2021-000314
複数蓄電池を遠隔から群制御することによる電力供給システム及び電力供給方法
- 審判番号
- 2021-000314
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-020297外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年01月08日
- 審決日
- 2022年10月19日
- 公報発行日
- 2022年11月25日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】SBエナジー株式会社
- 【請求人代理人】佐々木 敦朗
- 分類
- P18 .121-WY (H02J) / P18 .537-WY (H02J)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 16項目
第1 手続の経緯
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本願は、平成29年2月7日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
け通知書により本手続補正書は返戻)の提出
第2 原査定の概要
原査定(令和2年10月6日付け拒絶査定)の概要は、次のとおりである。
この出願の請求項1~5に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献A~Dに記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第3 当審拒絶理由の概要
1 当審拒絶理由A
当審が令和4年5月27日付けで通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由A」という。)の概要は次のとおりである。
(1) 理由1
この出願の請求項1~4に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1~3に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
(2) 理由2
この出願は、特許請求の範囲の記載が以下の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
請求項3の「前記管理データベースでは、前記グループ毎に優先度が付与されており、前記グループ管理部は、実績情報に基づいて前記集計を再実行して前記グループ単位での制御を行う再計算機能を有している」の「優先度」が付与される対象について特定がなく、不明である。
また、この「優先度」を用いた処理が特定されていないから、「優先度」を付与することの技術的意義も不明である。
2 当審拒絶理由B
当審が令和4年8月24日付けで通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由B」という。)の概要は次のとおりである。
この出願は、特許請求の範囲の記載が以下の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
請求項3の「前記集計」は、この記載より前、及び、請求項3が引用する請求項1に「集計」との記載が無く、何を指し示しているのかが不明確である。
また、請求項3の「実績情報」は、何の実績情報であるのか不明確である。
第4 本願発明
本願の請求項1~4に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明4」という。)は、令和4年8月30日になされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定される発明であり、このうち、本願発明1は、以下のとおりの発明である。
「 【請求項1】第1及び第2の発電所に接続された電力系統を通じて電力を供給するとともに、複数蓄電池を遠隔から群制御し、前記第2の発電所が第1の発電所から受けていた出力制御を、アグリゲーターで受け取り、前記出力制御が必要な容量V1の一部である容量V2分を複数蓄電池に負担させ、この容量V2分を差し引いた残余の容量V3分を、書き換えられた出力制御として前記アグリゲーターから前記第2の発電所に配布する電力供給システムであって、前記電力系統に接続され、電力の需要単位毎に設置された複数の蓄電装置と、続きを表示(全12行)前記需要単位毎に設けられ、前記各蓄電装置の充電又は前記蓄電装置から各需要単位における負荷への放電の制御を行う複数の制御装置と、前記第1の発電所から前記第2の発電所に対して送出される、電力供給の調整を指示する制御指示を取得する制御指示取得部と、前記複数の制御装置に関する情報を、各蓄電装置の充放電速度の能力に応じたカテゴリーを含む属性に従い各制御装置を所定のグループに分類して蓄積する管理データベースと、前記制御指示の内容に応じて、前記管理データベースを参照して、前記所定のグループ単位で、且つ各蓄電装置の単位時間あたりの充放電量に基づいて、前記蓄電池の充電又は放電のスケジュールを作成し、前記スケジュールに従って制御を行うグループ管理部とを備え、前記管理データベースでは、前記グループ毎に優先度が付与されており、前記容量V2から、前記優先度順に、グループに対して割り当てを行うことを特徴とする電力供給システム。」
また、本願発明2は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明3は、本願発明2を減縮した発明であり、本願発明4は、本願発明1に対応する方法の発明であって、実質的にカテゴリ表現が異なるだけの発明である。
第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1の記載事項及び引用発明について
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令和4年5月27日付けで通知した当審拒絶理由Aの理由1に引用された引用文献1には、次の事項が記載されている(下線は強調のため当審にて付与。以下同様。)。
「[0004] 以下の分析は、本発明によって与えられたものである。近年、太陽光発電(photovoltaics、solar photovoltaicsとも言う。以下、「PV」と記す)や風量に代表される再生可能エネルギーを用いた分散型電源(発電装置)の急増により、電力系統に逆潮流する余剰電力が増加し、電力系統が不安定となる問題が生じている。[0005] この対策として、特許文献1のように太陽光発電等の出力抑制をすることが考えられる。しかしながら、出力抑制が実施されると、発電装置で発電可能な電力は、発電されない状態となっていた。[0006] 本発明は、上記した余剰電力問題の解決に貢献しながら、上記発電可能な電力の有効活用可能な発電装置監視制御システム、制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。」
「[0012][図1]本発明の第1の実施形態の発電装置監視制御システムの構成を示す図である。[図2]本発明の第2の実施形態の発電装置監視制御システムの構成を示す図である。[図3]本発明の第3の実施形態のシステム構成を示す図である。[図4]本発明の第3の実施形態の別のシステム構成の例を示す図である。続きを表示(全12行)[図5]本発明の第3の実施形態の発電装置監視制御システムの構成を示す図である。[図6]本発明の第3の実施形態の制御装置の構成例を示す図である。[図7]本発明の第3の実施形態の動作を説明するための図である。[図8]本発明の第3の実施形態の制御装置における抑制実行計画の策定処理の一例を示す図である。[図9]本発明の第3の実施形態の効果を説明するための図である。[図10]本発明の変形実施形態を説明するための図である。[図11]本発明の変形実施形態を説明するための図である。」
「[0017] 前記制御装置110による蓄電池への充電制御は、電力抑制制御を要請する電力会社等において、出力抑制制御と同様に取り扱われることが望ましい。このようにすることで、前記蓄電池への充電を行っていた時間も、電力会社等からの要請による電力抑制制御の累計時間に算入されることになる。ユーザとしては、電力抑制制御に協力しながら、蓄電池に電力を貯めることが可能となる。」
