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商標拒絶査定不服審判

2020-014131

審判番号
2020-014131
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2018-154607
請求日
2020年10月08日
審決日
2022年01月19日
公報発行日
2022年08月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社ヤクルト本社
  • 【請求人代理人】特許業務法人 清水・醍醐特許商標事務所
審判長/審判官
  • 審判長 森山 啓
  • 審判官 板谷 玲子
  • 審判官 綾 郁奈子
分類
T18 .13 -Z (W030529303235414244) / T18 .16 -Z (W030529303235414244)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法3条1項6号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項第6号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2018-154607拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第3類、第5類、第29類、第30類、第32類、第35類、第41類、第42類及び第44類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成30年12月18日に登録出願されたものである。 本願は、令和2年1月6日付けで拒絶理由の通知がされ、同年2月12日受付の意見書及び手続補正書が提出され、指定商品及び指定役務については、別掲2のとおりに補正されたが、同年6月30日付けで拒絶査定がされたものである。 これに対して同年10月8日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、包装容器とおぼしき図形から構成されるところ、本願指定商品中、例えば、『せっけん類,化粧品,歯磨き,薬剤,サプリメント,スープのもと,ふりかけ,コーヒー,ココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),食用粉類,菓子,ビール,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス』については、様々な形状・デザインの包装容器が使用されている(別掲3)から、本願商標は全体として、商品の形状(包装の形状)の一形態を表したものと認識させるにとどまると判断するのが相当である。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、商品の形状であることを認識するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は商品の形状を普通に用いられる方法で表してなるものというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。また、本願指定役務中『飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,サプリメントの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供』に関しては、その取扱商品について様々な形状・デザインの包装容器が使用されているから、本願商標は全体として、商品の形状(包装の形状)の一形態を表したものと認識させるにとどまると判断するのが相当である。そうすると、本願商標をその指定役務中、上記第35類の指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その取扱商品の形状であることを認識するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものといえる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審においてした審尋 当審において、令和3年8月19日付けで、請求人に対して、以下を内容とする審尋を通知し、期間を指定して、これに対する意見を求めた。 (1)商標法第3条第1項第3号について 本願商標は、以下の指定商品との関係では、商品の形状(包装の形状)を認識させるにとどまるものであるから、その商品の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであり、商標法第3条第1項第3号に該当するものと考える。 第3類 せっけん,化粧品,歯磨き 第5類 薬剤,サプリメント 第29類 食用油脂,スープのもと,ふりかけ,豆乳 第30類 コーヒー,ココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食用粉類,菓子,食品香料 第32類 ビール,乳清飲料 また、原審において示された事例に加え、別掲4の事例がある。 (2)同項第6号について 本願商標は、以下の指定役務との関係では、その取扱商品の形状を認識させるにとどまるものであるから、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というべきであり、商標法第3条第1項第6号に該当するものと考える。 第35類 飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,サプリメントの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供 4 審尋に対する回答の要旨 (1)審尋において挙げられた拒絶理由に該当する指定商品(以下、請求人の主張において「当該指定商品」という。)及び指定役務(以下、請求人の主張において「当該指定役務」という。)との関係で、本願商標は本来的に識別力を有する。本願商標は独創的で極めて特異な形状であって、著名なデザイナーに係るものであり、当該指定商品の形状(包装の形状)及び当該指定役務の取扱商品の形状(包装の形状)を普通に用いられる方法で表示するものの域を脱しており、自他商品及び自他役務を区別する標識として識別力を有している。 (2)請求人は、本願商標をハウスマークに準じた取り扱いをしており、本願商標に接した取引者、需要者は、本願商標を請求人のハウスマークとして理解、認識するものであって、商品の形状(包装の形状)及び当該指定役務の取扱商品の形状(包装の形状)を認識させるにとどまるものではない。 (3)本願商標は、当該指定商品及び当該指定役務の取扱商品の形状や包装容器の一形態として使用されるものではなく、例えば、当該指定商品及び当該指定役務に関する広告物の形状として使用されるものである。すなわち、当該指定商品の販売、当該指定役務の提供に際し、その商品及び役務に関する広告物として本願商標の形状が使用されるものである。 (4)仮に、本願商標が登録されずに、当該指定商品及び当該指定役務について、何人も自由に使用することが認められてしまうと、これに接する世人は、その商品及び役務が、あたかも請求人と何らかの関係があるのではないかと誤認し、その出所について混同を生ずるおそれがある。