録を受けようとする部分と引用意匠の当該部分に対応する部分は、底部をアール状に面取りした有底略円筒状容器であり、周側面の上部にねじ切り部を設けその直下に僅かに突出したリング状部を形成した態様が共通していますが、この態様は両部分の特徴をよく表したものであり、需要者に強い共通感を与えるものと言えます。
一方両部分は、底部のアール状の面取り部分の具体的な曲率が異なりますが、両部分のような曲率のものはありふれており(例えば、参考意匠1及び2)、ともにアール状という印象に埋没する程度のものです。また、底面中央の凹みの有無という差異点があったとしても通常の使用状態では目につきにくいものであり、かつ本願意匠のような凹みの態様はありふれたものであり(例えば、参考意匠3)、さらに、ねじ切り部について差異があったとしても、本願意匠のように容体部とねじ切り部の壁面が鉛直となる態様はありふれたものであるため(例えば、参考意匠4)いずれの差異も需用者の注意をひくほどのものではありません。よって、いずれの差異も前述の共通感を覆すにはいたらないものと言えます。
したがって両部分は、類似するものと認められます。
【引用意匠】 (別紙第2参照)
続きを表示(全32行)
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 2010年 1月11日
受入日 特許庁意匠課受入2010年 1月15日
掲載者 Amazon.com, Inc.
表題 Amazon.com: Rougie Peri gord Goose Rillettes Pate 180 g 6.3 oz
掲載ページのアドレス
http://www.amazon.com/gp/product/images/B002VF HFWI/ref=dp_image_0?ie=UTF8&n=3370831&s=gourmet-food
に掲載された「包装用瓶」のうち、蓋を除く「包装用瓶本体」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HJ21055841号)
【参考意匠1】
米国特許商標公報 2012年 8月28日
食品容器(登録番号US D666061S)の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HH24316034号)
【参考意匠2】
独立行政法人工業所有権情報・研修館が2015年 7月21日に受け入れた
Art & Decoration 505号
第46頁所載
食品用ふた物の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HB27002844号)
【参考意匠3】
特開2013-244347
に記載の【図8】に現された容器本体(102)の意匠
【参考意匠4】
特許庁総合情報館が1997年 6月17日に受け入れた
国際事務局意匠公報 1997年 5月30日
第1312頁所載
食品保存用瓶の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HH10032269号) 」

第4 当審の判断

1 本願意匠及び引用意匠の対比

(1)意匠に係る物品の対比

本願意匠及び引用意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る物品は、表記は異なるが、いずれも食品等を収容する包装用の瓶であるから、一致する。

(2)本願部分と引用意匠において本願部分に相当する部分の用途及び機能の対比

本願意匠と引用意匠において本願意匠に相当する部分(以下、「引用部分」といい、本願部分と引用部分を合わせて「両部分」という。)の用途及び機能については、共に、食品等を収容する包装用の瓶の本体の部分であるから、両部分の用途及び機能は一致する。

(3)両部分の位置、大きさ及び範囲の対比

本願部分は、瓶本体の上方のねじ切り部の凸状を除いた瓶本体の部分の位置、大きさ及び範囲であるのに対し、引用部分は、本願部分に相当する部分であるから、両部分の位置、大きさ及び範囲は一致する。

(4)両部分の形態の対比

両部分の形態を対比すると、主として、以下のとおりの共通点及び相違点がある。

ア 両部分の形態の共通点

(共通点1)全体は、概略、有底の略円筒状体である点において共通する。

(共通点2)周側面の下端寄りの位置から下窄まりのアール状の面取りを施し、底面につながっている点において共通する。

(共通点3)周側面の上方寄りに、略細幅凸条のリングを水平に設けている点において共通する。

イ 両部分の形態の相違点

(相違点1)本願部分は、正面視において、全体の縦横比率が約69:65で、縦長であるに対し、引用部分は、約93:98の横長である点において相違する。

(相違点2)周側面について、本願部分は、垂直な面であるのに対し、引用部分は、リングの上方が僅かに縮径している点において相違する。

(相違点3)底面について、本願部分は、底面中央を緩やかな円弧状に凹ませているのに対し、引用部分は、底面については、不明である点において相違する。

(相違点4)周側面下端寄りの面取りについて、本願部分は、底面周縁を曲率半径の小さな弧状としているのに対し、引用部分は、曲率半径の大きな弧状としている点において相違する。

