2020-003293
高温超電導線材
- 審判番号
- 2020-003293
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-511698外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年03月10日
- 審決日
- 2020年12月15日
- 公報発行日
- 2021年02月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】コリア エレクトロテクノロジー リサーチ インスティテュート
- 【請求人代理人】正林 真之
- 【請求人代理人】林 一好
- 分類
- P18 .121-WY (H01B) / P18 .537-WY (H01B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
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結論
理由
目次 ▾ 13項目
第1 手続の経緯
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本願は、2016年(平成28年)9月6日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2015年9月9日、韓国)を国際出願日とする出願であって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。
第2 本願発明
本願請求項1-12に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明12」という。)は、令和 2年10月15日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-12に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1、11は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】金属基板、緩衝層、超電導層及び安定化層が積層された超電導線材であって、前記超電導層及び緩衝層を貫通して前記安定化層と前記金属基板をめっきまたはハンダ付けにより連結する複数のウェッジを含み、前記複数のウェッジは、前記安定化層と前記金属基板を電気的及び機械的に連結し、互いに断面形状および材質が異なる複数のウェッジパターンを備えることを特徴とする超電導線材。」
「【請求項11】超電導層と前記超電導層を囲む導電性金属層とを含む超電導線材であって、前記超電導層を貫通して前記超電導層上下の前記導電性金属層をめっきまたはハンダ付けにより連結する複数のウェッジを含み、前記複数のウェッジは、前記超電導層上下の前記導電性金属層を電気的及び機械的に連結し、互いに断面形状および材質が異なる複数のウェッジパターンを備える超電導線材。」
なお、本願発明2-10、12の概要は以下のとおりである。
本願発明2-10は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明12は、本願発明11を減縮した発明である。
第3 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2013-4457号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は、当審で付した。以下同じ。)
「【0015】図1は本発明に係る超電導線材の第1実施形態の概略斜視図であり、図2は図1に示す超電導線材の部分拡大断面図である。図1および図2に示す超電導線材10は、テープ状の基材11の一方の面上に中間層12と酸化物超電導層13と安定化層14が順次積層されて超電導積層体S1が構成され、この超電導積層体S1の安定化層14の表面14A側から酸化物超電導層13と中間層12との界面Aを貫通して中間層12の上部まで達する貫通部7を備えてなる。貫通部7は、線材の長手方向に沿って所定長さで形成された貫通溝5に充填材6が充填されて構成されており、超電導積層体S1の幅方向および長さ方向に複数個、ランダムに形成されている。【0016】基材11は、通常の超電導線材の基材として使用し得るものであれば良く、長尺のプレート状、シート状又はテープ状であることが好ましく、耐熱性の金属からなるものが好ましい。耐熱性の金属の中でも、合金が好ましく、ニッケル合金又は銅合金がより好ましい。中でも、市販品であればハステロイ(商品名、米国ヘインズ社製)が好適であり、モリブデン、クロム、鉄、コバルト等の成分量が異なる、ハステロイB、C、G、N、W等のいずれの種類も使用できる。また、基材11としてニッケル合金などに集合組織を導入した配向Ni-W基板のような配向金属基板を用いてもよい。基材11の厚さは、目的に応じて適宜調整すれば良く、通常は、10~500μmの範囲とすることができる。【0017】中間層12は、酸化物超電導層13の結晶配向性を制御し、基材11中の金属元素の酸化物超電導層13への拡散を防止するものである。