審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2021-006854

遊技機

審判番号
2021-006854
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-096214外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年05月27日
審決日
2022年02月22日
公報発行日
2022年04月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .113-WY (A63F) / P18 .121-WY (A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019- 96214号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 8月29日出願公開、特開2019-141718号、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 10項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、平成28年9月8日に出願した特願2016-175589号の一部を平成29年11月21日に新たな特許出願(特願2017-223415号)とし、さらにその一部を令和1年5月22日に新たな特許出願(特願2019-96214号)としたものであって、令和2年9月7日付けで拒絶の理由が通知され、同年10月21日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、令和3年3月11日付け(送達日:同年同月16日)で拒絶査定(以下、「原査定」という。)がなされ、これに対し、同年5月27日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 原査定の概要

原査定の概要は次のとおりである。

1.(新規性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

2.(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>

引用文献1.特開2015-173779号公報

第3 本願発明

本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、令和3年5月27日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定されるものであるところ、本願発明は、次のとおりのものである。なお、符号A等は、分説するため当審が付した。

「【請求項1】
A 遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを判定し、前記判定の結果に応じた遊技演出を実行すると共に、前記遊技演出の実行中に前記特別遊技が実行される期待度を示唆する予告演出を実行可能な遊技機において、
B 前記遊技演出において前記特別遊技の実行を期待させる複数の特別演出の何れかを実行する特別演出実行手段と、
C 前記特別演出が実行される以前に、表示手段に表示させた数量を更新していく更新演出を実行する更新演出実行手段と、を備え、
続きを表示(全12行)
D 前記複数の特別演出には、
第1特別演出と、前記第1特別演出よりも前記特別遊技が実行される期待度が高い第2特別演出とを含み、
E 前記数量が前記第2特別演出よりも前記第1特別演出が実行される割合が高い第1数量である場合には、前記数量に係る画像を第1表示態様で表示し、
F 前記数量が前記第1特別演出よりも前記第2特別演出が実行される割合が高い前記第1数量よりも多い第2数量である場合には、前記数量に係る画像を第2表示態様で表示し、
G 同じ種類の前記特別演出が実行される場合であっても、前記更新演出で最終的に表示された数量によって前記特別遊技が実行される期待度が異なり、
H 前記特別演出よりも前に実行される前記予告演出には、第1予告演出と、前記第1予告演出とは種類が異なる第2予告演出とを含み、
I 前記更新演出の実行中においては、前記第1予告演出の実行が可能であるが、前記第2予告演出は実行されない
J ことを特徴とする遊技機。」

第4 引用文献1の記載、引用発明

1 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1(特開2015-173779号公報。平成27年10月5日公開)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が図とともに記載されている。なお、下線は当審が付した。以下同じ。

(1)記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)

ア「【0023】

[実施例]

最初に、本発明に係る遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。

図1は、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。以下の説明においては、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側として説明する。なお、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。なお、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。」

イ「【0073】

演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。」

ウ「【0076】

リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」或いは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。

【0077】

本実施例では、詳細は後述するが、図5に示すように、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。さらに、本実施例では、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様においては、スーパーリーチβが出現した場合には、スーパーリーチαが出現した場合よりも変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高い(大当り期待度:スーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチ)。

【0078】

本実施例では、後述するように、リーチにおいては、変動時間がスーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチとなるように設定されており(図5参照)、変動時間が長くなる程、大当り期待度が高くなるようになっている。ここで、大当り期待度とは、大当りの発生に対する期待度(信頼度と言ってもよい。)であり、「その演出が実行された場合に大当りとなる割合/(その演出が実行されたときに大当りとなる割合+その演出が実行されたときに大当りとはならない割合)」として算出される。」