「[0023][第3の実施形態]続いて、電力系統側の構成も含めてより詳細な制御を行う本発明の第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図3は、本発明の第3の実施形態の基本システム構成を示す図である。図3を参照すると、電力系統側の配電自動化システム320と、中央給電システム310と、制御装置110及び発電装置群120との間に、管理装置200が配置された構成が示されている。[0024] 中央給電システム(以下、「中給システム」)310は、各系統の系統集約発電量と、想定される電力需要とに基づいて、電力需給の過不足を計算し、管理装置200に抑制スケジュールを送信する。[0025] 配電自動化システム(以下、「配自システム」)320は、事故復旧、設備保守、過負荷解消等の理由により配電網の切り替えを実施し、管理装置200側に、発電装置の接続情報を送信する。続きを表示(全28行)[0026] 管理装置200は、図示省略するネットワークを介して、制御装置110と接続されている。なお、発電装置が多数存在する場合や管理上の必要がある場合には、管理装置200は、複数配置することができる。[0027] 制御装置110は、各地に配置された発電装置120を監視、制御する機器である。[0028] 管理装置200は、中給システム310から受信した抑制スケジュールと、配自システム320から受信した接続情報とに基づいて、当該発電装置120に接続された制御装置110に対し、出力電力の抑制指示を送信する。また、管理装置200は、制御装置110から受信した個々の発電装置の発電量情報(個別発電量)を集約して中給システム310に送信する(抑制スケジュールフィードバック)。また、このフィードバックには、個々の発電装置の累計抑制時間を含めることができる。[0029] なお、図3に示した構成は本発明を簡単に説明するためのものであり、種々の変更を加えることが可能である。例えば、管理装置200と制御装置110とは、移動体通信網やインターネット等の通信網を介して接続されていてもよい。また例えば、発電装置120及び制御装置110が多数、広範なエリアに配置されている場合、図4に示すように、管理装置を複数、階層的に配置し、上位の管理装置(親)230が、複数の管理装置(子)220に処理を分散できるよう構成することも可能である。また、図3、図4の上段に示した電力系統側のシステムもあくまで一例であり、各電力会社のシステム構成に応じて変更される。[0030] 続いて、上述した管理装置200の構成及び機能について、より詳細に説明する。図5は、管理装置の構成及び機能を簡単に説明するために、図3を模式化した図である。図5を参照すると、電力系統側の電力系統管理部311と、制御装置110が接続された広域ネットワークとの間に、管理装置200が配置された構成が示されている。[0031] 電力系統側の電力系統管理部311は、上述の中給システム310に相当する機能を有し、電力の需給バランスを調整し、発電スケジュールの計画を行う。また、電力系統管理部311は、管理装置200に対して、抑制スケジュールを送信する機能を有している。なお、管理装置200が複数配置されている場合、電力系統管理部311が、個々の管理装置200に抑制スケジュールを作成して送信することとしてもよい。また、図4に例示されているように、上位の管理装置(親)230に系全体の抑制スケジュールを送信し、管理装置(親)230にエリア単位の抑制スケジュールを作成させ、管理装置(子)220に送信する構成を採用してもよい。[0032] また、電力系統管理部311は、上述の配自システム320に相当する機能も有し、電力系統に接続している各発電装置の配電ルートの管理及び配電ルートの変更のための開閉器を制御する。また、電力系統管理部311は、管理装置200に対して、接続情報(発電装置の接続情報)を送信する機能を有している。[0033] 管理装置200は、電力系統側のシステムと通信するための上位側双方向通信部231と、制御部232と、広域通信網を介して配下の制御装置110a、110b(以下、制御装置110を特に区別しない場合「制御装置110」と記す。)と通信するための下位側双方向通信部233と、管理情報記憶部234とを備えている。[0034] 制御部232は、管理情報記憶部234に保持された接続情報と、電力系統管理部311から受信した抑制スケジュールとに基づいて、発電装置を対象とした抑制スケジュールを作成し、各制御装置110に抑制指示を送信する。また、前記電力系統管理部311から管理装置200への抑制スケジュールの送信は、管理装置200からの抑制スケジュールの送信要求に応じて電力系統管理部311が送信する形態であってもよい。また、制御部232は、管理情報記憶部234に、制御装置110から受信したリアルタイムの発電量や、制御装置110に送信した抑制スケジュールを所定期間保存するようにしてもよい。[0035] 管理情報記憶部234は、電力系統側から送信された接続情報や、抑制スケジュールを記憶する。また、管理情報記憶部234は、個々の制御装置110から受信した各発電装置の仕様情報や稼働状態、制御部232にて計算された各発電装置の抑制スケジュール等の管理情報を記憶する。[0036] 制御装置110は、PVの稼働状態等を表示する表示部113を備え、発電装置120を監視制御する機器である。また、本実施形態の制御装置110には、蓄電装置又は負荷装置の少なくとも一方が接続されている。図5の例では、制御装置110aには、蓄電装置として、蓄電池115aが接続されている。また、制御装置110bには、蓄電装置として、EV(電気自動車)115bが接続され、負荷装置として、ヒートポンプ利用機器215aが接続されている。[0037] また、制御装置110は、図示省略する受信インタフェース(受信機能)のほか、制御部1111と、記憶部1112とを備えている。記憶部1112には、PVの定格発電容量等の機能情報、稼働状態等のPV情報が保持される。また、記憶部1112には、蓄電池115aやヒートポンプ利用機器215aの接続有無と、蓄電池115aや定格発電容量、定格消費電量等のヒートポンプ機能情報、蓄電池115aの充電状態を含む蓄電装置や負荷装置側の情報も保持される。[0038] 制御部1111は、管理装置から受信した抑制制御情報に示された内容と、蓄電池115aやEV(電気自動車)115b搭載の蓄電池の充電状態(State Of Charge;SOC情報)、負荷装置の接続有無等に基づいて、制御装置110から受信した(当審注:「管理装置から受信した」の誤記と認められる。)抑制制御情報を含んだ抑制指示をどの機器に実行させるか否かを決定し、当該機器に、抑制指示、蓄電指令や消費指令を送信する。なお、このような制御部1111を備えた制御装置110としては、EMS(Energy Management System)、HEMS(Home Energy Management System)等の蓄電装置と連係動作する制御装置を用いることもできる。また、制御装置110は、発電装置を制御する専用の装置とし、別体として蓄電装置を制御するEMSやHEMSを備えるシステムとすることもできる(図11参照)。[0039] 発電装置120は、インバータ等を備え、PV等から出力される直流電力を交流電力に変換する機能を備えているパワーコンディショナー(PCS)とも呼ばれる機器である。また、本実施形態の発電装置120は、制御装置110から受信した抑制指示(抑制制御情報)に基づいて、インバータを制御することにより、PV等にて発電される電力の変換効率を調整することにより、抑制制御を実施可能となっている。本実施形態の発電装置120は、制御装置110に対して、所定の周期で発電量等を送信する機能を備えている。前記発電量等は、制御装置110が発電装置120に要求し、発電装置120から取得する形態であってもよい。[0040] 蓄電池115a及びEV(電気自動車)115bは、制御装置110a及び110bから蓄電指令に従い、発電装置120から電力の供給を受けて充電される。[0041] ヒートポンプ利用機器215aは、制御装置110bからの消費指令に従い、発電装置120から電力の供給を受けて電力消費動作を行う。例えば、ヒートポンプ利用機器215aは制御装置110bからの消費指令により定められた時間、出力にてヒートポンプを運転する動作を行う。これにより、意図された電力の消費が実現される。[0042] なお、図5に示した制御装置110の機能は、図6に示すように、制御装置を構成するコンピュータに、そのハードウェア(CPU1320、記憶装置1340、通信デバイス等)を用いて、上記した各処理を実行させるコンピュータプログラムにより実現することもできる。[0043] 続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。図7は、本発明の第3の実施形態の動作を説明するための図である。まず、電力系統管理部311は、所定の契機で接続情報と、抑制スケジュールとを管理装置200に送信する。管理装置200は、前記接続情報と、抑制スケジュールとを管理情報記憶部234に記憶する(ステップS001)。[0044] 一方、蓄電池115a又はEV115bは、所定の時間間隔で制御装置110に蓄電池の充電状態を示す蓄電池情報を送信する。制御装置110は、前記受信した蓄電情報を用いて記憶部1112の保存されている蓄電池情報を更新する(ステップS002)。なお、蓄電池情報には、充電状態のほか、蓄電池の識別情報や蓄電池の温度、充放電履歴等を含めてもよい。[0045] 次に、制御装置110は、前記更新後の蓄電池情報に基づいて、蓄電池115aやEV115bの蓄電池の充電可能量を計算する(ステップS003)。この蓄電池の充電可能容量は、蓄電池情報に蓄電池の充電済み容量が含まれていれば、蓄電池の定格容量(最大充電可能容量)から充電済み容量を差し引くことで求めることができる。また、蓄電池情報に蓄電池の充電済み容量が含まれていない場合、充電済み容量は、例えば、蓄電池のSOC(充電率)に蓄電池の定格容量を乗ずることでも算出できる。また、蓄電池情報に蓄電池の充電可能量が含まれている場合にはステップS003を省略することができる。[0046] 一方、管理装置200は、ステップS001で受信した接続情報と、抑制スケジュールに基づいて制御装置110用の抑制スケジュールを作成する(ステップS004)。この抑制スケジュールは、例えば、電力系統管理部311側から受信した抑制スケジュールが、個々の発電装置を指定して抑制発電量や抑制時期を指定したものであれば、これをそのまま使用することができる。[0047] また、電力系統管理部311から受信した抑制スケジュールが、エリアやグループ単位での抑制発電量や抑制時期のみを指定したものである場合も考えられる。この場合は、このような抑制スケジュールを実現できるように、管理装置200が、個々の発電装置に対する抑制発電量や抑制時間帯を割り当てた抑制スケジュールを作成することになる。またこの場合に、管理装置200が、個々の発電装置が発電中であるか否かや、個々の発電装置の規模(発電能力)、ユーザとの契約状態、累計抑制時間等を考慮して抑制スケジュールを作成してもよい。[0048] 次に管理装置200は、前記作成したPVの抑制スケジュールに従って、抑制対象の発電装置120に接続された制御装置110に対して、抑制制御情報(出力発電量の指示)を送信する。[0049] 前記抑制制御情報を受信した制御装置110は、抑制制御情報と、接続されている蓄電池115aの充電可能量とに基づいて、抑制制御情報にて指示された内容をどのように実行するかを定めた抑制実行計画を策定する(ステップS005)。」
