商標拒絶査定不服審判
2021-000999
イエワドーグ、ウチワドーグ、イエワ、ウチワ、イエ、ウチ、ドーグ
- 審判番号
- 2021-000999
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2019-076564
- 請求日
- 2021年01月25日
- 審決日
- 2022年02月15日
- 公報発行日
- 2022年05月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社アールシーコア
- 【請求人代理人】中田 和博
- 【請求人代理人】青木 博通
- 審判長/審判官
- 審判長 岩崎 安子
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 茂木 祐輔
- 分類
- T18 .16 -Z (W37)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2019-76564拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は,成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は,「家は、道具。」の文字を標準文字で表してなり,第37類「建設工事,建設工事に関する助言,建設工事に関する情報の提供」を指定役務として,令和元年5月31日に登録出願されたものである。
本願は,令和2年3月26日付けで拒絶理由の通知がされ,同年8月11日付けで意見書が提出されたが,同年10月22日付けで拒絶査定がされたものであり,これに対して同3年1月25日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,「本願商標は,『家は、道具。』を標準文字で表してなるところ,その構成中の『家』の文字は,『人が住むための建物』,『道具』の文字は,『物を作り出すため,あるいは仕事をはかどらせるため,また生活の便のために用いる器具の総称』の意味を有し,インターネット情報によれば,『家は道具』の文字が『家は,住む人がより良く暮らすための道具である』ほどの意味合いで,建設会社,建築設計事務所,建築士等の家づくりに関する考え方として,また集客するための宣伝広告の文言として広く使用されている。そうすると,本願商標をその指定役務に使用しても,これに接する取引者,需要者は,本願商標を自他役務の識別標識として認識するというよりはむしろ,『家は,住む人がより良く暮らすための道具である』という建設会社,建築設計事務所,建築士等の家づくりに関する考え方の一類型又は集客するための宣伝広告の文言として認識,理解するにとどまるから,本願商標は,需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものである。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
第3 当審における審尋
1 当審において,令和3年10月28日付け審尋により,別掲2に掲げる事実を記載した上で,本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとの暫定的見解を示し,期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
2 上記1の審尋において,本願商標が自他役務を識別することができることを証する資料の提出の用意があるとする請求人の主張に対し,資料の提出を求めた。
第4 審尋に対する請求人の回答の要旨
1 請求人は,前記第3の審尋に対し,令和3年12月13日付け回答書を提出し,要旨以下のとおり意見を述べた。
(1)提示された事例は,原審において引用された文献を含め,11件の記載事例があるにすぎず,これら事例をもって役務一般に使用される語句からなると判断することはできない。
(2)商標はその出所識別標識としての性質上,「家は道具」のように優れて簡潔であることが必要とされるところ,ある考え方が記述されているからといって直ちに自他商品識別力を欠くことにはならない。
(3)引用された事例の多くは,表現態様によって,ある考え方が叙述されているのであって,端的に「家は道具」と表現したものは1社の事例にすぎない。
2 請求人は,前記第3の2に対し,何ら資料の提出をしなかった。
第5 当審の判断
1 本願商標について
本願商標は,「家は、道具。」の文字を標準文字で表してなるところ,本願商標を構成する文字の語義や使用事例について,以下のとおり確認することができる。
(1)「道具」の語義について
「大辞林第四版(株式会社三省堂発行)」において,「道具」の意味として,原審で示した「物を作り出すため、あるいは仕事をはかどらせるため、また生活の便のために用いる器具の総称。」のほかに,「他の目的のための手段・方法として利用される物や人。」の記載がある。
(2)インターネットにおける「家は道具」等の文字の使用事例について
本願の指定役務を提供する分野において,家を道具として捉え,家づくりの基本的な考え方を表す事例や,そのような考え方について「家は道具」と端的に表す事例は,原審で示した事実(別掲1)に加え,別掲2で示す事実を確認することができる。
これらの事実からすると,本願の指定役務を提供する分野において,「家」を,快適な暮らし,家族との幸せな暮らし,豊かで楽しい生活等,より良く暮らすという目的を達成するためのもの(手段)として捉え,「家は〇〇のための道具」のように表現し,家づくりの基本的な考え方を示す事例が見られる。また,そのような考え方について「家は道具」と端的に表す事例がある。
2 商標法第3条第1項第6号該当性について
上記1よりすれば,本願商標構成中の「道具」の文字は,「他の目的のための手段として利用されるもの」の意味を有し(1(1)),また,本願の指定役務を提供する分野において,「家」を,より良く暮らすためのもの(手段)として捉え,「家は〇〇のための道具」,「家は道具」等のように,家を道具に例える表現は,家づくりの基本的な考え方を示すものとして一般に使用されている事例が確認できる(1(2))。
そうすると,家を道具に例える表現の一種といえる「家は道具」の文字は,「家は,より良く暮らすための道具(手段)」ほどの意味合いをもって家づくりの基本的な考え方を示したものと理解されるものというべきである。
また,本願の指定役務(建築関係)との関係において,家づくりの基本的な考え方を示した「家は道具」の文字は,役務の説明を表したものということができ,さらに,事業の宣伝広告に使用される表現として用いられているものである。
そうすると,「家は、道具。」の文字からなる本願商標は,これをその指定役務について使用をしても,これに接する取引者,需要者は,「家は,より良く暮らすための道具(手段)」ほどの意味合いをもって,役務を提供する際に家づくりの基本的な考え方を示す役務の説明としての宣伝広告を表示したものと認識するにとどまり,何人かの業務に係る役務であることを認識することができないというべきである。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当する。
3 請求人の主張について
(1)請求人は,提示された使用事例は原審における事例を含めて11件であり,これら事例をもって役務一般に使用される語句からなると判断することはできず,また,事例の多くはある考え方が叙述されているものであって,ある考え方が記述されているからといって直ちに自他役務識別力を欠くことにはならない旨主張する。
しかしながら,各事例は,前記1(2)及び2のとおり,いずれも「家は道具」等の文字が,家づくりという,本願の指定役務(建築関係)についての基本的な考え方を表したものとして使用され,宣伝広告に用いられるものである。そうすると,本願商標に接する取引者,需要者は,これを自他役務の識別標識として認識するというよりは,上記各事例と同様,家づくりの基本的考え,すなわち役務の説明を表したものと理解するにとどまるというべきである。
(2)請求人は,請求人が2000年4月以降,現在に至るまでパンフレット等に本願商標を使用してきた結果,本願の指定役務の需要者に広く知られており,自他役務を識別することができるものとなっている旨主張する。
しかしながら,前記第4の2のとおり,当審において請求人に対し資料を提出する機会を与えたものの,請求人は何ら資料を提出していないことから,上記主張を採用することはできない。
(3)したがって,請求人の主張は,いずれも採用することができない。
4 まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当するから,これを登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
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