エ「【0095】

さらに、本実施例では、上記の再変動予告演出や段階予告演出の他に、追加的な予告演出である「追加予告演出」を設定可能に構成されている。追加予告演出における追加予告には、演出表示装置5に特定のキャラクタが登場してセリフを喋るセリフ予告と、演出表示装置5に複数体のキャラクタが該演出表示装置5を横切るように表示される群予告とが含まれる。」

オ「【0130】

演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。」

カ「【0150】

主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output)105とを備えて構成される。

【0151】

一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。

・・・

【0158】

図5は、本実施例における変動パターンを定めた変動パターンテーブルの一例を示す図である。

本実施例では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。

【0159】

なお、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。

【0160】

大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。

【0161】

なお、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けてもよい。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けてもよい。

【0162】

図5に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。

【0163】

また、図示するように、擬似連変動(再変動)を行う変動パターンや段階演出を行う変動パターンでは、再変動の回数や変化する段階数が多い程、特図変動時間が長く設定されている。本実施例では、擬似連変動を行う変動パターンや段階演出を実行する変動パターンであるか否かに関わらず、スーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチで変動表示結果が大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。」

キ「【0184】

図8(A)及び図8(B)に示すように、大当り用変動パターン判定テーブルとしては、大当り種別が「確変大当りA」及び「確変大当りB」である場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)と、大当り種別が「非確変大当り」である場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)が予め用意されている。

【0185】

これらの大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)及び大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)には、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PA4-1、PA4-2、PC1-1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PA4-3、PA4-5、PA4-7、PC1-2、PC1-4、PC1-6)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PA4-4、PA4-6、PA4-8、PC1-3、PC1-5、PC1-7)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。

【0186】

本実施例では、大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)が使用される場合には、擬似連を行う変動パターンや段階演出を行う変動パターンが、ハズレ用変動パターン判定テーブルが使用される場合よりも決定され易く、大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)が使用される場合には、擬似連を行わない変動パターンや段階演出を行わない変動パターンが、ハズレ用変動パターン判定テーブルが使用される場合よりも決定され易いように、これら大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)と大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)とに判定値が割り当てられている。つまり、擬似連や段階演出が実行される場合は、行われない場合と比べて大当り期待度が高くなっている。このため、擬似連や段階演出が行われた場合には、「確変大当りA」又は「確変大当りB」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。

【0187】

また、それぞれの大当り用変動パターン判定テーブル(A)、(B)における判定値を見ると、擬似連を実行する変動パターンPA4-2~PA4-6について、擬似連の回数が多くなるほど、より広い数値範囲の判定値が割り当てられている。従って、擬似連の回数が多くなるほど大当りの期待度が高くなっている。具体的には、擬似連3回の場合は擬似連2回の場合よりも大当り期待度が高く、擬似連2回の場合は擬似連1回の場合よりも大当り期待度が高くなっている。このため、擬似連が行われた場合、再変動の回数が多いほど、遊技者は大当りが発生するのではないかとの期待感を高めることができる。

【0188】

同様に、段階演出を実行する変動パターンPC1-1~PA1-7について、段階演出の段階数が多くなるほど、より広い数値範囲の判定値が割り当てられている。従って、段階演出の段階数が多くなるほど大当りの期待度が高くなる。具体的には、段階演出3段の場合は段階演出2段の場合よりも大当り期待度が高く、段階演出2段の場合は段階演出1段の場合よりも大当り期待度が高くなっている。このため、段階演出が行われた場合、その段数が多いほど、遊技者は大当りが発生するのではないかとの期待感を高めることができる。但し、本実施例では、変動パターンPC1-4及びPC1-5で示される中抜き3段の段階演出については大当り確定(当確)としているため、判定値の数値範囲を、その他の段階演出の判定値の数値範囲よりも狭くしている。