「[0052] ここで、上記制御装置110による抑制実行計画の策定処理について具体例を示してより詳細に説明する。図8は、制御装置110による抑制実行計画の策定処理の一例を示す図である。図8は、管理装置200からの抑制制御情報による指示が「抑制率」である場合の抑制実行計画の策定処理の流れを表している。[0053] まず、制御装置110は、記憶部1112から蓄電池情報を取得する(ステップS003-1)。次に、制御装置110は、蓄電池の定格容量(最大充電可能容量)から充電済み容量を差し引いて、蓄電池の充電可能量を計算する(ステップS003-2)。なお、上記ステップS003-1、S003-2が、図7のステップS003に相当する。[0054] まず、制御装置110は、抑制制御情報に含まれる抑制率を用いて管理装置200側から指示された抑制電力(指示抑制電力)を計算する(ステップS005-1)。前記指示抑制電力は、抑制対象の発電装置の容量(定格容量)に、前記抑制率を乗じることで算出できる。例えば、10kWのPVに30%の抑制率が指示された場合、3kWの出力を抑制し、出力を7kWに落とすよう指示されたことになる。[0055] 次に、制御装置110は、ステップS003-2で計算した蓄電池の充電可能量が0以上であるか否かを確認する(ステップS005-2)。ここで、蓄電池の充電可能量0である場合、以降の処理(蓄電池への充電指示)は省略されて、発電装置120単体での抑制が行われる(ステップS005-5へ)。なお、ステップS005-1において、蓄電池の充電可能量と比較する値は0でなくてもよい。例えば、蓄電池の定格容量(最大充電可能容量)の5%、10%等といった予め定められた値と比較することもできる。このようにすることで、充電回数を減らすことができる。[0056] 蓄電池の充電可能量が0以上であった場合、制御装置110は、充電可能量を用いて、発電装置120に指示する抑制率(抑制制御率)を再計算する(ステップS005-3)。具体的には、制御装置110は、ステップS005-1で計算した抑制電力(指示抑制電力)と、充電可能量と、蓄電池115aの充電効率とを用いて、次式[数1]により抑制率を算出することができる。なお、充電効率の値は、蓄電池115aの種類や充電電流値によって求められるので事前に算出しておけばよい。もちろん、充電ロスがないものとみなして充電効率=1(100%)で計算してもよい。[数1][図:0001390065000001.jpg][0057] なお、[数1]の右辺分子の指示抑制量-充電可能量×充電効率が0以下の場合、即ち、指示抑制量のすべてを充電池115aの充電に回せる場合は、発電装置120の抑制制御は不要となる(抑制率=0)。[0058] 以上により、抑制実行計画の策定が完了する。制御装置110は、ステップS003-2で得られた充電可能量を用いて、発電装置120及び蓄電池115aに対し蓄電指令を送信する(ステップS005-4)。[0059] また、制御装置110は、発電装置120に対しステップS005-3で得られた再計算後の抑制率により抑制制御を指示する抑制制御情報を送信する(ステップS005-5;抑制制御情報送信)。なお、ここでの制御装置110が図5の制御装置110bである場合、発電装置120での抑制に代えて、ヒートポンプ利用機器215bで電力消費を行うことも可能となる。ヒートポンプ利用機器215bで電力消費を行ってもなお、抑制すべき電力が発生してしまう場合には、発電装置120による抑制制御を併用することも可能である。」
「[0062] 図9からも明らかなとおり、本来50%の発電装置の出力を50%落とさなければならなかったところ、本実施形態によれば、25%の抑制に抑えることが可能となっている。また、この25%の電力は蓄電池115aに蓄電されているため、夜間等に利用することが可能となる。[0063] また、本実施形態においては、図7に示した管理装置200からの抑制制御情報の送信に対するアンサーバック(抑制実施報告)として50%の値を返すことができる。実際、発電装置120から電力系統側に流された電力は50%分に抑制されているからである。このため、抑制上限を定めた一定のルールの下、出力抑制を受けることが恒常化したり、出力抑制が義務化されるような状況においても、発電ができない場面を最小化することが可能となる。[0064] 以上説明したように、本実施形態によれば、蓄電池115a、EV115b等の蓄電装置やヒートポンプ利用機器等の負荷装置を利用して仮想的な抑制制御を実現することができる。なお、蓄電池の充電可能量がステップS005-1で計算した抑制電力(指示抑制電力)以上であれば、全抑制電力を蓄電池115aの充電に回すことができるので、この仮想的に抑制した電力を使用することが可能となる。このため、本発明は、今後の再生エネルギーの供給過剰となる場面において、蓄電装置の普及にも貢献できると考えられる。」
「[図3][図:0001390065000002.jpg]」
「[図5][図:0001390065000003.jpg]」
「[図7][図:0001390065000004.jpg]」
「[図8][図:0001390065000005.jpg]」
したがって、上記引用文献1には、第3の実施形態に注目すると、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「発電装置監視制御システムであって([0012]、[0023]、[0030])、電力系統側の配電自動化システム320と、中央給電システム310と、制御装置110及び発電装置群120との間に、管理装置200が配置され([0023])、中央給電システム(以下、「中給システム」)310は、各系統の系統集約発電量と、想定される電力需要とに基づいて、電力需給の過不足を計算し、管理装置200に抑制スケジュールを送信し([0024])、配電自動化システム(以下、「配自システム」)320は、事故復旧、設備保守、過負荷解消等の理由により配電網の切り替えを実施し、管理装置200側に、発電装置の接続情報を送信し([0025])、続きを表示(全33行)制御装置110は、各地に配置された発電装置120を監視、制御する機器であり([0027])、電力系統側の電力系統管理部311と、制御装置110が接続された広域ネットワークとの間に、管理装置200が配置され([0030])、電力系統側の電力系統管理部311は、中給システム310に相当する機能を有し、電力の需給バランスを調整し、発電スケジュールの計画を行い、また、電力系統管理部311は、管理装置200に対して、抑制スケジュールを送信する機能を有し([0031])、また、電力系統管理部311は、配自システム320に相当する機能も有し、電力系統に接続している各発電装置の配電ルートの管理及び配電ルートの変更のための開閉器を制御し、また、電力系統管理部311は、管理装置200に対して、接続情報(発電装置の接続情報)を送信する機能を有し([0032])、管理装置200は、電力系統側のシステムと通信するための上位側双方向通信部231と、制御部232と、広域通信網を介して配下の制御装置110a、110b(以下、制御装置110を特に区別しない場合「制御装置110」と記す。)と通信するための下位側双方向通信部233と、管理情報記憶部234とを備え([0033])、制御部232は、管理情報記憶部234に保持された接続情報と、電力系統管理部311から受信した抑制スケジュールとに基づいて、発電装置を対象とした抑制スケジュールを作成し、各制御装置110に抑制指示を送信し([0034])、管理情報記憶部234は、電力系統側から送信された接続情報や、抑制スケジュールを記憶し、管理情報記憶部234は、個々の制御装置110から受信した各発電装置の仕様情報や稼働状態、制御部232にて計算された各発電装置の抑制スケジュール等の管理情報を記憶し([0035])、制御装置110は、PVの稼働状態等を表示する表示部113を備え、発電装置120を監視制御する機器であり、また、制御装置110には、蓄電装置又は負荷装置の少なくとも一方が接続され、制御装置110aには、蓄電装置として、蓄電池115aが接続され、制御装置110bには、蓄電装置として、EV(電気自動車)115bが接続され、負荷装置として、ヒートポンプ利用機器215aが接続され([0036])、また、制御装置110は、受信インタフェース(受信機能)のほか、制御部1111と、記憶部1112とを備え、記憶部1112には、PVの定格発電容量等の機能情報、稼働状態等のPV情報が保持され、また、記憶部1112には、蓄電池115aやヒートポンプ利用機器215aの接続有無と、蓄電池115aや定格発電容量、定格消費電量等のヒートポンプ機能情報、蓄電池115aの充電状態を含む蓄電装置や負荷装置側の情報も保持され([0037])、制御部1111は、管理装置から受信した抑制制御情報に示された内容と、蓄電池115aやEV(電気自動車)115b搭載の蓄電池の充電状態(State Of Charge;SOC情報)、負荷装置の接続有無等に基づいて、管理装置から受信した抑制制御情報を含んだ抑制指示をどの機器に実行させるか否かを決定し、当該機器に、抑制指示、蓄電指令や消費指令を送信し、このような制御部1111を備えた制御装置110としては、EMS(Energy Management System)、HEMS(Home Energy Management