2021-000167
分注される製品のためのパッケージング装置
- 審判番号
- 2021-000167
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-559924外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年01月06日
- 審決日
- 2022年06月28日
- 公報発行日
- 2022年07月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ルイ ヴィトン マルティエ
- 【請求人代理人】村山 靖彦
- 【請求人代理人】実広 信哉
- 【請求人代理人】阿部 達彦
- 分類
- P18 .121-WY (B65D)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 20項目
第1 手続の経緯
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本願は、2016年(平成28年)2月9日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2015年2月10日(FR)フランス共和国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は、以下のとおりである。
第2 原査定の概要
令和2年9月1日付け拒絶査定(以下「原査定」という。)の拒絶の理由の概要は、以下のとおりである。
本願の請求項1~20に係る発明は、その優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に日本国内又は外国において、頒布された以下の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
・請求項1、引用文献等1、4
・請求項2~7、引用文献等1、2、4
・請求項8~11、引用文献等1~4
・請求項12~16、引用文献等1~5
・請求項17、引用文献等1~6
・請求項18、引用文献等1~7
・請求項19~20、引用文献等1~8
<引用文献等一覧>
1.特開平04-349954号公報
2.特表2006-502055号公報
3.特表2012-511480号公報(周知技術を示す文献)
4.特表2006-502063号公報
5.特表平10-503993号公報(周知技術を示す文献)
6.特開昭61-203363号公報
7.特開2004-131176号公報(周知技術を示す文献)
8.米国特許第6527149号明細書
第3 本件補正について
令和3年1月6日の審判請求と同時に提出された手続補正書による手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許法17条の2第3項から6項までの要件に違反しているものであるとはいえない。
本件補正前の請求項1に記載された「固定要素(31)」に関して「前記固定要素(31)は、前記ボトル(2)の前記ネック部(3)内に完全に収容される」とする補正は、特許請求の範囲をさらに限定するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、願書に最初に添付した明細書の【0025】に「固定要素31は、ポンプによりカバーされたネック部が備え付けられた従来のボトルのようにネック部3の外面をカバーすることなく、ボトル2のネック部3内に完全に収容され得る。」(下線は、当審で付与したものである。以下同じ。)と記載されていることから、当該補正は新規事項を追加するものではない。
そして、以下の「第4」~「第6」までに示すように、本件補正後の請求項1~20に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。
第4 本願の請求項1~20に係る発明
本願の請求項1~20に係る発明は、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1~20に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。
「【請求項1】分注される製品のためのパッケージング装置であって、前記分注される製品を収容するのに適したボトル(2)であって、開口部の境界を定める内壁を備えるネック部(3)を有するボトル(2)と、続きを表示(全49行)本体部(5)を備えるとともに前記製品を分注するのに適した分注装置(6)と、前記分注装置(6)の前記本体部(5)を前記ボトル(2)の前記ネック部(3)に固定するための固定要素(31)であって、前記ボトルの前記ネック部(3)の前記内壁と協働する固定要素(31)と、を備え、前記固定要素(31)は、外壁(46)と内部中空シャフト(42;47)を形成する内壁(47)とを備える円筒状の二重壁部を備え、前記外壁及び前記内壁は、同軸であり、前記分注装置(6)は、前記分注装置(6)の固定部材(40、41)を備え、前記固定部材(41)は、前記分注装置(6)と一体であり、前記固定要素(31)の前記内部中空シャフト(42;47)の周りに固定されており、前記固定要素(31)は、径方向に突出するフランジ(33)を備え、前記フランジは、前記ネック部の端に設けられた肩部に面する下面(34)を備え、前記肩部は、前記ボトル(2)の前記ネック部(3)の内部に位置し、前記固定要素(31)は、前記ボトル(2)の前記ネック部(3)内に完全に収容される、パッケージング装置。