商標異議申立
2020-900219
マイビューティストーリー、ビューティストーリー、ストーリー
- 審判番号
- 2020-900219
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2019-068681
- 登録番号
- 6262319
- 請求日
- 2020年09月04日
- 審決日
- 2021年07月12日
- 公報発行日
- 2022年01月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社 エルジ生活健康
- 【異議申立人】プレシデント ファーマシューティカル コーポレーション
- 【異議申立人代理人】安達 友和
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 松江
- 審判官 鈴木 雅也
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T1651.261-Y (W03) / T1651.262-Y (W03) / T1651.263-Y (W03) / T1651.222-Y (W03) / T1651.22 -Y (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項7号商標法4条1項11号商標法4条1項19号商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第7号、商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第19号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6262319号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6262319号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6262319号商標(以下「本件商標」という。)は、「My Beauty Story」の欧文字を横書きしてなり、令和元年5月14日に登録出願、第3類「化粧用マスク型パックシート,化粧品,せっけん類,歯磨き,香料,薫料,香水類,香(化粧品として用いられるものを除く。)」を指定商品として、同2年6月3日に登録査定、同月23日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する登録第5628493号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成25年6月28日に登録出願、第3類「化粧品,化粧用綿棒,化粧用脱脂綿,化粧用クリーム,スキンホワイトニングクリーム,化粧用ローション,美顔用パック,化粧落とし剤,香水,化粧水,固形の化粧せっけん,浴用液状せっけん,日焼け止め用化粧品,シャンプー,ヘアローション」を指定商品として、同年11月8日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第11号及び同項第19号に該当する(商標登録異議申立書には申立ての理由として同項第10号及び同項第15号も記載されているが、令和2年11月6日付けの手続補正書にはそれらの記載がないため、申立ての理由から削除されたものと当審は理解した。)ものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第24号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 商標の類似について
(ア)本件商標は、「My Beauty Story」の欧文字からなり、引用商標は、「My Beauty Diary」の欧文字と鍵の図形からなる。このように3単語という少ない単語構成のうち、過半数かつ最も重要な語頭2単語「My Beauty」を共通にするから、商標全体の外観に及ぼす影響は大きい。また、「Story」と「Diary」の文字が相違するが、語尾を「ry」と等しくするから、需要者が両商標を離隔観察した際に紛らわしく、混同を生じやすい。よって、本件商標と引用商標とは、外観において類似する。
(イ)また、本件商標と引用商標とは、「マイビューティー」の称呼を共通にし、称呼において類似する。
(ウ)さらに、本件商標は、その英語の意味から「私のきれい話」、「私のきれいストーリー」の観念を生じる。一方で、引用商標は、その英語の意味から「私のきれい日記」の観念を生じ、日本語のウェブサイトもある(甲6)。我が国の英語の普及率からみても、これらの観念を生じることに何ら困難性はなく、また、「日記」は毎日の出来事や感想など、つまり個人の「ストーリー(話)」を書くものであるから、「私のきれい話」、「私のきれいストーリー」と「私のきれい日記」とでは観念を等しくする。
以上のとおり、本件商標は、引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、混同を生じる類似の商標である。
(エ)引用商標は、後述するように、申立人の商標として日本国内及び外国における需要者の間に広く認識されている。このように、引用商標が著名であることからも、その語頭を「My Beauty」で共通とする本件商標と引用商標とは相紛らわしく、消費者が混同を生じやすいことからも、これらの商標は類似しているといえる。
イ 商品の類似について
本件商標の指定商品と、引用商標の指定商品は、類似群コードを共通にするから、互いに抵触している。
ウ まとめ
以上のとおり、本件商標は、引用商標に類似する商標であって、その指定商品は引用商標の指定商品と同一又は類似するから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第19号について
ア 申立人商標の周知性
(ア)申立人は、台湾の化粧品・美容品・健康品メーカーであり(甲12)、2017年、2018年、2019年、2020年に美容部門・健康品部門において様々な賞を受賞している。また、申立人は、日本語のウェブサイト(甲6)を有し、その商品は、台湾セレクトショップGuimy、アットコスメ、Amazon、LOHACO、MAKE UP SOLUTION ONLINEなど様々なオンラインショップで購入可能である(甲6~甲11)。そして、申立人は、日本の代理店に自己の商標「My Beauty Diary」(以下「申立人商標」という。)の使用を許可している(甲24)。
