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商標異議申立

2019-900344

ギリシャヨーグルトデタンパクシューカン、ヨーグルトデタンパクシューカン、タンパクシューカン

審判番号
2019-900344
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2018-126582
登録番号
商標登録第6175988号(T6175988)
請求日
2019年11月25日
審決日
2020年12月18日
公報発行日
2021年06月25日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】株式会社明治
  • 【異議申立人】ギリシャ共和国
  • 【異議申立人代理人】飯島 歩
  • 【異議申立人代理人】松下 外
  • 【異議申立人代理人】横井 知理
審判長/審判官
  • 審判長 榎本 政実
  • 審判官 小松 里美
  • 審判官 小俣 克巳
分類
T1651.272-ZC (W29)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項16号商標法43条の3第2項商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第16号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

登録第6175988号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 登録第6175988号商標の指定商品中、第29類「ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルトを含まない乳飲料,ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルト以外の発酵乳,ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルトを含まない乳酸菌飲料,ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルトを含まない乳製品,ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルトを含まないミルクセーキ」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由

【理 由】 第1 本件商標 本件登録第6175988号商標(以下「本件商標」という。)は、「ギリシャヨーグルトでたんぱく習慣」の文字を標準文字で表してなり、平成30年10月9日に登録出願、第29類「発酵乳を含む食用油脂,発酵乳を含む乳飲料,発酵乳,発酵乳を含む乳酸菌飲料,発酵乳を含む乳製品,発酵乳を含む豆乳,発酵乳を含むミルクセーキ,発酵乳を含むカレー・シチュー・グラタン・ドリア・リゾット又はスープのもと,発酵乳を含む主に食肉・魚又は野菜からなる惣菜,発酵乳を含む調理用野菜ジュース」を指定商品として、令和元年8月9日に登録査定、同月30日に設定登録されたものである。 第2 登録異議申立ての理由(要旨) 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。 1 本件商標について 本件商標は、標準文字の「ギリシャヨーグルトでたんぱく習慣」からなり、その指定商品は、いずれも「発酵乳を含む○○」である(甲1)。 2 標章に国名+商品名からなる要素を含んでいること 本件商標は、商標中に「ギリシャヨーグルト」という片仮名を有している。「ギリシャ」は欧州の国名であり、ギリシャはギリシャ神話や世界遺産、オリンピック発祥の地として日本人には非常になじみの深い国名である。また、「ヨーグルト」は、「牛乳・羊乳・山羊乳などを乳酸発酵によって凝固させた食品。」(広辞苑第6版)である「発酵乳」の慣用的な一般名称である。 そして、ヨーグルトは、日常習慣的に摂取されるような一般的な食品であるから、本件商標における需要者には、一般消費者が含まれている。 そうすると、「ギリシャ」と記載された商品に接した一般消費者たる需要者は、国名を産地名として、商品の一般名と組合せられた用語であることから、まずは「ギリシャ産」の「ヨーグルト」に自然と想到するのであって、原産地国名であると関連づけて理解することとなる。 さらに、「ギリシャヨーグルト」を含んだ標章を指定商品の「発酵乳を含む○○」といった食品に用いた場合に、それらの商品に接した一般需要者は、「ギリシャ」という国名からすれば、発酵乳の中身であるヨーグルトの原産地がギリシャであると、極めて平易に関連づけて理解するにすぎない。 3 「水切りヨーグルト」は国内ヨーグルト市場の僅か2.5%であること 市場に流通しているギリシャ産のヨーグルトとは、日本で主流に普及しているレギュラータイプのヨーグルトとは異なり、ヨーグルトをざるに上げて水切りする「水切り製法」で製造された「水切りヨーグルト(strained yogurt)」であり、ヨーグルトの上に溜まる水分や乳清を除去していることから、一般的には水分が少なく濃厚な食感である。 ところで、日本におけるヨーグルト市場全体の市場規模は、日経電子版記事によると、推計4990億円(平成29年度)(甲4)である。