商標拒絶査定不服審判
2020-017230
ブイローン、ローン
- 審判番号
- 2020-017230
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2017-142126
- 請求日
- 2020年12月16日
- 審決日
- 2022年03月15日
- 公報発行日
- 2022年04月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】遠藤 誠教
- 【請求人代理人】神保 欣正
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T18 .25 -WY (W1825) / T18 .271-WY (W1825) / T18 .222-WY (W1825)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項10号商標法4条1項15号商標法4条1項19号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第19号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2017-142126拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第18類「かばん類,袋物」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。)」を指定商品として、平成29年9月29日に登録出願されたものである。
原審では、平成30年7月2日付けで拒絶理由の通知、同年10月15日受付及び同年12月8日受付で意見書の提出、令和2年5月11日付けで物件提出指示の通知、同年8月5日受付で意見書の提出、同年9月15日付けで拒絶査定されたもので、これに対して同年12月16日受付で本件拒絶査定不服審判が請求されている。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、以下の(1)ないし(3)のとおり、認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願商標は、「VLONE」の欧文字を表してなるが、これは、「A$AP MOBのメンバーであるA$AP BARIを中心に展開されるブランド」(以下「A$AP BARI(エイサップ・バリ)氏」という。)が、その取り扱いに係る商品「Tシャツ等の被服」に使用し、本願の登録出願前より、取引者・需要者間に広く認識されている標章「VLONE」(以下「引用標章」という。)と同一又は類似のものであり、かつ、本願商標は、「シャツ等の被服」と同一又は類似の商品「被服」に使用するものと認める。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(2)本願商標は、「VLONE」の欧文字を表してなるが、これは「A$AP BARI(エイサップ・バリ)氏」が、「Tシャツ等の被服」に使用する引用標章と同一又は類似のものと認められるから、本願商標をその指定商品について便用するときは、これらの商品があたかも「A$AP BARI(エイサップ・バリ)氏」あるいは「A$AP BARI(エイサップ・バリ)氏」と何らかの関係を有する者の取り扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)本願商標は、「VLONE」の欧文字を表してなるが、これは
「A$AP BARI(エイサップ・バリ)氏」が、「Tシャツ等の被服」に使用する引用標章と同一又は類似のものと認められるものであって、「A$AP BARI(エイサップ・バリ)氏」との関係が明らかでない出願人が本願商標を自己の商標として採択するにあたり、偶然に引用標章と酷似する結果となったというよりは、むしろ、引用標章を利用して不正の利益を得る等の目的、あるいは、「A$AP BARI(エイサップ・バリ)氏」が、我が国において、引用標章に関する商標登録出願をしていないことを奇貨として、これと同一又は類似の構成よりなる本願商標を先取り的に登録する目的をもって、商標登録出願を行ったと解するのが相当であるから、このような出願人の意図に基づいて出願された本願商標は、不正の目的をもって使用すると推認せざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
3 当審の判断
(1)「VLONE」の周知性について
原審が、その拒絶の理由において引用した引用標章は、原審において提示された証拠(インターネット情報)によれば、「ニューヨークのヒップホップクルーである、A$AP Mob(エイサップモブ)に所属するA$AP BARI(エイサップ・バリ)を中心に展開しているアパレルブランド」であって、これを使用した「Tシャツ等」の商品について、我が国においてもインターネットを通じた通信販売や、当該商品の紹介が行われていることは把握できる。
しかしながら、当審における職権調査によっても、引用標章の使用期間やそれを使用する商品の売上高やシェアなどの販売実績、広告宣伝の実績等について、客観的かつ具体的に示す証拠を確認することができず、我が国や米国における事業規模や認知度の程度は明らかではない。
そうすると、引用標章は、本願商標の登録出願時及び審決時において、他人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国(米国)における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第10号該当性について
引用標章は、上記(1)のとおり、本願商標の登録出願時及び審決時において、他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものではない。
そうすると、本願商標は、引用標章と同一又は類似であるかにかかわらず、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
引用標章は、上記(1)のとおり、本願商標の登録出願時及び審決時において、他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものではない。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が、引用標章を連想又は想起することは考え難く、その商品があたかも「A$AP BARI(エイサップ・バリ)氏」あるいは同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないと判断するのが相当である。
その他、本願商標が、他人の業務に係る商品又は役務と出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第19号該当性について
引用標章は、上記(1)のとおり、本願商標の登録出願時及び審決時において、他人の業務に係る商品を表示するものとして、日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されているものではない。
そうすると、本願商標は、引用標章と同一又は類似であるかにかかわらず、また、不正の目的をもって使用をするものであるかについて判断するまでもなく、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当しないから、それらに該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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