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商標異議申立

2020-900248

審判番号
2020-900248
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2019-102730
登録番号
6269999
請求日
2020年09月30日
審決日
2022年06月21日
公報発行日
2022年12月28日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】ストラト トレーディング グループ,インコーポレーテッド
  • 【権利者代理人】野河 信太郎
  • 【権利者代理人】稲本 潔
  • 【権利者代理人】保田 英樹
  • 【異議申立人】プーマ エスイー
  • 【異議申立人代理人】三上 真毅
審判長/審判官
  • 審判長 齋藤 貴博
  • 審判官 板谷 玲子
  • 審判官 馬場 秀敏
分類
T1651.261-Z (W25) / T1651.262-Z (W25) / T1651.263-Z (W25) / T1651.22 -Z (W25) / T1651.271-Z (W25)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第7号、商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6269999号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6269999号商標の商標登録を取り消す。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6269999号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和元年7月29日に登録出願、第25類「履物及び運動用特殊靴,帽子,ズボン及びパンツ,ボトムス,ジャケット,トップス,ワイシャツ類及びシャツ,ブラウス」を指定商品として、同2年6月8日に登録査定され、同年7月15日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、以下のとおりである。 1 登録第1400890号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:別掲2のとおり 登録出願日:昭和50年6月10日 設定登録日:昭和54年12月27日 書換登録日:平成23年2月2日 指定商品 :第6類、第8類、第9類、第15類、第18類ないし第22類、第24類、第25類、第27類、第28類及び第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 2 登録第1412880号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:別掲2のとおり 登録出願日:昭和50年6月10日 設定登録日:昭和55年3月28日 書換登録日:平成23年4月13日 指定商品 :第6類、第14類、第18類、第21類、第22類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 3 登録第1663782号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の構成:別掲3のとおり 登録出願日:昭和55年4月4日 設定登録日:昭和59年2月23日 書換登録日:平成17年8月31日 指定商品 :第18類、第21類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 4 登録第1679061号商標(以下「引用商標4」という。) 商標の構成:別掲3のとおり 登録出願日:昭和55年4月4日 設定登録日:昭和59年4月20日 書換登録日:平成17年8月31日 指定商品 :第9類、第20類、第22類、第25類、第27類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 5 登録第4919435号商標(以下「引用商標5」という。) 商標の構成:別掲4のとおり 登録出願日:平成17年6月21日 設定登録日:平成18年1月6日 指定商品 :第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 6 国際登録第732710号商標(以下「引用商標6」という。) 商標の構成:別掲5のとおり 国際登録出願日:2000年(平成12年)3月18日 優先権主張:1999年(平成11年)10月5日 Germany 設定登録日:平成12年12月8日 指定商品 :第9類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品 7 国際登録第1250838号商標(以下「引用商標7」という。) 