特許拒絶査定不服審判
2021-001202
再熱システム
- 審判番号
- 2021-001202
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-113742
- 請求日
- 2021年01月28日
- 審決日
- 2021年12月02日
- 公報発行日
- 2022年02月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社IHI
- 【請求人代理人】西澤 和純
- 【請求人代理人】寺本 光生
- 【請求人代理人】清水 雄一郎
- 【請求人代理人】高橋 久典
- 審判長/審判官
- 審判長 松下 聡
- 審判官 平城 俊雅
- 審判官 山崎 勝司
- 分類
- P18 .121-Z (F22G) / P18 .575-Z (F22G)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2016-113742「再熱システム」拒絶査定不服審判事件〔平成29年12月14日出願公開、特開2017-219248〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成28年6月7日の出願であって、令和2年2月6日付けで拒絶の理由が通知され、令和2年6月16日に意見書及び手続補正書が提出され、令和2年7月1日付けで拒絶の理由が通知され、令和2年9月4日に意見書及び手続補正書が提出され、令和2年10月28日付け(発送日:令和2年11月4日)で拒絶査定がなされ、それに対して、令和3年1月28日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 令和3年1月28日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年1月28日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
(1)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和2年9月4日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
蒸気を加熱して再熱蒸気として吐出する再熱器と、前記再熱器に前記蒸気を供給する蒸気供給流路と、前記再熱器から吐出される前記再熱蒸気を案内する複数の再熱蒸気流路とを備える再熱システムであって、
前記蒸気供給流路あるいは前記再熱蒸気流路に温度調整用蒸気を供給する温度調整機構と、
複数の前記再熱蒸気流路を流れる前記再熱蒸気の温度が均一化されるように前記温度調整機構からの前記温度調整用蒸気の供給量を制御する制御部と
を備え、
前記再熱器は、前記再熱蒸気を案内する複数の再熱蒸気流路に各々接続される出口ヘッダ管を有することを特徴とする再熱システム。」
(2)本件補正後の特許請求の範囲
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。
「【請求項1】
蒸気を加熱して再熱蒸気として吐出する再熱器と、前記再熱器に前記蒸気を供給する蒸気供給流路と、前記再熱器から吐出される前記再熱蒸気を案内する複数の再熱蒸気流路とを備える再熱システムであって、
前記蒸気供給流路あるいは前記再熱蒸気流路に温度調整用蒸気を供給する温度調整機構と、
複数の前記再熱蒸気流路を流れる前記再熱蒸気の温度が均一化されるように前記温度調整機構からの前記温度調整用蒸気の供給量を制御する制御部と
を備え、
前記再熱器は、前記再熱蒸気流路に各々接続される複数の出口ヘッダ管を有することを特徴とする再熱システム。」
2 補正の適否について
本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「出口ヘッダ管」に関して、補正前の「再熱蒸気を案内する複数の再熱蒸気流路に各々接続される」から「前記再熱蒸気流路に各々接続される複数の」とすることで、出口ヘッダ管が複数あることを限定するものであって、かつ、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
3 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する(下線は当審にて付した。以下同様。)。
(1)引用例1
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された特開平9-4813号公報には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審にて付したものである。)。