System)等の蓄電装置と連係動作する制御装置を用いることもでき([0038])、発電装置120は、インバータ等を備え、PV等から出力される直流電力を交流電力に変換する機能を備えているパワーコンディショナー(PCS)とも呼ばれる機器であり、また、発電装置120は、制御装置110から受信した抑制指示(抑制制御情報)に基づいて、インバータを制御することにより、PV等にて発電される電力の変換効率を調整することにより、抑制制御を実施可能であり([0039])、蓄電池115a及びEV(電気自動車)115bは、制御装置110a及び110bから蓄電指令に従い、発電装置120から電力の供給を受けて充電され([0040])、ヒートポンプ利用機器215aは、制御装置110bからの消費指令に従い、発電装置120から電力の供給を受けて電力消費動作を行い([0041])、まず、電力系統管理部311は、所定の契機で接続情報と、抑制スケジュールとを管理装置200に送信し、管理装置200は、前記接続情報と、抑制スケジュールとを管理情報記憶部234に記憶し(ステップS001)([0043])、一方、蓄電池115a又はEV115bは、所定の時間間隔で制御装置110に蓄電池の充電状態を示す蓄電池情報を送信し、制御装置110は、前記受信した蓄電情報を用いて記憶部1112の保存されている蓄電池情報を更新し(ステップS002)([0044])、次に、制御装置110は、前記更新後の蓄電池情報に基づいて、蓄電池115aやEV115bの蓄電池の充電可能量を計算する(ステップS003)([0045])、一方、管理装置200は、ステップS001で受信した接続情報と、抑制スケジュールに基づいて制御装置110用の抑制スケジュールを作成し(ステップS004)、この抑制スケジュールは、電力系統管理部311側から受信した抑制スケジュールが、個々の発電装置を指定して抑制発電量や抑制時期を指定したものであれば、これをそのまま使用することができ([0046])、また、電力系統管理部311から受信した抑制スケジュールが、エリアやグループ単位での抑制発電量や抑制時期のみを指定したものである場合は、このような抑制スケジュールを実現できるように、管理装置200が、個々の発電装置に対する抑制発電量や抑制時間帯を割り当てた抑制スケジュールを作成することになり([0047])、次に管理装置200は、前記作成したPVの抑制スケジュールに従って、抑制対象の発電装置120に接続された制御装置110に対して、抑制制御情報(出力発電量の指示)を送信し([0048])、前記抑制制御情報を受信した制御装置110は、抑制制御情報と、接続されている蓄電池115aの充電可能量とに基づいて、抑制制御情報にて指示された内容をどのように実行するかを定めた抑制実行計画を策定し(ステップS005)([0049])、ここで、上記制御装置110による抑制実行計画の策定処理は([0052])、まず、制御装置110は、記憶部1112から蓄電池情報を取得し(ステップS003-1)、次に、制御装置110は、蓄電池の定格容量(最大充電可能容量)から充電済み容量を差し引いて、蓄電池の充電可能量を計算し(ステップS003-2)([0053])、制御装置110は、抑制制御情報に含まれる抑制率を用いて管理装置200側から指示された抑制電力(指示抑制電力)を計算し(ステップS005-1)([0054])、次に、制御装置110は、ステップS003-2で計算した蓄電池の充電可能量が0以上であるか否かを確認する(ステップS005-2)([0055])、蓄電池の充電可能量が0以上であった場合、制御装置110は、充電可能量を用いて、発電装置120に指示する抑制率(抑制制御率)を再計算し(ステップS005-3)([0056])、指示抑制量-充電可能量×充電効率が0以下の場合、即ち、指示抑制量のすべてを充電池115aの充電に回せる場合は、発電装置120の抑制制御は不要となり(抑制率=0)([0057])、制御装置110は、ステップS003-2で得られた充電可能量を用いて、発電装置120及び蓄電池115aに対し蓄電指令を送信し(ステップS005-4)([0058])、また、制御装置110は、発電装置120に対しステップS005-3で得られた再計算後の抑制率により抑制制御を指示する抑制制御情報を送信する(ステップS005-5;抑制制御情報送信)([0059])発電装置監視制御システム」
2 引用文献2の記載事項について
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当審拒絶理由Aの理由1に引用された引用文献2には、次の事項が記載されている。
「【0005】しかしながら、スマートグリッドシステムの大規模化に伴い、蓄電池システムの数が増加する。この場合に、EMSが、蓄電池システム1つ1つに対して個別に制御を行う場合、EMSと蓄電池システムとの間で送受信する情報量が膨大になり、通信効率が低下する。【0006】通信効率の低下を防ぐために、EMSが、複数の蓄電池システムをグループ化し、グループ化された蓄電池システム単位で制御する仕組みが検討されている。」
「【発明の概要】【発明が解決しようとする課題】【0008】本発明の一側面は、蓄電池システムをグループ化して、グループ化された複数の蓄電池システム単位で制御する仕組みを作る際に、通信効率を向上させるような、蓄電池システムのグループ化を実現する。」
「【0012】(第1の実施形態)図1は、第1の実施形態にかかる充放電指示装置を備える全体システムを示す図である。【0013】続きを表示(全27行)第1の実施形態では、例えば、EMS (Energy Management System)111が備える充放電指示装置が、複数の蓄電池システムの蓄電池の電気的特徴を示す複数の固有情報と複数の蓄電池システムが設置されている位置を示す複数のロケーション情報とに基づいて、複数の蓄電池システムから一部分の蓄電池システムをグループとして選択し、グループの蓄電池システムに対して、充放電制御を行う。【0014】以下では、まず、本実施形態にかかる充放電指示装置を含む全体システムの構成を説明する。【0015】第1の実施形態にかかる全体システムにおいて、電力系統網上には、発電所(給電指令所)101と、EMS (Energy Management System) 111と、自然エネルギー発電所112と、蓄電池システム113と、がある。また、需要家側には、スマートメータ121と、需要家側EMS122と、需要家側電力システム123とがある。需要家側電力システム123は、自然エネルギー発電所1231と、蓄電池システム1232と、EV(Electric Vehicle)システム1233とを備える。【0016】発電所(給電指令所)101は、火力や原子力等の動力によって大容量の電力を生成し、電力を、送配電網を介して家庭やビル、工場等の需要家120側に供給する。本実施形態では発電所101から需要家120に至る送配電網を総称して電力系統網と称する。【0017】自然エネルギー発電所112は、風力や太陽光といった自然界に存在するエネルギーを元に電力を生成、送配電網を介して需要家120側に電力を供給する。自然エネルギー発電所112を電力系統網に設置することで、発電所101の負担を減らして効率的に運用させることが出来る。【0018】蓄電池システム113は、発電所101や自然エネルギー発電所112が生成した余剰電力を充電する。また、充電した電力を放電する。蓄電池システム113は、電力事業者の系統側の用途として一般的に、系統の周波数や電圧などの電気の品質を維持するために、瞬間的な負荷変動に応じて秒単位で出力調整を行い、系統を安定させるアンシラリーサービス(短周期制御)と呼ばれる機能実現のために活用される。また、蓄電池システム113は、家庭やビル等の需要家側の用途として、単価の安い夜間電力を貯蔵することで、昼間の電力利用が集中する時間帯の融通を行うピークシフト(日間運用)と呼ばれる機能実現のために活用される。【0019】EMS111は、発電所101及び自然エネルギー発電所112の供給電力と、需要家側で消費する負荷電力を含めた電力システム全体の安定化を、電力網及び通信網双方を活用して制御する。実施形態にかかる充放電指示装置の機能は、EMS111が備える。充放電指示装置の構成の詳細は後述する。【0020】スマートメータ121は、需要家120構内で消費された電力量を計測し、計測した電力量を定期的に電力事業者の管理サーバに通知する。一般に当該管理サーバはMDMS(Metering Data Management System)と呼ばれるが、図1中では図示を省略している。前述のEMS111はMDMSと連携し、需要家120側の負荷電力の総量を算出する。【0021】需要家120の構内に設置された蓄電池システム1232は、電力事業者の系統網から供給された電力、あるいは需要家120構内の自然エネルギー発電所1231が生成した電力を貯蔵する。【0022】EVシステム1233は、後述する充電器250を介してEVシステム1233内の電池に電力を貯蔵する。【0023】需要家側EMS122は、需要家120内の電力消費量を調整制御する。需要家が家庭である場合、HEMSが家庭内の電力消費量を調整、制御する。需要家がビルである場合、BEMSがビルや工場内の電力消費量を調整、制御する。需要家が工場である場合、FEMS(Factory Management System)が構内の電力消費量を調整制御する。【0024】以上が、全体システムの構成の説明である。」