商標の構成:別掲6のとおり 国際登録出願日:2014年(平成26年)11月12日 設定登録日:平成28年7月29日 指定商品 :第18類及び第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品 そして、引用商標1ないし引用商標7は、いずれも現に有効に存続しているものである。(以下、引用商標1ないし引用商標7を一括して、単に「引用商標」ということがある。) 第3 登録異議の申立の理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第7号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第41号証(枝番号を含む。)を提出した。以下、証拠については、「甲1」のように記載する。 1 申立の根拠 (1)商標法第4条第1項第11号の該当性について 本件商標は、別掲1のとおり構成の図形よりなる。 申立人の所有に係る「引用商標」は、いずれも、幅の広い底辺から右上に向かって緩やかにカーブしつつ伸び上がり、徐々に細長くなっていく特徴的な図形からなる。 本件商標を180度回転した態様(以下「本件態様」という。)と引用商標とは、底辺の向きや末端軽く湾曲している点に相違が見受けられるものの、周知著名な引用商標の特徴的な基本的構成と一致しており、外観全体の印象が非常に似通っているため、看者に共通した印象・記憶を与える。 また、本件商標に係る全ての指定商品:第25類「履物及び運動用特殊靴,帽子,ズボン及びパンツ,ボトムス,ジャケット,トップス,ワイシャツ類及びシャツ,ブラウス」(以下「本件商品」という。)は、引用商標に係る指定商品と同一又は類似している。 したがって、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。 (2)商標法第4条第1項第15号の該当性について 引用商標は、本件商標の登録出願前から、申立人の業務に係るスポーツシューズ等を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間で広く認識されている周知・著名な商標であるところ、本件商標が向きや角度を変えて本件商品に使用された場合、これに接する取引者、需要者は、幅の広い底辺から対角線方向に向かって緩やかにカーブしつつ伸び上がり、徐々に細長くなっていく特徴に着目し、本件商標の登録出願前から周知・著名な引用商標を連想、想起し、当該商品が申立人、又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。 (3)商標法第4条第1項第7号の該当性について 本件態様と、周知・著名な申立人の引用商標と対比してみると、細部の具体的構成において引用商標と相違する点が見受けられるとしても、その基本的構成において引用商標との高い類似性が認められる。 そうすると、本件商標を本件商品に使用する場合には、引用商標の出所表示機能が希釈化(ダイリューション)され、引用商標に化体した信用、名声及び顧客吸引力、ひいては申立人の業務上の信用を毀損させるおそれがある。 このため、本件商標は、引用商標に化体した信用、名声及び顧客吸引力に便乗して不当な利益を得る等の目的をもって引用商標の特徴を模倣して出願し登録を受けたものであり、公正な取引秩序を乱し、商道徳に反するものというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものである。 2 申立人のスポーツシューズ等を表示する周知著名な引用商標 (1)プーマ エスイー、及び、プーマジャパン 申立人は、スポーツシューズ、スポーツウェア、被服、バッグ等を世界的に製造販売している多国籍企業である(甲4~甲7)。 1920年(大正9年)に靴を販売する「ダスラー兄弟商会」を設立し、その後分社して、1948年(昭和23年)にプーマ社を設立した(甲7)。 我が国においては、1972年から、靴、バッグ、アクセサリー、ウェアについて使用し、2010年からプーマジャパンとして営業している(甲4~甲8)。 (2)申立人の引用商標 申立人の所有に係る引用商標は、いずれも、幅の広い底辺から右上に向かって緩やかにカーブしつつ伸び上がり、徐々に細長くなっていく流線デザインを特徴とする図形からなる。 (3)引用商標の使用実績、周知著名性 申立人は、1958年(昭和33年)より、引用商標の使用を開始した(甲7)。 引用商標は、幅の広い底辺から右上に向かって緩やかにカーブしつつ伸び上がり、徐々に細長くなっていく流線デザインを基調としており、これらの図形は「フォームストライプ」と称され、本件商標の登録出願前から申立人の取扱いに係るスポーツシューズをはじめとする各種商品に使用されてきた(甲7~甲30)。 フォームストライプが最初に付された申立人のサッカーシューズは、1958年にスウェーデンで開催されたサッカー・ワールドカップである(甲7)。 1960年代以降、著名なサッカー選手、2000年(平成12年)以降には世界的に著名な陸上選手など、各国のサッカーや陸上のトップアスリートが引用商標を付したスポーツシューズを着用し(甲7、甲26及び甲28)、多くの需要者に支持されたことで、世界的なスポーツブランドとして不動の地位を確立した。 