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商標無効審判

2019-890068

ジエッセンスオブパタゴニア、エッセンスオブパタゴニア、エッセンス

審判番号
2019-890068
法域
商標
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
商願2019-015528
登録番号
6170535
請求日
2019年11月15日
審決日
2020年07月21日
公報発行日
2024年07月26日
結論
請求成立(無効)
当事者
  • 【請求人】パタゴニア・インコーポレーテッド
  • 【請求人代理人】窪田 英一郎
  • 【請求人代理人】加藤 ちあき
  • 【請求人代理人】乾 裕介
  • 【請求人代理人】今井 優仁
  • 【請求人代理人】中岡 起代子
  • 【請求人代理人】本阿弥 友子
  • 【請求人代理人】鈴木 佑一郎
  • 【請求人代理人】堀内 一成
  • 【被請求人】セバスチャン ダリオ ゴメズ カモリノ
審判長/審判官
  • 審判長 半田 正人
  • 審判官 平澤 芳行
  • 審判官 佐藤 松江
分類
T111 .23 -Z (W33) / T111 .26 -Z (W33) / T111 .271-Z (W33)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項15号商標法46条1項8号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第8号、商標法第4条第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第6170535号商標の商標登録無効審判事件について,次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第6170535号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6170535号商標(以下「本件商標」という。)は,「The essence of Patagonia」の文字を標準文字で表してなり,平成31年1月23日に登録出願,第33類「蒸留酒,アルコール飲料(ビールを除く。)」を指定商品として,令和元年7月5日に登録査定,同年8月9日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する商標は,以下の1ないし12に示すとおりであり,1ないし10及び12の商標権はいずれも現に有効に存続しているものであるが,11の商標権は存続期間満了により消滅しているものである。 1 登録第6131639号商標は,「PATAGONIA」の文字を標準文字で表してなり,平成30年2月14日に登録出願,第32類「ビール」を指定商品として,同31年3月22日に設定登録されたものである。 2 登録第4761479号商標は,「PATAGONIA」の文字を標準文字で表してなり,平成15年9月2日に登録出願,「被服」を含む第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同16年4月2日に設定登録されたものである。 3 登録第5121414号商標は,「PATAGONIA」の文字を標準文字で表してなり,平成19年4月2日に登録出願,第35類「被服及びかばん類の小売り又は卸売りの業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として,同20年3月21日に設定登録されたものである。 4 登録第2229244号商標は,「PATAGONIA」の文字を横書きしてなり,昭和55年6月10日に登録出願,第25類「被服」及び第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成2年5月31日に設定登録されたものである。 5 登録第2420993号商標は,「PATAGONIA」の文字を横書きしてなり,平成2年5月8日に登録出願,第25類「運動用特殊衣服」を含む第9類,第18類,第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同4年6月30日に設定登録されたものである。 6 登録第2519526号商標は,「PATAGONIA」の文字を横書きしてなり,平成2年5月8日に登録出願,第6類,第8類,第14類,第18類,第21類,第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同5年3月31日に設定登録されたものである。 7 登録第5292841号商標は,「パタゴニア」の文字を標準文字で表してなり,平成21年4月23日に登録出願,第25類「被服」を含む第18類,第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同22年1月8日に設定登録されたものである。 8 登録第4025558号商標は,別掲1のとおりの構成からなり,平成7年12月4日に登録出願,第25類「被服」を指定商品として,同9年7月11日に設定登録されたものである。 9 登録第5849063号商標は,別掲2のとおりの構成からなり,平成27年12月14日に登録出願,第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第18類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同28年5月13日に設定登録されたものである。 