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商標異議申立

2019-900328

コーミルコーミル、コーミル、コミル、ミル、エムアイエル

審判番号
2019-900328
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2018-146005
登録番号
商標登録第6171424号(T6171424)
請求日
2019年11月11日
審決日
2020年06月16日
公報発行日
2020年08月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】天星酒造株式会社
  • 【異議申立人】ブンゲ ギダ サナイ ウエ チカレット アノニム シルケティ
  • 【異議申立人代理人】齊藤 誠一
  • 【異議申立人代理人】シュワルツ 知子
審判長/審判官
  • 審判長 半田 正人
  • 審判官 大森 友子
  • 審判官 阿曾 裕樹
分類
T1651.261-Y (W05293233) / T1651.262-Y (W05293233) / T1651.263-Y (W05293233) / T1651.271-Y (W05293233) / T1651.222-Y (W05293233)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第19号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

登録第6171424号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 登録第6171424号商標の商標登録を維持する。

理由

【理 由】 1 本件商標 本件登録第6171424号商標(以下「本件商標」という。)は、「ko-mil コーミル」の文字を標準文字で表してなり、平成30年11月27日に登録出願、第5類「乳幼児用飲料,乳幼児用食品」、第29類「加工野菜及び加工果実」、第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」及び第33類「焼酎,洋酒,果実酒,酎ハイ,薬味酒」を指定商品として、令和元年6月11日に登録査定、同年8月16日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立てに引用する登録第5830037号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成26年6月27日に登録出願、第29類「食用油脂,植物性油脂,動物性油脂,バター,マーガリン,低カロリーのマーガリン,食用植物性油脂,ひまわり油,大豆油,コーン油,食用オリーブ油」を指定商品として、同28年2月26日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第53号証を提出した。 (1)引用商標について ア 引用商標の最初の使用者であるコミリ社は、1878年の創立以来、「Komili」の商標を使用してオリーブオイルを提供してきた老舗であり、同社が2008年にアナ ギダ イティヤク マデウリ サナイウェ チカレット アノニム シルケティ(以下「アナ社」という)のグループに入って以来、同商標はアナ社のメインブランドとなり、オリーブオイルの代名詞的ブランドとして愛されてきた。当該商標に係る商品は、年間生産量2万トンで、トルコにおいて業界第1位のシェア30~35%を誇り、世界26か国で販売されている(甲3)。そして、日本における引用商標の使用開始は2012年である。 申立人は、1818年にオランダ・アムステルダムで貿易会社として創立し、国際的にビジネスを拡大しながら、2017年に「Komili」等を擁するアナ社を合併し、それ以来、申立人はトルコ最大手のオリーブオイルメーカーとなり、その中でも「Komili」は、トルコ国内シェアNo.lを誇る(甲4~甲6)。 イ 引用商標の使用態様及び使用地域(甲6~甲8)、広告宣伝広報活動の実績(甲9~甲35)、使用期間(2012年以降)、事業規模及び業績(甲37~甲51)を併せ鑑みれば、本件商標の出願時及び査定時において、引用商標は日本全国的に著名であった。 ウ 引用商標は、もとより造語であり、強力な識別力を発揮する。そして、トルコ特許庁商標公報(甲52)、トルコ特許庁データベース(甲53)に、引用商標が著名商標として記載、登録されている。したがって、引用商標の外国(特にトルコ)における著名性は明白である。 (2)商標法第4条第1項第11号該当性について 本件商標は「ko-mil コーミル」の文字から構成されており、その要部の一つである「ko-mil」からは、「コミル」の自然称呼が生じる。 そして、当該称呼を引用商標から生じる称呼「コミリ」と比較すると、語尾の「ル」と「リ」に差異があるが、両音は発音上近似する音で、一般に称呼上印象が薄く明確に聴別し難い語尾に位置するため、全3音としても聴者に与える印象は弱い。よって、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、語調、語感が近似したものとなり、聞き誤るおそれがある。 外観においては、「ko-mil」と「KOMiLi」は、語頭から5文字を共通にし、僅かに語尾の「i」の有無という微差を有するにすぎないから、両商標の外観は相当程度共通し、需要者の印象・記憶・連想等も相当程度近似しているものといえ、誤認混同が生じ得る。 そうすると、本件商標と引用商標は、観念においては特定の意味を生じないため比較できないとしても、称呼及び外観において類似するものであり、全体として出所の混同を生ずるおそれのある類似の商標である。 また、本件商標と引用商標の指定商品は類似する。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (3)商標法第4条第1項第15号該当性について 引用商標は、もとより造語であり、強力な識別力を発揮するものであるが、上記のとおり、2012年以来の広範かつ継続的な使用により、外国(特にトルコ)において著名な商標であり、日本国内においても著名な商標となっている。そして、本件商標と引用商標は類似の商標であり、引用商標の使用に係る商品「食用オリーブ油」と本件商標の指定商品との関係においても、出所の混同のおそれがある。 そのため、本件商標が、その指定商品について使用された場合には、需要者、取引者によって、申立人の業務に係る商品であると誤認し出所について混同するおそれがあるのみならず、申立人と経済的又は組織的に関係がある者の業務に係る商品であると誤認し出所について混同するおそれもある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 (4)商標法第4条第1項第19号該当性について 引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内及び外国(特にトルコ)における需要者の間に広く認識されている商標である。