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商標拒絶査定不服審判

2021-006840

審判番号
2021-006840
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2018-088175
請求日
2021年05月27日
審決日
2022年04月08日
公報発行日
2022年07月29日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】株式会社おやつカンパニー
  • 【請求人代理人】田中 秀▲てつ▼
  • 【請求人代理人】廣瀬 一
  • 【請求人代理人】森 哲也
審判長/審判官
  • 審判長 齋藤 貴博
  • 審判官 馬場 秀敏
  • 審判官 綾 郁奈子
分類
T18 .8 -WY (W43)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法64条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第64条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2018-88175拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の標章は、登録第5483551号の防護標章として登録をすべきものとする。

理由

理 由 1 本願標章及び手続の経緯 本出願に係る標章(以下「本願標章」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、第43類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務とし、登録第5483551号商標(以下「原登録商標」という。)の防護標章登録出願として、平成30年7月6日に登録出願されたものである。 本願は、令和元年5月8日付けで拒絶理由の通知がされ、同年6月24日に意見書が提出されたが、同3年2月25日付けで拒絶査定がされたものである。 これに対して令和3年5月27日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものであり、指定役務については、当審における同4年2月17日付け手続補正書により、第43類「飲食物の提供」と補正されたものである。 2 原登録商標 登録第5483551号商標は、本願標章と同一の構成からなり、平成23年10月14日に登録出願、第30類「菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,即席菓子のもと」を指定商品として同24年4月6日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 原査定の拒絶の理由 本願標章は、自己の業務に係る商品(役務)を表示するものとして、需要者間に広く認識されているものとは認められない。 したがって、本願標章は、商標法第64条に規定する要件を具備しない。 4 当審の判断 原登録商標は、上記2のとおり、本願標章と同一の構成からなり、平成24年4月6日に登録され、当該商標権は現に有効に存続するものであること及び当該商標権が請求人の所有に係るものであることは、その標章を表示する書面及び当庁備え付けの商標登録原簿の記載から明らかである。 なお、請求人の主張及び同人が提出した資料によれば、以下の事実が認められる。 (1)原登録商標の周知・著名性について ア 使用商品 原登録商標は、請求人が、1993年以後、その指定商品「穀物の加工品」に含まれる「カップ入り即席ラーメン」について使用されているものであり、1987年発売の「ベビースター当りら~めん」(しょうゆ味、カレー味)の3番目の味、「当りら~めんブタメン(とんこつ味)」として発売されたものである(甲1)。 以下、原登録商標を使用した商品を「使用商品」という。 イ 使用期間、使用地域等 原登録商標は、商標権者である請求人により、その使用商品について、1993年に使用が開始され、その後、現在に至るまで我が国において28年間継続して使用されているものである(甲1)。 使用商品は、北海道から沖縄までの全国地域における、総合スーパーマーケット、食品スーパーマーケット、ドラッグストア、コンビニエンスストア、100円均一ショップなどで販売され(甲24)、2021年4月時点で、約14,700店舗にて取り扱われたとされ、使用商品の使用地域は日本全国に及ぶものと認められる。 ウ 使用商品の広告宣伝等 (ア)テレビCM 請求人は、2009年及び2010年に、人気タレントを起用したテレビCMを、全国あるいは西日本地区に放映した(甲4、甲5)。当該テレビCMには、原登録商標が明瞭に映し出されており、制作費は約7,000万円、放映に約3億円の広告宣伝費を投じたことが推認される。 (イ)キャンペーン 2009年2月、使用商品に付けた応募マークを集め応募すると、「新型プレイステーションポータブル」が1,000名にプレゼントされるキャンペーンが実施された(甲6)。 2012年9月、販売開始20周年を前に、使用商品の裏蓋に「大当り」が出ると、ブタメン1箱等が、20,000名にプレゼントされるキャンペーンが実施された(甲9)。 