10 登録第5891980号商標は,別掲3のとおりの構成からなり,平成28年4月28日に登録出願,第25類「被服」及び第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第18類,第25類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同28年10月28日に設定登録されたものである。 11 登録第4271034号商標は,別掲4のとおりの構成からなり,平成8年12月24日に登録出願,第25類「被服」を含む第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同11年5月14日に設定登録されたものである。 12 登録第5334983号商標は,別掲5のとおりの構成からなり,平成22年2月4日に登録出願,第25類「被服」を含む第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同年7月2日に設定登録されたものである。 なお,以下,上記1ないし12を順次「引用商標1」ないし「引用商標12」といい,引用商標2ないし引用商標10及び引用商標12をまとめて「引用商標」という場合がある。 第3 請求人の主張 請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第37号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 請求の理由 本件商標は,商標法第4条第1項11号,同項第15号及び同項第8号に該当するから,同法第46条第1項の規定により,その登録は無効にすべきものである。 2 具体的な理由 (1)引用商標の著名性について 請求人は,主にアウトドア関連用品の製造販売を行うブランドであるところ,創業者が昭和45年にアメリカにおいて登山用品の販売店を開店し,その後,昭和48年に衣料品の輸入・製造販売を開始した際に,そのブランド名として「パタゴニア」の名称が採用された。請求人は,昭和63年に日本に進出して以来現在まで,日本を含む世界中で衣料品等の商品について請求人ブランドを示す「PATAGONIA」又はこれと実質的に同一の表記を含む商標を使用してきた。これらの商標は,請求人の業務に係る商品を示すものとして著名性を獲得するに至っている。 ア 販売高・販売数 請求人ブランドについて,日本国内の年間売上高は,平成28年度までの6年間で毎年約100億円を計上しており,全世界では6年間で合計約37億ドルを売り上げている。 また,国内における請求人ブランドの販売点数は年々増加しており,平成23年度に80万点だったものが,平成28年度には約150万点となっている。なお,全世界では6年間で6500万点の販売を誇っている(甲14)。 さらに,インターネットサイト検索サービス「Google」の検索エンジンでキーワードを「Patagonia」又は「パタゴニア」と指定して検索すると,トップページの記事は,それぞれ1件の記事を除き,すべてが請求人やその商品について言及する記事となっている(甲15,甲16)。 そして,請求人ブランドの国内の直営店舗22店における来店者数は,平成24年度から同28年度まで毎年200万人に上る。また,請求人ブランドのインターネットサイトのヴュー数についても,同24年度には600万ヴューを超え,平成28年度は1000万ヴューを超えている(甲17)。 イ 広告・宣伝の規模 日本国内における,雑誌,新聞等の請求人ブランドの露出は,請求人の広告・宣伝スケジュールデータの統計結果からわかるように,年間延べ400媒体を超え極めて多い(甲18)。また,広告・宣伝においては,無料掲載及び有料広告の掲載例(甲19~甲23)によれば,商品の紹介と共に引用商標も多くの消費者の目に触れた。また,請求人ブランドの商品についてムックが販売されたこともある(甲24,甲25)。 請求人が日本国内で請求人ブランドを広告,宣伝するために,日本において支出した金額は,平成26年度から平成28年度の3年間は年間合計4億円を超えている(甲17)。 ウ 日本国周知・著名商標としての掲載等 引用商標8及び引用商標11は,独立行政法人工業所有権情報・研修館が提供する「特許情報プラットフォーム(J-Plat Pat)」において日本国周知・著名商標として掲載されている。 さらに,異議2016-900290号の異議決定においては,「patagonia」及び「パタゴニア」の文字が,平成27年及び平成28年当時,「アウトドアウェア」等を表示するものとして需要者の間において広く認識されていたことが認められている(甲28)。また,無効2018-890048号の審決においても,「patagonia」の文字は,平成29年より前から平成31年の審決当時においても継続して,請求人の業務に係る商品「アウトドアウェアなどアウトドア関連商品」を表示するものとして需要者に広く認識されていたことが認められている(甲29)。 エ 事業展開について 請求人は,アウトドアウェア等を扱う服飾ブランドとして事業を展開してきたところ(甲30),平成28年9月頃からは,衣料品だけではなく酒類を含む飲食料品事業も本格的に展開しており,それらの商品も衣料品と同じ請求人の直営店及びオンラインショップで販売されている(甲31,甲32)。なお,飲食料品分野に関しては,請求人は,「PATAGONIA」の文字について,引用商標1のほか,本件商標の出願時には登録第4734984号,登録第5577377号及び登録第5577378号の商標権を有しており,それらは商品の包装等に使用されている。飲食料品事業については販売開始当初から著名な服飾ブランドが手掛ける新事業として注目され,各メディアで紹介された(甲33~甲36)。 オ 小括 以上のように,請求人は請求人ブランドに多額の広告・宣伝費を投じ,海外だけではなく日本国内においても高い売り上げを誇るものである。引用商標は長く請求人ブランドを象徴するものとして請求人ブランドの商品等に使用され,多くの消費者の目に触れてきたものであり,消費者にも請求人ブランドの商標として親しまれてきた。 