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商標拒絶査定不服審判

2021-003889

イズモ

審判番号
2021-003889
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2018-107892
請求日
2021年03月25日
審決日
2022年07月05日
公報発行日
2022年09月30日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社出雲殿互助会
  • 【請求人代理人】木村 満
  • 【請求人代理人】加藤 道幸
  • 【請求人代理人】松嶋 さやか
  • 【請求人代理人】吉松 こず恵
  • 【請求人代理人】塘口 絢子
審判長/審判官
  • 審判長 豊田 純一
  • 審判官 小田 昌子
  • 審判官 渡邉 潤
分類
T18 .13 -Z (W163536394041434445) / T18 .272-Z (W163536394041434445) / T18 .16 -Z (W163536394041434445)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法3条1項6号商標法4条1項16号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条、商標法第3条第1項第6号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2018-107892拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、「イズモ」の文字を標準文字で表してなり、第16類、第35類、第36類、第39類、第40類、第41類、第43類、第44類及び第45類に属する別掲1に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成30年8月27日に登録出願されたものである。 本願は、令和元年6月21日付けで拒絶理由の通知がされ、同年11月1日に意見書が提出されたが、同2年12月21日付けで拒絶査定がされ、これに対して同3年3月25日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。 第2 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は、「イズモ」の文字を標準文字で表してなるところ、これは「旧国名。今の島根県の東部。雲州」や「島根県北東部、出雲平野の中心にある市」を意味する「出雲」の読みを片仮名表記したものと一般的に理解・認識され、また、地名としての「出雲」とは別異のものと理解・認識されるものではない。そうすると、本願商標をその指定商品及び指定役務中、「イズモ(出雲)」の文字に相応する商品及び役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、本願商標が、商品の産地、販売地、品質又は役務の提供の場所、質を表示しているものと容易に認識するというのが相当であり、本願商標を「イズモ(出雲)」の文字に相応する指定商品及び指定役務以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 第3 当審における審尋 当審において、令和4年1月19日付け審尋により、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に対し、別掲2ないし別掲4のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号並びに同法第3条第1項第6号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。 第4 審尋に対する請求人の回答(要旨) 請求人は、上記第3の審尋に対し、令和4年4月22日受付の回答書を提出し、要旨、以下、1ないし3のとおりの意見を述べた。 1 広辞苑第七版及び別掲2にあげられた辞書には、「いずも」、「イヅモ」及び「出雲」の文字があるのみで本願商標と同一の片仮名「イズモ」の文字は見当たらない。「いずも」、「イヅモ」及び「出雲」と「イズモ」とは、互いに文字構成を異にするものであるから、「いずも」、「イヅモ」及び「出雲」が辞書に載録があることを根拠として、「イズモ」の文字が、一般的に「旧国名。今の島根県の東部。雲州。」及び「島根県北東部、出雲平野を中心とする市。」の意味を有する「出雲」を理解させるとした認定は、根拠を欠き、「出雲」の文字を、片仮名「イズモ」とすることは、通常の日本語の用法としては、一般的とはいえない。そして、「出雲」と「イズモ」は検索サイトにおいて全く別異に捉えられていること等から、漢字「出雲」と片仮名「イズモ」とは、互いに表記の相違を超えた関係にあり、片仮名「イズモ」からは、直ちに「出雲」を想起しない。そうすると、本願商標「イズモ」が、観光地名及び商品の品質及び役務の提供場所、又は質として使用されている事実はないから、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たすものであり、また、品質の誤認を生じさせるおそれもない。 2 片仮名「イズモ」のほか、平仮名「いづも」の文字と、識別力の弱い語との組み合わせからなる商標が過去に登録されており、本願商標が識別力欠如と認定されることは、法的安定性を著しく損ない、また、観光地名の片仮名表記にあたる商標も多数登録されているから、本願商標も十分に自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。 3 請求人又は請求人関連会社は遅くとも1997年から「イズモ」の文字を使用して業務を行っており、「イズモ」の文字、又は、「イズモ」と同じ称呼をもつ語を含む商標を多数有している。また、Google検索及びYahoo検索における「イズモ」の検索結果でヒットしたウェブサイトは、おおむね請求人及び請求人関連会社のサイトであることから、「イズモ」の文字に接した需要者・取引者は、「出雲」を想起するというよりも、むしろ請求人又は請求人関連会社の業務に係るものと認識・理解する。 第5 当審の判断 1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本願商標は、「イズモ」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「広辞苑 第七版」(発行者:株式会社岩波書店)において、「旧国名。今の島根県の東部。雲州。」及び「島根県北東部、出雲平野を中心とする市。」の意味を有する「出雲」を表す語として載録されており、その他の国語辞典及び地名事典においても、別掲2のとおり、上記と同様、「出雲」を表す語として載録されている。 また、別掲3のとおり、「出雲」の文字は、島根県の観光スポットとして全国的に知られている出雲大社のほか、多くの観光名所があり、当該文字は、観光地名として使用されている実情があることが認められる。 さらに、別掲4の(1)及び(2)のとおり、「出雲」に関する事項が記載されている印刷物が実際に取引されている実情があることが認められる。 そうすると、本願商標「イズモ」は、「出雲」を片仮名で表記したものであると容易に理解させるものであり、「出雲」の文字は、観光地名として使用されている実情があり、かつ、「出雲」に関する事項が記載されている印刷物が実際に取引されている実情があり、また、漢字の「出雲」の地名を片仮名で表記したことをもって、他の意味合いを認識させるというべき事情はないことからすると、本願商標を、その指定商品及び指定役務中、第16類「印刷物」及び第41類「電子出版物の提供」に使用しても、これに接する需要者、取引者は、「出雲に関する印刷物」及び「出雲に関する電子出版物の提供」であることを理解するにとどまるから、本願商標は、商品の品質及び役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものである。 