【0189】

また、ノーマルリーチはスーパーリーチよりも判定値の数値範囲を広くし、スーパーリーチβはスーパーリーチαよりも判定値の数値範囲を広くしている。従って、スーパーリーチはノーマルリーチよりも大当り期待度が高く、スーパーリーチβはスーパーリーチαよりも大当り期待度が高くなっている。このため、スーパーリーチが発生した場合、遊技者は大当りが発生するのではないかとの期待感を高めることができ、特にスーパーリーチβが発生した場合は、大当りの発生に対して一層の期待感を深めることができる。回数の多い擬似連や段数の多い段階演出と併せてスーパーリーチが発生した場合は、遊技者は、より一層大当りに対する期待を膨らませることができる。」

ク「【0240】

次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。

・・・

【0247】

S21の始動入賞判定処理では、図14に示すように、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(S101)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(S101;Y)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S102)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。S102で第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(S102;N)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(S103)。

【0248】

S101で第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(S101;N)、S102で第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(S102;Y)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(S104)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(S104;Y)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S105)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。S105で第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(S105;N)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(S106)。

【0249】

S103,S106の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(S107)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(S108)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。

【0250】

S108の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(S109)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(S110)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1~MR3を示す数値データが格納される一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1~MR3を示す数値データが格納される。

【0251】

特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否か、さらには変動表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を判定するために用いられる。変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンを判定するために用いられる。CPU103は、S109の処理を実行することにより、特別図柄や演出図柄の変動表示結果や変動表示時間を含む変動表示態様の判定に用いられる乱数値のうち全部を示す数値データを抽出する。

【0252】

S110の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(S111)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図12に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。

【0253】

S111の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(S112)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(S113)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図12に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。」

ケ「【0255】

図15(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図14のS112で実行される処理の一例を示すフローチャートである。本実施例において、特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図13のS22、図16)により、特図表示結果(特別図柄の変動表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの判定が行われる。

【0256】

また、後述する変動パターン設定処理(図13のS23、図17)において、演出図柄の変動表示態様を具体的に規定する変動パターンの判定などが行われる。他方、これらの判定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口又は第2始動入賞口)で検出されたタイミングで、CPU103がS112の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出表示すると判定されるか否かの判定や、演出図柄の変動表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。」

コ「【0376】

本実施例において実行される追加予告演出としては、図27(A)に示すように、演出表示装置5に特定のキャラクタが登場してセリフを喋るセリフ予告と、演出表示装置5に複数体のキャラクタが該演出表示装置5を横切るように表示される群予告とが予め用意されている。なお、図27(B)及び図27(C)にそれぞれ示すように、追加予告演出(セリフ予告及び群予告)は、段階予告演出や再変動予告演出と重複して実行される場合がある。」

サ「【0457】

S309では、再変動予告演出における再変動のタイミングや段階予告演出における次段階の演出を実行するタイミングである場合には、再変動の回数又は段階数に応じた各演出において共通の指標情報を表示する。ここで、指標情報は、実行中の再変動予告演出における再変動の回数や実行中の段階予告演出における段階数を、例えば数字(「×1」、「×2」、「×3」など)により示すものである。

【0458】

なお、指標情報は、このような数字に限られず、例えば、再変動の回数や段階演出の段階が進むごとに「○」の数が増えていくようなものや、キャラクタを順次に表示するものや、背景画像を順次に変化させるものなどであってもよい。

【0459】

また、この他にも、指標情報として、再変動の回数や段階演出の段数に応じて、異なる色の背景やキャラクタを表示させるようにし(例えば黄-緑-赤)、同じ回数や段数では共通の色の背景やキャラクタを表示させるようにして、遊技者に同じ回数や段数であることを示唆するようにしてもよい。

【0460】

また、これらの予告演出における総回数(総段数)を分母とし、現在の再変動の回数や段階演出の段数を分子とする分数形式の指標情報を表示させるなどして、当該変動において将来的に何回の再変動予告演出や段階予告演出が実行されるかを遊技者に示唆するようにしてもよい。例えば、総回数を3回とする再変動予告や総段数を3段とする段階予告演出を行う場合には、指標情報として、1回目(1段目)では「1/3」を表示させ、2回目(2段目)では「2/3」を表示させ、3回目(3段目)では「3/3」を表示させるようにしてもよい。」

