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商標無効審判

2019-890066

ベガス

審判番号
2019-890066
法域
商標
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
商願2017-169312
登録番号
6080857
請求日
2019年11月08日
審決日
2021年05月18日
公報発行日
2022年11月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社 ダイハチ
  • 【請求人代理人】名古屋国際特許業務法人
  • 【被請求人】株式会社 ベガスベガス
  • 【被請求人代理人】押本 泰彦
  • 【被請求人代理人】佐々木 實
審判長/審判官
  • 審判長 岩崎 安子
  • 審判官 小田 昌子
  • 審判官 綾 郁奈子
分類
T112 .13 -Y (W41)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法4条1項商標法46条1項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第6080857号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6080857号商標(以下「本件商標」という。)は、「ベガス」の片仮名を横書きしてなり、平成29年12月26日に登録出願、「娯楽施設の提供」を含む第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同30年8月14日に登録査定、同年9月14日に設定登録されたものである。 第2 請求人の主張 請求人は、「本件商標の指定役務中『娯楽施設の提供』(以下『請求に係る指定役務』という。)についてその登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第16号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 請求の理由 商標法第3条第1項第3号の該当性について 「ベガス」の語は、本件商標の登録査定日より前の日本において、アメリカ合衆国ネバダ州南部にあるギャンブル等の娯楽施設、コンサート等のショービジネス(興行)の都市「ラスベガス」の略称として、一般的に広く認識され、普通に使用されていた。 本件商標の登録査定日より前の2006年に出版された、「精選版 日本国語大辞典」(甲2)、「大辞林」(甲3)、2012年に出版された「大辞泉」(甲4)において「ベガス[Vegas]『ラスベガス』の略称。」と記載され、2013年に出版された「現代用語の基礎知識 カタカナ外来語略語辞典」(甲5)においても、「ベガス[和←Las Vegas]ラスベガス。アメリカのネバダ州の賭博と娯楽の都市」と記載されている。 また、英語のことわざに“What happens in Vegas stays in Vegas”(ラスベガスで起きたことはラスベガスに残る→意味:旅の恥はかき捨て)とあるように、英語においても、Vegas(ベガス)がLas Vegas(ラスベガス)という特定の場所を意味すると容易に直感させる言葉として認識され、普通に使用されている(甲6)。 さらに、本件商標の登録査定日より前のニュースや新聞においても、「マカオカジノ急伸 売り上げベガス抜く勢い」(甲7)、「仮想通貨ビットコイン、ベガスの2カジノで利用可能に」(甲8)、「【新・カジノ情報局】カジノにお国柄ってあるの? マカオは鉄火場、欧州はゆったり 賭けもショーも楽しめる、ベガスが始まり」(甲9)と記載されているから、「ベガス」の語は、アメリカ合衆国ネバダ州南部にあるギャンブル等の娯楽施設、コンサート等のショービジネス(興行)の都市「ラスベガス」を示す言葉として日本で一般的に広く認識され、普通に使用されていた事実がある。 このように、本件商標の登録査定日には、既に「ベガス」は、一般的な日本人にとっても、特定の場所(アメリカ合衆国ネバダ州のギャンブル等の娯楽施設、コンサート等のショービジネス(興行)の都市「ラスベガス」)を容易に理解させる言葉として広く認識されていた。 また、ラスベガス観光局も自身のウェブサイトの日本語版においてラスベガスのことを「ベガス」と記載している(甲10~甲13)。 特定の場所を容易に理解させる「ベガス」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる本件商標は、本件商標権者の商標権として独占を認めるべき商標ではないから、本件商標「ベガス」を請求に係る指定役務に使用しても、本件商標に接する取引者、需要者は、アメリカ合衆国ネバダ州の「ラスベガス」に関連のある役務の提供(例えば、娯楽施設の提供等)をすること、すなわち、役務の質(内容)を表示したものとして理解するにとどまる。 このことは、「BRASILIA」に係る審決(甲14)や「ワイキキ」に係る最高裁判決(甲15)における判断からも明らかである。 