(イ)申立人は、引用商標のほかに、それに類似する商標を多数所有している(甲3~甲5)。なお、これらの登録商標において若干の相違点はあるものの、いずれの商標も「My Beauty Diary」の欧文字を含んでいる。
(ウ)申立人商標に係る商品は、その商品発注書からも明らかなように日本において多数販売されており、店舗や展示会でも陳列され、日本の雑誌にも多数掲載されているから、需要者の間に広く知られている実情がある(甲13、甲20~甲23)。
また、2017年7月7日時点で、台湾フェイスマスク「我的美麗日記」(私のきれい日記)日本上陸5周年記念パーティーに関するTV情報、新聞情報、オンラインメディア情報が出ていた(甲14)ことからも、本件商標の登録出願日(2019年5月14日)において、台湾フェイスマスク「我的美麗日記」(私のきれい日記)が日本で周知となり、本件商標の指定商品に係る需要者の間で著名になっていた。
(エ)台湾における登録商標「美麗日記Beauty Diary」に対する異議申立事件において、「我的美麗日記」(英訳でMy Beauty Diary)は、台湾の関連企業や消費者に広く認知されており、有名な商標のレベルに達していると判断されており、その著名性が公的に認められ、その商標登録は取り消されている(甲15、甲16)。
また、申立人は、アメリカ合衆国においても、本件商標の商標権者による米国登録商標「MY BEAUTY STORY」(甲17)に対して異議申立てをし、その登録は取り消されている(甲17~甲19)。
(オ)以上のように、申立人商標は、日本及び台湾を含む世界中において著名であり、台湾においては、公的にその著名性が認められている。よって、申立人商標は著名である。
イ 商標の類似性について
本件商標は、引用商標と類似する。
ウ 不正の目的について
本件商標は、台湾をはじめとする諸外国で著名な「我的美麗日記(英訳でMy Beauty Diary)」と極めて類似し、その著名性にただ乗りするから、不正の目的が推認される。
エ まとめ
以上のとおり、本件商標は、他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものであるから、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、引用商標と類似し、引用商標を含む申立人商標は日本国内及び外国において周知な商標である。
そうすると、本件商標は、「我的美麗日記」、「My Beauty Diary」の諸外国における著名性にただ乗りし、その商標権を取得したものとみるのが相当だから、本件商標に係る商標登録出願は、公正な国際的商取引の秩序を乱すおそれがあり、ひいては公の秩序を害するおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、「My Beauty Story」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字は、「My」(私の)、「Beauty」(美しさ)及び「Story」(話)の英単語(参照:「ジーニアス英和辞典 第5版」大修館書店)を、それぞれ1文字分の間隔を空けながら、横一列にまとまりよく表してなるから、全体をして一連一体の英文を記述してなると認識、理解できるもので、各構成文字が比較的意味の理解が容易な語であることも相まって、「私の美しさの話」程度の意味合いを連想、想起させる。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して「マイビューティストーリー」の称呼が生じ、「私の美しさの話」程度の観念が生じる。
イ 引用商標について
引用商標は、別掲のとおり、「My Beauty Diary」の欧文字(「i」の点はハート型の形状をしている。)を筆記体状の書体で表し、その右側に葉状の持ち手を有する鍵のような図形を配置してなるところ、その構成文字は、「My」(私の)、「Beauty」(美しさ)及び「Diary」(日記)の英単語(前掲書参照)を、それぞれ1文字分の間隔を空けながら、横一列にまとまりよく表してなるから、全体をして一連一体の英文を記述してなると認識、理解できるもので、各構成文字が比較的意味の理解が容易な語であることも相まって、「私の美しさの日記」程度の意味合いを連想、想起させる。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して「マイビューティダイアリー」の称呼が生じ、「私の美しさの日記」程度の観念が生じる。
ウ 本件商標と引用商標の比較
本件商標と引用商標を比較すると、外観においては、一部の構成文字(My Beauty)を共通にするとしても、語尾の構成文字(「Story」と「Diary」)が相違するから、全体として内容が異なる英文を表してなると容易に理解できるもので、その他の書体の差異や図形部分の有無なども踏まえても、互いに容易に判別できる。
また、称呼においては、語頭と語尾の構成音(「マイビューティ」、「リー」)を共通にするとしても、中間音(「ストー」と「ダイア」)が相違し、構成音全体としては語調、語感が異なるから、聴別も容易である。
さらに、観念においては、共通する一部の構成文字(My Beauty)の語義に相当する意味合いを共通にするとしても、英文全体の意味合いや内容(「私の美しさの話」と「私の美しさの日記」)は異なり、記憶される印象に差異があるから、相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標は、引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれも相紛れるおそれはなく、出所の混同が生じるおそれはないから、類似する商標ではない。
エ 小括
以上のとおり、本件商標は、引用商標とは、類似する商標ではないから、その指定商品について比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第19号該当性について
ア 本件商標と申立人商標の比較
本件商標は、「My Beauty Story」の欧文字を表してなるところ、上記(1)アのとおり、その構成文字に相応して「マイビューティストーリー」の称呼が生じ、「私の美しさの話」程度の観念が生じる。
他方、申立人商標は、「My Beauty Diary」の文字よりなるところ、引用商標と構成文字を共通にするから、上記(1)イのとおり、その構成文字に相応して「マイビューティダイアリー」の称呼が生じ、「私の美しさの日記」程度の観念が生じる。