このうち、「水切りヨーグルト」の販売額はヨーグルト市場全体の僅か2.5%である(甲2、甲3)。つまり、日本国民が日常習慣的に食するヨーグルトの市場において、「水切りヨーグルト」のシェアは非常に小さく、普及率は低いのであるから、一般消費者レベルでみれば、ギリシャ産のヨーグルトがどのようなタイプのヨーグルトであるかは、水切りヨーグルト自体も含めて、十分には認知されているとはいい難い。 なお、一般的なヨーグルトの種類については、甲第5号証や甲第6号証にヨーグルトの分類が示されているが、「水切りヨーグルト」の製法には触れられていない。これらの文献には、一般的な分類は、前発酵タイプのヨーグルトとして「ソフトヨーグルト」、「ドリンクヨーグルト」、「フローズンヨーグルト」、後発酵タイプの「ハードヨーグルト」、「プレーンヨーグルト」が記載されている。こうした専門書の分類に鑑みても、一般需要者に「水切りヨーグルト」であるギリシャ産ヨーグルトが日本で浸透するまでには至っていないことがうかがわれる。 このように、実際の製法の違いが浸透していないことも相まって、そもそも「ギリシャ」とあれば、ギリシャ産のヨーグルトであると誤認するであろう状況にあるといえる。つまり、中身についての認識が緩ければ、「ギリシャ産」と認識するのが一般的であり、この点は、水切りヨーグルトについての認知度が多少あがった程度では解消されるものではない。勘違いする人は、まずは、ギリシャ産と勘違いするのであるから、少なからずそのように勘違いする需要者が含まれることは不可避といえる。 4 「発酵乳」は水切りヨーグルトに限らず、ヨーグルト全般を指す一般名であること 甲第6号証や広辞苑にあるように、ヨーグルトという用語は一般名称であって、法律に定められたものではなく、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」などの省令では、「発酵乳」という名称が用いられている。 そして、発酵乳とは「乳又はこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌又は酵母で発酵させ、網状又は液状にしたもの又はこれを凍結したもの」をいう。 そこで、指定商品に「発酵乳を含む」とあれば、広くヨーグルト全般のなにがしかが含まれていればよいものとなる。「ギリシャ産の水切りヨーグルト」であるか否かに限らない広い用語であるから、ギリシャヨーグルトという用語が標章に含まれている場合、ギリシャヨーグルトなる文字とは無関係な一般的な発酵乳全般に用いられるという、ミスマッチングを招くこととなる。 5 地名+商品名の組合せは、需要者が原産地を誤認するおそれを生じさせること 上記のとおり、ギリシャ産ヨーグルトのような「水切りヨーグルト」は、国内ヨーグルト市場の2.5%に留まっており、一般需要者が発酵乳を含む食品の購入時に「ギリシャヨーグルト」の表示に接すれば、ギリシャを原産地とするヨーグルトが含まれていると認識することは避けがたい。 一般消費者たる需要者は、ギリシャを原産地とするヨーグルトであると誤認するおそれが生じる以上、本件商標に発酵乳のような指定商品が含まれることは、許されるべきではない。 6 公正競争規約における原産地の誤認に関する規定に鑑みて、地名よりも上位の国名である「ギリシャ」の表記は、原産地国を誤認するおそれが極めて高いこと ヨーグルトに関しては、業界団体の自主基準として、「発酵乳・乳酸菌飲料の表示に関する公正競争規約及び同施行規則」が規定されている(甲7)。同規約第4条第2項には、原産地に関して不当な表示とならないよう、「その原産国について誤認されるおそれがあるものにあっては、施行規則に定める基準により、原産国を明瞭に表示しなければならない。」と規定しており、同施行規則第13条第1項第1号において、国産の製品が原産国を誤認させるおそれがある表示として、「ア 外国の国名、地名、国旗、紋章その他これらに類するものの表示」、「イ 外国の事業者又はデザイナーの氏名、名称又は商標の表示」、「ウ 文字による表示の全部又は主要部分が外国の文字で示されている表示」(甲7)の3つの態様をあげている。 もちろん、公正競争規約そのものは、本件商標と直接関係するところではないが、「ギリシャ」が大きく記されている点は、上記アの外国の地名またはこれらに類するものの表示に相当しており、同様に、本件態様が原産地を誤認させるおそれがある表示にあたることを示唆する資料といい得る。 なお、公正競争規約施行規則においては、具体的な使用の際に、原産地であることの誤認がないように打ち消す表示がある場合の取扱いについて、同施行規則第13条第1項第2号に規定しており、こうした打ち消しがある場合には、こうした表示があっても他の記載と相まって例外的に原産地とはみなさない扱いとしている。 しかしながら、本件商標では、単に「ギリシャヨーグルトでたんぱく習慣」と記載しているにすぎず、地名が原産地と関係がないことを打ち消すような表示が商標上になされているわけでは一切ない。すなわち、本件商標自体は、端的に公正競争規約において同施行規則第13条第1項第1号アの地名に該当する記載によって原産地であることを需要者に誤認させ得る状態を招来しているのである。そして、このことは現実に販売されている商品が打ち消し表示によって公正競争規約に準拠している状態で運用されているかどうかとは全く関係がないので、商品上で打ち消していることは考慮する余地がなく、端的に商標上の記載のみで判断されることとなる。 