したがって、本件商標「ベガス」を請求に係る指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に役務の提供の場所又は質、その他の特性を表示した語と認識するにとどまるため、「ベガス」は自他役務識別標識としての機能を果たし得ない。 2 答弁に対する弁駁 (1)答弁の内容前段について 被請求人は、請求人が、本件商標の登録査定日より前に「ベガス」が「ラスベガス」を示す語として普通に使用されている事実や、米国ラスベガス観光局自身がラスベガスのことを「ベガス」の語を用いて示している事実も示しているにもかかわらず、辞典等における掲載の事実しか示していないかのようにわい曲したものに他ならない。請求人の主張に誤りがないことは、「VEGAS 500」の審査(乙31)において、「VEGAS」部分が、「Las Vegas」を示す地名であって、指定役務との関係で識別力を有さないと判断された事実からも明らかである(甲16)。 (2)国語辞典に関する主張について 被請求人による、単に、「ベガス」が掲載されていない辞典を列挙するのみの主張は、そもそも反論としての体を成していない。 請求人が詳述した国語辞典等及び世の中における使用状況を踏まえれば、「ベガス」の語は、本件商標の登録査定日より前の日本において、アメリカ合衆国ネバダ州南部にあるギャンブル等の娯楽施設、コンサート等のショービジネス(興行)の都市「ラスベガス」の略称として、一般的に広く認識され、普通に使用されていることは明らかである。 (3)過去の審決に基づく主張について 特許庁における過去の審査・審理結果は、「ベガス」が、第41類「娯楽施設の提供」との関係において識別力を有することを示す根拠とはならない。 また、異議決定における分析・評価・認定・判断はその過程において瑕疵があるから、異議決定において示された当審の判断が正しいとする、被請求人の前提には明らかな誤りがある。 (4)請求人の出願に関する主張について 本件商標は、文字のみから構成されるものであるため、本件商標の登録が維持された場合、社会的影響は大きいことから、特定人に独占させるべきものではない。 (5)米国における登録状況に基づく主張について 乙第31号証の1には、「SUPPLEMENTAL REGISTER」と記載され、これは、「補助登録」の意であることから、乙第31号証の2において主登録と訳したことは明確な誤りであり、米国において補助登録簿において登録された商標は、識別力を有していないことが前提となっている。この米国登録商標についても、上記(1)のとおり、審査において、指定役務(第41類)との関係で顕著性を有さないと判断されている(甲16) (6)日本国内における登録に基づく主張について 本件審判において、本件商標と第41類「娯楽施設の提供」の関係における識別力を判断するにあたって、考慮対象となり得る商標は、本件審判及び別審判(無効2019-890067)対象以外には、「ベガス」(登録第5334030号)しか存在していない。 3 まとめ 本件商標は、請求に係る指定役務については、商標法第3条第1項第3号に該当する。 第3 被請求人の主張 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第32号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 被請求人の答弁 「ベガス」の意味は、「ベガス」が掲載されている辞典を調査して初めて知り得る内容であり、辞典は受動的なものであることから、辞典に掲載されているとしても、当該辞典に一般需要者・取引者がアクセスした件数を開示できない状況で「ベガス」が都市「ラスベガス」の略称として、一般的に広く認識され、普通に使用されていたと判断することは、「広く認識されていた、普通に使用されていた」ことを立証したことにならない。 (1)国語辞典に「ベガス」が、ラスベガスの略称として記載されていない。 辞典は、受動的に読者が調べた時にその意味合いを解説することを目的とする書籍であるから、一部の辞典に「ベガス」が掲載されたとしても他の多数の国語辞典に「ベガス」が掲載されていない場合は、「ベガス」を「ラスベガス」の略称として認識することはない(乙1~乙16)。 ア 「広辞苑第七版」に「ベガス」に関する掲載はない。「ラス・ヴェガス[Las Vegas]」「アメリカ合衆国西部、ネヴァダ州南東部の都市。砂漠の中にある賭博・観光都市として有名。人口六二万四千。ラスベガス」(乙1)と記載されているが「ラスベガス」の略称が「ベガス」とは記載されていない。 イ 「国語辞典第五版」(岩波書店)、「国語辞典第9版」(旺文社)及び「最新国語辞典」(角川文庫)に「ベガス」に関する掲載はない(乙2~乙4)。 ウ 「新英和中辞典 第6版」、「English Dictionary for Advanced Learners」の英英辞典に「Vegas」に関する掲載はない(乙5、乙6)。 エ 「コンサイス 外国地名事典」に「ベガス」に関する掲載はなく、「ラス・ベーガス Las Vegas」に関する掲載はあるが、「ラスベガス」の略称が「ベガス」とは紹介されておらず、「ラスベガス」の都市は、米国に二つ存在する(乙7)。 