申立人のウェブページ「プーマ公式オンラインストア」(甲9、甲27の1)において、我が国の需要者向け各種商品や直営店(甲9の2)等の紹介がなされ、全国各地のスポーツショップやスポーツ用品売り場、靴屋だけでなく、様々なオンラインストア通販などの媒体を通じて、需要者はフォームストライプが付されたスポーツシューズ、カジュアルシューズ等を購入することができる(甲27の2~甲27の5)。 申立人は引用商標の使用開始時より、フォームストライプを付した商品の宣伝広告に長年にわたり注力している(甲7の2ないし甲25の3)。 また、著名なスポーツ選手や人気歌手、キャラクター、有名な企業や団体等とのコラボレーションによる商品(シューズ)を数多く発表しており、これらの商品には引用商標(フォームストライプ)が使用されている(甲28の1~甲28の17)。 60年以上前にサッカーシューズに始まり(甲7)、その後、各種シューズにおいて引用商標を主に使用しているが(甲27)、引用商標を付した申立人の商品(商標ライセンス許諾による商品を含む)はこれにとどまらず、現在では、フォームストライプの特徴を残しつつ、向きや大きさ、流線デザインの描き方にバリエーションを持たせながら、以下の様な様々な商品に使用されている。 使用商品例:「靴下、ショルダーバッグ、Tシャツ、トートバッグ、帽子、ベルト、ペンケース、ダッフルバッグ、半袖シャツ、ゴルフグローブ、腕時計、ゴルフバッグ、パーカー、ハーフパンツ、ランドセル、ウエストポーチ、シャーペン、財布、スマートフォンケース」(甲29の1~甲29の21) 引用商標(フォームストライプ)は、幅の広い底辺が常に左下に、左向きに描かれているわけではなく、下向き(90度回転)や右向き、反転したものや、底辺の真ん中あたりから折れ曲がったものもあり、いろいろな向き(角度)や大きさ、バリエーションにより表示された引用商標(フォームストライプ)をもって取引に供されており、需要者はこれらをいずれも引用商標と認識している。 プーマジャパンの業務に係るスポーツ用品について、「スポーツ産業白書(2003年~2018年版)」(甲5の1~甲5の6)によると、国内での売上高及び企業別順位は、スポーツ用品メーカー(スポーツ関連売上高10億円以上)として、「プーマジャパン(株)」が9位にランキングされ、該売上高は、約393.2億円(予測)である。2017年は9位、2016年は7位の順位をキープしており、該売上高は、2013年:431億2,100万円(6位)、2014年:425億2,300万円(7位)、2015年(見込):431億2,100万円(7位)、2016年(予測):約442億円と安定して推移しており、国内売上高は毎年ほぼ400億円を超えている。 また、プーマジャパンの業務に係るスポーツシューズについて、「スポーツシューズビジネス(2003年~2018年版)」(甲4の1~甲4の5)によると、国内での出荷額、企業別順位、市場占有率は、2013年は、179億5,500万円、6位、5.9%、2014年は、177億8,000万円、6位、5.4%、2015年は、184億4,000万円、6位、5.2%であり、出荷額は毎年170億円を超え、5%を超える市場占有率を有している。 さらに、「スポーツアパレル市場動向調査(2015年~2018年版)」(甲6の1~甲6の4)によると、スポーツアパレルのブランド別国内出荷金額ランキングでは、2012年は第4位、2013年から2017年は第5位であり、2018年は第8位と順位を若干落としているが、2018年出荷金額(見込)は、約231.6億円(市場占有率4.2%)を前年(2017年は約214億円)より金額は増えている。 このように、申立人は、1958年から60年以上にわたり、引用商標(フォームストライプ)をプーマ社のブランドとしてスポーツシューズに使用し(甲7)、我が国においては、1970年代から販売してきたこと(甲7の1~甲30)、かつ、引用商標を付してスポーツ分野でスポンサーとして協賛し、有名人等とのコラボレーションをした商品等を、少なくとも2009年には、ウェブサイトにおいて掲載しており(甲26~甲28)、また、2013年ないし2017年における申立人の売上高も堅調に推移しており、「スポーツシューズメーカー別国内出荷金額」及び「スポーツアパレルのブランド別国内出荷金額ランキング」においても常に上位に位置していることから(甲4~甲6)、本件商標の出願時及び登録時において、引用商標が、申立人の業務に係るスポーツシューズ等(以下「申立人商品」という。)を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものであることは、顕著かつ公知の事実といえる。 3 本件商標を商標法第4条第1項第11号により取消すべき理由 (1)商標法第4条第1項第11号 本件商標に対する同号の適用においては、本件商品に使用された本件商標を目にした需要者に与える印象、記憶、連想等、本件商品に係る取引の実情、さらには引用商標の周知著名性を総合して全体的に考察して、判断されるべきである。 (2)商標の同一又は類似 本件商標は、別掲1のとおりの構成の図形よりなるところ、上向きの幅の広い底辺から左下に向かって緩やかにカーブしつつ伸び下がりながら徐々に細長くなっていき、先端が軽く湾曲した特徴を有する。 申立人が長年にわたり所有、使用し、周知著名性を獲得している引用商標は、「フォームストライプ」と称され、幅の広い底辺から右上に向かって緩やかにカーブしつつ伸び上がり、徐々に細長くなっていく流線デザインを基調としている。 申立人が、フォームストライプ形状の細部が異なる複数のデザインパターンを登録している意図は、当該図形を様々なスポーツシューズに使用するにあたり、異なる形状のシューズに当該図形を配するには、当該図形自体を靴の形状に合わせて微妙に違える必要があったため、このように少しずつ違った図形をそれぞれ商標登録したものである。 なお、申立人の引用商標は、各種スポーツシューズの側面において長年にわたり使用(甲7~甲30)されてきたことで需要者の間に広く認識されたものであることから、スポーツショップ等の店頭や広告、競技会場、メディア等を通じて申立人のシューズを目にした我が国の需要者であれば、右足用と左足用とで、引用商標の向きが反転して使用されている状況を、これまで頻繁に目にするも(甲7~甲30)、当然ながら、これらいずれも申立人の引用商標(フォームストライプ)だと認識して、当該商品を購入している実情が存在する。 また、反転以外にも、上述したとおり、各種商品において上向きや下向きに引用商標が描かれており、どの向きにおいても需要者が申立人の周知著名な引用商標(フォームストライプ)と認識できる態様で使用されている。 このような実情から明らかなとおり、引用商標の図形の向きは、引用商標の出所機能を特徴付けるものではなく、特徴的な流線デザインの形状自体をもって、需要者に申立人の業務に係る商品であることを印象付けるに至っている。 本件商標と引用商標を並べてみると、一見、異なった印象を受けるが、図形には絶対的な上下の決まりがあるわけではなく、本件態様と引用商標とを対比してみると、底辺の向きや末端が軽く湾曲している点に相違が見受けられるものの、周知著名な引用商標特徴づける流線デザインの基本的構成が一致しており、外観全体の印象が非常に似通っているため、看者に共通した印象・記憶を与える。 構成図形の傾斜方向や角度を異にするものであっても、他の構成要素を共通にし、共通の観念を連想、想起せしめる場合、当該差異は僅かなものというべきであり、両者はこれらの共通点において軌を一にするものであって、時と処を別にして観察するときは似通った印象を看者に与え、彼此相紛らわしいものといえる(甲39)。 本件の場合、引用商標が周知著名性を獲得し、その独創性及び自他識別力が本来的に高いこと、さらに、細部にバリエーションを施した複数の態様において、また、向きや角度を変えて、長年にわたり引用商標を使用していること、本件指定商品に係る需要者、取引者が当該事情に見慣れていることを考慮すると、同号の商標審査基準における「需要者の間に広く認識された商標を構成中に含む」には、周知著名商標の向きや角度を変えたものも当然含まれると解すべきであり、とりわけ、本件商標は、その向きにおいて特定の観念が生じるものではなく、また、位置商標と異なり、本件商標に係る図形の上下方向や向きが明確に限定されたものではないことからすると、本件商標に係る図形の向きを変えることで需要者が周知著名な申立人の引用商標を容易に想起、連想する場合には、両商標は類似と判断されるべきであり、そのように解することが、むしろ、商標法第4条第1項第11号の趣旨とも合致する。 現に、老若男女問わず広く一般世人を需要者とする本件商品を取り扱うスポーツウェア、アパレル及びファッション業界においては、周知著名性な商標が、その位置や向き、大きさを変えた様々なパターンにより商品に描かれ、取引されている実情が存在する。 取引の実情を踏まえ、両商標の全体的な構図をみると、いずれも、幅の広い底辺から対角線方向に向かって緩やかにカーブしつつ伸び上がり、徐々に細長くなっていく基本的構成において、本件商標と引用商標とは共通するものであり、本件態様と対比してみると、外観上、引用商標と極めて高い類似性が認められる。 また、本件商標及び引用商標のいずれからも特定の読み方及び意味合いが生じないため、両商標は称呼及び観念上、明確な差異が認められない。 さらに、本件商品は、引用商標が長年使用されてきた申立人商品と同一、又は用途・目的・品質・販売場所等を同じくし、関連性の程度が極めて高く、商標やブランドについて詳細な知識を持たず、商品の選択・購入に際して払う注意力が高いとはいえない一般消費者を需要者とする点でも共通するだけでなく、衣類や靴等では、商標をワンポイントマークとして小さく表示する場合も少なくなく、その場合、商標の微細な点まで表されず、需要者が商標の全体的な印象に圧倒され、些細な相違点に気付かないことも多いことを考慮すると(甲34~甲36)、本件商標がワンポイントマークとして使用されたスポーツウェアが、周知著名な引用商標が数多く並ぶスポーツ用品店に陳列された場合、これを目にした通常の注意力を有する本件商品に係る需要者であれば、その外観の相紛らわしさ、印象の酷似性により、両商標を誤認する可能性はより高まる。 