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商標拒絶査定不服審判

2021-007719

トーフミート

審判番号
2021-007719
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2020-112391
請求日
2021年06月14日
審決日
2022年03月08日
公報発行日
2022年05月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社トーフミート
  • 【請求人代理人】松井 宏記
  • 【請求人代理人】宗助 智左子
  • 【請求人代理人】田中 景子
  • 【請求人代理人】鈴木 行大
審判長/審判官
  • 審判長 佐藤 淳
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 石塚 利恵
分類
T18 .13 -Z (W29) / T18 .17 -Z (W29)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法3条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2020-112391拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和2年9月10日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和2年11月10日付け:拒絶理由通知 令和3年12月 4日 :意見書の提出 令和3年 3月16日付け:拒絶査定 令和3年 6月14日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第29類「豆腐からなる代用肉,豆腐の加工品,豆腐」を指定商品として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要点) 本願商標は、「TOFU」及び「MEAT」の文字を黒色のゴシック体で二段に横書きし、文字全体を同色の円で囲った構成からなるものであるところ、「TOFU」及び「MEAT」の文字は、一般に用いられる書体で書したものであり、本願の指定商品と関連のある食品業界では、商品パッケージ等において、文字等を円で囲んで表示することが一般に行われていることが確認できることから、本願商標の構成態様は、いまだ普通に用いられる方法の域を脱しないものである。 また、本願商標の構成中の「TOFU」の文字は、大豆から作られる食品である「豆腐」を、「MEAT」の文字は「肉」をそれぞれ意味する語であるから、構成文字が欧文字で表されているとしても、文字部分全体からは、「豆腐の肉」程度の意味合いを容易に理解させるものである。 そして、近年では、菜食主義や地球環境保全、健康維持等の観点から、「大豆ミート」や「大豆肉」、「ソイミート」などと呼ばれる、大豆を原料とした代用肉が日本でもブームとなっており、さらに、豆腐を使った代用肉や、食感などを肉に似せた豆腐を、「(お)豆腐ミート」、「トーフミート」などと指称している実情もうかがえることからすれば、本願商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、「豆腐で作った代用肉」や「肉に似せた豆腐」程度の意味合いを理解、認識するにすぎない。 以上を勘案すると、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号該当性について ア 本願商標について 本願商標は、別掲1のとおり、黒色で表された円の中に、黒色のゴシック体で「TOFU」及び「MEAT」の欧文字を二段に表してなるものであり、その指定商品を「豆腐からなる代用肉,豆腐の加工品,豆腐」とするものである。 そして、本願商標の構成中、「TOFU」の欧文字は「豆腐」の意味を、「MEAT」の欧文字は「肉」の意味を有する語(いずれも「ベーシックジーニアス英和辞典 第2版」大修館書店)として、それぞれ一般に慣れ親しまれたものであるところ、本願の指定商品を取り扱う業界においては、原審で示した用例(別掲2)のほか、別掲3のとおり、豆腐を原料にした代替肉を指称する語として、「豆腐MEAT」、「豆腐ミート」、「トーフミート」の文字が使用されている実情がある。 また、本願の指定商品を取り扱う業界においては、別掲4に示す例によれば、豆腐やその加工品に「TOFU」の文字を含む欧文字を用いる商品も少なからず見受けられ、さらに、別掲5に示す例によれば、商品の包装容器上において、円の中に文字を表記する方法も普通に採択されている実情がある。 そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「豆腐ミート」であること、すなわち、商品の品質を記述的に表したものとして理解、認識するにとどまり、商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識することはないとみるのが相当である。 また、本願商標を構成する要素(色彩、書体、二段書き、円の囲み)は、取引上、普通に採択されている程度のものであり、全体として「TOFU」及び「MEAT」の欧文字を円輪郭により囲って表したものと容易に認識できるものであるから、本願商標の態様は、普通に用いられる方法の域を脱しない方法で表示するものである。 したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。 