「【0049】図6は、第1の実施形態にかかる充放電指示装置600の構成を示すブロック図である。図16は、第1の実施形態にかかる充放電判定装置1600の構成を示すブロック図である。【0050】充放電指示装置600の機能は、図1では、電力系統網のEMS111、又は、需要家構内に設置する需要家側EMS122が備える。また、充放電指示装置600の機能は、図1において、EMS111と需要家側EMS122との間に介在する中継装置がある場合、当該中継装置が備えていても良い。中継装置については、後述する。続きを表示(全20行)【0051】充放電判定装置1600の機能は、図2(a)の蓄電池システム210の制御部212、又は図2(b)のEVシステム240の外部に設置された充電器250が備える。この他、太陽光発電装置や風力発電装置にも同様に適用出来る。充放電判定装置1600は、蓄電池システムに関する情報を充放電指示装置600に送信する。充放電指示装置600は、蓄電池システムに関する情報を受け取ると、複数の蓄電池システムをグループする。充放電判定装置1600はPCSへの適用に制限されることはなく、通信処理部を持ち充放電指示装置及び蓄電池と通信することが可能な外部コントローラ装置にも適用可能である。【0052】図6は、充放電指示装置600の構成を示すブロック図である。【0053】充放電指示装置600は、需給調整部601と、充放電管理部602と、蓄電池情報記憶部603と、充放電グループ選択部604と、蓄電池情報通信部605と、通信部606とを備える。【0054】需給調整部601は、電力事業者の系統網や需要家側構内の電力供給量や周波数状態を監視すると共に、電力供給不足による停電防止のために蓄電池システムに放電制御を指示することや、電力供給超過による超過電力を後に活用するために蓄電池システムに充電制御を指示する事などを適宜判断して実行する。需給調整部601は、アプリケーション処理部としての役割を担う。【0055】蓄電池情報記憶部603は、蓄電池固有情報と、ロケーション情報と、充放電制御情報とを記憶する。蓄電池固有情報と、ロケーション情報と、充放電制御情報とは、蓄電池システムの充放電制御時に必要な情報である。【0056】図7A(a),(c),(d)は、それぞれ、本実施形態の蓄電池固有情報の一例、ロケーション情報の一例、充放電制御情報の一例である。【0057】図7A(a)に示すように、蓄電池固有情報は、充放電制御に必要な電池部(BMU)の固体に特有な電気的特徴を示す情報である。図7Aの例では、単位ワット(W:Watt)で示される定格充放電電力、単位ワット時間(Wh: Watt hour)で示される定格容量、単位百分率で示される充電率(SOC: State Of Charge)、SOCに対応付けられた放電可能時間及び充電可能時間が示されている。電池部(BMU)の一般的な充電方式である定電流充電方式では、百分率で示されるSOCが所定の閾値に達するまで電池部(BMU)内の電池セルが入出力する電力量(電流量)が一定状態で推移する。このことから、図7A(b)に示すように、充放電判定装置1600は、電池部(BMU)からSOCの値を取得することで、当該情報に対応付けられた充電可能時間及び放電可能時間(グラフの横軸)、最大充放電電力(グラフの縦軸)、充放電に必要な電力量(充放電可能時間と電力の積)を算出出来る。定電流充電では、SOCが所定の閾値を超えた後は充電に必要な電流量が極小化する特性がある。尚、充放電制御時の電力量とは、単位ワット時間(Wh: Watt hour)で示される電力量の他に、単位アンペア時間(Ah: Ampere hour)で示される電流量、及び単位ボルト時間で示される電圧量(Vh: Volt hour)各々を用いることが可能である。【0058】図7A(c)のロケーション情報は、蓄電池システム(あるいは蓄電池システムを管理する需要家側EMS)が設置された位置を特定するために用いる。例えば、蓄電池システムが設置された設備(例えば、図1では、需要家120)の識別子情報、蓄電池システムが設置された位置にある配電網の識別子情報、蓄電池システムが設置された位置にあるネットワークの識別子情報等である。」
「【0061】充放電グループ選択部604は、蓄電池固有情報とロケーション情報とを元に、複数の蓄電池システムの中から、一部分の蓄電池システムをグループとして選択する。尚、充放電グループ選択部604が行う蓄電池システムのグループ化手順の詳細は、図14のフローチャートを用いて後述する。充放電グループ選択部604は、グループ化した蓄電池システム群を管理する。図8Aに、充放電グループ選択部602が、グループ化した蓄電池システム群を管理する例を示す。充放電グループ選択部602は、蓄電池システムグループと当該蓄電池システムグループに属する蓄電池システムの情報とを対応付けて記憶することで、グループ化した蓄電池システム群を管理する。図8Aの例では、充放電グループ選択部604は、例えば、蓄電池システムグループ1に対応付けて、蓄電池システムA及びBを特定する情報を記憶する。 次に、充放電管理部602の説明をする。【0062】充放電管理部602は、充放電グループ選択部604によってグループ化した蓄電池システム群(集合仮想化蓄電池システム)の充放電総量の管理及びグループ化した蓄電池システム群に対する充放電制御指示を行う。」
「【図1】[図:0001390065000006.jpg]」
「【図6】[図:0001390065000007.jpg]」
「【図7A】[図:0001390065000008.jpg]」
したがって、上記引用文献2には、次の技術的事項(以下「引用文献2技術事項」という。)が記載されていると認められる。
「電力系統網上には、発電所(給電指令所)101と、EMS (Energy Management System) 111と、自然エネルギー発電所112と、蓄電池システム113と、がある全体システムにおいて(【0015】)、EMS111は、発電所101及び自然エネルギー発電所112の供給電力と、需要家側で消費する負荷電力を含めた電力システム全体の安定化を、電力網及び通信網双方を活用して制御し(【0019】)、電力系統網のEMS111は、充放電指示装置600の機能を備え(【0050】)、充放電指示装置600は、需給調整部601と、充放電管理部602と、蓄電池情報記憶部603と、充放電グループ選択部604と、蓄電池情報通信部605と、通信部606とを備え(【0053】)、需給調整部601は、電力事業者の系統網や需要家側構内の電力供給量や周波数状態を監視すると共に、電力供給不足による停電防止のために蓄電池システムに放電制御を指示することや、電力供給超過による超過電力を後に活用するために蓄電池システムに充電制御を指示する事などを適宜判断して実行し(【0054】)、蓄電池情報記憶部603は、蓄電池固有情報と、ロケーション情報と、充放電制御情報とを記憶し(【0055】)、蓄電池固有情報は、充放電制御に必要な電池部(BMU)の固体に特有な電気的特徴を示す情報であり、単位ワット(W:Watt)で示される定格充放電電力、単位ワット時間(Wh: Watt hour)で示される定格容量、単位百分率で示される充電率(SOC: State Of Charge)、SOCに対応付けられた放電可能時間及び充電可能時間が示され(【0057】)、ロケーション情報は、蓄電池システム(あるいは蓄電池システムを管理する需要家側EMS)が設置された位置を特定するために用い(【0058】)、充放電グループ選択部604は、蓄電池固有情報とロケーション情報とを元に、複数の蓄電池システムの中から、一部分の蓄電池システムをグループとして選択し(【0061】)、充放電管理部602は、充放電グループ選択部604によってグループ化した蓄電池システム群(集合仮想化蓄電池システム)の充放電総量の管理及びグループ化した蓄電池システム群に対する充放電制御指示を行うこと(【0062】)」
3 引用文献3の記載事項について
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当審拒絶理由Aの理由1に引用された引用文献3には、次の事項が記載されている。
「【技術分野】【0001】本発明は、電力系統に発生した余剰電力を蓄電池で吸収できるように電力系統に配置された蓄電池を運用する蓄電池運用装置に関する。」
「【発明の概要】【発明が解決しようとする課題】【0008】しかし、特許文献1のものは需要家所有の比較的小容量の蓄電池を用いて需要家内の需給調整を行うものであり、大量の系統内余剰電力に対応することはできない。さらに、需要家によって太陽光発電出力にばらつきがあるため、余剰電力の発生具合はまちまちであり、全ての蓄電池が十分に活用されるとは限らない。太陽光発電大量導入時の系統内余剰電力を充電するためには、電力系統に接続された複数の蓄電池を十分活用し充電容量を確保する必要がある。【0009】また、太陽光発電設備の出力は不確実であるため、余剰電力量の予測値と発生値とにはズレが生じる。予測値よりも発生値が下回った場合には、予測値をベースに確保しておいた蓄電池容量の一部が使われないので、蓄電池容量を提供した蓄電池の所有者にとって不利益となる。【0010】逆に、予測値よりも発生値が上回った場合には、蓄電池容量が足りなくなり、その場合には、太陽光発電設備の出力抑制が必要となる。その際は、太陽光発電設備の所有者にとって不利益となる。【0011】本発明の目的は、太陽光発電設備の出力の不確実さを考慮して系統内余剰電力を充電するための蓄電池容量を、複数の蓄電池から過不足なく確保できる蓄電池運用装置を提供することである。」
