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商標拒絶査定不服審判

2020-016803

シャーロックホームズ、シャーロック、ホームズ

審判番号
2020-016803
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2018-105601
請求日
2020年12月07日
審決日
2021年11月16日
公報発行日
2021年12月24日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】シャーロック ホームズ コリア コー リミテッド
  • 【請求人代理人】相田 伸二
  • 【請求人代理人】鄭 元基
  • 【請求人代理人】相田 京子
審判長/審判官
  • 審判長 平澤 芳行
  • 審判官 鈴木 雅也
  • 審判官 須田 亮一
分類
T18 .22 -WY (W25) / T18 .271-WY (W25)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項7号商標法4条1項15号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第7号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

商願2018-105601拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。

理由

【理 由】 1 手続の経緯 本願は,平成30年8月21日の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。 令和元年8月5日付け:拒絶理由通知書 令和元年11月12日:意見書,手続補正書の提出 令和2年9月3日付け:拒絶査定 令和2年12月7日 :審判請求書,手続補正書の提出 2 本願商標 本願商標は,「SHERLOCK HOLMES」の文字を標準文字で表してなり,第3類,第9類,第16類及び第25類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,登録出願されたものであり,その後,指定商品については,上記1の手続補正書により,第25類「革製ベルト,ゴルフ用の衣服,制服,ナイロン製・綿製その他の原料繊維製レオタード及びタイツ,男性用コート,女性用コート,男性用スーツ,ネクタイ,登山用被服,レギンス(小児用保温ズボン),レオタード及びタイツ,半袖又は長袖シャツ,防寒用マスク,下着,水泳着,女性用スーツ,スカーフ,スポーツ用帽子,運動競技用衣服,子供服,靴下」に補正されたものである。 3 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は,以下の(1)及び(2)のとおり認定,判断し,本願を拒絶したものである。 (1)本願商標は,「SHERLOCK HOLMES」の文字を標準文字で書してなるところ,当該文字は,「コナン=ドイルの推理小説シリーズの主人公である私立探偵の名。」の意味を有し,小説家であるコナン=ドイルが19世紀から20世紀にかけて発表した推理小説「シャーロック・ホームズ」シリーズの主人公を認識させるものであり,我が国のみならず世界中において,現在も親しまれている小説である。 そうすると,世界的に著名な著作物であって,大きな経済的な価値を有し,かつ,著作物としての評価や名声等を保護,維持することが国際信義上要請される推理小説「シャーロック・ホームズ」と,何ら関係が定かでない出願人が本願商標を自己の商標として採択・使用することは,公正な商取引の秩序を乱すものであり,国際信義に反するものと認められる。 したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第7号に該当する。 (2)本願商標は,「SHERLOCK HOLMES」の文字を標準文字で書してなるところ,当該文字は,イギリスの小説家コナン=ドイルの推理小説シリーズの主人公である私立探偵の名前として著名なものであることに加え,小説家コナン=ドイルの著作物に関しては,コナン=ドイルの親族等によって運営されている団体「The Conan Doyle Estate Limited」が,商標及び著作権も含めて管理を行っている実情を確認することができるから,これをその指定商品に使用した場合,これに接する取引者・需要者は,それらの商品があたかも前記団体又は同人と組織的又は経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのごとく誤認し,商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと認められる。 したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第7号該当性について 本願商標は,「SHERLOCK HOLMES」の文字を標準文字で表してなるところ,当該文字は「コナン=ドイルの推理小説シリーズの主人公である私立探偵の名。」(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)の意味を有する語であり,「SHERLOCK HOLMES」(シャーロック ホームズ)は,小説だけではなく,映画,ドラマ,舞台で演じられ,コミック,コンピュータゲームにも使用されていることから,推理小説に登場する私立探偵の名称を表すものとして,我が国において一定程度知られているものといえるが,当該推理小説の作者であるコナン=ドイル氏が死亡したのは1930年であり,日本における同氏の著作権は既に消滅している。 そして,当審において職権で調査するも,「SHERLOCK HOLMES」の名称を商標として採択することが公益上妥当でないとする特段の事情を見いだすことはできなかった。 また,本願商標が,特定の者の業務に係る商品又は役務を表示するものとして,需要者の間に広く認識されていたと認めるに足りる事実や本願商標の登録出願の経緯に著しく社会的相当性を欠くという根拠となる事実も見いだすこともできなかった。 そうすると,請求人が,本願商標をその指定商品に使用したときに,コナン=ドイル(英国)の推理小説に登場する私立探偵の名称を想起させる場合があるとしても,直ちに特定の国(英国)の国民の感情を害し,又は「SHERLOCK HOLMES」のファンを侮辱し,国際信義に反するとまではいえないというのが相当である。 さらに,本願商標の構成自体が非道徳的,卑わい,差別的,きょう激若しくは他人に不快な印象を与えるような構成態様でもなく,本願商標をその指定商品について使用することが,公正な取引秩序を乱し,社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳観念に反するということもできず,他の法律によってその使用が禁止されているものでもない。 その他,本願商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標と認めるに足りる具体的事実や特段の事情は見いだせない。 したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第7号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第15号該当性について 本願商標は,「SHERLOCK HOLMES」の文字からなるところ,当該文字は「コナン=ドイルの推理小説シリーズの主人公である私立探偵の名。」の意味を有する語として一定程度知られているものであるとしても,原審説示の「The Conan Doyle Estate Limited」が,いつ,どのような商品又は役務にどのような商標を使用しているか明らかでなく,具体的な使用状況を確認することができないから,「SHERLOCK HOLMES」の文字からなる商標が,同人の業務に係る商品又は役務を表すものとして,我が国における取引者,需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 そうすると,本願商標をその指定商品について使用しても,需要者が「The Conan Doyle Estate Limited」を連想又は想起することはなく,その商品が同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (3)まとめ 以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第7号及び同項第15号のいずれにも該当しないものであるから,これらを理由として本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。 その他,本願について拒絶の理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。

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