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商標異議申立

2020-900347

ベーシック

審判番号
2020-900347
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2018-043722
登録番号
商標登録第6304764号(T6304764)
請求日
2020年12月24日
審決日
2021年10月20日
公報発行日
2021年12月24日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】岡本株式会社
  • 【権利者代理人】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
  • 【異議申立人】西田 勝一
審判長/審判官
  • 審判長 佐藤 淳
  • 審判官 杉本 克治
  • 審判官 阿曾 裕樹
分類
T1651.13 -Y (W25) / T1651.16 -Y (W25) / T1651.272-Y (W25)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項第6号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

登録第6304764号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 登録第6304764号商標の商標登録を維持する。

理由

【理 由】 1 本件商標 本件登録第6304764号商標(以下「本件商標」という。)は、「BASIC」の欧文字を標準文字で表してなり、平成30年4月6日に登録出願、令和2年9月28日に登録査定され、第25類「靴下,パンティーストッキング,ショートストッキング,ストッキング,腹巻き,バンダナ,ショール,スカーフ,ネクタイ,ネッカチーフ,レッグウォーマー,アームカバー,手袋,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ネックウォーマー」を指定商品として、同年10月16日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同項第6号並びに同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証から甲第17号証(枝番号を含む。)を提出した。 (1)本件商標の商標法第3条第1項第3号及び同項第6号並びに同法第4条第1項第16号該当性について ア 本件商標は、「BASIC」の文字を標準文字で横一連に書した構成からなるところ、当該文字は、辞書によると「基礎的な、基本の」等の意味合いを有する平易な英語である(甲2の1~甲2の3)。 また、我が国では本件商標の登録査定日の時点で、その指定商品が属するファッション業界において、「BASIC」の文字及びその表音を表した「ベーシック」の片仮名が、以下のとおり、「基本型の商品」という商品の品質及び特徴を示す語として広く一般に使用されていた実情がある(甲2の3~甲11)。 (ア)ファッション辞典には、「ベーシック(basic)」の語が「〈基礎の、基本の、根本的な〉の意。服飾用語としては適度なファッション性があって、何年も着用できるような基本型のシンプルな服をさす。」の意味合いで載録されている(甲2の3)。 (イ)ファッション業界では、本件商標の指定商品と同一又は類似の商品について、「BASIC」及びその表音である「ベーシック」の文字が、本件商標の登録査定の時点で、「基本型の商品」という商品の品質及び特徴を示す語として広く一般に使用されていた実情がある(甲3の1~甲11)。 イ 「BASIC」又は「ベーシック」の文字を有し、かつ本件商標の指定商品と同一又は類似の商品を指定した商標登録出願が、商標法第3条第1項第3号若しくは同項第6号又は同法第4条第1項第16号に該当することを理由に拒絶査定された事例がある(甲12の1~甲17の2)。 ウ (ア)以上の点を総合的に勘案すると、本件商標は、その指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「基本型の商品」であることを認識させるにすぎないものであるから、商品の品質及び特徴を直接的に表示するものであり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ない。 さらに、本件商標は、その構成文字の書体に特徴があるものではない。 (イ)したがって、本件商標は、その指定商品中「基本型の商品」について使用されるときは、単に商品の品質及び特徴を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、本件商標の指定商品中、前記以外の商品について使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。 (ウ)また、本件商標は、上記のとおり、本件指定商品について、商品の内容を示す語として多数使用されている語であるため、その指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。 3 当審の判断 (1)ア 本件商標は、「BASIC」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は「基礎的。基本的。」の意味を有する我が国でも親しまれた外来語(参照:「広辞苑 第7版」岩波書店、「プログレッシブ英和中辞典」小学館、甲2の1、甲2の2)であるが、その意味は抽象的で、商品の品質を直接表示するものではない。 イ そして、ファッション分野においては、「ベーシック[basic]」の語を「〈基礎の、基本の、根本的な〉の意。服飾用語としては適度なファッション性があって、何年も着用できるような基本型のシンプルな服をさす。」(「ファッション辞典」文化出版局、甲2の3)と掲載する辞典もあるが、他方で、当該語を単独では掲載せずに、「ベーシック・カラー[Basic color]」(〈基調色〉という意味)、「ベーシック・スタイル[Basic style]」(ベーシックは〈基礎的な〉〈根本の〉の意味で、何年間も着られるような、基本的なシンプルな服による装いのこと)、「ベーシック・ドレス[Basic dress]」(アクセサリーの変化などで、いくとおりにも変化をつけて着られるようなシンプルなドレスの総称)のように、他の語と結合した成語の形で掲載する辞典(参照:「新・田中千代服飾辞典」同文書院)もある。 ウ また、申立人が「BASIC」(ベーシック)の語の使用例として提出する証拠(甲3の1~甲11)も、「ベーシック」の語を他の語と結合して使用する事例、例えば「ベーシックソックス」(甲3の1)、「ベーシック靴下」(甲3の2)、「ベーシックな無地ソックス」(甲3の3)、「ベーシックな柄の靴下」(甲3の9)、「ベーシックなデザインと品質にこだわったソックス」(甲3の15)、「ベーシックタイツ」(甲4の4)、「ベーシックカラーのブラウンタイツ」(甲4の5)、「ベーシックストッキング」(甲5の1)などが中心であって、「ベーシック」(BASIC)の語が単独で、商品の具体的な品質表示や宣伝文句として広く採択、使用されていることを示すものではない。 エ 以上を踏まえると、本件商標「BASIC」は、ファッション業界において他の語と結合して比較的使用される機会が多い語であるとしても、当該文字単独で商品の具体的な品質表示や宣伝文句として広く採択、使用されているものではないから、その「基礎的。基本的。」の意味合いにしても商品の品質を直接表示するものではなく、宣伝文句とも直ちに認識できないことを併せ鑑みると、自他商品の出所識別標識としての機能を有しないとはいえない。 そうすると、本件商標は、その指定商品との関係において、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章ではなく、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標ではなく、また、商品の品質について誤認を生じるおそれもないから、商標法第第3条第1項第3号及び同項第6号並びに同法第4条第1項第16号に該当しない。 (2)申立人の主張について ア 申立人は、ファッション業界において「BASIC」(ベーシック)の語が「基本型の商品」という商品の品質及び特徴を示す語として使用されている事例(甲2の3~甲11)を提示して、本件商標は、その指定商品に使用するときは、それに接する需要者及び取引者は、当該商品が「基本型の商品」であることを認識させるにすぎないから、商品の品質及び特徴を直接的に表示するものであり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ない旨を主張する。 しかしながら、申立人の提示する事例は、上記(1)ウのとおり、「ベーシック」の語を他の語と結合して使用する事例であって、当該語が単独で、商品の具体的な品質表示や宣伝文句として採択、使用されているものではない。 また、申立人主張の本件商標の意味合い(基本型の商品)も、商品のどのような品質を表示しているのか漠然としており、具体性を欠くものである。 そうすると、本件商標は、上記(1)エのとおり、自他商品の出所識別標識としての機能を有しないとはいえない。 イ 申立人は、構成中に「BASIC」(ベーシック)の文字を含む商標が拒絶査定されている過去の審査例を提示する。 しかしながら、本件商標の登録適格性は、商標の構成や取引の実情など、個別具体的な実情に基づき判断すべきものであって、過去の審査例により直接影響を受けるものではない。 なお、申立人の提示する審査例は、いずれも本件商標とは構成文字を異にしており、必然的にそれぞれの取引の実情も相違すると考えられるから、互いに事案を異にするものである。 (3)結論 以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同項第6号並びに同法第4条第1項第16号の規定に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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