そうすると、引用商標の周知著名性、引用商標の流線デザインの特徴、本件商品における取引の実情や需要者の注意力を総合的に勘案すると、底辺の向きや末端が軽く湾曲している点に相異点を有するとしても、その相異点が商標全体として看者の印象・記憶に影響を及ぼす程のものではなく、外観における共通点を凌駕するものではないことから、両商標は類似すると判断されてしかるべきである。 (3)商品の同一又は類似 本件商品はいずれも、引用商標に係る指定商品と同一又は類似している。 また、引用商標は、いずれも、本件商品に含まれる、あるいは本件商品と関連性が高い商品である。 (4)小括 本件商標と引用商標とは外観において看者の印象・記憶に共通した印象を与えるだけでなく、本件商品と引用商標に係る指定商品とは同一又は類似する。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 4 本件商標を商標法第4条第1項第15号により取消すべき理由 (1)本件商標と引用商標との類似性の程度 両商標の全体的な構図をみると、いずれも、幅の広い底辺から対角線方向に向かって緩やかにカーブしつつ伸び上がり、徐々に細長くなっていく基本的構成において、本件商標と引用商標とは共通するものであり、本件商標を180度回転した態様と対比してみると、外観上、引用商標と極めて高い類似性が認められる。 また、本件商標及び引用商標のいずれからも特定の読み方及び意味合いが生じないため、両商標は称呼及び観念上、明確な差異が認められないことから、商標全体の類似性の程度は、総じて低くはない。 (2)引用商標の周知著名性及び独創性の程度 引用商標は、本件商標の登録出願時には既に、申立人の業務に係るスポーツシューズ等を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものであることは、特許庁において、顕著かつ公知の事実であり、引用商標は、いずれも、幅の広い底辺から右上に向かって緩やかにカーブしつつ伸び上がり、徐々に細長くなっていく特徴的な図形からなるものであるから、その独創性は高いと認定された(甲34)。 (3)本件商品と申立人商品との関連性 本件商品のうち、「履物及び運動用特殊靴」は、引用商標の周知著名性が需要者に広く認識されているスポーツシューズが含まれ、同一又は類似の商品といえる。 また、その他の本件商品「帽子,ズボン及びパンツ,ボトムス,ジャケット,トップス,ワイシャツ類及びシャツ,ブラウス」もいずれも日常的に使用されるものであり、また、その需要者は、一般の消費者である。 そうすると、本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品等との関連性の程度は相当高いものである。 (4)取引者及び需要者の共通性その他取引の実情 本件商品には、日常的に利用される性質の商品が含まれ、広く一般の消費者を含む。 そして、このような一般の消費者には、必ずしも商標やブランドについて正確又は詳細な知識を持たない者も多数含まれているといえ、商品の購入に際し、メーカー名やハウスマークなどについて常に注意深く確認するとは限らず、小売店の店頭などで短時間のうちに購入商品を決定するということも少なくないと考えられることから、商品の選択・購入に際して払う注意力が高いとはいえない一般消費者を需要者とする点でも共通する。 さらに、衣類や靴等では、商標をワンポイントマークとして小さく表示する場合も少なくなく、その場合、ワンポイントマークは比較的小さいものであるから、そもそも、そのような態様で付された商標の構成は視認しにくい場合があるといえる(甲34~甲36)。 また、マーク自体に詳細な図柄を表現することは容易であるとはいえないから、スポーツシャツ等に刺繍やプリントなどを施すときは、商標の微細な点まで表されず、需要者が商標の全体的な印象に圧倒され、些細な相違点に気付かず、内側における差異が目立たなくなることが十分に考えられるのであって、その全体的な配置や印象が引用商標と比較的類似していることから、ワンポイントマークとして使用された場合などに、本件商標は、引用商標とより類似して認識されるとみるのが相当である。 さらに、本件商品を取り扱うスポーツウェア、アパレル及びファッション業界においては、周知著名性な商標が、本来の位置や向き、大きさを変え、取引されている実情が存在する(甲40、甲41)。 そうすると、これらの事情に馴染みある我が国の需要者であれば、向きや角度が変わったとしても、周知著名な申立人の引用商標を連想することが容易に推測される。 とりわけ、図形には絶対的な上下の決まりがあるわけではなく、本件商標は、その向きにおいて特定の観念が生じるものでもない。また、位置商標と異なり、本件商標に係る図形の上下方向や向きが明確に限定されたものではないことからすると、本件商標に係る図形の向きを変えることで需要者が周知著名な申立人の引用商標を容易に想起、連想する場合には、その外観の相紛らわしさ、印象の酷似性により、両商標を誤認する可能性は高い。 (5)混同を生ずるおそれ 引用商標が、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、スポーツやアパレル関連の商品分野において、高い著名性を有していたことに照らせば、両商標の具体的構成に差異が存在するとしても、引用商標と基本的構成が共通し、そのため、外観の印象が近似する本件商標又はその向きや角度を変えた態様のものが申立人商品と同一又はこれと深く関連する本件商品に付して使用された場合、また、これをワンポイントマークとして使用された場合などには、一般消費者の注意力などをも考慮すると、これに接する取引者、需要者は、特徴的な流線デザインの外観構成に着目し、周知著名となっている引用商標を連想、想起して、当該商品が申立人又は申立人との間に緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある者の業務に係る商品であると誤信するおそれがある。 したがって、仮に、本件商標と引用商標とが非類似であるとしても、引用商標は、申立人商品を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されており、また、両商標は、いずれも、幅の広い底辺から対角線方向に向かって緩やかにカーブしつつ伸び上がり、徐々に細長くなっていく基本的構成において、本件商標と引用商標とは共通するものであるから、たとえ、細部の具体的構成において差異が認められるとしても、本件商標が本件商品に使用された場合、これに接する取引者、需要者は、広く認識されて周知・著名な引用商標を連想、想起し、当該商品が申立人、又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、誤認するおそれがある。 (6)小括 本件商標は、本件商品について使用された場合、これに接する取引者、需要者は、本件商標の登録出願前から、申立人の業務に係るスポーツシューズ、被服、バッグ等のスポーツ用品・スポーツウェアを表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間で広く認識されて引用商標を連想、想起し、当該商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 5 本件商標を商標法第4条第1項第7号により取消すべき理由 (1)商標法第4条第1項第7号 商標法第4条第1項第7号は、社会の秩序・道徳的秩序を考慮して、絶対的不登録事由としたものであり、その趣旨は、公益保護にあるものといえる。 その商標が、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるかどうかは、社会通念によって決定される。すなわち、公序良俗を害するか否かは、時代によりあるいは社会状態によって異なる。知財高裁は、「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当する事例の一つとして、当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合、などが含まれる(知財高裁平成17年(行ケ)第10349号、甲38)と判示している。 前記「当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くもの」には、商標に接する取引者、需要者に、他人の著名商標を連想・想起させ、著名商標の持つ顧客吸引力にただ乗り(フリーライド)し、その希釈化(いわゆるダイリューション)を招くなど、不正の目的をもって出願したものが含まれ、かかる商標はまた、「使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反する」ものでもある(甲37)。 (2)本件商標に係る不正の目的 本件商標と引用商標とをそのまま並べてみると、一見、異なる図形のような印象を受けるが、本件商標の向き・角度を変えた本件態様と引用商標とを対比してみると、周知著名な引用商標を特徴づける流線デザインの基本的構成が一致しており、外観全体の印象が非常に似通っている。 本件商標の出願人が世界的に知られたプーマ社及び60年以上もスポーツシューズ等に使用している引用商標のことを知らないはずはなく、周知著名な引用商標を巧みに改変し、引用商標に化体した信用、名声及び顧客吸引力にただ乗り(フリーライド)する、あるいは、引用商標の出所表示機能を希釈化するなどの目的で本件商標を採択・出願した可能性を否定できない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。 6 まとめ 以上に述べたとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第11号及び同項第15号に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。 第4 取消理由の通知 当審において、商標権者に対し、「本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。」