そして、本件商標と引用商標の類似性の高さ、引用商標が造語よりなること、申立人が引用商標に係る商品の日本への輸出や日本国内での販売を本件商標出願前から既に継続的に行っていること、本件商標が使用された場合の誤認混同の蓋然性の高さにより引用商標に化体した信用・名声・顧客吸引力等を毀損させるおそれがあることなどから、本件商標権者の不正の目的が推認できる。 よって、本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内及び外国における需要者の間に広く認識されている引用商標と類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標は、「ko-mil コーミル」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「ko-mil」の欧文字部分と「コーミル」の片仮名部分の間には一文字程度の空白があり、片仮名部分は欧文字部分の読み仮名に相当することが容易に理解できるから、本件商標からは「コーミル」の称呼が生じるが、特定の観念は生じない。 イ 引用商標 引用商標は、「KOMiLi」の欧文字を横書きしてなるところ、構成文字に相応して「コミリ」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。 ウ 本件商標と引用商標の比較 本件商標と引用商標を比較すると、外観においては、片仮名部分の有無や、欧文字部分にしても構成文字の差異(ハイフンの有無、語尾の「i」の有無など)により、互いに異なる語を表してなるものと容易に理解できるから、外観において紛れるおそれはない。そして、称呼においては、構成音の差異(長音の有無、語尾の「ル」と「リ」の音の差異)により、全体が4音又は3音と比較的短い音構成からなることもあって、互いに語調語感が異なるもので、容易に聴別できる。また、観念においては、いずれも特定の観念を生じないため比較できない。 そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれはないから、互いの印象は異なるもので、非類似の商標というべきである。 エ 以上のとおり、本件商標は、引用商標とは類似する商標ではないから、その指定商品について比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第15号該当性について ア 我が国における引用商標の周知性について (ア)証拠及び申立人の主張によれば、以下の事実が認められる。 a 申立人は、トルコのオリーブオイルブランド「Komili」を擁するアナ社を、2017年から傘下としている(甲4、甲5)。 b 「Komili」ブランドのオリーブオイルには、容器に「Komili」の文字が顕著に表示されており(甲7)、遅くとも2013年時点において我が国における販売が確認(甲20、甲21)できるもので、現在は、国内代理店を通じて小売店や外食向けを中心に流通している(甲6)。 c 「Komili」ブランドのオリーブオイルは、輸入品展示会(甲13、甲14)やインターネットのSNSやブログ(甲20~甲26、甲28~甲32)などで紹介されているが、新聞、雑誌、テレビ等を通じた積極的な商品紹介や宣伝広告は確認できない。 (イ)上記認定事実によれば、引用商標に相当する文字を商品容器に表示する「Komili」ブランドのオリーブオイルは、我が国において2013年以降、小売店や外食向けを中心に、継続的な販売実績があることはうかがえる。 しかしながら、日本全国における具体的な流通経路や販売地域、さらには商品が浸透している需要者の範囲(一般需要者、外食事業者等)や程度は明らかではなく、その販売実績(販売額、販売数量)も不明である。加えて、当該商品が周知される機会も、インターネットのSNSやブログを通じた口コミが中心であって、雑誌や新聞等のマスメディアを通じた広告宣伝実績は不明であるから、引用商標を周知させる効果のある広告宣伝活動やその具体的規模が把握できない。 なお、申立人は、トルコから日本に向けた引用商標に係る商品のインボイス(甲38~甲51)を提出し、2017年から2019年にかけて約99万米ドル相当の商品が日本に輸入された旨を主張するが、各インボイスの訳文もなく、その金額の正確性や客観的妥当性を検証できない。仮にそうであったとしても、日本円にして約1億5百万円(106円/米ドルで試算)分程度の輸入実績にすぎず、それら商品が全て我が国において流通したのかも不明である上、オリーブオイルに係る市場規模や需要者の範囲は広範であることも鑑みれば、当該市場において圧倒的な販売実績があったとは考えにくい。 その他、申立人の提出に係る証拠を総合してみても、引用商標が、我が国の需要者の間において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、広く認識されていたものと認めるに足る事実は見出せない。 したがって、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間において高い周知性を獲得していたとは認められない。 イ 出所の混同のおそれの有無 引用商標は、上記アのとおり、我が国の需要者の間における周知性の程度は高くなく、上記(1)ウのとおり、本件商標とは、印象が異なる非類似の商標であって、類似性の程度も高くない。また、本件商標の指定商品は、引用商標に係る商品(オリーブオイル)と同一の商品を含んでおらず、飲食料品という漠然とした共通点があるとしても、個別商品の需要者の範囲や取引市場が重複する程度は低い。 そうすると、本件商標は、その指定商品に使用されても、引用商標又は申立人の業務に係る商品との関連を連想、想起させるなど、申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれはない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない (3)商標法第4条第1項第19号該当性について 本件商標は、上記(1)ウのとおり、引用商標とは非類似の商標である。 なお、申立人からは、本件商標の使用に係る不正の目的の存在を具体的に示す証拠の提出はない。 したがって、本件商標は、引用商標が日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されているか否かに関わらず、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 (4)まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2019-900328

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