(1-a)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボイラの再熱器用温度調節装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、大型のボイラの場合、図3に示される如く、ボイラ本体1内には、燃料を燃焼させるためのバーナ2が、ボイラ本体1の幅方向(図3の紙面と直交する方向)へ複数配設されると共に、内部に水を含む蒸気等の被加熱流体が流通される再熱器3や図示していない過熱器等が配設されており、高温の燃焼ガスによって前記被加熱流体を加熱し図示していない蒸気タービン等へ導くようになっている。
【0003】前記再熱器3は、図4に示される如く、ボイラ本体1の幅方向へ延びるよう配設され且つ両端に接続された導入管4から被加熱流体が供給される入口ヘッダ5と、該入口ヘッダ5に一端が接続され且つボイラ本体1内に配設された多数の伝熱管6aからなる、被加熱流体加熱用の伝熱部6と、ボイラ本体1の幅方向へ延びるよう配設され、前記伝熱部6を構成する各伝熱管6aの他端が接続され且つ両端に接続された導出管7から被加熱流体が導出される出口ヘッダ8とを備えてなる構成を有しており、更に、入口ヘッダ5の一端に接続された導入管4途中と出口ヘッダ8の一端に接続された導出管7途中とをバイパスライン9によって接続し、該バイパスライン9途中に流量調節弁10を設けると共に、入口ヘッダ5の他端に接続された導入管4途中と出口ヘッダ8の他端に接続された導出管7途中とをバイパスライン11によって接続し、該バイパスライン11途中に流量調節弁12を設けることにより、再熱器3用の温度調節装置を構成してある。」
(1-b)「【0027】図2に示す実施例においては、流量調節弁10を閉じた状態では、入口ヘッダ5の一端(右端)に接続された導入管4から供給される被加熱流体は、二分割された伝熱部6の一方の伝熱管6aを通過して中間導出ヘッダ15の一端(右端)から切換管17を介して中間導入ヘッダ16の他端(左端)へ導入された後、二分割された伝熱部6の他方の伝熱管6aを通過して出口ヘッダ8の他端(左端)に接続された導出管7から導出され、又、流量調節弁12を閉じた状態では、入口ヘッダ5の他端(左端)に接続された導入管4から供給される被加熱流体は、二分割された伝熱部6の一方の伝熱管6aを通過して中間導出ヘッダ15の他端(左端)から切換管18を介して中間導入ヘッダ16の一端(右端)へ導入された後、二分割された伝熱部6の他方の伝熱管6aを通過して出口ヘッダ8の一端(右端)に接続された導出管7から導出される。
(1-c)「【0030】又、ボイラ本体1内の幅方向へ配列されたバーナ2の燃焼状態の不均等並びに燃焼ガスの流れの不均等に伴い、再熱器3の伝熱部6の幅方向において収熱に差が生じた場合、流量調節弁10,12の開度を調節し、入口ヘッダ5の一端(右端)に接続された導入管4から伝熱部6を通過せずにバイパスライン9を経由して出口ヘッダ8の一端(右端)に接続された導出管7へ導かれる低温の被加熱流体の流量と、入口ヘッダ5の他端(左端)に接続された導入管4から伝熱部6を通過せずにバイパスライン11を経由して出口ヘッダ8の他端(左端)に接続された導出管7へ導かれる低温の被加熱流体の流量とを適宜調節すると、出口ヘッダ8の両端から導出される被加熱流体の出口温度に差が生じなくなる。」
(1-d)「
【図2】
[図:0001381480000001.jpg]
」
(1-e)段落【0003】には、「前記再熱器3は、・・・入口ヘッダ5と、・・・伝熱部6と、・・・出口ヘッダ8とを備えてなる構成を有しており」と記載され、段落【0027】には、「出口ヘッダ8の他端(左端)に接続された導出管7」及び「出口ヘッダ8の一端(右端)に接続された導出管7」との記載があるから、再熱器3は、導出管7に一端及び他端が接続される出口ヘッダ8を有するといえる。
上記(1-a)~(1-e)の事項を総合すると、引用例1には、次の発明が記載されていると認められる(以下「引用発明」という。)。
「内部に水を含む蒸気等の被加熱流体が流通され、高温の燃焼ガスによって前記被加熱流体を加熱する再熱器3と、再熱器3の入口ヘッダ5の一端及び他端に接続されて被加熱流体を供給する導入管4と、再熱器3の出口ヘッダ8の一端及び他端に接続されて被加熱流体を導出する導出管7とを備える再熱器用温度調節装置であって、
入口ヘッダ5の一端に接続された導入管4途中と出口ヘッダ8の一端に接続された導出管7途中とをバイパスライン9によって接続し、該バイパスライン9途中に流量調節弁10を設けると共に、入口ヘッダ5の他端に接続された導入管4途中と出口ヘッダ8の他端に接続された導出管7途中とをバイパスライン11によって接続し、該バイパスライン11途中に流量調節弁12を設け、
再熱器3の伝熱部6の幅方向において収熱に差が生じた場合、流量調節弁10、12の開度を調節し、入口ヘッダ5の一端に接続された導入管4から伝熱部6を通過せずにバイパスライン9を経由して出口ヘッダ8の一端に接続された導出管7へ導かれる低温の被加熱流体の流量と、入口ヘッダ5の他端に接続された導入管4から伝熱部6を通過せずにバイパスライン11を経由して出口ヘッダ8の他端に接続された導出管7へ導かれる低温の被加熱流体の流量とを適宜調節すると、出口ヘッダ8の両端から導出される被加熱流体の出口温度に差が生じなくなり、
再熱器3は、導出管7に一端及び他端が接続される出口ヘッダ8を有する、再熱器用温度調節装置。」