さらに、基材11と酸化物超電導層13との物理的特性(熱膨張率や格子定数等)の差を緩和するバッファー層として機能し、その材質は、物理的特性が基材11と酸化物超電導層13との中間的な値を示す金属酸化物が好ましい。中間層12の好ましい材質として具体的には、Gd2Zr2O7、MgO、ZrO2-Y2O3(YSZ)、SrTiO3、CeO2、Y2O3、Al2O3、Gd2O3、Zr2O3、Ho2O3、Nd2O3等の金属酸化物が例示できる。中間層12は、単層でも良いし、複数層でも良い。例えば、前記金属酸化物からなる層(金属酸化物層)は、結晶配向性を有していることが好ましく、複数層である場合には、最外層(最も酸化物超電導層13に近い層)が少なくとも結晶配向性を有していることが好ましい。」
「【0025】酸化物超電導層13の上に積層される安定化層14は、酸化物超電導層13の一部領域が常電導状態に遷移しようとした場合に、電流のバイパス路として機能することで、酸化物超電導層13を安定化させて焼損に至らないようにする、主たる構成要素である。安定化層14は、導電性が良好な金属からなるものが好ましく、具体的には、銀又は銀合金、銅などからなるものが例示できる。安定化層14は1層構造でも良いし、2層以上の積層構造であってもよい。安定化層14は、公知の方法で積層できる。安定化層14が1層構造の場合は、銀層をメッキやスパッタ法で形成する方法が挙げられる。また、安定化層14が2層構造の場合は、銀層をメッキやスパッタ法で形成し、その上に銅テープなどを貼り合わせるなどの方法を採用できる。安定化層14の厚さは、3~300μmの範囲とすることができる。【0026】貫通部7は、図2に示すように安定化層14の表面14Aから酸化物超電導層13と中間層12との界面Aを貫通して中間層12の上部まで達しており、線材の長手方向に沿って所定長さで形成された貫通溝5に充填材6が充填され構成されている。貫通溝5に充填材6が充填されて貫通部7が構成されることにより、貫通部7を介して酸化物超電導層13に水分が浸入することを抑制でき、水分により酸化物超電導層13が劣化し難いので、良好な特性の超電導線材10となる。充填材6としては、貫通溝5を埋めることができるものであれば特に制限されず、導電性および非導電性のものを適用できる。充填材6として、具体的には、エポキシ樹脂、カーボンペースト、銀ペースト等が挙げられる。なお、充填材6を省略して貫通溝5をそのまま貫通部7としてもよい。【0027】貫通部7は、万が一酸化物超電導層13と中間層12との剥離や、酸化物超電導層13におけるクラックが発生した場合に、剥離やクラックの伝搬を防止するために形成されている。貫通部7は、貫通部7が形成されていない酸化物超電導層13の部分よりもクラックが発生しやすい。このように、クラックが発生しやすい部分を敢えて形成しておくことにより、万が一酸化物超電導層13で部分的に剥離やクラックが発生した場合に、クラックは貫通部7に集中するので、酸化物超電導層13の貫通部7が形成された箇所以外の部分に剥離やクラックが伝搬することを抑制できる。通常、酸化物超電導層13の剥離は、超電導線材10の端部側から発生する場合が多い。そのため、貫通部7を超電導線材10の幅方向中央部よりも幅方向端部側に多く形成しておくことにより、超電導線材10の端部で発生した剥離やクラックを端部側に形成した貫通部7でせき止め、中央部側へと剥離やクラックが伝搬することを抑制でき、好ましい。」
「【0038】図6は本発明に係る超電導線材の第4実施形態を示す部分拡大断面図である。図6に示す超電導線材10Dは、テープ状の基材11の一方の面上に中間層12と酸化物超電導層13と安定化層14とが順次積層された超電導積層体S1に、安定化層14の表面14A側から基材11側に向かって安定化層14と酸化物超電導層13と中間層12を貫通して基材11の上部まで達する複数の貫通部7Dを備えてなる。貫通部7Dは、超電導線材10Dの長手方向に沿って所定長さ伸びる貫通溝5Dの内部に、充填材6Dが充填されて構成されている。本実施形態の超電導線材10Dにおいて、貫通溝5Dに充填される充填材6Dは特に制限されないが、樹脂、ガラスペーストなどの非導電性の材料が好ましい。なお、充填材6Dを省略して貫通溝5Dをそのまま貫通部7Dとしてもよい。続きを表示(全14行)貫通部7Dの寸法および密度は、第1実施形態の超電導線材10の貫通溝7と同様とすることが好ましく、貫通溝7Dは図3に示す超電導線材10Bの如く孔形状であってもよい。【0039】本実施形態の超電導線材10Dは、形成する貫通溝5Dの深さを変えること以外は、図4(a)~(c)に示す超電導線材10の製造方法と同様の工程で製造することができる。なお、図6に示す如く貫通部7Dを形成した後に、安定化層14および貫通部7Dの上にCuの金属テープを半田を介して積層してもよい。また、超電導積層体S1に貫通溝5Dを形成した後、貫通溝5Dを充填材で充填せずに、安定化層14および貫通溝5Dの上にCuの金属テープを半田を介して積層してもよい。この場合、Cuの金属テープ積層の際に、貫通溝5Dの上方あるいは大半部分に半田が流れ込んで凝固した状態で、貫通部7Dが形成される。