商標取消審判
2020-300380
ベルジェクリニックベテリネール、ベルジェ、ヌーブーロンオブゼルベトゥージュールボートルシェールファミーユ、クリニックベテリネール
- 審判番号
- 2020-300380
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2016-112434
- 登録番号
- 5950398
- 請求日
- 2020年06月04日
- 審決日
- 2021年07月21日
- 公報発行日
- 2022年02月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】プロデュイ・ベルジェ
- 【請求人代理人】中村 行孝
- 【請求人代理人】朝倉 悟
- 【請求人代理人】宮嶋 学
- 【請求人代理人】本宮 照久
- 【請求人代理人】高田 泰彦
- 【請求人代理人】柏 延之
- 【請求人代理人】渡邊 かおり
- 【請求人代理人】砂山 麗
- 【請求人代理人】矢崎 和彦
- 【被請求人】有限会社 ベルジェ
- 【被請求人代理人】蔵田 昌俊
- 【被請求人代理人】小出 俊實
- 【被請求人代理人】幡 茂良
- 【被請求人代理人】橋本 良樹
- 審判長/審判官
- 審判長 齋藤 貴博
- 審判官 岩崎 安子
- 審判官 相崎 裕恒
- 分類
- T132 .1 -Y (W35)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第4号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5950398号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5950398号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの態様からなり、平成28年10月14日に登録出願され、第35類「愛玩動物用駆虫剤の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,愛玩動物用消臭剤の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,愛玩動物用薬剤の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,愛玩動物用医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,愛玩動物用化粧品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,愛玩動物用歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類、並びに第16類、第41類、第43類及び第44類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同29年5月26日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和2年6月18日であり、その請求の登録前3年以内の平成29年6月18日から令和2年6月17日までの期間を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定役務中、第35類「愛玩動物用駆虫剤の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,愛玩動物用消臭剤の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,愛玩動物用薬剤の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,愛玩動物用医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,愛玩動物用化粧品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,愛玩動物用歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「請求に係る指定役務」という。)についての商標登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、請求に係る指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)乙第2号証は、本件商標の使用を立証する書証でない。また、「ワクチン接種」は、第44類「動物の予防接種」に相当する役務であり、「フィラリア症駆虫(予防)薬」及び「ノミ・マダニ予防・駆除」等の動物用薬剤の提供は、獣医師の診察を受けた上で処方されるものであって、医療行為の一環であるから、第44類「愛玩動物の診療」に相当する役務である。よって、乙第2号証は、請求に係る指定役務に係る業務を行っていることを証明するものでもない。乙3号証から乙第10号証も、本件商標が請求に係る指定役務に使用されていることを裏付けるものでない。
また、動物用の「エリザベスカラー」は、第10類の「獣医科用エリザベスカラー」に相当する商品であり、「愛玩動物用医療補助品」に該当しない。動物病院においては治療に必要な場合に獣医師により貸与されていることが多く、乙第11号証及び乙第12号証の写真だけでは、「愛玩動物用医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に相当する役務が実際に行われたことが証明されるものではない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由、弁駁及び審尋に対する回答を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第55号証を提出している。
1 被請求人は、獣医師免許を取得したH氏が平成9年に動物病院の経営等を事業の目的として設立した法人であり、平成26年に神奈川県家畜保健衛生所に対して「ベルジェ動物病院」(以下「本件動物病院」という。)を診療施設の名称とする飼育動物診療施設を開設する旨の届けを提出し、令和元年には、本件動物病院を事業所として、第一種動物取扱業登録証(保管及び訓練)を取得している。本件商標権者である被請求人は、本件動物病院の経営主体であり、本件動物病院は、本件商標の通常使用権者である。
2 被請求人は、被請求人が運営する本件動物病院において、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に、請求に係る指定役務について使用している。その証拠は、「ワクチン接種料」、「フィラリア症駆虫(予防)薬」、「ノミ・マダニ予防、駆除」等の料金が明記された本件動物病院の案内(乙2)、本件商標と社会通念上同一の商標が表示された、愛玩動物用医療補助品である「エリザベスカラー」を患者である猫に装着した様子を撮影した写真(乙11、乙12)等である。