【請求項2】前記内壁及び前記外壁は、前記内壁及び前記外壁と同軸であり下方に延在するシリンダー(36、49)と一体の共通端(48)を有する、請求項1に記載の装置。【請求項3】前記内部中空シャフト(42;47)は、前記固定部材(40、41)のための保持要素(43、80)を有する、請求項1に記載の装置。【請求項4】前記保持要素(43)は、実質的に前記内部中空シャフト(42)の周りに形成されたビードである、請求項3に記載の装置。【請求項5】前記保持要素(80)は、前記内部中空シャフト(47)の軸の周りに均一に分布した径方向突出部により形成されている、請求項3に記載の装置。【請求項6】前記固定部材(40、41)は、前記内部中空シャフト(42;47)の周りに圧着されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。【請求項7】前記固定部材(40、41)は、前記分注装置(6)を前記内部中空シャフト(42)の周りに固定するための少なくとも一つの内部固定突出部を備える、請求項3~5のいずれか一項に記載の装置。【請求項8】前記少なくとも一つの内部固定突出部(10)は、放射状セクション(9)を有するリング(8)の内面上に形成されており、前記放射状セクション(9)を有する前記リング(8)は、前記固定部材(40、41)を構成するとともに前記分注装置(6)の前記本体部(5)の周りに固定される、請求項7に記載の装置。【請求項9】前記固定要素は、前記分注装置(6)の前記本体部(5)のカバーを形成するシリンダー(36、49)を備え、前記シリンダー(36、49)は、前記ネック部(3)と同軸であり、前記本体部(5)を前記ネック部(3)に隠すことができる高さまで延在する、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。【請求項10】前記ネック部(3)は、ネック(3)高さを有し、前記シリンダー(36;49)は、前記ネック(3)高さ全体に沿って延在する、請求項9に記載の装置。【請求項11】前記シリンダー(36;49)は、前記シリンダー(36;49)と前記ネック部(3)の前記内壁との間に空間が存在するような直径を有する、請求項9又は10に記載の装置。【請求項12】前記固定要素(31)は、径方向Oリング(45)を支持する、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。【請求項13】前記径方向Oリング(45)は、前記固定要素の周りにフィットされる、請求項12に記載の装置。【請求項14】前記固定要素(31)は、前記径方向Oリング(45)が挿入される径方向の溝(44;52)を有する、請求項13に記載の装置。【請求項15】前記フランジ(33)と前記ネック部(3)との間に配置されたフランジ封止部(55)をさらに備える、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置。【請求項16】前記固定要素(31)を前記ネック部(3)に結合するように、接着剤が前記径方向Oリング(45)と前記フランジ封止部(55)との間に配置される、請求項12を引用する請求項15に記載の装置。【請求項17】前記ネック部(3)は、内面にスナップ式の溝(2a)を備え、前記固定要素(31)は、前記スナップ式の溝と係合するために、前記スナップ式の溝に面するクリップ(44)を備える、請求項1~16のいずれか一項に記載の装置。【請求項18】前記スナップ式の溝は、レーザーにより前記ネック部に形成されている、請求項17に記載の装置。【請求項19】前記分注装置(6)と前記固定要素(31)との間に圧入されたリング(59)をさらに備える、請求項1~18のいずれか一項に記載の装置。【請求項20】前記リングは、前記固定要素の前記外壁と前記内壁との間に配置される、請求項19に記載の装置。」
第5 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献1
引用文献1には、図面とともに、次の事項が記載されている。
(1)「【請求項1】 固定のポンプ本体と、押しボタンと協働する可動部分とから成る手動ポンプ(8,108,208,308,408)が固定された副板が上方部分に設けられた剛性の外部のケーシングと一体であり、製品を入れる容器を備えて成る液体製品ないしペースト状製品用の分与装置において、前記副板(7,107,207,307,407)を容器(R)内にはまる皿の形に形成し、この皿の凹所を容器(R)と反対側の方に向け、前記手動ポンプ(8,108,208,308,408)が皿の底部(11,111,211,311,411)によつて支持されている分与装置において、前記皿の深さ(h)は前記ポンプ本体の長さ(1)にほぼ等しく、前記皿の底部(11,111,211,311,411)には、この底部に対して突出するように、前記底部に連結された可動な変移部品(13,113,213,313,413)が設けられ、前記ポンプ本体はこの変移部品内に係合させられ、前記ポンプ本体は、前記副板の上部レベルにおいて又はこの上部レベルの下方において前記変移部品(13,113,213,313,413)に固定されたことを特徴とする分与装置。」