したがって,引用商標は,請求人の業務に係る第25類等の商品を表示するものとして,需要者の間において広く認識され,著名性を獲得している。 さらに,最近では,請求人ブランドは,衣料品だけでなく,飲食料品事業に関しても注目されており,また当該分野の商品も高い売り上げや来店者数を誇る請求人の直営店及びオンラインショップ等で衣料品とともに販売されていることに鑑みれば(甲31,甲32,甲35,甲37),これらの商品も多くの消費者の目に触れていると考えられ,引用商標は,飲食料品分野においても,需要者に広く認識されているといえる。 (3)商標法第4条第1項第11号該当性 本件商標のうち,「Patagonia」の語は,その他の部分に比して,需要者に対して強く支配的な印象を与えるため,要部として抽出され,当該語は引用商標1と実質的に同一の外観を有し,「パタゴニア」の称呼及び請求人ブランドの観念を生じさせる。よって,本件商標は,引用商標1と,外観,称呼,観念において類似する。 本件商標の指定商品は,第33類「蒸留酒,アルコール飲料(ビールを除く。)」であるのに対し,引用商標1の指定商品は第32類「ビール」であるところ,ともに酒類に分類される商品であり,その生産部門,販売部門,主たる需要者層を共通にするものであるから,本件商標の指定商品と引用商標1の指定商品とは,類似するものである。 したがって,本願商標は,引用商標1と類似の商標であり,その指定商品も類似であるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。 (4)商標法第4条第1項第15号該当性 ア 本件商標と引用商標の類似性 引用商標は,それぞれ「PATAGONIA」若しくは「パタゴニア」の文字からなる,又は「patagonia」の文字をその構成中に含むものであり,これらの文字は,請求人のブランド名を示すものとして強い識別力を有している。 本件商標は,引用商標の「PATAGONIA」等の文字と実質的に同一である「Patagonia」の文字を含み,当該部分は請求人の業務に係る商品を想起させ強く支配的な印象を与えるものであるから,当該部分が要部として抽出され,これらを比較すると本件商標と引用商標とは互いに類似する。 イ 引用商標の著名性,特徴,ハウスマークであるか 引用商標は,ハウスマークとして使用されており,請求人ブランドの商品である被服等を主とする商品を示すものとして,本件商標の登録出願時(平成31年1月23日)及び登録査定時(令和元年7月9日(審決注:7月5日の誤記と認める。))には,需要者の間で著名な商標となっていた。 請求人の飲食料品事業も衣料品とともに注目されており,引用商標は,当該分野においても,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,需要者に広く認識されていた。 ウ 商品間,役務間の関連性及び需要者の共通性,多角経営の可能性 請求人の取扱商品はアウトドア関連の商品からアルコール飲料を含む飲食料品に至るまで複数の分野にまたがって,多角的な経営を行っており(甲30,甲32),請求人の業務に係る商品の需要者も本件商標の指定商品である「蒸留酒,アルコール飲料(ビールを除く。)」の需要者も一般消費者である。 エ 小括 したがって,本件商標をその指定商品に使用した場合,引用商標の著名性に鑑みれば,これに接する需要者は,「Patagonia」の語から著名な引用商標を連想・想起して商品の出所について混同するおそれがあり,又は商品・役務の関連性や請求人の事業展開の状況等から請求人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であると出所を誤認混同するおそれがあることから,本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。 (5)商標法第4条第1項第8号該当性 「Patagonia」及び「パタゴニア」の語は,請求人の名称「パタゴニア・インコーポレーテッド(Patagonia,Inc.)」の略称であり,前記2(1)で述べたとおり,永年の事業活動により,本件商標が出願された平成31年1月23日以前から,日本はもとより世界中で請求人の業務に係る商品を示すものとして著名となっていた。 本件商標は,「The essence of Patagonia」の文字を標準文字で表してなり,請求人の著名な略称である「Patagonia」を含む商標である。しかし,請求人は,被請求人に対して,本件商標の使用ないし登録について承諾を与えたことはない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第8号に該当する。 第4 被請求人の答弁 被請求人は,前記第3における請求人の主張に対し,何ら答弁していない。 第5 当審の判断 請求人の提出に係る証拠及び請求人の主張並びに職権調査によれば,以下のとおりである。 1 引用商標の周知性について (1)請求人について 請求人は,登山用品などアウトドア関連用品を製造販売する米国企業であり,昭和63年に日本に進出して以来,現在まで,日本を含む世界中で衣料品等の商品について,請求人ブランドを示す「PATAGONIA」又はこれと実質的に同一の表記を含む商標を現在まで継続して使用している(甲19~甲25,甲30,職権調査)。 (2)販売数・販売高について 我が国における請求人ブランドの商品の売上高及び販売数は,平成23年度ないし同28年度において,毎年約100億円(1ドルを100円として換算。)及び80万点ないし約150万点であった(甲14)。 請求人ブランドの商品を取り扱う我が国の直営店舗22店の来店者数及びインターネットサイトのヴュー数は,平成24年度ないし同28年度において,毎年度200万人及び600万ヴューないし1000万ヴューであった(甲17)。 (3)広告・宣伝等の程度について 我が国における請求人ブランドの雑誌,新聞等への掲載は,平成27年度及び同28年度において,年間400媒体であった(甲18)。