3 本件動物病院では、愛玩動物の診察等の医療行為以外にも、飼い主に対して、愛玩動物用医療補助品及び愛玩動物用歯磨き・せっけん類の小売役務を提供しており、需要者に商品を販売する際には、レジ袋(乙22)に商品を包装して提供している。レジ袋の中央には、本件商標が大きく表示され、その下に病院名が表示されており、2014年からは院内に併設されているグルーミングサロンの名称も表示されている。レジ袋は、やや大きいサイズであるが、これは、量販店のように販売がメインでないことから、薬袋に入りきらない医薬品も含め、原則、全ての物販品を当該大きめのレジ袋に入れて使用する趣旨であり、愛玩動物用医療補助品や愛玩動物用歯磨き・せっけん類を小売する場合等に使用していたものである。
4 本件動物病院のホームページは、会員制ショッピングサイトである「オンラインストア動物ナビ」にリンクしており、本件動物病院のハウスマークである本件商標が大きく表示されているから、本件商標は、当該通販サービスについて使用されているといえる。
5 以上のとおり、被請求人は、被請求人が運営する本件動物病院において、本件審判請求の予告登録前3年以内に、請求に係る指定役務中「愛玩動物用医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,愛玩動物用歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、使用していたことは明白である。
第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
本件商標権者は、動物病院の経営や愛玩動物用品の販売等を目的として平成9年8月に設立された会社法人であり、その代表取締役は、獣医師であるH氏である(乙13、乙14)。
本件商標権者は、平成26年4月に、神奈川県横浜市青葉区つつじが丘24-21において、H氏が院長を務める本件動物病院を開設した(乙15)。
この開設準備の一環として、H氏は、平成26年3月に、レジ袋のデザインを、従前用いていたものと一部異なるデザインのものとすることとし、そのデザイン及び作成を、BIKO DESIGN(以下「デザイン事務所」という。)に依頼した(乙36~乙40)。デザイン事務所は、スリーティ株式会社(以下「印刷会社」という。)にレジ袋のデザインを送付するとともにレジ袋を発注し、レジ袋は、デザイン会社に納品された(乙41~乙43)。
デザイン事務所は、平成27年8月に、再度印刷会社に同じデザインのレジ袋を発注したものの、版下保存期限である前回発注から1年が経過していたことから、印刷会社は、同じデザインの版下を再作成した(乙45、乙46)。さらに、デザイン事務所は、本件動物病院の依頼により、版下保存期限経過前である平成28年3月、平成29年3月及び平成30年1月に、再度印刷会社に同じデザインのレジ袋を発注した(乙47~乙55)。
デザイン事務所は、これらの発注のうち、少なくとも、平成28年3月の発注分のレジ袋を同年4月に、また、平成30年1月の発注分のレジ袋を同年2月に、それぞれ本件動物病院に納品した(乙23、乙24)。
本件動物病院は、診療の一環としてのフィラリア症駆虫薬(予防薬)等の動物用薬剤の他、犬猫用歯磨き等の愛玩動物用品を販売し(乙21)、その際、薬剤や愛玩動物用品の購入者の必要に応じて、別掲のとおりの商標(以下「使用商標」という。)が表示されたレジ袋(乙22)を提供している。
2019年4月25日から2020年1月12日までに、本件動物病院は、動物用薬剤等と併せて販売された場合も含め、犬猫用歯磨きを複数回販売した(乙25~乙30)。
使用商標が表示されたレジ袋(乙22、別掲)は、本件動物病院の開設準備の一環としてデザインされたものと同じデザインのものであるから(乙22、乙42、乙46)、本件動物病院は、その開設準備から現在に至るまで同じデザインのレジ袋を提供しており、犬猫用歯磨きの販売に際して使用商標が表示されたレジ袋と同じデザインのレジ袋を購入者の必要に応じて提供したことが明らかである(以下「使用役務」という。)。
2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
上記レジ袋に表示された使用商標は、色彩は異なるものの、構成態様は本件商標と同じである。
よって、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標である。
(2)使用者について
本件動物病院は、本件商標権者の経営に係るものであるから、本件商標について本件商標権者より黙示の使用許諾を得ていたことが明らかである。
よって、使用者は、通常使用権者である。
(3)使用役務について
本件動物病院は、上記1のとおり、2019年4月25日から2020年1月12日までに犬猫用歯磨きを複数回販売し、その際、使用商標が表示されたレジ袋を購入者の必要に応じて提供したものと認められる。
そして、犬猫用歯磨きは、「愛玩動物用歯磨き及びせっけん類」に該当し、レジ袋を購入者の必要に応じて提供することは、小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供に該当する。
よって、使用役務は、第35類の「愛玩動物用歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に該当し、請求に係る指定役務に含まれるものである。
(4)使用時期について
上記(3)のとおり、2019年4月25日から2020年1月12日までに請求に係る指定役務に含まれる使用役務の提供が行われたところ、この期間は要証期間に含まれている。
よって、使用時期は、要証期間内である。
(5)小括
以上によれば、通常使用権者は、要証期間内に、請求に係る指定役務に含まれる使用役務の提供に当たって、使用商標が表示されたレジ袋、つまり、本件商標と社会通念上同一の商標が表示されたレジ袋、を用いたものと認められる。
この行為は、商標法第2条第3項第4号にいう「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に商標を付したものを用いて役務を提供する行為」に該当する。
3 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において通常使用権者が請求に係る指定役務のうち「愛玩動物用歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)を使用していたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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