商標拒絶査定不服審判
2020-016961
サワヤカ
- 審判番号
- 2020-016961
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2019-070714
- 請求日
- 2020年12月09日
- 審決日
- 2022年06月07日
- 公報発行日
- 2022年08月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】内野株式会社
- 【請求人代理人】前島 大吾
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 渡邉 潤
- 分類
- T18 .16 -Z (W242527)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2019- 70714拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「さわやか」の文字を標準文字で表してなり、第24類、第25類及び第27類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和元年5月17日に登録出願されたものである。
本願は、令和2年4月27日付けで拒絶理由の通知がされ、同年6月16日に意見書が提出され、同日受付の手続補正書により、本願の指定商品は、第24類、第25類及び第27類に属する別掲1に記載のとおりの商品に補正されたが、同年9月1日付けで拒絶査定がされ、これに対して同年12月9日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「さわやか」の文字を標準文字で表してなるところ、この語は、「気分が晴れ晴れとして快いさま。さっぱりとして気持ちがよいさま。」などの意味を有するものであり、本願の指定商品を取り扱う分野において、「さわやかコットンタオル」、「さわやかガーゼウェア」及び「さわやか折りたたみレジャーマット」など、「着心地のよさ」や「さわり心地のよさ」など「心地よく気持ちがよいさま」を表すものとして使用されている実情があることが認められる。そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「(着心地、さわり心地など)心地よく気持ちがよい商品」であることを認識するにすぎないものであるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における令和4年3月1日付け審尋
当審において、令和4年3月1日付け審尋により、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に対し、別掲2のとおりの事実を提示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
第4 審尋に対する請求人の回答(要旨)
請求人は、上記第3の審尋に対し、令和4年3月25日受付の回答書及び同年4月15日受付の上申書により、要旨、以下、1ないし3のとおりの意見を述べた。
1 ANA機内販売にて、2018年から約2年半、ルームウェア等に対し「さわやか」を、商標として使用をしている結果、協業秩序が形成されていると推察する。2年半の間、他社製品との混同等、トラブルは生じておらず、需要者や同業他社からのクレームは一度もないことからすると、本願商標は自他商品の識別力を発揮している。したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない商標という認定、判断は失当である。
2 バスタオルやバスマット等にも、「さわやか」を商標として使用することを検討していたが、感染症パンデミックの影響により、当該計画は一時休止しているものの、バスタオル等は請求人の主力商品であり、当業者からは業界最大手と評価されており、同業界では比較的取引規模は大きいため、当初計画通りに、バスタオルやバスマット等の関連商品にも「さわやか」を商標として使用していたとすれば、自他商品識別力が発生していたであろうと推察できる。
3 商標「さわやか」は、既存登録例が存在することから、本願商標「さわやか」が、本願の指定商品に対しては宣伝広告に該当するという判断基準は不明確である。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「さわやか」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「すがすがしく快いさま」(「広辞苑 第七版」発行者:株式会社岩波書店)の意味を有する語として、広く親しまれているものと認められる。
そして、別掲2のインターネット掲載記事情報によると、本願商標の指定商品中、第24類「織物,タオル織物,ガーゼ織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,布製身の回り品,タオル,タオル地製身の回り品,ガーゼ製身の回り品,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製テーブルナプキン,ふきん,織物製トイレットシートカバー,織物製椅子カバー」、第25類「被服,洋服,寝巻き類,下着,ズボン,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」、及び第27類「敷物」を取り扱う業界において、通気性の良い生地、吸汗速乾性の機能を有する生地や、肌触りの良い生地を用いることにより、使用感や着心地がさわやかになるような商品が実際に取り扱われている実情が認められ、商品説明等において、「通気性の良い生地、吸汗速乾性の機能を有する生地や、肌触りの良い生地を用いることなどにより、使用感・着心地がさわやかなこと」を表現する場合、「さわやか(爽やか)の語が使用されていることが認められる。
そうすると、本願商標は、これを上記指定商品に使用するときは、需要者に、その商品が、通気性の良い生地、吸汗速乾性の機能を有する生地や、肌触りの良い生地を用いることなどにより、使用感・着心地がさわやかな商品であることを理解させるにすぎず、その商品に関心を持たせるための手法、すなわち、その商品の品質が高いことを表現する宣伝広告であると認識させるものであるから、本願商標は、上記指定商品について、何人もその使用を欲するといい得るものであり、特定人による独占使用を認めることを公益上適当としないものであるとともに、自他商品の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであるため、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、ANA機内販売にて、2018年から約2年半、ルームウェア等に対し「さわやか」を、商標として使用をしている結果、協業秩序が形成されていると推察する。2年半の間、他社製品との混同等、トラブルは生じておらず、需要者や同業他社からのクレームは一度もないことからすると、本願商標は自他商品の識別力を発揮している。したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない商標という認定、判断は失当である旨主張する。
しかしながら、別掲2で提示した証拠に基づけば、上記1のとおり、本願商標は、これを本願商標の指定商品中、上記1に記載した指定商品に使用するときは、需要者に、その商品が、通気性の良い生地、吸汗速乾性の機能を有する生地や、肌触りの良い生地を用いることなどにより、使用感・着心地がさわやかな商品であることを理解させるにすぎず、その商品に関心を持たせるための手法、すなわち、その商品の品質が高いことを表現する宣伝広告であると認識させるものであるから、本願商標は、上記指定商品について、何人もその使用を欲するといい得るものであり、特定人による独占使用を認めることを公益上適当としないものであるとともに、自他商品の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。
また、2年半の間、他社製品との混同等、トラブルは生じておらず、需要者や同業他社からのクレームは一度もないことをもって、上記の判断を左右するものではない。
(2)請求人は、バスタオルやバスマット等にも、「さわやか」を商標として使用することを検討していたが、感染症パンデミックの影響により、当該計画は一時休止しているものの、バスタオル等は請求人の主力商品であり、当業者からは業界最大手と評価されており、同業界では比較的取引規模は大きいため、当初計画通りに、バスタオルやバスマット等の関連商品にも「さわやか」を商標として使用していたとすれば、自他商品識別力が発生していたであろうと推察できる旨主張する。
しかしながら、バスタオルやバスマット等の関連商品に、「さわやか」を商標として使用していたとしても、本願商標が、自他商品の識別力を有すると判断し得る証拠の提示もないことからすると、上記1の判断を左右するものではない。
(3)請求人は、商標「さわやか」は、既存登録例が存在することから、本願商標「さわやか」が、本願の指定商品に対しては宣伝広告に該当するという判断基準は不明確である旨主張する。
しかしながら、請求人の挙げる過去の登録例は、本願商標とは、構成文字や構成態様が異なるものであって、かつ、具体的事案の判断においては、過去の登録例等に拘束されることなく、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきであるから、これらの事例の存在によって、上記1の認定判断が左右されるものではない。
また、請求人は、現在審査係属中の案件を挙げ、本願商標との判断基準の相違について指摘しているが、本願商標と請求人が挙げる案件とは別個の商標であり、審査係属中の案件が、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当することについての認定判断に何ら影響を与えるものではない。
(4)以上のとおり、請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、その他、請求人の主張は、採用するべき事情はない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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