旨の取消理由を令和3年7月7日付けで通知した。 第5 商標権者の意見 前記第4の取消理由に対し、商標権者は、何ら意見を述べていない。 第6 当審の判断 1 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)引用商標の周知著名性について 申立人の提出に係る甲各号証及び申立人の主張によれば、以下の事実が認められる。 ア 申立人は、スポーツシューズ、スポーツウェア、被服、バッグ等を世界的に製造販売している多国籍企業であって、申立人の業務に係る商品については、我が国において、1970年(昭和45年)から、引用商標1ないし4又は6が付されているサッカーシューズを、「ヤスダスポーツシューズ」を始めとするPUMA日本総代理店を通じて輸入販売した(甲4、甲7)。 イ 引用商標は、いずれも、幅の広い底辺から右上に向かって緩やかにカーブしつつ伸び上がり、徐々に細長くなっていく特徴的な図形を基調とし、別掲2ないし別掲6のとおり様々なバリエーションがあり、これらの図形は「フォームストライプ」と称され、本件商標の登録出願前までに、申立人の取扱いに係るスポーツシューズの側面について使用されていた(甲7、甲8、甲10~甲26、甲28の1~甲28の7、甲28の9~甲28の17)。 ウ 1958年(昭和33年)、申立人はサッカーシューズにフォームストライプを導入した。同年、スウェーデンで開催されたサッカーの祭典において、申立人に係るサッカーシューズは、唯一のドイツ製サッカーシューズとなった。その後も1960年代以降、ブラジルのペレ、アルゼンチンのマラドーナ等の著名なサッカー選手、2000年(平成12年)以降には、ジャマイカのウサイン・ボルト等の著名な陸上選手、その他各国のサッカーや陸上競技等のトップアスリートが、引用商標を側面に付したスポーツシューズを着用した(甲7、甲26)。 エ 引用商標を側面に付したスポーツシューズがスポーツ雑誌、業界新聞、インターネット上のウェブサイトといった多くのメディアにおいて、次のとおり、本件商標の登録出願前に広告宣伝され又は紹介された。 (ア)申立人のウェブサイトにおいて、引用商標を側面に付したスポーツシューズが、当該商品を着用した選手や競技会とともに、申立人企業の歴史の紹介と併せて掲載された(甲7)。 (イ)引用商標を側面に付したサッカーシューズが、雑誌「サッカーマガジン」(甲7の2~甲7の4)、新聞「シューズポスト」(甲7の5、甲7の6)、申立人商品カタログ(甲8の2~甲8の4)及びウェブサイト(甲7の7)において広告宣伝され又は紹介され、また、スニーカーが申立人のカタログ(甲8の5~甲8の8)において紹介された。 (ウ)引用商標5を側面に付したスポーツシューズが「excite.ism」のウェブサイト(甲28の10)において紹介された。 (エ)引用商標7を側面に付したスポーツシューズが「Kohei’s BLOG サッカースパイク情報ブログ」のウェブサイト(甲28の11)及び「PR TIMES」のウェブサイト(甲28の12)において紹介された。 また、著名なスポーツ選手や人気歌手、キャラクター、有名な企業や団体等との、コラボレーションによるシューズを数多く発表しており、これらの商品には引用商標が使用されている(甲28の1~甲28の17)。 オ 申立人の関連会社の業務に係るスポーツ用品の売上高、出荷額及び市場占有率について 申立人の関連会社と認められるプーマジャパン株式会社(以下「申立人関連会社」という。)の業務に係るスポーツ用品について、「2018年版 スポーツ産業白書」における国内での売上高及び企業別順位は、2015年は、429億5600万円で6位、2016年は、402億1700万円で8位、2017年(見込)は、390億5900万円で9位であり、平均で400億円を超えている(甲5の6)。 また、申立人関連会社の業務に係るスポーツシューズについて、「スポーツシューズビジネス 2018」における国内での出荷額、企業順位及び市場占有率は、2015年は、185億7000万円、6位、5.1%、2016年は、161億6000万円、6位、4.1%、2017年は、153億6100万円、6位、3.8%であり、毎年150億円を超え、4%前後の市場占有率を有している(甲4の5)。 カ 上記アないしオによれば、引用商標は、遅くとも1970年(昭和45年)から申立人の業務に係るスポーツシューズに使用をされ、当該スポーツシューズは、各国のサッカーや陸上のトップアスリートに着用されると共に、スポーツ雑誌、業界新聞、インターネット上のウェブサイトといった多くのメディアにおいて、広告宣伝され紹介されてきたものである。 そして、申立人関連会社の業務に係るスポーツ用品の国内の売上高、出荷額及び市場占有率をも考慮すれば、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係るスポーツシューズを表すものとして、取引者、需要者の間に広く認識されていたものと判断するのが相当である。 (2)引用商標の独創性について 引用商標は、別掲2ないし別掲6のとおり、いずれも、幅の広い底辺から右上に向かって緩やかにカーブしつつ伸び上がり、徐々に細長くなっていく特徴的な図形からなるものであるから、その独創性は高いものといえる。 (3)本件商標と引用商標との類似性の程度について 本件商標は、別掲1のとおり、幅の広い上辺から左下に向かって緩やかにカーブしつつ伸び下がり、徐々に細長くなっていき、その末端部がやや湾曲した図形からなるものである。 そうすると、本件商標と上記(2)において示した特徴を有する引用商標とは、細い末端部においてやや湾曲しているなど子細にみれば、相違点を有するものの、いずれも、広い幅から緩やかにカーブしつつ徐々に細長くなっていく構成において共通し、本件商標は引用商標を反転したものであるかのごとき印象を与える場合も少なくないものといえることからすれば、その類似性の程度は高いといえる。 (4)本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品における関連性、需要者の共通性その他取引の実情について 本件商標の指定商品は、上記第1のとおりであるところ、当該商品は、いずれも人が身につけるスポーツ用品及びファッション関連の商品であって、申立人の業務に係る商品であるスポーツシューズが含まれるものであるから、本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品は、商品としての関連性を有し、その取引者、需要者も共通する。 また、本件商標の指定商品の需要者は、一般の消費者であることからすれば、これを購入するに際して払われる注意力は必ずしも高いとはいえない。 そして、スポーツ用品及びファッション業界においては、しばしば商標がワンポイントマークとして小さく用いられる上、商標の位置や向き等を変えた様々なパターンの商標を商品に付して使用している実状(甲40、甲41)がうかがえることからすれば、取引に際して、商標の構成を子細に確認できない場合があるといえ、外観において相紛れる可能性が高くなるものといえる。 (5)混同を生ずるおそれについて 上記(1)ないし(4)のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、取引者、需要者の間に広く認識されていたものであり、その独創性が高いこと、本件商標と引用商標との類似性の程度が高いこと、本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品との関連性が高く、その取引者、需要者を共通にすること、購入するに際して払われる需要者の注意力は必ずしも高いとはいえないこと、本件商標がその指定商品に商標の位置や向き等を変えて使用されたり、ワンポイントマークとして小さく表示されることも多いといえる取引の実情を総合的に考慮すると、本件商標は、これをその指定商品に使用した場合には、これに接する取引者、需要者が、引用商標を連想、想起して、当該商品が申立人又は申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。 (6)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 なお、本件商標と引用商標との間における商品の出所の混同については、商標法第4条第1項第11号も申立理由とされているが、当審は、同号には該当せず、同項第15号に該当するものと判断する。 2 商標法第4条第1項第7号該当性について 申立人は、本件商標は、引用商標を巧みに改変し、引用商標に化体した信用、名声及び顧客吸引力にただ乗り(フリーライド)する、あるいは、引用商標の出所表示機能を希釈化するなどの目的で採択・出願した可能性を否定できないと主張する。 しかしながら、申立人が提出した証拠からは、本件商標権者が、引用商標を巧みに改変し、引用商標に化体した信用、名声及び顧客吸引力にただ乗り(フリーライド)する、あるいは、引用商標の出所表示機能を希釈化するなどの目的を持って、本件商標を出願し、登録を受けたと認めるに足りる具体的事実を見いだすこともできないし、本件商標の登録出願の経緯に著しく社会的相当性を欠く等の事情も見いだせない。 また、本件商標は、その構成自体が非道徳的、きょう激、卑わい、差別的又は他人に不快な印象を与えるようなものでもなく、さらに本件商標の登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合など、本件商標が商標法第4条第1項第7号に該当すると認めるに足る事情も見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。 3 まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第11号に該当しないとしても、同項第15号に該当するものであり、その登録は、同条第1項に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2020-900248

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