【0040】図7は本発明に係る超電導線材の第5実施形態を示す部分拡大断面図である。図7に示す超電導線材10Eは、テープ状の基材11の一方の面上に中間層12と酸化物超電導層13と安定化層14とが順次積層された超電導積層体S1に、安定化層14の表面14から基材11の裏面11Aまで貫通する複数の貫通部7Eが形成されて構成される。貫通部7Eは、超電導線材10Eの長手方向に沿って所定長さ伸びる貫通溝5Dの内部に、充填材6Eが充填されて構成されている。本実施形態の超電導線材10Eにおいて、貫通溝5Eに充填される充填材6Eは特に制限されないが、上記した第5実施形態の超電導線材10Dで例示した非導電性の材料が好ましい。なお、充填材6Eを省略して貫通溝5Eをそのまま貫通部7Eとしてもよい。貫通部7Eの寸法および密度は、第1実施形態の超電導線材10の貫通溝7と同様とすることが好ましく、貫通溝7Eは図3に示す超電導線材10Bの如く孔形状であってもよい。【0041】本実施形態の超電導線材10Eは、図4(b)に示す貫通溝を形成する工程において、形成する貫通溝の深さを変えて、超電導積層体S1の安定化層14の表面14Aから基材11の裏面11Aまでを貫通する貫通溝5Eを形成すること以外は、図4(a)~(c)に示す超電導線材10の製造方法と同様の工程で製造することができる。なお、図7に示す如く貫通部7Dを形成した後に、安定化層14および貫通部7Eの上にCuの金属テープを半田を介して積層してもよい。」
したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「テープ状の基材11の一方の面上に中間層12と酸化物超電導層13と安定化層14とが順次積層された超電導積層体S1に、安定化層14の表面14A側から基材11側に向かって安定化層14と酸化物超電導層13と中間層12を貫通して基材11の上部まで達する複数の貫通部7Dを備えてなる超電導線材10Dであって、基材11は、耐熱性の金属からなり、中間層12は、酸化物超電導層13の結晶配向性を制御し、基材11中の金属元素の酸化物超電導層13への拡散を防止するものであり、安定化層14は、酸化物超電導層13の一部領域が常電導状態に遷移しようとした場合に、電流のバイパス路として機能し、貫通溝5Dの大半部分に半田が流れ込んで凝固した状態で、貫通部7Dが形成され、貫通部7は、酸化物超電導層13におけるクラックが発生した場合に、剥離やクラックの伝搬を防止するために形成される、超電導線材10D。」
2 引用文献2について
また、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(国際公開第2014/208843号)には、図面とともに次の事項が記載されている。
「」
([3] 図1は、RABiTS(Rolling Assisted Bi-axially Textured Substrate)ベースの超電導線材を例示的に示した図である。図1を参照すると、超電導線材は、Ni又はNi合金基板(12)上に緩衝層(14)、超電導層(16)及び安定化層(18)が順次形成されている。
[4] RABITSベースの高温超電導線材は、厚さが薄く延性を有するため、剛性を付与するために、その上部と下部にステンレスなどの金属基板(20)がラミネートされる。このとき、ラミネートされた基板は、半田(30)によって結合されて、機械的強度が高く、コイル巻線時に発生するマグネットの特性低下を減少させるために有効である。しかし、基板の両面に金属をラミネートとされる線材全体の厚さが厚くなり、電流密度(Je)が低くなる問題点を有している。)(注:翻訳文は合議体による。)
Fig. 1は、以下のとおりのものである。
引用文献2のFig. 1から、超電導層(16)を囲む金属基板(20A、B)、半田(30)が見てとれる。
「」
したがって、上記引用文献2には、超電導線材であって、超電導層(16)の上部と下部にステンレスなどの金属基板(20)がラミネートされ、超電導層(16)を囲む金属基板(20A、B)、半田(30)を形成するという技術的事項が記載されていると認められる。
第4 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明の「超電導線材10D」は、本願発明1の「超電導線材」に対応する。
イ 引用発明の「耐熱性の金属」からなる「基材11」は、本願発明1の「金属基板」に相当し、引用発明の「中間層12」は、「酸化物超電導層13の結晶配向性を制御し、基材11中の金属元素の酸化物超電導層13への拡散を防止するもの」であり、本願発明1の「緩衝層」に相当し、引用発明の「酸化物超電導層13」は、本願発明1の「超電導層」に相当し、引用発明の「安定化層14」は、本願発明1の「安定化層」に相当する。
ウ 引用発明では、「安定化層14の表面14A側から基材11側に向かって安定化層14と酸化物超電導層13と中間層12を貫通して基材11の上部まで達する複数の貫通部7Dを備え」、「貫通溝5Dの大半部分に半田が流れ込んで凝固した状態で、貫通部7Dが形成され」ることから、本願発明1と引用発明とは、「前記超電導層及び緩衝層を貫通して前記安定化層と前記金属基板を」「ハンダ付けにより連結する複数のウェッジを含」む点で一致する。