(2)「【0027】【実施例】図1にはたとえば二重継目により下部部分3を閉じた変形可能なたわみ性の小袋(pouch)2から成る容器Rを備えた液体製品ないしペースト状製品P用の分与装置1を示す。小袋2はその上部部分を副板7により円筒形の剛性の外部のケーシング4と一体にしてある。ケーシング4の横断面は円形以外の形状たとえば卵形の形状を持つ。ケーシング4は、大気と連通するようにオリフィス6を形成した底部5を設けてある。空気再循環を伴わないで押しボタン9を上側に取付けた手動ポンプ8を副板7に固定してある。」
(3)「【0056】図7に示されている実施態様においては、装置は、柔軟な小袋402及び副板407から成るアセンブリから成るが、ここでは、柔軟な小袋は溶接によって副板407に固定されている。柔軟な小袋402及び副板407から成るアセンブリは詰め替え部品(refills)を形成し、図1に関して説明したように剛性のエンクロージャ(enclosure)404に可動式に固定されている。手動ポンプ408及び中間の部品413から成るアセンブリを副板407に固定することができる。副板407には、スナップ係合により中間の部品すなわち変移部品413を固定するための外部の環状のスナップ・ビーディング(snapbeading)414の備わった軸方向の被覆部材412が具備されている。被覆部材412により形成された軸方向開口部はアルミニウムのヒートシール式カバーによって閉じられ、このカバーは、容器の方に向いた副板の底部411の表面に固定されている。変移部品413は、必要なクリアランスを除いて被覆部材の内径に等しい外径を有する円筒形部分431によって形成される。変移部品すなわちスリーブ413の軸線に対して垂直な環状表面を用いて変移部品すなわちスリーブ413の外面上に密封用のすそ部分433が配置されており、このすそ部分の下部リムには、被覆部材412のスナップ・ビーディング414と連動できるスナップ・ビーディング434が備わっている。スリーブ413の円筒部分431の下縁部上には、カッター435が配置されている。【0057】手動ポンプ408は、図1に示されているものと同様のものであり、これはスリーブ413上の上部ビーディング418にクリンピングにより固定されている。【0058】ユーザは、詰め替え部品を用いたいと考える場合スリーブ413を剛性の容器内に導入し及び/又はこれをスナップ係合により被覆部材412に固定する。このときカッタ435を支持する円筒形部分431は被覆部材412の中に貫入し、密封用すそ部分433は被覆部材412の外面に対しスナップ係合により固定される。スリーブ413の円筒形部分431の下方部分にあるカッタは、カバー430を引裂き、小袋402と手動ポンプ408の間に連絡を打ち立てる。このとき、ユーザは押しボタン(図示せず)を手動ポンプ408に固定することができる。」
(4)「【図7】[図:0001385676000001.jpg]」
(5)図7からは、変移部品413が、密封用のすそ部材433と、密封用のすそ部材433の内側に配置された円筒部分431とを備え、同軸状の二重になっている部分を有する構成と、上部ビーディング418は変移部品413と一体であり、変移部品413の円筒部分431の上端に配置されている構成とが、見て取れる。
(6)上記(1)~(5)を踏まえると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているといえる。
「液体製品ないしペースト状製品Pの分与装置であって、液体製品ないしペースト状製品Pを収容する柔軟な小袋402を入れるエンクロージャ404と、手動ポンプ408を備えるアセンブリと、アセンブリの手動ポンプ408をエンクロージャ404に固定するための変移部品413とを備え、前記変移部品413は、密封用のすそ部材433と、密封用のすそ部材433の内側に配置された円筒部分431とを備え、同軸状の二重になっている部分を有し、前記アセンブリは、前記手動ポンプ408を上部ビーディング418でクリンピングにより固定し、上部ビーディング418は前記アセンブリの変移部品413と一体であり、変移部品413の円筒部分431の上端に配置されている、分与装置。」
2 引用文献4
引用文献4には、次の事項が記載されている。