イ 請求人の主張について 請求人は、本願商標は文字部分が自他商品識別力を発揮するとともに、その外観のロゴデザインにおいても特殊性があるため、全体として自他商品識別力を発揮する旨を述べ、具体的には、(ア)我が国で豆腐の代用肉を表す言葉は「お豆腐ミート」や「トーフミート」であり、ローマ字が使用されている事例はなく、本願商標のようにローマ字で記載した場合には、現実に使われていない表現によって特殊性が出るため、そこに暗示的な意味を感じて自他商品識別力が生じる、(イ)本願商標のようなロゴの構成で使用されている事例はなく、当該ロゴデザインが世の中で普通に行われているものでない以上、本願商標の態様は自他商品識別力を発揮するものであって、本願商標の外観は、文字部分がバランス良く円の中に配置されており、そのバランスの良さが外観上の自他商品識別力を有する旨主張する。 しかしながら、(ア)については、「TOFU」及び「MEAT」の欧文字は、それぞれ「豆腐」及び「肉」を意味する語として、一般に慣れ親しまれたものであるし、我が国におけるローマ字の普及状況も考慮すれば、欧文字表記は、取引者において一般的に使用する範囲に属するものであり、実際に、豆腐やその加工品に「TOFU」の文字を含む欧文字を用いる例も見受けられることを踏まえると、本願商標に接する取引者、需要者は、「TOFU」及び「MEAT」の欧文字について、「豆腐」及び「ミート」の文字を、単に英語表記したものと容易に理解し、本願の指定商品との関係において、豆腐を原料にした代替肉である「豆腐ミート」であること、すなわち、商品の品質を記述的に表したものとして理解、認識するにとどまること、上記アのとおりである。 また、(イ)については、本願商標を構成する文字部分の書体は、請求人も自認するとおり、ゴシック体が用いられているところ、当該フォントは、我が国において、明朝体と共に基本フォントの1つとされているものであり、本願商標の文字部分は、この書体により同じ大きさで書かれた文字を、等間隔に二段に配置したものである。さらに、これらの文字全体を囲む図形としては、三角形、四角形等と並んで、輪郭として一般に用いられる図形である円が用いられている。そうすると、本願商標は、「TOFU」及び「MEAT」の欧文字を、一般に知られている書体により、ありふれた大きさと配置で横書きし、それらの文字を、輪郭として一般に用いられる図形で囲ったにとどまるものであるから、これに接する需要者をして、外観上、特徴あるものとして強く印象付けられるとはいえず、「TOFU」及び「MEAT」の欧文字並びに円輪郭を、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認識されるにとどまるというべきである。 したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。 (2)商標法第3条第2項に規定する要件を具備するか否かについて 請求人は、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当せず、さらには、本願商標はその使用の結果、我が国の需要者に広く認知されており同条第2項に規定されている使用による識別力を獲得するに至っている旨主張し、その主張の裏付けとして、当審において、資料1ないし資料17を提出している。 そこで、請求人提出の各証拠、同人の主張及び職権調査に基づいて、本願商標が商標法第3条第2項に規定する要件を具備するものであるか否かについて、以下検討する。 ア 商標及び商品の同一性について 本願商標は、別掲1のとおり、黒色で表された円の中に、黒色のゴシック体で「TOFU」及び「MEAT」の欧文字を二段に表してなるものである。 他方、請求人が、自己の製造、販売に係る「豆腐が原料の代替肉」(資料8。なお、同様の記載が、資料5~資料7、資料9~資料11、資料13~資料15にもある。)について使用する商標(以下「使用商標」という。)は、黄土色で表された円の中に、黄土色のゴシック体で「TOFU」及び「MEAT」の欧文字を二段に表してなるものである(資料2、資料5~資料8、資料11~資料15)ところ、商標の使用に当たり、文字を彩色することは、一般に広く行われていることであり、また、当該使用商標が上記のように彩色されていることにより、看者に対し、本願商標と著しく異なる印象を与えるともいい難い。 そうすると、本願商標と使用商標とは、実質的に同一性を有する商標といえる。 次に、請求人が使用商標を付して販売する商品(以下「本件商品」という。)は、上述のとおり、「豆腐が原料の代替肉」であるところ、これは本願の指定商品中「豆腐からなる代用肉,豆腐の加工品」に相当するとはいい得るものの、本願の指定商品中「豆腐」とは、別異の商品であることは明らかであり、その他に、請求人が「豆腐」の製造、販売と関連して、本願商標又は使用商標を使用している事実はみられない。 そうすると、本件商品は、本願の指定商品中「豆腐からなる代用肉,豆腐の加工品」と同一のものであるとしても、その指定商品中「豆腐」とは別異の商品であり、同一のものとはいえない。 イ 使用期間 請求人は、2019年夏頃に本件商品を開発し(資料8、資料11)、2年半程、使用商標を使用している。 ウ 使用地域、売上高等 本件商品は、ウェブサイトで販売されているほか、山口県宇部市が開設した「常盤町1丁目スマイルマーケット」(審決注:2021年6月29日をもって閉店。職権調査)や、同県周南市の道の駅などで扱われているとされる(資料8)。 しかしながら、具体的にどのウェブサイトにおいて販売されているかは明らかでなく、その他、これらの販売店において、本件商品が販売されている事実を確認することができる証拠の提出はない。 さらに、本件商品の売上高や市場占有率等、販売実績を客観的に裏付ける証左の提出はない。 エ 広告宣伝 請求人が、本件商品に関する広告宣伝を行った事実を示す証拠の提出はない。 オ 受賞歴、第三者による紹介等 本件商品は、2019年12月14日に、「にっぽんの宝物JAPANグランプリ」(地域の優れた商品を発掘する賞。)の「新体験・イノベイティブ部門」において準グランプリを受賞し(資料8~資料12)、2021年3月15日には、「第一回 食べるJAPAN美味アワード」(日本各地に眠る名産品となり得る商品を発掘し、味・品質・SDGs等の観点から認定する賞。)