オ 「記者ハンドブック新聞用字用語集 第9版」の「外国地名一覧」に「ベガス」に関する掲載はなく、『ラスベガス』Las Vegas 米国」と記載されており(乙8)、新聞記者が記事を書く場合は、前記用語集に習い「ベガス」ではなく正式名称「ラスベガス」と記載される。新聞記者は、記事を書く上で前記用語集に定められた基準で都市名、国名を記載することが義務づけられており、略称は記載されない。 カ 「【最新版】毎日新聞用語集」の「外国地名一覧」に「ベガス」に関する掲載はなく、「ラスベガス アメリカ」と記載されている(乙9)。 キ 「時計」を指定商品として欧文字「VEGAS」と片仮名「ヴェガス」を上下二段に併記した商標は、その審査段階で商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶されたが、査定不服審判で「『VEGAS』及び『ベガス』の文字が、『Las Vegasの略称』を意味するものとして、辞書類等に掲載例はあるものの、我が国で一般に広く知られているものとはいい難いものであり、本願商標に接した需要者が、直ちに『アメリカ合衆国ネバダ州の都市ラスベガス』の意味合いを想起するということはできない。」旨の審決がある(乙11)。 ク 過去の審査で「ベガス」又は「VEGAS」を有する商標の出願に関して、商標法第3条第1項各号違反で拒絶された例は2件である(乙12)。 ケ 異議申立事件(乙15、乙16)で、本件商標「ベガス」及び商標「VEGAS」に関して、請求人から異議申立を受けたが最終的に取消理由通知を受けることなく商標登録を維持する旨の異議決定がされた。 コ 請求人は、「VEGAS」の文字を含む商標を「娯楽施設の提供」に出願している(乙17)が、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第16号の拒絶理由は受領しておらず、請求人が指定役務をラスベガス関係の役務に限定することなく出願している事実そのものが商標「ベガス」が都市「ラスベガス」の略称として、一般的に広く認識されず、識別力を有する商標と認識している事を意味する。 サ 米国での商標「VEGAS」の出願・登録状況について、米国でも、「VEGAS」は識別力を有する商標と判断されており、「VEGAS」又は「ベガス」は、米国においてネバダ州の都市名「Las Vegas」と認識されていないことから、我が国においても商標法第3条第1項第3号に該当しない。 シ 日本国内において「VEGAS」及び「ベガス」を含む商標で要部が「ベガス」となっている登録例(乙32)6件が登録されており、商標「ベガス」に関する請求に係る指定役務に関する独占権は平成4年11月19日以降ほぼ継続して被請求人の権利として存続している。 (2)まとめ 「広辞苑」等の国語辞典には「ベガス」に関する掲載はなく、「国語辞典第5版」、「国語辞典第9版」等にいたっては、都市名「ラスベガス」すら掲載されていない状況にあり、一部の国語辞典に掲載されている事実をもって、本件商標「ベガス」が、アメリカ合衆国ネバダ州南部にあるギャンブル等の娯楽施設、コンサート等のショービジネス(興行)の都市「ラスベガス」の略称として、一般的に広く認識されていることすら確認できない状況にあり、例え掲載されていたとしても、「べガス」が掲載されている国語辞典を採択し、さらに「ベガス」の項目を探し出して初めて認識する程度であり、米国の都市名の略称として認識されていない。 米国の審査においても「VEGAS」は、識別力を有する商標として多数商標登録されている状況を踏まえれば、本件商標「ベガス」は、異議決定公報(乙15、乙16)に掲載されているように商標法第3条第1項第3号に違反するものではない。 第4 当審の判断 請求人が本件審判を請求するにつき、利害関係について争いがないから、本案について判断する。 1 商標法第3条第1項第3号該当性について 本件商標は、前記第1のとおり、「ベガス」の片仮名を横書きしてなるところ、「ベガス」の語が、「ラスベガスの略称」として、請求人の提出した「精選版 日本国語大辞典」(甲2)、「大辞林」(甲3)、「大辞泉」(甲4)、「現代用語の基礎知識 カタカナ外来語略語辞典」(甲5)等の辞書類に掲載されている一方、被請求人の提出した「広辞苑」(乙1)、「国語辞典第五版」(乙2)、「国語辞典第9版」(乙3)及び「最新国語辞典」(乙4)、「新英和中辞典 第6版」(乙5)、「English Dictionary for Advanced Learners」(乙6)に「ベガス」(Vegas)の語は掲載されていない上に、「ベガス」(Vegas)の語が「ラスベガスの略称」として記載されている事実もないことから、請求人の提出した辞書類に「ベガス」の語が、「ラスベガスの略称」として掲載された事実をもって、「ベガス」の語が、上記意味を有する語として、広く一般に知られているとはいい難いものである。 また、請求人の提出した本件商標の登録査定日より前のウェブサイトや新聞(甲6~甲13)において、「ベガス」の語の使用が見受けられるとしても、使用している者は限られた者である上、その数もさほど多いとはいえないものでる。 