そうすると、「ギリシャ」の表示自体は、公正競争規約にいう原産地の表示そのものにあたることから業界団体の基準目線で捉えてみたところで、需要者に原産地と誤解させるおそれがある表示に相当している。 7 英国における裁判例(FAGE vs Chobani)において、ギリシャヨーグル卜(GREEK YOGURT)の「GREEK」の表示は、ギリシャ産でなければならないと判示されたこと 欧州においては、近年、適切な原産地表示を推進することで原産地の尊重と保護がはかられており、日本においても欧州の原産地への配慮が日本の産品における原産地表示と同様に望まれている。 例えば、英国では、2014年の判決を端緒として、「GREEK YOGURT」をギリシャ産以外には使うことが判例法上困難となり、他国製のヨーグルトについては「GREEK-STYLE YOGURT」と称するなど、両者の表示に明確な使い分けがなされるようになっている。 本件商標では、指定商品は「発酵乳を含む」と、種類、産地の区別なくヨーグルト全般を含みうる記載であるが、「ギリシャヨーグルトを含む」という曖昧な補正をして限定するのではなく、「ギリシャ国産ヨーグルト」と「ギリシャ風ヨーグルト」は使い分けなければならないことを念のため付言する。 「ギリシャ風ヨーグルト」とは、「みりん」と「みりん風味」が異なる商品であると法的に区別されているとおり、本来、異なる商品であって、「風」とついた商品を「ギリシャヨーグルト」の指定商品の記載として認めることは、原産地であるギリシャ国を軽視するものといわざるを得ないこととなる。 さて、英国での訴訟は、1983年よりギリシャ産の「GREEK YOGURT」を英国に輸入販売していたFAGE社が、英国で製造販売する米国企業Chobaniの英国子会社を相手どったもので、英国産のヨーグルトに「GREEK YOGURUT」と記載することが顧客をミスリードさせるとして、不正盗取(passing off)を理由とした損害賠償請求訴訟である。 英国控訴院は、2014年1月に、原告FAGEが勝訴した原審を維持した(甲8、甲9)。なお、最高裁も控訴審の判断を維持している。 確かにこの裁判は英国での事件に留まるが、英国では、「ギリシャヨーグルト」が濃厚でクリーミーな質感を備えたヨーグルトであるという品質に関する理解が人々に備わった状況であったことは明らかである。それにもかかわらず、こうした濃厚でクリーミーな質感のヨーグルトを「ギリシャヨーグル卜」と呼ぶ場合には、依然として、これがギリシャで製造されているもの、と考える人が多い事実を示すものである。そうすると、仮に日本において「ギリシャヨーグルト」が水切り製法による濃厚でクリーミーな質感であることについての理解が深まっていったとしても、依然としてギリシャ産だから、ギリシャヨーグルトなのだ、と考えることが不自然でないことを強く推認させるものであり、原産地としての認識がそう簡単には覆らないことを示すものである。 なお、特定の地域名ではなく、「ギリシャ」は国名であり、日本国民であれば、ほぼ周知のなじみある国名である。特定の地域名の商品を保護する地理的表示名称ですら近時は保護されるのであるから、国名+商品名であれば、より明確に産地が保護されるべきものといえる。 さらに、日本でのギリシャヨーグルトのシェアや認知度が低い状況からすると、ギリシャ産であると誤解する国民が少なからずいることは、英国の裁判を参照するまでもなく、明らかに起りうることである。 ヨーグルトは日本国内で多く製造される商品でもあり、他の産地の商品もありえるのであるから、「発酵乳を含む」という、より広い名称を指定商品に用いることを許してしまうと、商標名からギリシャ産のヨーグルトが含まれると需要者が誤認することは避けがたいことは論を待たないといえる。 8 まとめ 本件商標は、「ギリシャヨーグルト」の文字を標章中に含んでおり、指定商品が「発酵乳を含む○○」といった食品であることから、一般の需要者からすれば、「ギリシャ」という国名を原産地とするヨーグルトを含むとの原産地を示すことは明らかである。そこで、他の商品に用いることは需要者に誤認を生じさせることとなる。 また、水切りヨーグルトの市場規模が国内市場の2.5%しかなく、濃厚でクリーミーな質感の水切りヨーグルトであることすら認知されているとはいえない。仮に認知が進んだところで、「GREEK YOGURT」が原産地と無関係な用語として切り離される必然性はないので、依然としてギリシャで製造されたものとして、需要者に原産地を誤認させるおそれが生じることは払拭できない。そこで、「ギリシャ産のヨーグルトを含む○○」以外の商品を指定商品に含むことは、広すぎるものといえる。 したがって、本件商標を「発酵乳を含む○○」と産地を限定しない指定商品を用いることは、商標法第4条第1項第16号に該当することから、本件商標は取り消されるべきである。 第3 当審における取消理由 審判長は、本件商標権者に対して、令和2年7月29日付け取消理由通知書において、本件商標の登録は、その指定商品中、第29類「ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルトを含まない乳飲料,ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルト以外の発酵乳,ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルトを含まない乳酸菌飲料,ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルトを含まない乳製品,ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルトを含まないミルクセーキ」について、商標法第4条第1項第16号に違反してされたものである旨通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えた。 