商標拒絶査定不服審判
2021-007340
ニシムラユウジコーホーカハリネズミカチョーウサギスタッフ、ニシムラユウジコーホーカ、ニシムラユウジ、コーホーカ、ハリネズミカチョーウサギスタッフ、ハリネズミカチョー、ウサギスタッフ
- 審判番号
- 2021-007340
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2019-039567
- 請求日
- 2021年06月07日
- 審決日
- 2022年03月31日
- 公報発行日
- 2022年06月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】studio U.G.株式会社
- 【請求人代理人】前田 幸嗣
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 淳
- 審判官 大森 友子
- 審判官 須田 亮一
- 分類
- T18 .23 -Z (W0935)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項8号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第8号、商標法第4条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2019- 39567拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は,成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は,平成31年3月18日の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年3月19日付け :拒絶理由通知書
令和2年4月24日 :意見書の提出
令和3年3月18日付け :拒絶査定
令和3年6月7日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,「本願商標は,「にしむらゆうじ広報課」及び「ハリネズミ課長・うさぎスタッフ」の文字を二段に表示してなるところ,その構成中「にしむらゆうじ」の文字は,他人の氏名を表すものと認められるから,本願商標はその構成中に他人の氏名を含むものである。そして,出願人とは他人と認められる「ニシムラユウジ」と読む氏名の者が,承諾書を提出した「西村祐次」氏以外にも存在し,かつ,当該他人の承諾を得ているものとは認められない。したがって,本願商標は商標法第4条第1項第8号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第8号の趣旨
ア 商標法第4条第1項第8号は,「他人の氏名・・・を含む商標」と規定するものであり,当該「氏名」の表記方法に特段限定を付すものではない。また,同号の趣旨は,自らの承諾なしにその氏名,名称等を商標に使われることがないという人格的利益を保護することにあると解される(最高裁平成15年(行ヒ)第265号同16年6月8日第三小法廷判決・裁判集民事214号373頁,最高裁平成16年(行ヒ)第343号同17年7月22日第二小法廷判決・裁判集民事217号595頁参照)
イ 商標法4条1項8号の趣旨は,・・・自らの承諾なしにその氏名,名称等を商標に使われることがないという人格的利益を保護することにある。そして,同号は,その規定上,雅号,芸名,筆名,略称については,「著名な雅号,芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称」として,著名なものを含む商標のみを不登録とする一方で,「他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称」については,著名又は周知なものであることを要するとはしていない。また,同号は,人格的利益の侵害のおそれがあることそれ自体を要件として規定するものでもない。したがって,同号の趣旨やその規定ぶりからすると,同号の「他人の氏名」が,著名性・希少性を有するものに限られるとは解し難く,また,「他人の氏名」を含む商標である以上,当該商標がブランドとして一定の周知性を有するといったことは,考慮する必要がないというべきである。(知財高裁平成31年(行ケ)10037号)
(2)商標法第4条第1項第8号該当性について
本願商標は,別掲1のとおり,手描き風の書体で「にしむらゆうじ広報課」及び「ハリネズミ課長・うさぎスタッフ」の文字を上下二段に横書きしてなるところ, 別掲3のインターネット情報によれば,人の氏名や読みを表す際に,平仮名で「姓」と「名」の間に空白を配することなく一連に表示することは一般に行われているといえる。
そして,「ニシムラ」と読む姓氏(「西村」)及び「ユウジ」と読む名(「祐二」「雄二」等)は,日本人にとってありふれた氏又は名であって,原審において説示のとおり,「ニシムラユウジ」と読まれる「西村雄二」,「西村雄次」等という氏名の者が複数存在している。
以上からすると,本願商標の構成中の「にしむらゆうじ」の文字は,「ニシムラ(姓)ユウジ(名)」を読みとする人の氏名を平仮名表記したものとして,客観的に把握されるものである。
加えて,請求人と,少なくとも,原審の拒絶理由通知において示したもののうち(1)ないし(5)及び(8)の氏名を「にしむらゆうじ」とする者は,審決時においても存在し,かつ,他人であると認められるから,本願商標は,その構成中に他人の氏名を含むものといわなければならず,また,当該他人の承諾を得たものとも認められない。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第8号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は「本願商標は,不可分一体の造語として認識されるものであって,「LINEスタンプクリエーターのにしむらゆうじに関する広報課のハリネズミ課長とうさぎスタッフ」を意味する広く知られた名称として理解されるものである。また,本願商標の構成中の「にしむらゆうじ広報課」の文字部分も,「LINEスタンプクリエーターのにしむらゆうじに関する広報課」を意味する不可分一体の造語として理解されるものである。したがって,本願商標は,他人の氏名を含むものとは認められず,他人の人格的利益を害することもない。」旨を主張している。
しかしながら,本願商標の構成中「にしむらゆうじ」の平仮名は,上記(2)のとおり,「ニシムラ(姓)ユウジ(名)」を読みとする人の氏名を平仮名表記したものと認識されるもの,すなわち,人の氏名を指し示すものとして客観的に認識されるものであって,本願商標はその構成中に他人の氏名を構成中に含むものであるから,仮に本願商標をその指定商品又は指定役務に使用したときに,本願商標の構成全体から「LINEスタンプクリエーターのにしむらゆうじに関する広報課のハリネズミ課長とうさぎスタッフ」程の意味合いを,また,本願商標の構成中の「にしむらゆうじ広報課」の文字部分から,「LINEスタンプクリエーターのにしむらゆうじに関する広報課」程の意味合いを認識させるとしても,上記(1)アに照らせば,当該氏名を持つ原審において承諾書を提出した西村祐次氏以外の氏名を「にしむらゆうじ」とする者の承諾を得ることなく,これを商標登録することは,当該者の人格的利益を害することになる。
また,商標法第4条第1項第8号該当性の判断において,上記(1)イのとおり,本願商標の周知性は考慮する必要がないと解釈される。
したがって,請求人の主張は採用できない。
イ 請求人は,「「にしむらゆうじ」の文字部分が分離して認識されることがあるとしても,当該文字は全て平仮名文字のみで記載されており,そのような平仮名文字のみからなる「にしむらゆうじ」の氏名を有する個人が存在しない以上,特定の氏名を表す文字としては,理解,認識しえないものであり特定の個人の人格的利益を害するとはいえない」旨を主張しているが,上記(2)のとおり,本願商標の構成中「にしむらゆうじ」の文字部分は,「ニシムラ(姓)ユウジ(名)」を読みとする人の氏名を平仮名表記したものとして,客観的に把握されるものである。
したがって,請求人の主張は採用できない。
ウ 請求人は,審査において他人の氏名を含む商標であると判断されたものの,拒絶査定不服審判において,商標法第4条第1項第8号に該当しないとされた過去の審決例を挙げ,本願商標も登録されるべき旨を主張しているが,請求人の挙げる登録例は,いずれも本願商標とは構成・態様が異なり事案を異にするものであるから,これらの存在が,上記(2)の認定・判断を左右するものではない。
したがって,請求人の主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第8号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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