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商標異議申立

2019-900290

アンブラコ

審判番号
2019-900290
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2018-136466
登録番号
商標登録第6162919号(T6162919)
請求日
2019年10月08日
審決日
2020年05月18日
公報発行日
2020年06月26日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】檜垣 俊行
  • 【異議申立人】ディーパック ファスナーズ (シャノン) リミテッド
  • 【異議申立人代理人】安達 友和
審判長/審判官
  • 審判長 半田 正人
  • 審判官 小松 里美
  • 審判官 小俣 克巳
分類
T1651.22 -Y (W06) / T1651.25 -Y (W06) / T1651.271-Y (W06) / T1651.222-Y (W06)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第7号、商標法第4条第1項第19号、商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

登録第6162919号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 登録第6162919号商標の商標登録を維持する。

理由

【理 由】 第1 本件商標 本件登録第6162919号商標(以下「本件商標」という。)は,「UNBRAKO」の欧文字を標準文字により表してなり,第6類「金属製金具」を指定商品として,平成30年10月20日に登録出願され,同31年4月12日に登録査定,令和元年7月19日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件登録異議の申立ての理由として引用する商標は,以下の3件である(以下,これらをまとめていうときは「引用商標」という。)。 1 申立人が,「ボルト,六角穴付きボルト」に使用しているという商標は,別掲に示すとおりの構成からなるものである(以下「引用商標1」という。)。 2 登録第1329512号商標(以下「引用商標2」という。)は,「アンブラコ」の片仮名及び「UNBRAKO」の欧文字を上下二段に横書きした構成からなり,昭和47年2月22日に登録出願,第13類「手動利器,手動工具,金具(他の類に属するものを除く)」を指定商品として,同53年3月27日に設定登録されたものであるが,平成30年3月27日に存続期間が満了し,同年11月28日に商標権の抹消の登録がされている。 3 登録第605499号商標(以下「引用商標3」という。)は,「UNBRAKO」の欧文字を横書きした構成からなり,昭和33年8月29日に登録出願,第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同38年2月15日に設定登録され,その後,指定商品については,平成17年5月6日に第6類「ソケット頭部用帽状ねじ,ソケット頭部用段状ねじ,ショルダボルト及び管せん」とする指定商品の書換登録がされたものであるが,同25年2月15日に存続期間が満了し,同年10月23日に商標権の抹消の登録がされている。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第7号,同項第10号,同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,取り消されるべきであるとして,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第35号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 商標法第4条第1項第19号について 本件商標は,欧文字「UNBRAKO」からなり,一方,引用商標1は,欧文字「Unbrako」からなり,引用商標2は,片仮名「アンブラコ」と欧文字「UNBRAKO」を二段表記してなり,引用商標3は,欧文字「UNBRAKO」からなり,本件商標と引用商標とは,「アンブラコ」の称呼を同一にし,かつ外観が類似し,観念を共通にする類似のものである。 引用商標は,申立人の商標として日本国内及び外国における需要者の間に広く認識されており,本件商標は不正の目的をもって使用されるものである(甲2~甲35)。 2 商標法第4条第1項第10号について 上記1と同様に,本件商標と引用商標とは,「アンブラコ」の称呼を同一にし,かつ外観が類似し,観念を共通にする類似のものである。 引用商標は,申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されており,本件商標は,その商品について使用をするものである(甲2~甲35)。 3 商標法第4条第1項第15号について 上記1と同様に,本件商標と引用商標とは,「アンブラコ」の称呼を同一にし,かつ外観が類似し,観念を共通にする類似のものである。 引用商標は,申立人の商標として,広く一般に知られているから,これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合,商品の出所について混合を生ずるおそれがある(甲2~甲35)。 4 商標法第4条第1項第7号について 本件商標の商標権者は,引用商標が本件商標の指定商品において我が国において商標登録されていないことを奇貨として,先取り的に商標登録出願し,商標権を取得したものとみるのが相当である。 してみれば,本件商標の商標権者が本件商標を登録出願し商標権を取得した行為は,公正な商取引の秩序を乱すおそれがあり,ひいては公の秩序を害するおそれがあるものである(甲2~甲35)。 第4 当審の判断 1 引用商標の周知性について (1)申立人提出の証拠及び申立人の主張によれば,以下のとおりである。 ア 「UNBRAKO」は,「エス ピー エス テクノロジーズ インコーポレイテッド」が1911年に市場に紹介した商品「六角穴付きボルト」の商標であって(甲6),社名変更後の「エス ピー エス テクノロジーズ リミテッド ライアビリテイ カンパニー」が,2008年に世界中の「UNBRAKO」の商標に関する権利を,申立人であるディーパック社に譲渡した(甲7)。 イ 申立人は,「UNBRAKO」の商標を付した商品を,我が国を含む46か国の顧客,ディーラー及び代理店で販売し,申立人の売上げは,年間約8500万USドル(約92億3千万円)である。 ウ 申立人のウェブサイト,雑誌の切り抜き,パンフレット及びカタログ等の写し(甲10~甲15),2013年~2017年のインドにおけるエキシビションの写真の写し(甲16~甲21),2012年~2017年のインド,メキシコ,ドイツ及び米国におけるエキシビションの写真の写し(甲30~甲35)には,いずれも引用商標1が商品「ボルト」とともに表示されており,申立人のウェブサイトに掲載されている商品「ボルト」には引用商標3が付されている。 (2)上記(1)によれば,本件商標の登録出願前の2012年頃から,申立人は,インドを中心とした諸外国において商品「ボルト」に引用商標1及び引用商標3を使用していたことがうかがえる。 しかしながら,申立人が提出した全証拠をみても,申立人による引用商標を表示した商品「ボルト」の我が国及び外国における売上高,宣伝広告費,宣伝地域,市場占有率等に関する証拠,また,パンフレット及びカタログ等の配布期間,配布地域及び頒布数等,さらに,エキシビションの来場者数等を明らかにする証拠の提出はない。 その他,本件商標の登録出願時及び登録査定時における引用商標の周知性の度合いを客観的に判断するための証拠の提出はない。 