また,我が国における請求人ブランドの広告,宣伝費は,平成26年度ないし同28年度において,毎年度4億円であった(甲17)。 (4)小括 以上によれば,引用商標を構成する「PATAGONIA」,「パタゴニア」及び「patagonia」の各文字は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,請求人の業務に係る商品(アウトドアウェア等のアウトドア関連商品)を表示するものとして,需要者の間において広く認識されていたものと認めることができる。 2 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)引用商標の周知性 上記1のとおり,引用商標を構成する「PATAGONIA」,「パタゴニア」及び「patagonia」の各文字は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,請求人の業務に係る商品(アウトドアウェア等のアウトドア関連商品)を表示するものとして我が国の取引者,需要者の間に広く認識されていたものと認められる。また,請求人のブランドの商品に係る売上高,販売数,直営店舗における来店者数及びインターネットサイトのヴュー数などからすれば,その周知性の程度は高いとみるのが相当である。 (2)本件商標と引用商標との類似性の程度について 本件商標は,上記第1のとおり,「The essence of Patagonia」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中に「Patagonia」の文字を有するものであるから,「PATAGONIA」の文字又は「パタゴニア」の文字並びに,「patagonia」の文字を有する引用商標とは,当該構成文字のつづり又は称呼を共通にし,ある程度の類似性を有するものである。 (3)本件商標の指定商品と請求人の業務に係る商品との間の性質,用途又は目的における関連性の程度 本件商標の指定商品である第33類「蒸留酒,アルコール飲料(ビールを除く。)」は,「醸造酒を蒸留して得たアルコール度の高い酒,ビールを除くアルコールを含む飲料」であり,請求人の業務に係る商品である「アウトドアウェア」などは,登山やキャンプなどアウトドアに適した素材や機能を備えたウェアなどであって,両者は類似する商品ということができないから,関連性の程度は高いとはいうことができない。 (4)商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情など 本件商標の指定商品「蒸留酒,アルコール飲料(ビールを除く。)」は,酒造メーカーにより製造される商品であり,一般需要者を対象としている商品である。 一方,請求人の業務に係る商品(アウトドアウェア等のアウトドア関連商品)は,アウトドアウェア製造メーカーにより製造される商品であり,一般需要者を対象としている商品である。 そうすると,本件商標の指定商品と請求人の業務に係る商品とは,取引者の共通性の程度は高いとはいえないが,共に生活に関連する商品であり,需要者が商品を選択する際には,需要者の嗜好,趣味が関係する点において共通するものといえ,その需要者において共通するといえる。 請求人は,アウトドアウェア等のアウトドア関連商品についての事業を主に行っているところ,「PATAGONIA」,「パタゴニア」及び「patagonia」の各文字は,請求人のハウスマークとして使用されており,平成28年9月頃からは飲食料品についての事業も行い,アルコール飲料を含む飲食料品が請求人の直営店及びオンラインショップで販売されていることが認められる。(甲31,甲32,甲36,甲37)。 (5)小括 上記(1)ないし(4)を総合すれば,引用商標を構成する「PATAGONIA」,「パタゴニア」及び「patagonia」の各文字は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,請求人の業務に係る商品(アウトドアウェア等のアウトドア関連商品)を表示するものとして我が国の取引者,需要者の間に広く認識されていたものであって,ハウスマークとしても使用されているものである。また,本件商標の指定商品と請求人の業務に係る商品の需要者は,いずれも一般需要者であり,請求人がアルコール飲料を含む飲食料品も取り扱う多角的な業務を行っていることを考慮すれば,「Patagonia」の文字を含む本件商標を,その指定商品について使用した場合,これに接する取引者,需要者が,引用商標を想起,連想し,当該商品を請求人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,その出所について混同を生ずるおそれがあったといわなければならない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。 3 むすび 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから,同法第46条第1項の規定により,その登録を無効にすべきものである。 なお,付言するに,当審は,本件商標の登録は,審判請求人が主張する商標法第1項第8号及び同項11号には該当しないものと判断する。 よって,結論のとおり審決する。 別掲1 引用商標8 [図:0001412327000001.jpg] 別掲2 引用商標9 [図:0001412327000002.jpg] 別掲3 引用商標10(色彩については,原本参照。) [図:0001412327000003.jpg] 別掲4 引用商標11 [図:0001412327000004.jpg] 別掲5 引用商標12 [図:0001412327000005.jpg]

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