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商標拒絶査定不服審判

2020-017847

エヌエス

審判番号
2020-017847
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2019-029775
請求日
2020年12月25日
審決日
2022年03月22日
公報発行日
2022年04月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】日鉄鋼管株式会社
  • 【請求人代理人】水野 勝文
  • 【請求人代理人】和田 光子
  • 【請求人代理人】保崎 明弘
  • 【請求人代理人】鈴木 亜美
審判長/審判官
  • 審判長 小松 里美
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 渡邉 あおい
分類
T18 .15 -WY (W06) / T18 .17 -WY (W06)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項5号商標法3条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第5号、商標法第3条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2019-29775拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成31年2月26日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和元年11月22日付け:拒絶理由通知書 令和2年3月31日 :意見書、手続補正書の提出 令和2年10月1日付け :拒絶査定 令和2年12月25日 :審判請求書の提出 令和3年11月17日付け:審尋 令和3年12月23日 :回答書、手続補正書の提出 第2 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第6類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものであり、その後、指定商品については、上記第1の手続補正書により、最終的に、第6類「電縫鋼管」と補正されたものである。 第3 原査定の拒絶の理由(要点) 原査定は、「本願商標は、円図形の輪郭内に『NS』のローマ字2字を普通に用いられる態様により表してなるところ、その構成中、円図形部分は、輪郭として一般的に使用されるものであり、『NS』の文字部分は、商品の品番、型番等を表示するための記号又は符号として一般的に使用されるローマ字2字の一類型にすぎないものである。そうすると、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標と判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。また、本願商標は、提出された証拠を全体的に考察しても、本願商標が使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているとは認められないことから、本願商標は、商標法第3条第2項に規定する要件を具備するということはできない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 第4 当審の判断 1 商標法第3条第1項第5号該当性について 本願商標は、別掲1のとおり、円形の輪郭内に、「NS」の欧文字を普通に用いられる書体で書してなるものである。 一般に、欧文字が、製品の管理のための記号又は符号として用いられることがあることは、公知の事実であり(知財高裁平成19年(行ケ)第10050号判決参照。)、また、本願の指定商品と関係の深い業界においては、欧文字2字や、輪郭として一般的に用いられる円形等の図形のほか、当該図形の内側に、欧文字を書したものが記号又は符号として用いられているといえる(別掲2)。 本願商標は、上記のとおり、円形の輪郭内に、「NS」の欧文字を普通に用いられる書体で書してなるものであって、用いられる輪郭の図形、文字の形や組合せ方法に特徴があるわけではなく、このような構成に照らせば、本願の指定商品の分野において、本願商標は、その構成において、管理のための記号又は符号として普通に用いられるものと比べて、特段の差異があるとは認められない。 よって、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなるものと認められる。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。 2 商標法第3条第2項に規定する要件を具備するか否かについて (1)請求人は、本願商標が、商標法第3条第1項第5号に該当するものであるとしても、同条第2項に規定する要件を具備しているため、登録されるべき旨主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第128号証(枝番号を含む。)を提出している。 なお、ある標章が商標法第3条第2項所定の「使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるもの」に該当するか否かは、出願に係る商標と外観において同一とみられる標章が指定商品とされる商品に使用されたことを前提として、その使用開始時期、使用期間、使用地域、使用態様、当該商品の販売数量又は売上高等、当該商品又はこれに類似した商品に関する当該標章に類似した他の標章の存否などの事情を総合考慮して判断されるべきである。この観点から、本件について検討する。 (2)請求人の提出に係る証拠及びその主張によれば、次の事実が認められる。 鋼管等の製造・販売事業者である請求人(現「日鉄鋼管株式会社」及び旧「日鉄住金鋼管株式会社」)は、平成25年10月に、本願商標を、請求人の業務に係る商品「鋼管」のすべて(外国規格品のOEM商品を除く。)について、そのステンシル(鋼管の外面に刻印される表示)やタグ(現品票)の表示として使用を開始し(甲123、甲125、甲126)、当該使用の開始については同年9月に全国の約220件以上の取引先に告知され(甲124)、本願商標を使用した請求人の業務に係る商品「鋼管」は、証拠上確認できる範囲では令和3年1月に至るまで、日本各地の請求人の製造所で製造され(甲2~甲11、甲115~甲118)、全国の取引先に販売されている(甲19~甲112、甲124)。 ところで、請求人の業務に係る商品「鋼管」は、一般財団法人日本品質保証機構の認証に係る商品であるところ、その「JISマーク表示制度 認証契約書」等によれば、請求人の業務に係る商品「鋼管」のすべて(外国規格品のOEM商品を除く。)について、平成25年10月当時から、本願商標が使用されていることが推認できるものであり(甲114~甲118、甲125~甲127)、また、請求人以外の者が本願商標をその指定商品「電縫鋼管」に使用している事実も見当たらない。 そして、本願商標の指定商品は、「電縫鋼管」であって、商品「鋼管」の範ちゅうに属するものであるところ、本願商標を使用した請求人の業務に係る商品「電縫鋼管」(以下「使用商品」という。)の生産数量は、平成26年度が約43万3千トン、同27年度が約37万9千トン、同28年度が約41万3千トン、同29年度が約38万8千トン、同30年度が約43万6千トン、令和元年度が約38万3千トンであって、その市場シェア率は、平成26年度ないし同28年度がいずれも第2位、同29年度が第4位、同30年度及び令和元年度がいずれも第2位となっている(甲12~甲16、甲113)。 なお、使用商品である「電縫鋼管」は、一般消費財ではなく、雑誌やテレビコマーシャル等による広告が一般にされる商品ではないものと認められるところ、請求人のウェブサイトの製品情報のウェブページには、本願商標が目立つ位置に表示されている(甲18)。 (3)上記の認定事実によれば、請求人は、本願商標を、一般財団法人日本品質保証機構の認証に係るJISマーク表示制度の定めに従い、その指定商品「電縫鋼管」のすべて(外国規格品のOEM商品を除く。)について、平成25年から令和3年に至るまで継続的かつ独占的に使用しており、また、使用商品が多数生産され、全国的に販売された結果、「電縫鋼管」の業界における使用商品の生産量の市場シェア率は、平成27年度から令和元年度の間で第2位が5回、第4位が1回と高い順位を維持しているものと認められる。 以上の事情を総合的に考察すれば、本願商標はその指定商品「電縫鋼管」について、請求人により、相当の期間、継続的かつ独占的に使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったというのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第2項に規定する要件を具備するものとして、商標登録を受けることができるものである。 3 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当するものの、同条第2項の規定により商標登録を受けることができるものであるから、原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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