「【0013】容器については、全体を示されておらず、ネック3だけが見える形となっている。ネック3は、内壁31、上側端部壁32、そして外壁33を有する。上側端部壁32は、図1に示すように完全に平面にしてもよいが、1つまたは複数個の同心円状のリングが立体的に形成された形とすることもできる。上側端部壁32がネックの内部に向かって延びた先は、環状の斜面321となっている。斜面の先の位置に、内壁31は狭いほぼ筒状の開口部分311を形成している。そして、部分311の下に、内壁31はわずかに断面の広がった部分312を形成しており、このわずかに大きくなった部分が下向きに延びた先は、もう1つのほぼ筒状の部分313となっている。さらに、上側端部壁32は外向きに延び、その先は丸みをつけられた部分322となっている。丸みをつけられた部分そのものが延びた先は、外壁33となっている。外壁33は、第1に、ほぼ筒状の部分330を形成しており、当該ほぼ筒状の部分が下向きに延びた先はショルダー331となっている。ショルダー331は、直径が部分330の直径よりも小さいもう1つの部分332に接続されている。このような形は、容器のネック、さらに具体的に言えばガラスで作られた容器のネックにとって、全く従来どおりのものである。ガラスは現在、フラスコ、そしてさらに一般的には、香水、化粧品、さらに薬の分野における容器を作るために使用されている。【0014】装置全体が参照番号1によって示される固定装置は、固定リング10を有し、当該固定リングの上にはカバーバンド167が設置されている。好ましい構成として、固定リング10はプラスチック素材でつくられており、一方、好ましい構成として、カバーバンド167は金属で作られている。固定リング10は、収容手段11を有しており、当該収容手段は、スナップ留めビード111によって形作られたスナップ留めハウジングの形となっている。投与部材2の強化カラー21は、ハウジングに圧力嵌めされ、スナップ留めビード111によってその中に保持される。スナップ留めハウジングには貫通穴12が開けられており、この貫通穴を、投与部材2の弁ロッド22が通る。収容手段11からは、リングが径方向に外向きに延び、環状のプレートの形をした環状フランジ13を形成している。収容手段11と環状フランジ13との間の接合部において、固定リングはさらに下向きに延びて、その先は内部スリーブ19の形となっている。スナップ留めビード111は、下向きに自由に延びる内部スリーブ19の上側端部の位置に置かれている。環状フランジ13の外周部は、上向きに延びて上側ブッシング16を形成し、下向きに延びて外部スカート17を形成している。外部スカート17は、切れ目のない形にしてもよいし、分割された形にし、縦方向のスリットによって隔てられた縦方向のタブを形成するようにしてもよい。スカートの下側端部には、ビードまたは径方向内向きに張り出した保持ビード18を設けることができる。」
(2)「【0019】外部スカート17に関して言えば、当該外部スカートは、ネック3の外壁33と接触することができる。この接触は、必須ではないが、クランプ留めおよび/あるいは耐漏洩にすることができる。図1に示す実施の形態において、スカート17の先は、ショルダー331まで延びたフック端部18となっており、当該フック端部はショルダーにフック留めされる形になっている。さらに、このフック留めはバンド167の存在によって固定されている。」
第6 対比・判断
1 本願発明との対比
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)と引用発明とを対比すると、引用発明の「液体製品ないしペースト状製品P」は、その用語の意味からみて、本願発明の「分注される製品」に相当し、以下同様に、
「分与装置」は「パッケージング装置」に、
「エンクロージャ404」は「ボトル(2)」に、
「手動ポンプ408」は「本体部(5)」に、
「アセンブリ」は「分注装置(6)」に、
「変移部品413」は「固定要素(31)」に、
「密封用のすそ部材433」は「外壁(46)」に、
「円筒部分431」は「内部中空シャフト(42;47)を形成する内壁(47)」に、
それぞれ相当する。
引用発明の「上部ビーディング418」は、クリンピングにより手動ポンプ408を固定する構成であるから、本願発明の「固定部材(40、41)」に相当し、「アセンブリの変移部品413と一体」であるから、本願発明の「分注装置(6)と一体」に相当する構成を有し、「変移部品413の円筒部分431の上端に配置されている」から、本願発明の「前記内部中空シャフト(42;47)の周りに固定されている」構成を有するといえる。
引用発明の「アセンブリ」は、「液体製品ないしペースト状製品」を分与するのに特段の支障はないから、本願発明でいう「前記製品を分注するのに適した」ものに相当するといえる。
引用発明の「液体製品ないしペースト状製品Pを収容する柔軟な小袋402を入れるエンクロージャ404」と、本願発明の「前記分注される製品を収容するのに適したボトル(2)」とは、「分注される製品を収容するために用いられるボトル」の限りにおいて共通する。
また、引用発明の「同軸状の二重になっている部分」と、本願発明の「円筒状の二重壁部を備え、」「同軸で」あることとは、「二重壁部を備え、」「同軸で」あることの限りにおいて共通する。