エ 引用発明では、「酸化物超電導層13の一部領域が常電導状態に遷移しようとした場合に、電流のバイパス路として機能」する「安定化層14」と、「耐熱性の金属」からなる「基材11」とを、「半田」からなる「貫通部7D」により連結しており、「半田」は電気を通すものであるから、「貫通部7D」は、「安定化層14」と「基材11」を電気的に連結するものといえる。また、引用発明において、「貫通部7は、酸化物超電導層13におけるクラックが発生した場合に、剥離やクラックの伝搬を防止するために形成される」ことから、「貫通部7D」についても同様に「剥離やクラックの伝搬を防止するため」のものと認められ、半田付けは金属をつなぎ合わせるために用いるものであり、「貫通部7D」は、「安定化層14」と「基材11」を物理的に連結するものといえる。
そうすると、本願発明1と引用発明とは、「前記複数のウェッジは、前記安定化層と前記金属基板を電気的及び機械的に連結」する点で一致する。
オ したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「金属基板、緩衝層、超電導層及び安定化層が積層された超電導線材であって、前記超電導層及び緩衝層を貫通して前記安定化層と前記金属基板をハンダ付けにより連結する複数のウェッジを含み、前記複数のウェッジは、前記安定化層と前記金属基板を電気的及び機械的に連結する超電導線材。」
(相違点)
(相違点1)本願発明1は「めっき」「により連結する複数のウェッジ」という構成を備えるのに対し、引用発明では、そのような特定はなされていない点。
(相違点2)本願発明1の「複数のウェッジ」は、「互いに断面形状および材質が異なる複数のウェッジパターンを備える」のに対し、引用発明では、そのような特定はなされていない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑みて、上記相違点2について先に検討する。
引用文献1の段落【0038】には、「貫通部7Dの寸法および密度は、第1実施形態の超電導線材10の貫通溝7と同様とすることが好ましく、貫通溝7Dは図3に示す超電導線材10Bの如く孔形状であってもよい。」と記載されており、「貫通溝7D」の断面形状を選択できるように記載されているものの、異なる複数の断面形状を組み合わせることを示唆する記載もなく、引用発明の「貫通部7D」において、「互いに断面形状および材質が異なる複数のウェッジパターン」とすることが、設計的事項とはいえない。
また、本願発明1の「複数のウェッジ」が「互いに断面形状および材質が異なる複数のウェッジパターンを備える」ことは、上記引用文献2にも記載されていない。
したがって、上記相違点1について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
2 本願発明11について
本願発明11は、本願発明1の「金属基板、緩衝層、超電導層及び安定化層が積層された超電導線材」を「超電導層と前記超電導層を囲む導電性金属層とを含む超電導線材」に代えた発明であり、本願発明1の「複数のウェッジ」が「互いに断面形状および材質が異なる複数のウェッジパターンを備える」ことに対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
3 本願発明2-10、12について
本願発明2-10は、本願発明1の「複数のウェッジ」が「互いに断面形状および材質が異なる複数のウェッジパターンを備える」ことと同一の構成を備えるものであり、本願発明12は、本願発明11の「複数のウェッジ」が「互いに断面形状および材質が異なる複数のウェッジパターンを備える」ことと同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第5 原査定の概要及び原査定についての判断
原査定は、請求項1-12について上記引用文献1、2に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。しかしながら、令和 2年10月15日付け手続補正により補正された請求項1、11は、それぞれ「複数のウェッジ」が「互いに断面形状および材質が異なる複数のウェッジパターンを備える」という事項を有するものとなっており、上記のとおり、本願発明1-12は、上記引用文献1に記載された発明及び上記引用文献2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。
第6 当審拒絶理由について
1 特許法第36条第6項第2号について
当審では、請求項11、12の「前記安定化層と前記金属基板」という記載の誤記により不明確であるとの拒絶の理由を通知しているが、令和 2年10月15日付けの補正において、「前記超電導層上下の前記導電性金属層」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明1-12は、当業者が引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2020-003293