シ「【0481】

図37及び図38は、演出表示装置5の演出画面の別例を示す図である。

図37(A)~(D)は、段階予告演出が実行される場合に演出表示装置5に表示される演出画面の一例を示す図である。

まず、図37(A)に示すように、演出表示装置5において演出図柄の変動表示が開始された後、図37(B)に示すように、段階予告演出の1段階目の演出が行われる。この1段階目の演出では、画面の中央部にマスコットキャラクタAが登場するとともに、段階予告演出における1段階目の演出であることを示す指標情報として、矩形の枠で囲まれた「×1」が画面右下に表示される。

【0482】

次いで、図37(C)に示すように、段階予告演出の2段階目が行われる。この2段階目の演出では、画面の中央部にマスコットキャラクタAよりも大きいマスコットキャラクタBが登場するとともに、段階予告演出における2段階目の演出であることを示す指標情報として、矩形の枠で囲まれた「×2」が画面右下に表示される。

【0483】

次いで、図37(D)に示すように、段階予告演出の3段階目が行われる。この3段階目の予告演出では、画面の中央部にマスコットキャラクタBよりも大きいマスコットキャラクタCが現れるとともに、段階予告演出における3段階目の演出であることを示す指標情報として、矩形の枠で囲まれた「×3」が画面右下に表示される。

【0484】

このように、段階予告演出として、段数が上がるにつれ、より大きなマスコットキャラクタを表示させるステップアップ型の段階予告演出を行うことで、遊技者は、大当りが発生するのではないかとの期待度を高めることができる。さらに、段階予告演出の段数を示す指標情報として段数を示す表示を行うことで、マスコットキャラクタの演出と併せて、遊技者は大当りの発生に期待を膨らませることができる。」

ス「

[図:0001383082000001.jpg]

」

セ「

[図:0001383082000002.jpg]

」

ソ「

[図:0001383082000003.jpg]

」

(2)認定事項

ア 上記(1)記載事項スの図5には、変動パターンPC1-1~PC2-4は、段階予告演出である段階演出の後にリーチ演出を実行することが記載されているため、「各段階予告演出の後にリーチ演出を実行する」ことが認定できる。

イ 上記(1)記載事項スの図5には、段階数が2段の段階演出の実行後、スーパーリーチαが実行されて大当りとなる変動パターンであるPC1-2と、段階数が3段の段階演出の実行後、スーパーリーチαが実行されて大当りとなる変動パターンPC1-6が設定されており、同セの確変A・確変B用の大当り用変動パターン判定テーブルである図8(A)では、PC1-2よりPC1-6の方が割り当てられる判定値の数が多いことが記載されている(前者が50、後者が80)。

よって、「段階数が2段の段階演出の実行後、スーパーリーチαが実行されて大当りとなる変動パターンであるPC1-2よりも、段階数が3段の段階演出の実行後、スーパーリーチαが実行されて大当りとなる変動パターンPC1-6の方が、大当りの期待度が高い」ことが認定できる。

2 引用発明

上記1(1)記載事項及び1(2)認定事項からみて、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。なお、符号a等については本願発明の構成A等に概ね対応させて付与し、引用箇所の段落番号を併記した。