「【0021】以下、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の実施形態に係る蓄電池運用装置の一例を示す構成図である。【0022】余剰電力前日予測手段11は、図示省略の入力装置から翌日の予測余剰電力を算出するために必要な前日算出条件を入力する。前日算出条件は、例えば、翌日の天気予報、暦の曜日や日にち、発電所の発電可能な発電機の容量などである。続きを表示(全38行)【0023】余剰電力前日予測手段11は前日算出条件を入力すると、入力した前日算出条件に基づいて、まず、翌日の太陽光発電設備の予測出力Ppv、翌日の予測電力需要Pa、翌日のベース供給力Pbを求める。【0024】太陽光発電設備の予測出力Ppvは天候に左右されるので、天気予報の特に日射時間を基に算出される。翌日の予測電力需要Paは暦の曜日や日にちによって異なるので、過去の実績値などを参照して算出する。また、翌日のベース供給力Pbは、発電所の発電可能な発電機の容量や過去の実績値などを基に算出される。そして、翌日の予測余剰電力Pcは、(1)式で算出する。【0025】[数1]Pc=Pb+Ppv-Pa …(1)ここで、太陽光発電設備の予測出力Ppv、翌日の予測電力需要Paは確率分布として表される。そのため、(1)式から算出される翌日の予測余剰電力Pcも発生確率分布の形で算出される。【0026】余剰電力前日予測手段11で算出された翌日の予測余剰電力Pcは、利用可能蓄電池把握手段12に入力される。利用可能蓄電池把握手段12は、電力系統に接続された複数の蓄電池の中から余剰電力前日予測手段11で予測された予測余剰電力Pcを充電可能な複数の蓄電池を把握するものである。【0027】利用可能蓄電池把握手段12は、蓄電池情報記憶部13から電力系統に接続された複数の蓄電池の蓄電池情報を入力し、余剰電力前日予測手段11で予測された予測余剰電力Pcを充電可能な複数の蓄電池を探し出す。【0028】そして、利用可能蓄電池把握手段12で探し出された利用可能な蓄電池は、利用可能蓄電池グレード割付手段14に出力される。利用可能蓄電池グレード割付手段14は、利用可能蓄電池把握手段12で把握された充電可能な複数の蓄電池をグレード分けするものであり、グレード分け基準記憶部15に予め記憶されたグレード分け基準に基づいて、利用可能蓄電池把握手段12で把握された充電可能な各々の蓄電池をいずれかのグレードに割り付ける。【0029】利用可能蓄電池グレード割付手段14で割り付けされたグレード情報は、蓄電池情報記憶部13に記憶された蓄電池情報のグレード欄に格納されるとともに、利用事前告知手段16に出力される。【0030】利用事前告知手段16は、利用可能蓄電池グレード割付手段14でグレードが割り付けされた蓄電池に対し、利用確率の高いグレード順に、事前にその蓄電池の利用確率と蓄電時間帯を告知する。蓄電池所有者に蓄電池の利用確率を事前に告知することで、蓄電池利用時・非利用時の納得性を高めることができる。【0031】図2は、蓄電池情報記憶部13に予め記憶された蓄電池iの蓄電池情報の説明図である。電力系統に接続された各々の蓄電池iは、蓄電池情報として、所有者、通信手段の有無、電力系統での配置位置、利用可能時間帯、残容量、定格出力、信頼度、グレードなどが記憶されている。グレードには、利用可能蓄電池グレード割付手段14により割り付けられたグレードが記憶される。【0032】利用可能蓄電池把握手段12は、まず、蓄電池情報記憶部13に予め記憶された蓄電池iの蓄電池情報の中から、余剰電力前日予測手段11で予測された予測余剰電力Pcの発生時間帯に利用可能な蓄電池を探し出す。これは蓄電池情報の利用可能時間帯を参照して行う。そして、その中から残容量を参照し充電が可能な蓄電池を探し出す。このようにして、利用可能蓄電池把握手段12で探し出された利用可能な蓄電池は、利用可能蓄電池グレード割付手段14に出力される。【0033】利用可能蓄電池把握手段12では、蓄電池の利用可能性の高さについても評価し、その結果も利用可能蓄電池グレード割付手段14に出力する。利用可能性は、充電可能な複数の蓄電池の中から、蓄電池情報の項目(所有者、通信手段の有無、電力系統での配置位置、利用可能時間帯、残容量、定格出力、信頼度)を参照して評価する。【0034】図3は、利用可能蓄電池把握手段12で探し出された利用可能な蓄電池情報の説明図であり、図3(a)は蓄電池の利用可能性が高と評価された蓄電池jの蓄電池情報の説明図、図3(b)は蓄電池の利用可能性が低と評価された蓄電池kの蓄電池情報の説明図である。【0035】図3(a)に示すように、蓄電池の所有者が電力会社である場合には、電力会社の意向に沿って運用できるので評価は高い。また、通信手段の有無については通信手段を有している場合の方が評価が高い。これは、系統運用者との通信が容易であり、蓄電池の遠隔操作も可能であるからである。蓄電池の配置位置は太陽光発電設備が接続された配電線に接続されている蓄電池の評価が高い。【0036】利用可能時間帯は、系統内余剰電力が発生する時間帯に蓄電池を使用できる場合が評価が高い。図3(a)に示すように、利用可能時間帯が9時~20時と、系統内余剰電力が発生する時間帯(9時45分~19時)のすべての時間帯に亘って蓄電池を使用できるので評価が高い。残容量や定格出力は充電できる電力量に相当するので大きい方が評価が高い。また、使用したいときに必ず使用できる信頼度の高い蓄電池の評価は高い。逆に、使用できる可能性があっても、その蓄電池が別の用途に使用され、過去の実績から実際に使用できなかった場合には信頼度の評価は低くなる。【0037】図3(a)の蓄電池jはこれら蓄電池情報のすべての項目の評価が高いので、利用可能性がかなり高いと評価する。なお、実際には、これらの項目のすべてを満たさない場合であっても、ほぼ間違いなく使用できる蓄電池に対しては利用可能性が高いと評価できる。【0038】次に、図3(b)に示すように利用可能性が低いと評価された蓄電池kは、図3(a)に示した蓄電池jとは反対に、蓄電池情報の各項目(所有者、通信手段の有無、電力系統での配置位置、利用可能時間帯、残容量、定格出力、信頼度)の評価が低いものである。例えば、所有者は電力会社以外の需要家であり、通信手段を有してなく、蓄電池の設置位置が太陽光発電設備が接続された配電線でなく、利用時間も限られた時間帯であり、定格出力や残容量が小さく、信頼度も低い蓄電池である。」
「【図1】[図:0001390065000009.jpg]」
「【図3】[図:0001390065000010.jpg]」
図3(a)及び(b)には、【0033】及び【0034】の記載を参照すると、「利用可能蓄電池把握手段12で探し出された利用可能な蓄電池情報の残容量及び定格出力の項目には、「大」または「小」の値が記憶されている」ことが見て取れる。
したがって、上記引用文献3には、次の技術的事項(以下「引用文献3技術事項」という。)が記載されていると認められる。
「系統内余剰電力を充電するための蓄電池容量を、複数の蓄電池から過不足なく確保できる蓄電池運用装置において(【0011】、【0021】)、余剰電力前日予測手段11で算出された翌日の予測余剰電力Pcは、利用可能蓄電池把握手段12に入力され(【0026】)、利用可能蓄電池把握手段12は、蓄電池情報記憶部13から電力系統に接続された複数の蓄電池の蓄電池情報を入力し、余剰電力前日予測手段11で予測された予測余剰電力Pcを充電可能な複数の蓄電池を探し出し(【0027】)、利用可能蓄電池把握手段12では、蓄電池の利用可能性の高さについても評価し、その結果も利用可能蓄電池グレード割付手段14に出力し、利用可能性は、充電可能な複数の蓄電池の中から、蓄電池情報の項目(所有者、通信手段の有無、電力系統での配置位置、利用可能時間帯、残容量、定格出力、信頼度)を参照して評価し(【0033】)、利用可能蓄電池把握手段12で探し出された利用可能な蓄電池情報の残容量及び定格出力の項目には、「大」または「小」の値が記憶され(【図3】、【0033】、【0034】)、利用可能蓄電池グレード割付手段14は、利用可能蓄電池把握手段12で把握された充電可能な各々の蓄電池をいずれかのグレードに割り付け(【0028】)、利用事前告知手段16は、利用可能蓄電池グレード割付手段14でグレードが割り付けされた蓄電池に対し、利用確率の高いグレード順に、事前にその蓄電池の利用確率と蓄電時間帯を告知すること(【0030】)」
第6 当審拒絶理由Aの理由1についての対比・判断
1 本願発明1について
(1) 対比
本願発明1と前記引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 「第1及び第2の発電所に接続された電力系統を通じて電力を供給するとともに、複数蓄電池を遠隔から群制御し、」について
(ア) 引用発明の「電力系統」には、各地に配置された「発電装置群120」が接続され、「発電装置120」は、PV(太陽光発電)等の再生可能エネルギーを用いた発電を行う装置である。
一方、電力系統に、電力会社の火力発電所等の大規模な発電所が接続され、電力系統を通じて各需要家に電力が供給されることは技術常識であり、引用発明の「電力系統」にも、電力会社の大規模な発電所が当然に接続されているといえる。
そして、上記「電力会社の大規模な発電所」を「第1の発電所」、上記「発電装置120」を「第二の発電所」と称することは任意であるから、本願発明1と引用発明とは、「第1及び第2の発電所に接続された電力系統を通じて電力を供給する」点で共通する。
(イ) 引用発明の「蓄電池115a」は、本願発明1の「蓄電池」に相当する。
引用発明の各「制御装置110」は、接続されている「蓄電池115a」への充電を実行するよう「発電装置120」と「蓄電池115a」にそれぞれ指示するから、本願発明1と引用発明とは、「複数蓄電池を制御」する点で共通する。
イ 「前記第2の発電所が第1の発電所から受けていた出力制御を、アグリゲーターで受け取り、前記出力制御が必要な容量V1の一部である容量V2分を複数蓄電池に負担させ、この容量V2分を差し引いた残余の容量V3分を、書き換えられた出力制御として前記アグリゲーターから前記第2の発電所に配布する電力供給システムであって、」について
(ア) 引用発明の「管理装置」が「電力系統管理部311」側から受信する、「個々の発電装置を指定して抑制発電量や抑制時期を指定」した「抑制スケジュール」は、個々の「発電装置」に対して「電力系統」への電力の出力を抑制制御するものであるから、本願発明1の「前記第2の発電所が第1の発電所から受けていた出力制御」とは、「前記第2の発電所に対する出力制御」である点で共通する。