(2)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「内部に水を含む蒸気等の被加熱流体が流通され、高温の燃焼ガスによって前記被加熱流体を加熱する再熱器3」は、内部に被加熱流体が流通された後、再熱蒸気として吐出することは明らかであるから、本願補正発明の「蒸気を加熱して再熱蒸気として吐出する再熱器」に相当する。
また、引用発明の「再熱器3の入口ヘッダ5の一端及び他端に接続されて非加熱流体を供給する導入管4」は、本願補正発明の「前記再熱器に前記蒸気を供給する蒸気供給流路」に相当し、そして、引用発明の「再熱器3の出口ヘッダ8の一端及び他端に接続されて被加熱流体を導出する導出管7」は、本願補正発明の「前記再熱器から吐出される前記再熱蒸気を案内する複数の再熱蒸気流路」に相当する。
よって、引用発明の「内部に水を含む蒸気等の被加熱流体が流通され、高温の燃焼ガスによって前記被加熱流体を加熱する再熱器3と、再熱器3の入口ヘッダ5の一端及び他端に接続されて被加熱流体を供給する導入管4と、再熱器3の出口ヘッダ8の一端及び他端に接続されて被加熱流体を導出する導出管7とを備える再熱器用温度調節装置」は、本願補正発明の「蒸気を加熱して再熱蒸気として吐出する再熱器と、前記再熱器に前記蒸気を供給する蒸気供給流路と、前記再熱器から吐出される前記再熱蒸気を案内する複数の再熱蒸気流路とを備える再熱システム」に相当する。
イ 引用発明の「入口ヘッダ5の一端に接続された導入管4途中と出口ヘッダ8の一端に接続された導出管7途中とをバイパスライン9によって接続し、該バイパスライン9途中に流量調節弁10を設けると共に、入口ヘッダ5の他端に接続された導入管4途中と出口ヘッダ8の他端に接続された導出管7途中とをバイパスライン11によって接続し、該バイパスライン11途中に流量調節弁12を設け」た点は、導出管7(再熱蒸気流路)に、バイパスライン9、11に設けた流量調整弁10、12により調整された被加熱流体(温度調整用蒸気)を供給する構成を備えるものといえるから、本願補正発明の「蒸気供給流路あるいは再熱蒸気流路に温度調整用蒸気を供給する温度調整機構」を備える点に相当する。
ウ 引用発明の「出口ヘッダ8の両端から導出される被加熱流体の出口温度に差が生じなくなる」点は、本願補正発明の「複数の再熱蒸気流路を流れる再熱蒸気の温度が均一化される」点に相当する。
また、引用発明の「流量調節弁10,12の開度を調節し、入口ヘッダ5の一端に接続された導入管4から伝熱部6を通過せずにバイパスライン9を経由して出口ヘッダ8の一端に接続された導出管7へ導かれる低温の被加熱流体の流量と、入口ヘッダ5の他端に接続された導入管4から伝熱部6を通過せずにバイパスライン11を経由して出口ヘッダ8の他端に接続された導出管7へ導かれる低温の被加熱流体の流量とを適宜調節する」点は、本願補正発明の「温度調整機構からの前記温度調整用蒸気の供給量を制御する」点に相当する。
よって、引用発明の「再熱器3の伝熱部6の幅方向において収熱に差が生じた場合、流量調節弁10,12の開度を調節し、入口ヘッダ5の一端に接続された導入管4から伝熱部6を通過せずにバイパスライン9を経由して出口ヘッダ8の一端に接続された導出管7へ導かれる低温の被加熱流体の流量と、入口ヘッダ5の他端に接続された導入管4から伝熱部6を通過せずにバイパスライン11を経由して出口ヘッダ8の他端に接続された導出管7へ導かれる低温の被加熱流体の流量とを適宜調節すると、出口ヘッダ8の両端から導出される被加熱流体の出口温度に差が生じなくなる」構成と、本願補正発明の「複数の再熱蒸気流路を流れる再熱蒸気の温度が均一化されるように温度調整機構からの前記温度調整用蒸気の供給量を制御する制御部」を備える点とは、「複数の再熱蒸気流路を流れる再熱蒸気の温度が均一化されるように温度調整機構からの前記温度調整用蒸気の供給量を制御する」点で共通する。
エ 引用発明の「再熱器3は、導出管7に一端及び他端が接続される出口ヘッダ8を有する」点と、本願補正発明の「再熱器は、再熱蒸気流路に各々接続される複数の出口ヘッダ管を有する点とは、「再熱器は、再熱蒸気流路に接続される出口ヘッダ管を有する」点で共通する。
オ 引用発明の「再熱器用温度調節装置」は、本願補正発明の「再熱システム」に相当する。
したがって、本願補正発明と引用発明とは、
「蒸気を加熱して再熱蒸気として吐出する再熱器と、前記再熱器に前記蒸気を供給する蒸気供給流路と、前記再熱器から吐出される前記再熱蒸気を案内する複数の再熱蒸気流路とを備える再熱システムであって、
前記蒸気供給流路あるいは前記再熱蒸気流路に温度調整用蒸気を供給する温度調整機構と、
を備え、
複数の前記再熱蒸気流路を流れる前記再熱蒸気の温度が均一化されるように前記温度調整機構からの前記温度調整用蒸気の供給量を制御し、
前記再熱器は、前記再熱蒸気流路に接続される出口ヘッダ管を有することを特徴とする再熱システム。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点1]