第4 本件商標の商標権者の意見 本件商標権者は、上記第3の取消理由に対し、指定した期間を経過するも何ら意見を述べていない。 第5 当審の判断 1 「ギリシャヨーグルト」の語(文字)について (1)申立人が提出した甲各号証及び職権調査(新聞記事情報、インターネット情報など)によれば、次のとおりである。 ア 「東洋経済 ONLINE」と称するウェブページには、2015年12月31日付けで「『ギリシャヨーグルト』を知っていますか アメリカでは健康食品として定番」のタイトルのもと、「ギリシャヨーグルトとは、ギリシャでは伝統的な製法となっている『水切り製法』をつかったヨーグルトのこと。」及び「日本では、森永乳業やダノンがギリシャヨーグルトの製造・販売を手掛けている。」の記載がある(職権調査 https://toyokeizai.net/articles/-/98433)。 イ 「ダノンジャパン株式会社」の2016年9月6日付けプレスリリースには、「100kcal未満・脂肪ゼロ・満足感のギリシャヨーグルト/“小腹を黙らせるヨーグルト”『ダノンオイコス』/季節限定フレーバー パンプキン&さつまいも発売/2016年9月6日より出荷開始」のタイトルのもと、「ギリシャヨーグルトは、乳脂肪、または増粘剤などの食品添加物を加えること無く、ヨーグルトから一部のホエー成分を取り除く、水切り製法により作られています。」の記載がある(職権調査 http://www.danone.co.jp/news/pdf/Oikos0906.pdf)。 ウ 2017年8月30日付け「日本食糧新聞」の16ページには、「イオン、PB『トップバリュ』を値下げ 頻度品114品目を10~100円」のタイトルのもと、「『ギリシャヨーグルトプレーン』(110g、118円、7.8%)」の記載がある(職権調査)。 エ 商標権者のウェブページには、2018年3月22日付けで「濃密なのに脂肪0/『明治THE GREEK YOGURT プレーン』・・・/新発売」のタイトルのもと、「近年、ギリシャヨーグルトは、濃密なおいしさが注目され、ひとつのカテゴリーとして急速に拡大しています。」及び「日本では、ヨーグルト市場全体におけるギリシャヨーグルトの構成比はいまだ2.5%程度ですが、・・・」の記載がある(甲2)。 オ 2018年3月28日付け「日刊工業新聞」の23ページには、「明治、濃密な味わいのギリシャヨーグルト3品発売」のタイトルのもと、「明治は、濃密な味が特徴のギリシャヨーグルト3品を4月10日に発売する。」の記載がある(職権調査)。 カ 2018年12月7日付け「日本食糧新聞」の9ページには、「『濃密ギリシャヨーグルト パルテノ カシスソース付』発売(森永乳業)」のタイトルのもと、商品特徴として「ギリシャ伝統の水切り製法で作られた濃密食感のヨーグルト。」の記載がある(職権調査)。 キ 2019年4月26日付け「日本食糧新聞」の5ページには、「ドン・キホーテ、飲むギリシャヨーグルト発売 フィンクと共同開発」のタイトルのもと、「ドン・キホーテが18日に発売したドリンクタイプのギリシャヨーグルト『テイク グリーク』は、ヘルスケアアプリ『FiNC(フィンク)』を運営するフィンクテクノロジー社と共同開発したものだ。」の記載がある(職権調査)。 ク 料理のレシピを紹介する「cookpad」と称するウェブページには、次のレシピが紹介されている(職権調査)。 (ア)「手作りギリシャヨーグルト」のレシピ (公開日及び更新日は2014年10月26日。)(https://cookpad.com/recipe/2846877) (イ)「自家製ギリシャヨーグルト」のレシピ (公開日及び更新日は2015年5月5日。)(https://cookpad.com/recipe/3120112) (ウ)「市販より美味しい手作りギリシャヨーグルト」のレシピ (公開日及び更新日は2015年8月26日。)(https://cookpad.com/recipe/3365304) (2)上記(1)によれば、本件商標の登録査定の日前から、複数のメーカーが「ギリシャヨーグルト」と称する商品の製造、販売を行っていること、料理のレシピの名称に「ギリシャヨーグルト」の語が複数用いられていること、及び概して「ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルト」を「ギリシャヨーグルト」と称していることが認められる。 そうすると、我が国のヨーグルト市場におけるギリシャヨーグルトの構成比が2018年(平成30年)頃に2.5%程度であるとしても、「ギリシャヨーグルト」の語(文字)は、本件商標の登録査定時において、「ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルト」を指称するものとして、発酵乳など乳製品の需要者に認識されているものと判断するのが相当である。 2 商標法第4条第1項第16号該当性について 本件商標は、上記第1のとおり「ギリシャヨーグルトでたんぱく習慣」の文字からなり、その構成文字の種類が異なること及び語頭に位置している語であることから、「ギリシャヨーグルト」の文字を含むものと容易に認識されるものといえる。 