かかる不都合を未然に防止するためにも本願商標は登録されるべきである。 (5)審尋において引用された事例には、本願商標の特徴を全て有する容器は見当たらず、本願商標の識別力を否定する根拠にはなり得えない。本願商標の形状は他に見られない特徴を有するため、取引者、需要者にとどまらず、我が国において通常の社会常識と健全な知識を有する者であれば、広く普遍的に、これを一見した者はこれが請求人の製造販売に係る乳酸菌飲料の容器形状を想起し、当該指定商品及び当該指定役務の出所表示の主体が請求人であると直ちに認識、理解できるものである。 5 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号該当性 本願商標は、別掲1のとおり、胴部にくぼみを有し、上部が開口部に向けてなだらかに細くなった容器の形状を側面から表した図形からなるものである。 そして、本願指定商品のうち、前記3(1)に挙げる商品(以下、「当該商品」という。)の分野においては、原審(別掲3)及び別掲4で示したとおり、様々な形状の容器が商品の形状又は商品の包装の形状として用いられていることが認められる。 また、原審が提示した事例においては、例えば、食用粉類や清涼飲料の容器は、デザインとして又は持ちやすさの観点から、胴部にくぼみを有する容器も見受けられるところである。 さらに、原審が提示した飲料や調味料のような液状の内容物の容器は、飲みやすさ、注ぎやすさ、こぼれにくさ等の観点から、胴部より開口部が細くなっていると考えられ、サプリメントや香辛料のような粒状や粉状の内容物の容器は、適量の取り出しやすさ、こぼれにくさ等の観点から、同様に胴部より開口部が細くなっていると考えられる。 そうすると、当該商品の分野においては、商品の機能性及び美観等の向上の観点から、容器の形状に変更又は装飾が施されることは一般的に行われているといえ、本願商標のように、胴部にくぼみを有し、開口部がやや細くなった容器形状も一般的に採択されているといえる。 以上の状況を踏まえると、本願商標は、当該商品との関係においては、これを見た需要者に対して、機能性、美観又はその両方を向上させた、容器形状(包装の形状)を認識させるものである。 そうすると、本願商標は、これをその指定商品中、当該商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、商品の形状又は商品の包装の形状の一類型を表したと認識するにとどまり、商品の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)商標法第3条第1項第6号該当性 本願商標は、前記(1)のとおり、前記3(1)に挙げる商品との関係においては、これを見た需要者に対して、機能性、美観又はその両方を向上させた、容器形状を認識させるものであり、本願指定役務のうち、前記3(2)に挙げる役務の分野においては、原審で示したとおり、その取扱商品について様々な形状の包装容器が使用されているから、本願商標を当該役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その取扱商品の形状又は商品の包装の形状であることを認識するにとどまり、本願商標は需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものというのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。 (3)請求人の主張について ア 請求人は、本願商標は独創的で極めて特異な形状であって、著名なデザイナーに係るものであり、当該指定商品の形状(包装の形状)及び当該指定役務の取扱商品の形状(包装の形状)を普通に用いられる方法で表示するものの域を脱しているから、当該指定商品及び当該指定役務との関係で、本願商標は本来的に識別力を有する旨、また、請求人は、本願商標をハウスマークに準じた取り扱いをしているから、本願商標に接した取引者、需要者は、本願商標を請求人のハウスマークとして理解、認識するものである旨主張する。 しかしながら、本願商標が表す形状のように、胴部にくぼみを有し、開口部がやや細くなった容器形状からなる商品を含め、様々な形状の容器が商品の形状又は商品の包装の形状として用いられており、本願商標が表す形状は、当該商品及び当該役務との関係においては、これを見た需要者に対して、機能性、美観又はその両方を向上させた、容器形状(包装の形状)及び取扱商品の形状(包装の形状)を認識させるものであることは、前記(1)及び(2)のとおりであるから、本願商標の形状が独創的で極めて特異な形状ということはできず、著名なデザイナーに係るものであることによって上記判断が左右されるものではない。また、請求人は、本願商標に接した取引者、需要者は、本願商標を請求人のハウスマークとして理解、認識するものであると主張するが、これについては何ら立証されていない。 イ 請求人は、本願商標は、当該指定商品の形状や包装容器の一形態として使用されるものではなく、例えば、当該指定商品及び当該指定役務に関する広告物の形状として使用されるものであり、当該指定商品の販売、当該指定役務の提供に際し、その商品及び役務に関する広告物として本願商標の形状が使用されるものである旨主張する。 しかしながら、商標法第3条第1項第3号及び同項第6号該当性の有無は、指定商品及び指定役務との関係において、商標に接する需要者がどのように理解、認識するかによって判断すべきであり、出願人の商標の採択の意図がどのようなものであるかは、当該判断において考慮すべきものということはできない。そして、本願商標については、前記(1)及び(2)のとおり、本願商標に接する需要者は、本願商標から商品形状(包装の形状)及び取扱商品の形状(包装の形状)を認識するというべきであり、これを当該商品及び当該役務に使用しても、自他商品及び自他役務の識別標識として認識しないと判断するのが相当である。 ウ 請求人は、審尋において引用された事例には、本願商標の特徴を全て有する容器は見当たらず、本願商標の形状は他に見られない特徴を有するため、取引者、需要者にとどまらず、我が国において通常の社会常識と健全な知識を有する者であれば、これが請求人の製造販売にかかる乳酸菌飲料の容器形状を想起し、当該指定商品及び当該指定役務の出所表示の主体が請求人であると直ちに認識、理解できるものである旨主張する。 しかしながら、本願商標が表す形状が、当該商品及び当該役務との関係において、需要者に容器形状(包装の形状)及び取扱商品の形状(包装の形状)を認識させるというために、本願商標の特徴を全て有する容器が他に存在している必要はなく、胴部にくぼみを有する容器形状や、開口部がやや細くなっている容器形状が、商品の機能性、美観等の向上の観点から、一般的に採択されていることは、前記(1)及び(2)のとおりであって、かかる形状が独創的で極めて特異な形状とはいえないことは、前記アのとおりであるから、請求人の当該主張は、失当である。 エ したがって、上記請求人の主張はいずれも採用できない。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同項第6号に該当するものであるから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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