「a、b 主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100に備えられたCPU103(【0150】)は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定し、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定し(【0247】)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定し、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定し(【0248】)、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算し、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新され、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新され(【0249】)、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出し(【0250】)、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否か、さらには変動表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を判定するために用いられ、変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンを判定するために用いられ(【0251】)、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われ、コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送され(【0252】)、続いて、入賞時乱数値判定処理を実行し(【0253】)、特図表示結果(特別図柄の変動表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの判定が行われ(【0255】)、演出図柄の変動表示態様を具体的に規定する変動パターンの判定などが行われ(【0256】)、確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがあり(【0073】)、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができ(【0076】)、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定され(【0077】)、リーチにおいては、変動時間がスーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチとなるように設定されており、変動時間が長くなる程、大当り期待度が高く(【0078】)、演出制御基板12が、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている(【0130】)パチンコ遊技機1(【0023】)であって、
a、c 演出表示装置5において演出図柄の変動表示が開始された後、画面の中央部にマスコットキャラクタAが登場するとともに、段階予告演出における1段階目の演出であることを示す指標情報として、矩形の枠で囲まれた「×1」が画面右下に表示され(【0481】)、次いで、画面の中央部にマスコットキャラクタAよりも大きいマスコットキャラクタBが登場するとともに、段階予告演出における2段階目の演出であることを示す指標情報として、矩形の枠で囲まれた「×2」が画面右下に表示され(【0482】)、次いで、画面の中央部にマスコットキャラクタBよりも大きいマスコットキャラクタCが現れるとともに、段階予告演出における3段階目の演出であることを示す指標情報として、矩形の枠で囲まれた「×3」が画面右下に表示される(【0483】)段階予告演出として、段数が上がるにつれ、より大きなマスコットキャラクタを表示させるステップアップ型の段階予告演出を行い(【0484】)、各段階予告演出の後にリーチ演出を実行し(認定事項ア)、段階演出の段階数が多くなるほど大当りの期待度が高くなり(【0188】)、予告演出における総回数(総段数)を分母とし、現在の再変動の回数や段階演出の段数を分子とする分数形式の指標情報を表示させ、当該変動において将来的に何回の再変動予告演出や段階予告演出が実行されるかを遊技者に示唆するようにしてもよく(【0460】)、
a、g 段階数が2段の段階演出の実行後、スーパーリーチαが実行されて大当りとなる変動パターンであるPC1-2よりも、段階数が3段の段階演出の実行後、スーパーリーチαが実行されて大当りとなる変動パターンPC1-6の方が、大当りの期待度が高く(認定事項イ)、
h 段階予告演出の他に、追加的な予告演出である「追加予告演出」を設定可能に構成され、追加予告演出における追加予告には、演出表示装置5に特定のキャラクタが登場してセリフを喋るセリフ予告と、演出表示装置5に複数体のキャラクタが該演出表示装置5を横切るように表示される群予告とが含まれ(【0095】)、追加予告演出(セリフ予告及び群予告)は、段階予告演出や再変動予告演出と重複して実行される場合がある(【0376】)
j パチンコ遊技機1(【0023】)。」

第5 対比

本願発明と引用発明を対比する。

1 引用発明のa、bの「大当り遊技」、a、cの「段階予告演出」、a、bの「パチンコ遊技機1」が、それぞれ本願発明の構成Aの「遊技者に有利な特別遊技」、「期待度を示唆する予告演出」、「遊技機」に相当する。

また、引用発明のa、bでは「特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出し、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否か、さらには変動表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を判定するために用いられ、変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンを判定するために用いられ」ており、「変動表示」は「大当り」とするか否かの判定に応じて実行していることが明らかであるから、引用発明の「変動表示」は、本願発明の構成Aの「前記判定の結果に応じた遊技演出」に相当するといえる。

よって、引用発明は、本願発明の構成A及びJに相当する構成を有する。

2 引用発明のa、bの「複数種類のリーチ演出」、「演出制御基板12」は、それぞれ本願発明の構成Bの「前記特別遊技の実行を期待させる複数の特別演出」、「特別演出実行手段」に相当する。

よって、引用発明は、本願発明の構成Bに相当する構成を有する。

3 引用発明のa、cでは「各段階予告演出の後にリーチ演出を実行」していることから、「リーチ演出」の「実行」より前に「各段階予告演出」を実行しているといえ、上記2のとおり、引用発明のa、bの「複数種類のリーチ演出」は、本願発明の構成Bの「前記特別遊技の実行を期待させる複数の特別演出」に相当することから、引用発明のa,cの「演出表示装置5」、「『×1』、『×2』、『×3』」と表示されている数字は、それぞれ本願発明の「表示手段」、「数量」に相当する。