において準グランプリを受賞した(資料1~資料4)。 また、本件商品は、「マイナビニュース」のウェブサイトにおいて、「話題の次世代代替肉っておいしいの?『TOFUMEAT』を実際に食べてみた! 2021/04/15」の見出しの下、「健康志向が高まっている昨今、『代替肉』が注目を浴びています。・・・そんな中、豆腐から作った代替肉があるらしく、大豆ミートとの違いや特徴が気になったので実際に豆腐のお肉『TOFUMEAT(トーフミート)』を食べてみました。」の記載とともに、味や、本件商品を利用したレシピ等が紹介された(資料5。なお、資料6及び資料7は、資料5の転載記事と認められる。)。 さらに、本件商品は、山口県宇部市のふるさと納税返礼品として、各種ふるさと納税に係るウェブサイトにおいて紹介されている(資料13~資料15)。 なお、請求人は、本件商品の「その他のメディア掲載歴」として、資料16及び資料17を提出するところ、これらには、2020年2月3日に読売新聞に掲載されたとする見出し(1件)、2019年12月4日、同月19日、2020年1月8日、同月17日、2021年3月16日に宇部日報に掲載されたとする見出し(5件)が見受けられるものの、いずれもサムネイル写真、見出し、文章の一部が記載されているのみであり、掲載内容等の詳細は明らかでない。 カ 小括 上記アないしオによれば、請求人は、本件商品について、2019年の開発以降、現在に至るまで、本願商標と同一性を有する商標といえる使用商標を継続して使用しており、本件商品が、コンテストにおいて受賞したこと、また、本件商品がウェブニュースの記事において紹介されたこと等が認められる。 しかしながら、商標法第3条第2項所定の「使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるもの」に至ったか否かを判断するに当たっては、当該商標と外観において同一と見られる標章が指定商品又は指定役務とされる商品又は役務に使用されたことを前提として、その使用開始時期、使用期間、使用地域、使用態様、当該商品又は役務の販売数量又は売上高等及び当該商品又は役務やこれに類似した商品又は役務における当該商標又は標章に類似した他の標章の存否などの事情を総合的に考慮すべきものといえ(知的財産高等裁判所 平成27年(行ケ)第10019号、平成27年10月29日判決参照)、また、同法第3条第2項にいう「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるもの」とは、同法第3条第1項第3号ないし第5号に該当する出所表示機能を欠く商標であっても、永年使用されることにより、特定の者の出所表示としてその商品又は役務の需要者の間で全国的に認識されるに至っている(特別顕著性がある)をいうと解される(知的財産高等裁判所平成19年(行ケ)第10127号、平成19年11月22日判決参照)。 そこで検討するに、本件商品は、上記アのとおり、本願の指定商品中「豆腐からなる代用肉,豆腐の加工品」と同一であるとしても、本願の指定商品中「豆腐」とは別異の商品であり、同一のものとはいえない。 そして、請求人が、本願商標を2019年夏以降使用しているとしても、その使用期間は、2年半程と短く、本件商品の売上げや市場占有率、具体的な広告宣伝方法を認めるに足りる的確な証拠はない。 また、本件商品が取り扱われているとされる店舗も山口県に限られており(店舗において、本件商品が販売されている事実を立証する客観的な証拠の提出がないことは、上記ウのとおりである。)、ウェブサイトを通じて、継続的に全国で販売されている事実も確認できない。 さらに、本件商品が食品に関するコンテストで受賞したことは認められるとしても、受賞後の本件商品に関する報道数は少なく、当該記事が需要者の目に触れる機会も限定的であるといわざるを得ない。 加えて、上記(1)アのとおり、本願の指定商品を取り扱う業界において、請求人以外の事業者によって、「豆腐MEAT」、「豆腐ミート」、「トーフミート」の文字が、豆腐を原料にした代替肉を指称するものとして、使用されている事実がある。 そうすると、請求人の提出する証拠によっては、本願商標が、特定の者の出所表示としてその商品の需要者の間で全国的に認識されるに至っているとまでは認めることはできない。 以上よりすると、本願商標は、請求人の使用がみられない指定商品(「豆腐」)についてはもとより、請求人の使用に係る商品(「豆腐からなる代用肉,豆腐の加工品」)についても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものとはいえない。 したがって、本願商標は、商標法第3条第2項に規定する要件を具備しない。 キ 請求人の主張について 請求人は、本願商標を使用した豆腐代用肉は、各種アワードを受賞し、メディア取材を受け、ふるさと納税返礼品にも登録していることから、我が国の需要者に広く知られており、請求人独自の商標として各種媒体において取り上げられている旨主張する。 しかしながら、提出された証拠からは、本件商品の使用地域、販売数量又は売上高等の販売実績は明らかでなく、本件商品に関する広告宣伝の方法、期間、地域及び規模についても不明であるから、本願商標が、特定の者の出所表示としてその商品の需要者の間で全国的に認識されるに至っているとまでは認めることはできないこと、上記カのとおりである。 したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、かつ、同条第2項に規定する要件を具備するものとも認められないから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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