その後も継続して、2013年9月、使用商品に付けた応募マークを集め応募すると、「ブタメンタオル」が7,000名に(甲10)、2017年9月、ブタメンロゴ入りの「チェキinstax mini8+とブタメンポーチ」が1,100名に(甲11-2)、2018年1月、「ブタチェキ」等が数名に(甲11-3)、2018年10月、「ブタメンオリジナルナノブロック」が4,000名に(甲11-4)、2019年10月、「Nintendo Switch」が300名に(甲11-5)、2020年10月、「ブタメンオリジナルQUOカード(2,000円分)」が300名に(甲11-6)、2020年11月、「とこトン!ブタメンお楽しみセット」が2,500名に(甲11-7)プレゼントされるキャンペーンが実施された。 これらのキャンペーン広告や賞品の多くには、原登録商標が用いられていることが認められる。 (ウ)タイアップ、共同企画 a タイアップ 月刊コロコロコミック(株式会社小学館発行、発行部数約95万部)で、2012年8月号ないし2013年1月号まで、使用商品のキャラクターを主人公とした漫画「トコとん!ブタメン」が掲載され(甲7)、タイアップしたプロモーションとして、使用商品のウェブサイトにおいて漫画の転載配信や、店頭において漫画と連動した什器を用いた商品販売などを行った(甲8)。 また、週刊少年サンデー(株式会社小学館発行)で連載の「だがしかし」でテーマに取り上げられ、タイアップ企画として「だがしかし ブタメン」を販売した(甲11)。なお、販売された年は不明である。 これらタイアップした使用商品のウェブサイト、什器、「だがしかし ブタメン」には、原登録商標が用いられていることが認められる。 b 共同企画 2018年9月からY株式会社との共同企画により「ブタメン ポテトチップス とんこつ味」が発売された(甲20-2)。 2020年9月からA株式会社との共同企画により「ブタメン焼きそば とんこつ味」を発売した(甲20-4)。 2021年5月からH株式会社との共同企画により冷凍フライドポテトの「オレアイダ」に「ブタメン」のコラボパウダーがついた3商品を発売した(甲20-8)。 これら共同企画された商品には、原登録商標が用いられていることが認められる。 (エ)YouTube等 a 請求人は、2020年1月に人気YouTuberを起用してYouTubeで「[大食い]ブタメンわんこそば大食いチャレンジで本気出してみたww」というタイトルの動画をアップし、本願の審判請求時までに1,667,761回再生された(甲11-8)。 この動画に関連して、他の複数の人気YouTuberが「ブタメンわんこそばチャレンジ」の動画をそれぞれアップし、YouTuber Aのチャレンジは、1,557,512回再生、YouTuber Bのチャレンジは、122,270回再生、YouTuber Cのチャレンジは、1,055,702回再生、YouTuber Dのチャレンジは、405,527回再生されたことが認められる(甲11-8)。 これらの動画には、使用商品が多量積み上げられた状態で映り込んでいる。 また、請求人は、2020年11月に人気YouTuberを起用してYouTubeで「[大食い]ブタメンわんこそば大食い対決だぁぁ!!!!!」というタイトルの動画をアップし、本願の審判請求時までに約924,000回再生された(甲11-10)。 さらに、請求人は、2021年3月に人気YouTuberを起用してYouTubeで「[大食い]韓国料理トッピングしたラーメンが美味MAX!!![キムチ][ブタメン]」というタイトルの動画をアップし、本願の審判請求時までに107,265回再生されたとされる(甲11-11)。 これらの動画には、原登録商標又は使用商品が明瞭に映り込んでいる。 b 請求人は、2020年11月に、人気料理研究家を起用し、当該研究家のTwitterとInstagramでブタメンのアレンジ料理のレシピを配信したとされる(甲11-9)。 このアレンジ料理は、使用商品の容器をそのまま利用しており、原登録商品が映り込んでいる。 c 請求人が、2010年に開設したとされる使用商品に係るホームページ「ブタメンパラダイス」は、「トップ」「商品紹介」「ブタメンのひみつ」「ゲーム」「ブタメンレシピ」のメニューから構成され、原登録商標が中央に大きく表示されているものである(甲11-12)。請求人の主張によれば、2021年5月までに、679,535人の訪問があったとされる。 さらに、請求人は、2021年5月25時点で、コミュニケーションアプリ「LINE(ライン)」において、ブタメンキャラクターの「LINEクリエイターズスタンプ」の販売をしている(甲20-3)。 エ 使用商品の普及度 (ア)新聞、雑誌 使用商品は、2011年4月6日の産経新聞で「[こども流行事情]「ブタメン」おやつカンパニー」の見出しの下、「発売から20年近くたつが、当時の子供から近頃の子供まで、広く知られたロングセラー商品だ。」と紹介されている(甲12)。 また、使用商品は、2015年11月18日の日本経済新聞(甲17)、2016年1月18日の琉球新報(甲18)で紹介されている。 さらに、2021年4月27日号とされる「週刊女性」で、「ちょい足し!『ブタメン』格上げアレンジ」の見出しの下、使用商品の調理方法が紹介され(甲20-6)、2021年4月・5月合併号の「サイゾー」では、「グルメでバズる!アレンジレシピの世界」の見出しの下、使用商品のアレンジレシピが紹介されている(甲20-7)。 (イ)テレビ、インターネット 2012年6月19日(火)05:50~08:00に日本テレビで放送されたとされる「ZIP!」(甲14)、2016年10月11日(火)20:00~21:48にテレビ朝日で放送された「ゴン中山&ザキヤマのキリトルTV」(甲19)、2019年1月14日(月)23:56~0:53に毎日放送で放送されたとされる「痛快!明石家電視台」(甲20)で使用商品のエピソードが紹介された。 また、2021年1月23日に、アイドルグループメンバーの公式YouTubeチャンネル「my-channel」で「[駄菓子]あの頃好きだった駄菓子を食べてみる[子供の頃の思い出]#22」というタイトルの動画で使用商品が取り上げられた。