そして、上記1のとおり「ギリシャヨーグルト」の語(文字)が、「ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルト」を指称するものとして発酵乳など乳製品の需要者に認識されていることをあわせみれば、本件商標は、これをその指定商品中、乳製品といえる「発酵乳を含む乳飲料,発酵乳,発酵乳を含む乳酸菌飲料,発酵乳を含む乳製品,発酵乳を含むミルクセーキ」について使用するときは、需要者をして当該商品が「ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルト」又は「ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルトを含む商品」であると理解、認識させるものと判断するのが相当である。 そうすると、本件商標はこれをその指定商品中「ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルト」又は「ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルトを含む商品」以外の商品(乳製品)、すなわち、「ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルトを含まない乳飲料,ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルト以外の発酵乳,ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルトを含まない乳酸菌飲料,ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルトを含まない乳製品,ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルトを含まないミルクセーキ」(以下「取消対象商品」という場合がある。)について使用するときは、当該商品があたかも「ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルト」又は「ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルトを含む商品」であるかのように、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。 したがって、本件商標は、その指定商品中取消対象商品について、商標法第4条第1項第16号に該当する。 3 申立人の主張について 申立人は、本件商標はその構成中に「ギリシャヨーグルト」の文字を含んでおり、その指定商品が発酵乳を含む商品であることから、一般の需要者からすれば、当該文字が原産地を示すものと認識されることは明らかであり、また、水切りヨーグルトの市場規模が国内市場の2.5%しかなく、水切りヨーグルトであることすら認知されているとはいえないし、仮に認知が進んだところで、「ギリシャヨーグルト」が原産地と無関係な用語として切り離される必然性はないので、依然としてギリシャで製造されたものとして、需要者に原産地を誤認させるおそれが生じることは払拭できない旨主張している。 しかしながら、本件商標の構成中の「ギリシャヨーグルト」の文字は、上記1(2)のとおり、「ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルト」を指称するものとして、発酵乳など乳製品の需要者に認識されていると判断するのが相当であるから、「ギリシャヨーグルト」の文字が、ギリシャを原産地とするヨーグルトのみを認識させるとはいい難いものである。 したがって、申立人の上記主張を採用することはできない。 4 むすび 以上のとおり、本件商標の指定商品中、第29類「ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルトを含まない乳飲料,ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルト以外の発酵乳,ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルトを含まない乳酸菌飲料,ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルトを含まない乳製品,ギリシャ伝統の水切り製法により作られたヨーグルトを含まないミルクセーキ」についての登録は、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものといわなければならないから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。 しかしながら、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、取り消すべき理由はないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきものとする。 よって、結論のとおり決定する。

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2019-900344

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