また、本願商標を、「出雲に関する印刷物」及び「出雲に関する電子出版物の提供」以外の「印刷物」及び「電子出版物の提供」に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがある。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。 2 商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、上記1のとおり、「出雲」を片仮名で表記したものであると容易に理解させるものであり、「出雲」の文字は、観光地名として使用されている実情があり、また、漢字の「出雲」の地名を片仮名で表記したことをもって、他の意味合いを認識させるというべき事情はない。 そして、別掲4の(3)ないし(11)のとおり、「出雲」の文字は、本願商標の指定商品及び指定役務中、第35類「広告業,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」、第39類「車両による輸送」、第40類「写真のプリント,写真の引き伸ばし,フィルムの現像及び写真の焼き増し,写真の修正,写真の復元,デジタル式に保存された画像及び写真の印刷」、第41類「相続及び資産承継に関する知識の教授,遺言作成に関する知識の教授,税務に関する知識の教授,不動産・金融・保険・年金・税務に基づいた生活設計に関する知識の教授」、第43類「宿泊施設の提供」、第44類「理容」及び第45類「着物の着付け」の業界において、役務の提供の場所を表す語として使用されている実情がある。 そうすると、本願商標を、その指定商品及び指定役務中、第35類「広告業,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」、第39類「車両による輸送」、第40類「写真のプリント,写真の引き伸ばし,フィルムの現像及び写真の焼き増し,写真の修正,写真の復元,デジタル式に保存された画像及び写真の印刷」、第41類「相続及び資産承継に関する知識の教授,遺言作成に関する知識の教授,税務に関する知識の教授,不動産・金融・保険・年金・税務に基づいた生活設計に関する知識の教授」、第43類「宿泊施設の提供」、第44類「理容」及び第45類「着物の着付け」に使用しても、これに接する需要者、取引者は、「出雲で提供される役務」であることを理解するにとどまるから、本願商標は、役務の提供の場所を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 3 商標法第3条第1頂第6号該当性について 本願商標は、上記1のとおり、「出雲」を片仮名で表記したものであると容易に理解させるものであり、「出雲」の文字は、観光地名として使用されている実情があり、また、漢字の「出雲」の地名を片仮名で表記したことをもって、他の意味合いを認識させるというべき事情はない。 そうすると、本願商標を、その指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する需要者、取引者は、本願商標を、自他商品及び役務の識別標識を表したものと認識するというよりも、単に観光地名である「出雲」を、片仮名で表記したにすぎないものと認識するにとどまるものと判断するのが相当である。 したがって、本願商標は、その指定商品及び指定役務に使用しても、需要者が何人かの業務にかかる商品及び役務であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。 4 請求人の主張について (1)請求人は、「本願商標「イズモ」が、観光地名及び商品の品質及び役務の提供場所、又は質として使用されている事実はないから、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たすものであり、また、品質の誤認を生じさせるおそれもない。」旨主張する。 しかしながら、上記1のとおり、本願商標「イズモ」は、「出雲」を片仮名で表記したものであると容易に理解させるものであり、「出雲」の文字は、観光地名として使用されている実情があり、また、漢字の「出雲」の地名を片仮名で表記したことをもって、他の意味合いを認識させるというべき事情はないことからすると、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標から、上記1に記載の意味を有する「出雲」を認識、理解するというのが相当であるから、上記1ないし上記3のとおり、本願商標を、その指定商品及び指定役務に使用するときは、本願商標は、自他商品及び役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、また、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものである。 (2)請求人は、「片仮名「イズモ」のほか、平仮名「いづも」の文字と、識別力の弱い語との組み合わせからなる商標が過去に登録されており、本願商標が識別力欠如と認定されることは、法的安定性を著しく損ない、また、観光地名の片仮名表記にあたる商標も多数登録されているから、本願商標も十分に自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。」旨主張する。 しかしながら、請求人の挙げる過去の登録例は、本願商標とは、構成文字や構成態様が異なるものであって、かつ、具体的事案の判断においては、過去の登録例等に拘束されることなく、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきであるから、これらの事例の存在によって、上記1ないし上記3の認定判断が左右されるものではない。 (3)請求人は、「請求人又は請求人関連会社は遅くとも1997年から「イズモ」の文字を使用して業務を行っており、「イズモ」の文字、又は、「イズモ」と同じ称呼をもつ語を含む商標を多数有している。また、Google検索及びYahoo検索における「イズモ」の検索結果でヒットしたウェブサイトは、おおむね請求人及び請求人関連会社のサイトであることから、「イズモ」の文字に接した需要者・取引者は、「出雲」を想起するというよりも、むしろ請求人又は請求人関連会社の業務に係るものと認識・理解する。」旨主張する。 しかしながら、請求人が提出した証拠を確認しても、本願商標「イズモ」の文字に接した取引者、需要者が、当該文字から、請求人又は請求人関連会社の業務に係るものを認識、理解することを証明するため宣伝広告の事実、売上高、市場占有率等に関する証拠は提出されていないから、本願商標が請求人又は請求人関連会社の商標であると需要者に広く認識されていると客観的に判断することはできない。 そうすると、請求人又は請求人関連会社が、1997年から「イズモ」の文字を使用して業務を行い、インターネット検索において、請求人又は請求人関連会社の記事が掲載されている事実があるとしても、本願商標に接する取引者、需要者が、本願商標を「出雲」ではなく、請求人又は請求人関連会社の業務に係るものを認識、理解するとすべき特別な事情はない。 (4)請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、その他、請求人の主張は、採用するべき事情はない。 5 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同項第6号並びに同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-003889

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