また、引用発明のa、cでは「演出図柄の変動表示が開始された後、画面の中央部にマスコットキャラクタAが登場するとともに、段階予告演出における1段階目の演出であることを示す指標情報として、矩形の枠で囲まれた「×1」が画面右下に表示され、次いで、画面の中央部にマスコットキャラクタAよりも大きいマスコットキャラクタBが登場するとともに、段階予告演出における2段階目の演出であることを示す指標情報として、矩形の枠で囲まれた「×2」が画面右下に表示され、次いで、画面の中央部にマスコットキャラクタBよりも大きいマスコットキャラクタCが現れるとともに、段階予告演出における3段階目の演出であることを示す指標情報として、矩形の枠で囲まれた「×3」が画面右下に表示され」ており、矩形の枠で囲まれた画面右下の表示が「×1」、「×2」、「×3」と順次表示されることが、本願発明の「数量を更新していく更新演出」に相当する。そして、引用発明では、「×1」、「×2」、「×3」と順次表示されることから、その表示を実行する手段を備えることは明らかであり、その手段が、本願発明の「更新演出実行手段」に相当する。

よって、引用発明は、本願発明の構成Cに相当する構成を有する。

4 引用発明のa、bでは「リーチにおいては、変動時間がスーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチとなるように設定されており、変動時間が長くなる程、大当り期待度が高」いことから、「スーパーリーチα」は「ノーマルリーチ」よりも「大当り期待度が高」いといえる。

そして、上記1で説示したとおり、引用発明のa、bの「大当り遊技」は本願発明の構成Aの「遊技者に有利な特別遊技」に相当するから、引用発明のa、bの「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチα」は、それぞれ本願発明の「第1特別演出」、「前記第1特別演出よりも前記特別遊技が実行される期待度が高い第2特別演出」に相当する。

よって、引用発明は、本願発明の構成Dに相当する構成を有する。

5 引用発明のa、gでは「段階数が2段の段階演出の実行後、スーパーリーチαが実行されて大当りとなる変動パターンであるPC1-2よりも、段階数が3段の段階演出の実行後、スーパーリーチαが実行されて大当りとなる変動パターンPC1-6の方が、大当りの期待度が高」いことから、引用発明のa、gの「スーパーリーチα」、「スーパーリーチαが実行されて大当りとなる変動パターンであるPC1-2よりも、段階数が3段の段階演出の実行後、スーパーリーチαが実行されて大当りとなる変動パターンPC1-6の方が、大当りの期待度が高」いことは、それぞれ本願発明の「同じ種類の前記特別演出」、「同じ種類の前記特別演出が実行される場合であっても、前記更新演出で最終的に表示された数量によって前記特別遊技が実行される期待度が異な」ることに相当する。

よって、引用発明は、本願発明の構成Gに相当する構成を有する。

6 引用発明の「セリフ予告」、「群予告」は、本願発明の「第1予告演出」、「第1予告演出とは種類が異なる第2予告演出」に相当する。

よって、引用発明は、本願発明の構成Hに相当する構成を有する。

7 以上のとおりであるから、本願発明と引用発明とは、

「A 遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを判定し、前記判定の結果に応じた遊技演出を実行すると共に、前記遊技演出の実行中に前記特別遊技が実行される期待度を示唆する予告演出を実行可能な遊技機において、
B 前記遊技演出において前記特別遊技の実行を期待させる複数の特別演出の何れかを実行する特別演出実行手段と、
C 前記特別演出が実行される以前に、表示手段に表示させた数量を更新していく更新演出を実行する更新演出実行手段と、を備え、
D 前記複数の特別演出には、
第1特別演出と、前記第1特別演出よりも前記特別遊技が実行される期待度が高い第2特別演出とを含み、
G 同じ種類の前記特別演出が実行される場合であっても、前記更新演出で最終的に表示された数量によって前記特別遊技が実行される期待度が異なり、
H 前記特別演出よりも前に実行される前記予告演出には、第1予告演出と、前記第1予告演出とは種類が異なる第2予告演出とを含む
J 遊技機。」