(2)以上のことから、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「分注される製品のためのパッケージング装置であって、分注される製品を収容するために用いられるボトルと、本体部を備えるとともに前記製品を分注するのに適した分注装置と、前記分注装置の前記本体部を前記ボトルに固定するための固定要素と、を備え、前記固定要素は、外壁と内部中空シャフトを形成する内壁とを備える二重壁部を備え、前記外壁及び前記内壁は、同軸であり、前記分注装置は、前記分注装置の固定部材を備え、前記固定部材は、前記分注装置と一体であり、前記固定要素の前記内部中空シャフトの周りに固定されている、パッケージング装置。」
[相違点1]
本願発明のボトル(2)は、「前記分注される製品を収容するのに適したボトル(2)」であるのに対し、引用発明のエンクロージャ404は「液体製品ないしペースト状製品Pを収容する柔軟な小袋402を入れるエンクロージャ404」である点。
[相違点2]
本願発明は、「開口部の境界を定める内壁を備えるネック部(3)を有するボトル(2)」と、「前記分注装置(6)の前記本体部(5)を前記ボトル(2)の前記ネック部(3)に固定するための固定要素(31)であって、前記ボトルの前記ネック部(3)の前記内壁と協働する固定要素(31)と」を備え、「前記固定要素(31)は、径方向に突出するフランジ(33)を備え、前記フランジは、前記ネック部の端に設けられた肩部に面する下面(34)を備え、前記肩部は、前記ボトル(2)の前記ネック部(3)の内部に位置し、前記固定要素(31)は、前記ボトル(2)の前記ネック部(3)内に完全に収容される」構成であるのに対し、引用発明は、このような構成を有しない点。
[相違点3]
本願発明の「固定要素(31)」は、「円筒状の二重壁部を備え」る構成であるのに対し、引用発明は、このような構成を有しない点。
(3)以下、事案に鑑み相違点2について検討する。
引用発明の分与装置は、そもそもネック部を有するものではない。
そして、引用文献4に記載の容器は、上記第5の2で摘記した事項によれば、ネック3を有することが記載されているものの、投与部材2の収容手段11(本願発明の「固定要素(31)」に相当)の保持ビード18が、ネック3の外壁33のショルダー331に固定される構造であるため、収容手段11は、ネック3内に完全に収容される構成とはなっていない。
そうすると、そもそもネック部を有さない引用発明に、引用文献4に記載の技術を適用する動機付けがあるとはいえず、また仮に引用発明に引用文献4に記載の技術を適用することができたとしても、上記相違点2に係る本願発明の構成には至らない。
また、引用文献2、3、5~8にも、本願発明の「固定要素(31)は、前記ボトル(2)の前記ネック部(3)内に完全に収容される」構成に相当するものは記載されていないし、当該構成が周知技術であるとも認められない。
さらに、仮に、引用文献1の図7のエンクロージャ404の上部の部分の外径がその他の部分よりも小さく描かれていることから、この上部の部分が本願発明の「ネック部(3)」に相当すると認定したとしても、引用文献1には、変移部品413をネック部内に完全に収容することについては記載も示唆もされていないし、上述のとおり、引用文献2~8には変移部品413をネック内に完全に収容することの動機付けとなる記載や示唆もなく、そのようにすることが周知の技術であるとする証拠もない。
そうすると、引用発明及び引用文献1~8に記載された事項を組み合わせても、上記相違点1に係る本願発明の構成に至らない。
また、本願発明は、上記相違点1に係る構成により、「審美的な理由により分注装置の本体部」及び固定要素(31)をネック部(3)内に「隠すことを可能」(明細書の段落【0007】とする作用効果を奏すると認められるところ、当該作用効果は、引用発明及び引用文献1-8に記載された事項から当業者が予測可能なものとはいえない。
したがって、上記相違点1及び3について検討するまでもなく、本願発明は、引用発明及び引用文献1~8に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2 請求項2~20について
本願の請求項2~20に係る発明は、本願発明の構成のすべてを備え、さらに請求項2~20に記載された事項によって限定を付加したものであるから、上記1のとおり、本願発明について述べたのと同じ理由により、引用発明、引用文献1~8に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
第7 原査定について
本件補正により、本願の請求項1~20に係る発明は、「前記固定要素(31)は、前記ボトル(2)の前記ネック部(3)内に完全に収容される」という事項を有するものとなっており、上記第6で説示したとおり、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1~8に記載された発明に基いて、容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。
第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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