(相違点5)厚みについて、本願部分は、一定であるのに対し、引用部分の厚みは不明である点において相違する。

2 両意匠の類否判断

(1)意匠に係る物品の類否判断

両意匠の意匠に係る物品は、同一である。

(2)両部分の用途及び機能の類否判断

両部分の用途及び機能については、共に、食品等を収容する包装用の瓶の本体の部分であるから、同一である。

(3)両部分の位置、大きさ及び範囲の類否判断

両部分の位置、大きさ及び範囲は、同一である。

(4)両部分の形態の共通点及び相違点の評価

ア 共通点について

この種物品分野において、全体を有底の略円筒状体とし、本体周側面の下端寄りの位置から下窄まりのアール状の面取りを施し、周側面の上方寄りに凸条のリングを設けているものは、本願の出願前から、両部分以外にもごく普通に見られる態様であり、両部分にのみ見られる態様とはいえないから、(共通点1)ないし(共通点3)は、いずれも、両部分の類否判断に与える影響は小さい。

イ 相違点について

(相違点1)について、全体の縦横比率の差は僅かではあるが、形態全体にかかる相違であるから、需要者の注意を引くものといえ、両部分の類否判断に一定程度の影響を与えるものである。

(相違点2)について、すなわち、本願部分は、周側面が垂直な面であるのに対し、引用部分は、リングの上方が僅かに縮径している点であるが、本願出願前から、リングの上方が僅かに縮径することが一般的に見受けられるところであって、本願部分のように垂直な面部とすることは、僅かながらも両部分に別異の印象を生じさせているから、両部分の類否判断に一定程度の影響を与えるものといえる。

(相違点3)について、本願部分は、底面周縁の面取り曲線を延長し、底面中央を緩やかな円弧状に凹ませて、底面を滑らかな波状とする特徴的な形状であって、底面に独自のアクセントを与えており、需要者の注意を引く部分といえるのに対し、引用部分は、底面の態様が不明であるから、両部分の類否判断に与える影響は大きい。

(相違点4)について、(相違点1)及び(相違点2)とあいまって、本願部分は、周側面下端寄りの面取りを小さな弧状としている点と周側面が垂直な面である点によって、全体形状が縦長であることが強調されているのに対し、引用部分は、周側面下端寄りの面取りが大きな弧状である点と、周側面の上方が縮径している点によって、全体形状が横長の印象が強調されており、全体として見ると、需要者に異なる印象を与えており、両部分の類否判断に与える影響は大きい。

(相違点5)について、包装用瓶の分野において、瓶の厚みを一定にしたものもの、厚みが異なるものも、本願出願前には普通に見られるものであるから、両部分の類否判断に与える影響は小さい。

ウ 両部分における形態の類否判断

両部分の形態における共通点及び相違点の評価に基づき、両部分全体を総合的に観察した場合、(共通点1)ないし(共通点3)は、両部分の類否判断に与える影響が小さいのに対し、(相違点1)、(相違点2)及び(相違点5)が、両意匠の類否判断に与える影響は小さいか又は一定程度にとどまるものの、(相違点3)及び(相違点4)が、両意匠の類否判断に与える影響は大きいものであるから、相違点全体が相まって、両意匠の類否判断に与える影響は大きい。

したがって、両部分の形態全体を総合的に観察した場合、両部分の形態は、共通点に比べて、相違点が類否判断に与える影響の方が大きいものであるから、両意匠の形態は類似しない。

3 小括

よって、両意匠は意匠に係る物品が共通し、両部分の用途及び機能並びに位置、大きさ及び範囲も共通するが、両部分の形態は類似しないから、本願意匠は引用意匠に類似するとはいえない。

第5 むすび

以上のとおりであって、原査定の引用意匠をもって、本願意匠は、意匠法3条1項3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから、原査定の拒絶の理由によって、本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。

また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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審決本文(J-PlatPat)

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