そうすると、本件商標は、申立人商標(引用商標の構成文字に相当)とは、引用商標と同様に上記(1)ウのとおり、外観、称呼及び観念のいずれも相紛れるおそれはないというべきで、出所の混同が生じるおそれはないから、類似する商標ではない。
イ 申立人商標の我が国における著名性
(ア)申立人提出の証拠及び主張によれば、申立人は、台湾の化粧品・美容品・健康品メーカーであって、我が国では代理店を介して、オンライン通信販売サイトや店舗等を通じて、「我的美麗日記」(私のきれい日記)という商品名の「美容マスク」(以下「申立人商品」という。)を販売しており(甲6~甲11、甲20)、その商品は展示会や雑誌等でも紹介されている(甲21、甲22)ことが認められる。
(イ)しかしながら、申立人商品の商品紹介の際には、例えば「我的美麗日記 黒真珠マスク」、「我的美麗日記-私のきれい日記-黒真珠マスク」、「私のきれい日記 黒真珠マスク」など(甲6~甲11)のように、「我的美麗日記」(私のきれい日記)の漢字(及び平仮名)の商品名で通称されているから、同商品の販売実績や広告宣伝実績が、直ちに欧文字よりなる申立人商標の知名度の向上につながるとは評価し難い。
(ウ)また、申立人商品は、その包装に申立人商標に相当する文字(My Beauty Diary)を表示するものがある(甲6~甲11)が、特に2014年から2016年にかけて発行された雑誌(甲22)に掲載された商品写真によれば、その包装に申立人商標の表示が確認できない(例えば「我的美麗日記(私のきれい日記)黒真珠マスク」、「我的美麗日記(私のきれい日記)官ツバメの巣マスク」。甲22、2葉目、48葉目、56葉目)から、申立人商品には必ずしも申立人商標が付されているものでもない。
(エ)そして、申立人商品の包装に、申立人商標を付すようになった時期は、必ずしも明らかではないが、上記(ウ)のとおり、2016年以前の商品写真には、その包装に申立人商標の表示が確認できないことを踏まえると、申立人商標を包装に付した申立人商品の販売期間は、本件商標の登録出願日(2019年5月14日)までで、数年(約2年間)程度であったと考えられる。
(オ)なお、申立人は、申立人商標に係る商品の販売実績及び広告宣伝実績等を示すため、発注書の写し(甲13、甲23)、展示会の写真(甲21)及び雑誌の写し(甲22)を提出している。
しかしながら、発注書(甲13、甲23)は、個別の散発的な取引記録を示すにすぎず、それらを取りまとめた販売実績(例えば年度毎の売上数や売上額)は示されていない。
加えて、甲第13号証の発注書は、「入荷予定日」を2020年とする本件商標の登録出願日以降の取引記録にすぎない。そして、当該出願日以前の取引をも含む発注書(甲23)にしても、申立人商品以外の取引記録も含まれていると考えられる上、上記のとおり、申立人商品には販売時期によっては必ずしも申立人商標が付されていないことも踏まえると、すべてが申立人商標と関連するものではない。
さらに、申立人商品の展示会や雑誌記事(甲21、甲22)にしても、申立人商品の商品名(我的美麗日記、私のきれい日記)の知名度に影響があるとしても、申立人商標を表示しない記事も多いから、申立人商標の知名度の向上にどのように影響するのか不明である。
以上のとおり、申立人提出のこれら証拠によっては、本件商標の登録出願日以前の、申立人商標に係る我が国の需要者の間における周知性の程度を推し量ることは極めて困難である。
(カ)以上を踏まえると、申立人商標を付した申立人商品は、本件商標の登録出願日前に、数年(約2年)の販売実績があるにすぎず、申立人商標の名称で通称されている商品ですらないから、その販売実績に関わらず(その販売実績自体も不明ではある。)、また、申立人商標の知名度の向上につながるような大規模な広告宣伝実績も確認できないから、申立人商標が、本件商標の登録出願日時点において、申立人商品の商品名やブランド名などとして、我が国の需要者及び取引者の間において広く認識されていると認めることはできない。
ウ 申立人商標の外国における著名性
申立人は、外国(台湾、米国)における異議申立事件などを援用して、日本国外において著名である旨を主張するが、外国の審判事件における判断が当審の判断に影響しないこと明らかで、申立人は、その他に、申立人商標に係る外国における周知、著名性を示すための具体的な証拠(例えば、外国における販売実績や広告宣伝実績など)を提出していない。
したがって、申立人商標は、申立人提出の証拠によっては、外国(台湾、米国)において、需要者の間において広く認識されているとは認められない。
エ 不正の目的
申立人は、本件商標は、諸外国で著名な申立人商標と極めて類似し、その著名性にただ乗りするから、不正の目的がある旨を主張するが、上記アのとおり、本件商標と申立人商標は類似する商標ではなく、また、上記ウのとおり、外国における申立人商標の周知度も不明であるから、その主張は根拠のない憶測によるものといわざるを得ず、その他に、本件商標の出願や使用に関する不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を与える目的など)を具体的に示す証拠はない。
したがって、本件商標は、不正の目的をもって使用をするものとは認められない。
オ 小括
以上のとおり、本件商標は、申立人商標とは同一又は類似する商標ではなく、申立人商標の日本国内又は外国における著名性や本件商標の使用に係る不正の目的もないから、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標は、その出願目的及び経緯は明らかではなく、申立人提出の証拠は、上記(2)エのとおり、その出願や使用における不正の目的は認められない。
さらに、本件商標は、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるようなものでなく、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれはない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同項第11号及び同項第19号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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2020-900219