複数の再熱蒸気流路を流れる再熱蒸気の温度が均一化されるように温度調整機構からの温度調整用蒸気の供給量を制御する点に関して、本願補正発明は、そのように制御する「制御部」を備えるのに対し、引用発明は、制御部について明示されていない点。
[相違点2]
再熱蒸気流路に接続される出口ヘッダ管に関して、本願補正発明は「複数」有していて、「再熱蒸気流路に各々接続され」ているのに対し、引用発明は、そのように特定されていない点。
(3)判断
ア 上記[相違点1]について検討する。
引用発明において、再熱器3の伝熱部6の収熱に差が生じた場合の流量調節弁10,12の開度調節を行う際に、制御部を設けて、当該制御部で開度調節を行うようにすることは、当業者が適宜なし得たことである。
イ 上記[相違点2]について検討する。
再熱器等の蒸気生成器において出口ヘッダを複数設けることは周知の技術である(例えば、特開平9-21505号の段落【0001】~【0003】、図4に記載された2つの再熱器系統からなるボイラの再熱器において出口ヘッダが複数ある点、特表2013-500457号公報の段落【0089】、図6に記載された蒸気生成器において蒸気出口端管から構成されるヘッダ68、69、610を複数設けた点、特開平6-26610号公報の段落【0011】、図1に記載された再加熱ユニット「R」の下部ヘッダー24を複数設けた点を参照のこと。)。
よって、引用発明における再熱器において、上記周知の技術を適用し、再熱蒸気流路に各々接続される出口ヘッダ管を複数設け、上記相違点2に係る本願補正発明の構成とすることは当業者が容易になし得たことである。
ウ 本願補正発明が奏する効果について
本願補正発明が奏する効果は、当業者が引用発明及び周知の技術から予測し得る程度のものであって、格別のものではない。
エ 請求人の主張について
請求人は、審判請求書において「本願発明と引用発明1とを対比すると、再熱器が複数の出口ヘッダ管を有するか否かにおいて明確に相違する。
本願発明は、『前記再熱器は、前記再熱蒸気流路に各々接続される複数の出口ヘッダ管を有する』を構成要件Dとして備えるが、引用発明1は、上記構成要件Dに相当する構成要件及び上記構成要件Dに類似する構成要件を備えるものではない。
すなわち、本願発明は、再熱器の製作性を向上させるために複数の出口ヘッダ管を有するが、引用発明1は、単一の出口ヘッダ8(出口ヘッダ管)を有するものであり、再熱器の製作性を向上させるために複数の出口ヘッダ8を有するものではない。」と主張する(「4.本願発明と引用発明との対比」)。
しかしながら、上記イで検討したとおり、再熱器等の蒸気生成器において出口ヘッダを複数設けることは周知の技術であり、構成要件Dの「前記再熱器は、前記再熱蒸気流路に各々接続される複数の出口ヘッダ管を有する」点は、引用発明に周知の技術を適用することにより当業者が容易になし得たものである。
そして、再熱器の製作性を向上させるという効果は、引用発明及び周知の技術から予測されるものにすぎない。
よって、請求人の主張は採用できない。
(4)まとめ
以上のように、本願補正発明は、引用発明及び周知の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
4 むすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~3に係る発明は、令和2年9月4日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~3に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記「第2[理由]1(1)」に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、次の理由を含むものである。
この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1:特開平9-4813号公報
3 引用例
引用例1及びその記載事項は、前記「第2[理由]3(1)」に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、本願補正発明の「出口ヘッダ管」に関して、「前記再熱蒸気流路に各々接続される複数の」から、補正前の「再熱蒸気を案内する複数の再熱蒸気流路に各々接続される」に戻し、出口管が複数あるとの限定を削除するものである。
本願発明と引用発明とを対比すると、前記「第2[理由]3(2)」で検討した相違点1と同様の相違点において相違するから、前記「第2[理由]3(3)(4)」で検討したとおり、本願発明は、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項に該当し、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項について検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2021-001202