である点で一致し、以下の点で相違する。

・相違点1(構成E及びF)

本願発明では、「前記数量が前記第2特別演出よりも前記第1特別演出が実行される割合が高い第1数量である場合には、前記数量に係る画像を第1表示態様で表示し、前記数量が前記第1特別演出よりも前記第2特別演出が実行される割合が高い前記第1数量よりも多い第2数量である場合には、前記数量に係る画像を第2表示態様で表示し」ているのに対して、

引用発明では、「予告演出における総回数(総段数)を分母とし、現在の再変動の回数や段階演出の段数を分子とする分数形式の指標情報を表示させ、当該変動において将来的に何回の再変動予告演出や段階予告演出が実行されるかを遊技者に示唆するようにしてもよ」いことから、期待度が高い総段数の場合と、低い総段数とでは、分母の数字が異なるため、期待度に応じて分母の数字が異なり、総段階数に応じて、表示態様が異なるといえるものの、段階が1段階の段階予告演出はノーマルリーチのときにのみ実行される(図5参照)ことから、「前記数量が前記第2特別演出よりも前記第1特別演出が実行される割合が高い第1数量である場合には、前記数量に係る画像を第1表示態様で表示し、前記数量が前記第1特別演出よりも前記第2特別演出が実行される割合が高い前記第1数量よりも多い第2数量である場合には、前記数量に係る画像を第2表示態様で表示し」ていない点。

・相違点2(構成I)

本願発明では、「前記更新演出の実行中においては、前記第1予告演出の実行が可能であるが、前記第2予告演出は実行されない」のに対して、

引用発明では、「追加予告演出(セリフ予告及び群予告)は、段階予告演出や再変動予告演出と重複して実行される場合があ」り、そのように構成されていない点。

第6 判断

・相違点1について

上記相違点1に係る本願発明の構成は、上記引用文献1に記載されておらず、本願出願前において周知技術であるともいえないことから、実質的な相違点ではない、ともいえない。

したがって、本願発明は、上記相違点2を検討するまでもなく、引用発明ではなく、また、当業者であっても引用文献1に記載された発明に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

第7 むすび

以上のとおり、本願発明は、引用発明ではなく、また、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。

したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2021-006854

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決642件(京楽産業.株式会社)
  • 2025-016609拒絶査定不服審判 / 2026-08-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 京楽産業.株式会社
  • 2025-016610拒絶査定不服審判 / 2026-08-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 京楽産業.株式会社
  • 2025-010441拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 京楽産業.株式会社
  • 2025-009763拒絶査定不服審判 / 2026-07-07 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 京楽産業.株式会社
  • 2025-009782拒絶査定不服審判 / 2026-05-21 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 京楽産業.株式会社
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)4,637件(113・A63F、121・A63F)
  • 2025-007784拒絶査定不服審判 / 2026-08-13 / 原査定取消(特許/登録すべき)制御プログラム、制御方法及びコンピュータ
    共通の審決分類: 113・A63F、121・A63F
  • 2025-006086拒絶査定不服審判 / 2026-07-28 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 113・A63F、121・A63F
  • 2025-007399拒絶査定不服審判 / 2026-07-28 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 113・A63F、121・A63F
  • 2025-009763拒絶査定不服審判 / 2026-07-07 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 113・A63F、121・A63F
  • 2025-014461拒絶査定不服審判 / 2026-07-07 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 113・A63F、121・A63F

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存