(イ) 引用発明の「管理装置200」が、「制御スケジュール」に従って、抑制対象の「発電装置120」を監視制御する「制御装置110」に送信する「抑制制御情報(出力発電量の指示)」も、「抑制スケジュール」と同様に、「発電装置120」の「電力系統」への電力の出力を抑制制御するものである。そうすると、引用発明の「抑制制御情報(出力発電量の指示)」は、本願発明1の「前記出力制御が必要な容量V1の一部である容量V2分を複数蓄電池に負担させ、この容量V2分を差し引いた残余の容量V3分」の「書き換えられた出力制御」とは、「出力制御」である点で共通するといえる。
また、「管理装置200」から「発電装置120」を監視制御する「制御装置110」への上記「抑制制御情報(出力発電量の指示)」の送信は、「発電装置120」への「抑制制御情報(出力発電量の指示)」の配布といえる。
(ウ) 引用発明の「管理装置200」と本願発明1の「アグリゲータ」とは、「装置」である点で共通する。
そして、上記(ア)及び(イ)も踏まえると、本願発明1と引用発明とは、「前記第2の発電所に向けた出力制御を、装置で受け取り、出力制御を前記装置から前記第2の発電所に配布する」点で共通するといえる。
(エ) 引用発明の「発電装置監視制御システム」は、「電力系統」を通じて「制御装置110」に接続された「負荷装置」等に電力が供給されることは明らかであるから、後述する相違点を除き、本願発明1の「電力供給システム」に相当する。
ウ 「前記電力系統に接続され、電力の需要単位毎に設置された複数の蓄電装置と、」について
引用発明の「蓄電池115a」は「制御装置110」によって制御されるところ、「制御装置110」としては、「EMS(Energy Management System)、HEMS(Home Energy Management System)等」の「制御装置」を用いることができるとされており、「制御装置110」及び該「制御装置110」が制御する「蓄電池115a」は、電力の需要単位(例えば、世帯(Home))毎に設置されるものといえる。
また、「蓄電池115a」は、当然に「電力系統」に接続されたものといえる。
そして、本願発明1の「蓄電装置」は、蓄電池(【0042】参照)や電気自動車(【0045】参照)であるから、引用発明の「蓄電池115a」は、本願発明1の「蓄電装置」に相当し、本願発明1と引用発明とは、「前記電力系統に接続され、電力の需要単位毎に設置された複数の蓄電装置」を備える点で共通する。
エ 「前記需要単位毎に設けられ、前記各蓄電装置の充電又は前記蓄電装置から各需要単位における負荷への放電の制御を行う複数の制御装置と、」について
引用発明の「蓄電池115a」は、「制御装置110」からの蓄電指令に従い、「発電装置120」から電力の供給を受けて充電される。また、前記ウのとおり、「制御装置110」は需要単位毎に設けられるものである。
そうすると、本願発明1と引用発明とは、「前記需要単位毎に設けられ、前記各蓄電装置の充電又は前記蓄電装置から各需要単位における負荷への放電の制御を行う複数の制御装置」を備える点で共通する。
オ 「前記第1の発電所から前記第2の発電所に対して送出される、電力供給の調整を指示する制御指示を取得する制御指示取得部と、」について
(ア) 前記イ(ア)のとおり、引用発明の「管理装置200」が「電力系統管理部311」から受信する、個々の「発電装置120」を指定して抑制発電量や抑制時期を指定した「抑制スケジュール」は、個々の「発電装置120」に対するものである。
そして、「発電装置120」から「電力系統」に出力される電力を抑制制御する「抑制スケジュール」は、「電力系統」への電力供給の調整を指示するものといえるから、本願発明の「前記第1の発電所から前記第2の発電所に対して送出される、電力供給の調整を指示する制御指示」とは、「前記第2の発電所に対する、電力供給の調整を指示する制御指示」である点で共通する。
(イ) 引用発明の「管理装置200」は、「電力系統管理部311」から「抑制スケジュール」を受信(取得)する手段を当然に備えているといえるから、上記(ア)も踏まえると、本願発明1と引用発明とは、「前記第2の発電所に対する、電力供給の調整を指示する制御指示を取得する制御指示取得部」を備える点で共通するといえる。
カ 「前記複数の制御装置に関する情報を、各蓄電装置の充放電速度の能力に応じたカテゴリーを含む属性に従い各制御装置を所定のグループに分類して蓄積する管理データベースと、」について
引用発明の「管理装置200」の「管理情報記憶部234」は、個々の「制御装置110」から受信した各発電装置の仕様情報や稼働状態、制御部232にて計算された各発電装置の抑制スケジュール等の「管理情報」を記憶するものであって、「管理情報」は、本願発明の「複数の制御装置に関する情報」に相当する。また、上記「管理情報」を記憶する「管理情報記憶部234」は、管理データのデータベースといえる。
一方で、「管理情報記憶部234」が、個々の「制御装置110」から受信した「管理情報」を、各「制御装置110」を所定のグループに分類して記憶することは特定されていない。
したがって、引用発明の「管理情報記憶部234」は、本願発明1の「前記複数の制御装置に関する情報を、各蓄電装置の充放電速度の能力に応じたカテゴリーを含む属性に従い各制御装置を所定のグループに分類して蓄積する管理データベース」とは、「前記複数の制御装置に関する情報を、蓄積する管理データベース」である点で共通する。
キ 「前記制御指示の内容に応じて、前記管理データベースを参照して、前記所定のグループ単位で、且つ各蓄電装置の単位時間あたりの充放電量に基づいて、前記蓄電池の充電又は放電のスケジュールを作成し、前記スケジュールに従って制御を行うグループ管理部とを備え、」について
上記イ(イ)のとおり、引用発明の「管理装置200」は、「個々の発電装置を指定」した「制御スケジュール」を使用して、抑制対象の「発電装置120」を監視制御する「制御装置110」に対して「抑制制御情報(出力発電量の指示)」を送信する一方、「管理装置200」が「制御装置110」に接続された「蓄電池115a」の制御を行うことについては特定されていない。
ク 「前記管理データベースでは、前記グループ毎に優先度が付与されており、」について
上記カに付随して、引用発明の「管理情報記憶部234」において、「グループ毎に優先度が付与される」ことは特定されていない。
ケ 「前記容量V2から、前記優先度順に、グループに対して割り当てを行う」について
上記カ~クにも付随して、引用発明の「管理装置200」が、「発電装置120」に対する出力制御が必要な容量の一部を「優先度順に、グループに対して割り当てを行う」ことは特定されていない。
コ 前記ア~ケによれば、本願発明1と引用発明とは、以下の点において一致、及び相違する。
<一致点>
「第1及び第2の発電所に接続された電力系統を通じて電力を供給するとともに、複数蓄電池を制御し、前記第2の発電所に対する出力制御を、装置で受け取り、出力制御を装置から前記第2の発電所に配布する電力供給システムであって、前記電力系統に接続され、電力の需要単位毎に設置された複数の蓄電装置と、前記需要単位毎に設けられ、前記各蓄電装置の充電又は前記蓄電装置から各需要単位における負荷への放電の制御を行う複数の制御装置と、前記第2の発電所に対する、電力供給の調整を指示する制御指示を取得する制御指示取得部と、前記複数の制御装置に関する情報を、蓄積する管理データベースと、を備えたことを特徴とする電力供給システム。」
<相違点>
(相違点1)
本願発明1は、「複数蓄電池を遠隔から群制御する」ものであるのに対し、引用発明は、各「制御装置110」が、接続された「蓄電池115a」を個別に制御する点。
(相違点2)
本願発明1の「出力制御」及び「制御指示」は、「第1の発電所」から送出されるものであるのに対し、引用発明の「抑制スケジュール」は、「電力系統管理部311」から送出されるものである点。
これに付随して、本願発明1の「出力制御」及び「制御指示」は、「第2の発電所に対して送出され」、「第2の発電所」が受けていたものであるのに対し、引用発明の「抑制スケジュール」が、「発電装置120」に対して送出され、「発電装置120」が接続された「制御装置110」が受けていたものか不明である点。
さらに、上記に付随して、本願発明1の「出力制御」は、これを受け取った「アグリケータ」によって、「出力制御が必要な容量V1の一部である容量V2分を複数蓄電池に負担させ、この容量V2分を差し引いた残余の容量V3分」に「書き換えられ」るのに対し、引用発明では、「抑制スケジュール」を受け取った「管理装置200」によって、出力制御の容量を上記のように書き換えられることは特定されていない点。
(相違点3)
本願発明1では、「出力制御」を受け取るのは「アグリケータ」であるのに対し、引用発明では、「抑制スケジュール」を受け取るのは「管理装置200」である点。
(相違点4)
本願発明1が「前記複数の制御装置に関する情報を、各蓄電装置の充放電速度の能力に応じたカテゴリーを含む属性に従い各制御装置を所定のグループに分類して蓄積する管理データベース」を備えるのに対し、引用発明において、「制御装置110」に関する情報を、上記のようにグループに分類して蓄積することについて特定されていない点。
これに付随して、本願発明1では、「グループ毎に優先度が付与される」のに対し、引用発明では、そのような優先度の付与について特定されていない点。
(相違点5)