当該チャンネルの登録者数が約120万人である(甲20-5)。 (ウ)アンケート、ランキング a 2012年8月号とされる月刊コロコロコミックの読者アンケートによれば、1000人の、6歳ないし13歳の男児に対し、「ブタメンを知っていますか?」と質問したところ、「知っていたし、食べたことがある。」と答えた割合が59.00%、「知っていたけど、食べたことがない。」と答えた割合が29.60%であり、「知っていた」割合は88.60%であった(甲21)。 b 2013年1月5日(土)18:30~20:54にテレビ朝日で放送された「お願い!ランキングGOLD(特別編)」の第一回駄菓子総選挙で、全国5大都市で一般消費者10,000人が投票し、参加企業50社、1,500品の中からトップ50品を決める番組で、使用商品は、7位に選ばれた(甲15)。 c 2018年12月7日から14日に株式会社アスマークが実施したWeb調査によれば、1,200人の10代ないし60代のスナック菓子3ヶ月内自購入・喫食者に対し、他のスナック菓子のキャラクターと並べて知っているキャラクターを回答させる調査において、「ブタメンのブタ」のキャラクター認知率は、全体では56.8%であり、請求人が顧客ターゲット層と主張する、10代男性83.0%、20代男性74.0%、10代女性83.0%、20代女性87.0%の認知率であった(甲22)。 d 2020年12月に株式会社マクロミルが実施したとされるWeb調査によれば、1,236人を対象とした上記cと同様の調査において、「ブタメンのブタ」のキャラクター認知率は、全体では76.2%であり、請求人が顧客ターゲット層と主張する、10代男性91.3%、20代男性89.3%、30代男性86.4%、10代女性92.2%、20代女性99.0%、30代女性94.2%の認知率であった(甲22-2)。 e 2021年5月18日の更新のインターネット上のランキングサイト「みんなのランキング」の、「駄菓子人気ランキング」において、「ブタメン」は全92品中の第5位であった。当該ランキングの投票参加者数は587人、投票数は3,106票であった(甲22-3)。 なお、請求人の使用商品は「カップ入り即席ラーメン」であるが、内容量30グラムの小型の製品であること(甲1)も相まって、子供や若い世代には「菓子」として食される側面があることは、提出された各種証拠から認められるところである。 オ 請求人の企業の規模及び使用商品等の販売実績 請求人は、昭和23年(1948年)に創業した、菓子・食品製造販売を事業内容とする会社であり、主要製品は、スナック菓子、カップラーメンである。使用商品の売上高は、発売初年である1992年8月ないし1993年7月には、約6千7百万円、翌1993年8月ないし1994年7月には、約1億5千万円になり、2002年8月ないし2003年7月には、約11億5千万円であった。その後も売上高は10億円台を下回ることなく、2019年8月ないし2020年7月には、約14億7千万円であった(甲23)。 カ 小括 以上のことから、請求人は、使用商品の販売開始から28年間にわたり、使用商品の包装に原登録商標を付しており、総合スーパーマーケットをはじめとする全国の小売店舗での販売、また、テレビCM、キャンペーンの実施、タイアップや共同企画の実施、YouTube等を用いた宣伝広告を通じて使用商品の周知が図られたこと、新聞、雑誌、テレビ、インターネットで取り上げられ、各種のアンケート、ランキングでも高い普及度が示されており、上記した販売実績及び使用商品の普及度によれば、原登録商標は、請求人の業務に係る商品を表示するものとして、取引者、需要者間に広く認識されているものと認めることができる。 (2)混同を生ずるおそれ 原登録商標の使用商品と本願の補正後の指定役務とは、いずれも食品に関する分野の商品及び役務であって、その生産者、販売者、提供者、用途、需要者の範囲等を共通にする場合がある。そして、小売店において販売された商品をその場で飲食できる形式の店も一般的であり、飲食店において商品を購入できる形式の店も一般的である。また、請求人の関係会社である株式会社おやつタウンが、三重県津市に、請求人の取扱い商品に関する工場一体型のテーマパーク「おやつタウン」をオープンしており(甲36)、当該テーマパーク内において、「ブタメン豚骨ラーメン」というメニューが提供されていることが認められる(甲36、甲37)。 そうすると、上記(1)のとおり、原登録商標の周知性をも考慮すれば、原登録商標と同一の構成からなる本願標章が、他人によって本願の指定役務について使用された場合には、これに接する需要者は、その役務があたかも請求人、又は、請求人と何等かの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。 (3)小括 以上によれば、原登録商標が、請求人の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されており、原登録商標に係る指定商品及びこれに類似する商品及び役務以外の商品及び役務について他人が登録商標の使用をすることにより、その役務と自己の業務に係る指定商品とが混同を生ずるおそれがあるものであるから、本願標章は、防護標章の登録要件を具備するものである。 (4)まとめ したがって、本願標章が商標法第64条の規定する要件を具備しないものとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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