以上を総合すると,引用商標は,申立人が提出した証拠によっては,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,我が国及び外国において需要者の間に広く知られていると認めることはできない。 2 商標法第4条第1項第10号該当性について (1)本件商標 本件商標は,前記第1のとおり,「UNBRAKO」の欧文字を標準文字により表してなるところ,これよりは,「アンブラコ」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。 (2)引用商標 引用商標1は,別掲のとおり,オレンジ色の横長長方形の内側に白抜きで「Unbrako」の欧文字を横書きした構成からなるところ,これよりは,「アンブラコ」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。 また,引用商標2は,前記第2の2のとおり,「アンブラコ」の片仮名及び「UNBRAKO」の欧文字を上下二段に横書きした構成からなるところ,これよりは,「アンブラコ」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。 そして,引用商標3は,前記第2の3のとおり,「UNBRAKO」の欧文字を横書きした構成からなるところ,これよりは,「アンブラコ」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである (3)本件商標と引用商標の類否 本件商標と引用商標から生じる「アンブラコ」の称呼は同一である。 また,本件商標と引用商標1とは,大文字のみからなる構成と大文字及び小文字を組み合わせた構成からなる点において相違し,本件商標と引用商標2は,大文字のみからなる構成と片仮名及び大文字を二段に横書きした構成からなるという点において相違するが,本件商標と引用商標は,いずれも欧文字のつづりを同一にすることから,外観上近似した印象を与えるものということができる。 そして,本件商標と引用商標は,共に特定の観念を生じないものであるから,観念において比較することはできない。 してみれば,本件商標と引用商標とは,観念において比較することができないとしても,外観において近似し,称呼を同じくするものであるから,両商標は,類似の商標である。 (4)本件商標の指定商品と引用商標の使用商品との類否 本件商標の指定商品と,引用商標1の使用に係る商品「ボルト」並びに引用商標2及び引用商標3の指定商品とは,同一又は類似の商品である。 (5)小活 上記(3)及び(4)のとおり,本件商標と引用商標とは類似の商標であり,かつ,その指定商品も同一又は類似の商品であるとしても,上記1のとおり,引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品「ボルト」を表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されているものと認められないものである したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当しない。 3 商標法第4条第1項第15号該当性について 引用商標は,上記1のとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものであるから,本件商標と引用商標とが類似の商標であり,その類似性の程度が高く,また,本件商標に係る指定商品と引用商標に係る商品に共通性があり,需要者を共通にする場合があったとしても,本件商標をその指定商品について使用したときに,取引者,需要者をして,これを申立人又は申立人と組織的若しくは経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標とはいえない。 また,その他に,本件商標と引用商標とが取引者,需要者において出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。 4 商標法第4条第1項第19号該当性について 本件商標と引用商標とは,上記2(3)のとおり,同一又は類似の商標であるとしても,引用商標は,上記1のとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,我が国及び外国の需要者の間に広く認識されているものとは認められないものである。 また,本件商標の商標権者が,不正の利益を得る目的,他人に損害を加える目的,その他の不正の目的を持って本件商標を出願し,登録を受けたと認めるに足りる具体的事実を見いだすこともできない。 そうすると,本件商標は,引用商標の出所表示機能を希釈化し又は名声を毀損させるなど不正の目的をもって使用をするものと認めることはできない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当しない。 5 商標法第4条第1項第7号該当性について 引用商標は,上記1のとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る使用商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり,本件商標は,上記4のとおり,引用商標の信用,名声に便乗するものといえず,かつ,引用商標の顧客吸引力を希釈化させ,その信用,名声を毀損するなど不正の目的をもって使用をするものというべき証拠は見いだせない。 また,本件商標は,その構成自体が非道徳的,卑わい,差別的,矯激若しくは他人に不快な印象を与えるようなものでないこと明らかであり,さらに,その登録出願の経緯に社会的相当性を欠くなど,公序良俗に反するものというべき証拠も見いだせない。 してみると,本件商標の商標権者が,引用商標と類似する本件商標の登録出願をし,登録を受ける行為が「公の秩序又は善良の風俗を害する」という公益に反する事情に該当するものということはできない。 なお,申立人は,2008年に引用商標2及び引用商標3を「エス ピー エス テクノロジーズ リミテッド ライアビリテイ カンパニー」から譲り受けたが,特許庁に移転登録をしておらず,引用商標2及び引用商標3は名義人が申立人に変更されることなく,また,更新を失念したことにより消滅してしまったものであり,本件商標の商標権者は,引用商標がその指定商品につき,我が国に商標登録されていないことを奇貨として,先取り的に登録出願し,商標権を取得した旨主張する。 しかしながら,申立人は,上記主張のとおり,引用商標2及び引用商標3については,そもそも申立人自らが行うべき移転登録及び更新の手続きといった商標権の管理を怠ったものであり,さらに,その消滅後も,改めて商標登録出願をする機会はあったものであるから,自ら行うべき商標権の管理を怠ったことや新たな商標登録出願をしなかったことに対する責めを本件商標の商標権者に求めるべき事情を見いだすこともできないし,さらに,本件商標について商標法の先願登録主義を上回るような,その登録出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠くものがあり,登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底認容し得ないような場合に該当するとはいえない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当しない。 6 まとめ 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第7号,同項第10号,同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。 よって,結論のとおり決定する。

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2019-900290

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