前記相違点4と相まって、本願発明1が「前記制御指示の内容に応じて、前記管理データベースを参照して、前記所定のグループ単位で、且つ各蓄電装置の単位時間あたりの充放電量に基づいて、前記蓄電池の充電又は放電のスケジュールを作成し、前記スケジュールに従って制御を行うグループ管理部」を備えるのに対し、引用発明の「管理装置200」が「蓄電池115a」について上記のようなグループ管理を行うことについて特定されていない点。
(相違点6)
相違点4及び5と相まって、本願発明1は、出力制御が必要な容量V1の一部である「容量V2から、前記優先度順に、グループに対して割り当てを行う」のに対し、引用発明の「管理装置200」が、そのような容量V2の割り当てを行うことについて特定されていない点。
(2) 相違点についての検討
事案に鑑み、前記相違点2について検討する。
ア 引用発明において、「抑制スケジュール」を送信する「電力系統管理部311」は、「電力系統側」の装置であり、電力系統システムにおいて、大規模な発電所を備える電力会社が電力抑制制御を要請することは技術常識である(引用文献1の[0017]参照)ことにも照らせば、「電力系統管理部311」は電力会社(大規模な発電所)のものであって、「抑制スケジュール」は電力会社から送出されていると解される。また、「抑制スケジュール」が電力会社から送出されているとまではいえないとしても、「抑制スケジュール」を上記電力会社から送出されるようにすることは、当業者が容易になし得たことである。
イ 他方、引用発明の「抑制スケジュール」は、以下のとおり、「発電装置120」が接続された「制御装置110」が「電力系統管理部311」から受けていたものではなく、「抑制スケジュール」を「制御装置110」が「電力系統管理部311」から受けていたものとすることが容易であるとはいえない。
(ア)引用発明の「管理装置200」は、「電力系統管理部311」から受信した「抑制スケジュール」が個々の発電装置を指定したものである場合、当該発電装置に対する「抑制スケジュール」としてそのまま使用する。
そして、「管理装置200」は、上記「抑制スケジュール」に従って、抑制対象の「発電装置120」に接続された「制御装置110」に対して、「抑制制御情報(出力発電量の指示)」を送信する。
(イ)もし、「電力系統管理部311」から送出される個々の発電装置を指定した「抑制スケジュール」が、元々「制御装置110」が受けていたものであれば、それをそのまま使用した「抑制スケジュール」も、「制御装置110」は当然受けることができるはずであるから、「管理装置200」は、上記「抑制スケジュール」を「制御装置110」に送信するのが自然である。
しかしながら、前記(ア)のとおり、「管理装置200」は、上記「抑制スケジュール」に従って、「抑制制御情報(出力発電量の指示)」の形で「制御装置110」に出力制御を送信している。
このことは、引用発明における「電力系統管理部311」から送出される「抑制スケジュール」は、個々の発電装置を指定したものであっても、元々「管理装置200」が受けることを前提とするものであることを示しているといえる。
(ウ)上記(イ)のとおり、引用発明の「抑制スケジュール」は、「制御装置110」が「電力系統管理部311」から受けていたものではない。また、引用発明の「抑制スケジュール」を、「制御装置110」が「電力系統管理部311」が受けていたものとする動機付けもない。
ウ また、引用発明の「管理装置200」が、受け取った「制御スケジュール」を、出力制御が必要な容量V1の一部である容量V2を複数蓄電池に負担させ、この容量V2分を差し引いた残余の容量V3分に書き換えることは、以下のとおり、当業者であっても容易になし得たものであるとはいえない。
(ア)引用発明は、「制御装置110」が、接続された「発電装置120」及び「蓄電池115a」に対し蓄電指令を行い、指示抑制電力の全部または一部を「充電池115a」の充電に回すことで、充電に回した分の発電装置120の抑制制御を不要としつつ、「発電装置120」から電力系統側に出力される電力を指示抑制電力分、抑制するものである([0063]の記載も参照)。この指示抑制電力は、「電力系統管理部311」からの「抑制スケジュール」に従って、「管理装置200」が「制御装置110」に指示する抑制率によるものである。
(イ)ここで、引用発明の「管理装置200」が、「抑制スケジュール」によって「発電装置120」に求める抑制電力の一部を、「複数」の「蓄電池115a」に負担させる場合について検討する。
この場合、「発電装置120」が接続された「制御装置110」とは別の「制御装置110」に接続された「蓄電池115a」(以下「別の需要単位の蓄電池115a」という。)にも、抑制電力の一部を負担させる、つまり、「発電装置120」の発電電力を「別の需要単位の蓄電池115a」の充電に回すことになる。
しかしながら、「別の需要単位の蓄電池115a」を充電するには、「発電装置120」の電力を電力系統側に流す必要があり、「別の需要単位の蓄電池115a」の充電に回す電力は、「発電装置120」の電力系統側への出力抑制に何ら寄与しないことは明らかである。
このことは、引用発明では、「発電装置120」の抑制電力の一部を、「別の需要単位の蓄電池115a」にも負担させる、という構成をとり得ないことを意味する。
(ウ)引用文献2及び3は、電力系統の余剰電力をグループ化した複数の蓄電池に充電させることをそれぞれ開示するものの、上記(イ)のとおりであるから、引用発明の「管理装置200」が、受け取った「抑制スケジュール」の「発電装置120」の出力抑制量の一部を、複数の「蓄電池150a」に負担させ、その分を出力抑制量から差し引いた残余の容量に書き換える本願発明1の構成とすることは、当業者であっても容易になし得たことではない。
エ 以上のとおり、引用発明を、相違点2に係る本願発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たものではない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用文献2記載事項及び引用文献3記載事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2 本願発明2~4について
本願発明2は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明3は、本願発明2を減縮した発明であるため、両者は、相違点2に係る本願発明1の構成と同一の構成を備えるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても引用発明、引用文献2記載事項及び引用文献3記載事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
また、本願発明4は、本願発明1に対応する方法の発明であり、相違点2に係る本願発明1の「前記第2の発電所が、第1の発電所から受けていた出力制御をアグリゲーターで受け取り、出力制御が必要な容量V1の一部である容量V2分を複数蓄電池に負担させ、この容量V2分を差し引いた残余の容量V3分を、書き換えられた出力制御として前記アグリゲーターから前記第2の発電所に配布する」と同一の構成を備えるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても引用発明、引用文献2記載事項及び引用文献3記載事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
第7 当審拒絶理由Aの理由2及び当審拒絶理由Bについて
令和4年8月30日になされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1には、「前記管理データベースでは、前記グループ毎に優先度が付与されており、」と記載されており、当該記載は、「優先度」が「グループ」を付与対象とするものであると理解できる。
また、同請求項1には、「前記容量V2から、前記優先度順に、グループに対して割り当てを行う」と記載されており、当該記載は、「グループ」の「優先度」が、「複数蓄電池に負担」させる「前記出力制御が必要な容量V1の一部である容量V2」を「制御装置」の「グループ」に対して割り当てるために用いるものであると理解できる。
さらに、同請求項3には、「前記グループ管理部は、前記実績情報に基づいて前記集計を再実行して前記グループ単位での制御を行う再計算機能を有していることを特徴とする請求項2に記載の電力供給システム。」と記載されており、当該記載は、引用する請求項2を参照すると、「前記実績情報」は「各需要単位に備えられた各蓄電装置の充電及び放電の状況」の「実績情報」であり、「前記集計」は「実績情報」の「集計」であることが理解できる。
したがって、当審拒絶理由Aの理由2及び当審拒絶理由Bはいずれも解消した。
第8 原査定についての判断
令和4年8月30日になされた補正により、補正後の請求項1~4は、前記相違点2に係る構成を有するものとなった。この構成は、原査定における引用文献B、C及びD(当審拒絶理由Aの理由1における引用文献1~3)、また、引用文献Aにも記載されておらず、本願出願前における周知技術でもない。なお、引用文献A(特開2016-213945号公報)は、その内容及び令和2年3月30日付け拒絶理由通知の内容から、「特開2016-213954号公報」の誤りであると推測されるところ、特開2016-213954号公報にも、本願発明1~4の前記相違点2に係る構成は開示されていない。
よって、本願発明1~4は、当業者であっても、原査定における引用文献A~Dに基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の拒絶の理由(進歩性)を維持することはできない。
第9 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-000314