そして、上記証拠中に、英語のことわざとして“What happens in Vegas stays in Vegas”(ラスベガスで起きたことはラスベガスに残る→意味:旅の恥はかき捨て)(甲6)のように「Vegas」と記載している記事や、「マカオカジノ急伸 売り上げベガス抜く勢い」(甲7)、「仮想通貨ビットコイン、ベガスの2カジノで利用可能に」(甲8)、「【新・カジノ情報局】カジノにお国柄ってあるの? マカオは鉄火場、欧州はゆったり 賭けもショーも楽しめる、ベガスが始まり」(甲9)、「チップのマナー:ベガスでバケーションを過ごす時のエチケット」(甲10)等のように「ベガス」の文字を記事の見出しに記載しているものが見受けられるとしても、数あることわざの中で一つのことわざにおける「Vegas」の語の使用例のみをもって、我が国の多くの需要者が「ベガス」の語を「ラスベガスの略称」と理解するとは考えにくい上に、各記事の本文中には「米国のラスベガス」、「米ラスベガス(Las Vegas)」、「ラスベガス」等、必ず「ラスベガス」の表示があることに加え、記事の見出しにおける記載は、文字数の制限があるため、しばしば一部省略して表示されることが一般に行われているから、記事の見出しに「ベガス」の文字の記載がある事実をもって「ベガス」の語が、「ラスベガスの略称」として、広く一般に知られているとはいい難いものである。 他方、被請求人の提出した本件商標の登録査定日より前の「記者ハンドブック新聞用事用語集 第9版」(乙8)、「【最新版】毎日新聞用語集」(乙9)等の複数の新聞社の用語集において、新聞記者が記事を書く上で、当該用語集に定められた基準で都市名、国名を正式名称で記載することとされており、「ラスベガス」に関しては、正式名称の「ラスベガス」と記載され、略称は記載されないことから、需要者が新聞において、「ラスベガス」の記載を目にする機会は多いとしても、「ラスベガス」の略称としての「ベガス」の語を目にする機会は多いとはいえないというべきである。 以上のことからすれば、請求人の提出した証拠をもって、本件商標の登録査定日より前に、我が国において「ベガス」の語が「ラスベガス」の略称として需要者に広く認識され、普通に使用されていたことを裏付けられるものではない。 そうすると、本件商標は、本件審判の請求に係る役務との関係において、役務の提供の場所あるいは役務の質等を、直接的に表したものとして理解、認識されるとはいえないものであって、これを請求に係る指定役務に使用しても、直接的な役務の質等を表示するものとはいえず、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。 2 請求人の主張について (1)請求人は、「ベガス」の語について、請求人の挙げる辞書への掲載の事実(甲2~甲5)及びインターネットや新聞における使用事実(甲6~甲13)に基づき、「ベガス」の語は、請求に係る指定役務との関係において、自他役務の識別標識としての機能を果たさない旨主張している。 しかしながら、請求人の挙げる辞書に「ベガス」の語が「ラスベガスの略称」として掲載されているとしても、一方で被請求人の挙げる辞書のように、「ベガス」に関する掲載のないものや「ベガス」の語が「ラスベガス」の略称であるとの記載がないものも存在するものであり、請求人の挙げた辞書等への掲載の事実のみでは、「ベガス」の語が「ラスベガス」の略称として認識されていることの根拠として十分ではない。 さらに、上記1のとおり、新聞記事やインターネット情報の見出しに「ベガス」の文字の記載が見受けられるとしても、使用している者は限られた者である上、その数もさほど多いとはいえないものである。 以上からすれば、本件商標は、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るというべきであるから、請求人の係る主張を採用することはできない。 (2)請求人は、「BRASILIA」に係る審決(甲14)や、「ワイキキ」に係る最高裁判決(甲15)を例に挙げ、本件商標は、商標権として独占を認めるべきではなく、本件商標を本件審判の請求に係る役務について使用しても、自他役務の識別標識としての機能を果たさないものである旨主張している。 しかしながら、商標が自他役務の識別標識としての機能を果たすか否かの判断は、当該商標について、判断時の取引の実情等を勘案しつつ、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた事例と本件商標とは、使用する役務、商品が異なり、商標の構成態様、商標が地名であるか、その略称であるか等の点においても異なるものであるから、その事例を直ちに本件商標に適用して、本件商標が自他役務の識別標識としての機能を果たさないと判断することは適切とはいえない。 また、本件商標が商標権として独占を認めるべき商標ではないこと、あるいは、本件商標が自他役務の識別標識としての機能を果たさない商標であることを認めるに足りる具体的な事実を示す証拠の提出はなく、請求人の係る主張は、直ちに採用することはできない。 (3)請求人は、本件商標が自他役務の識別力を有しない根拠として、米国における登録商標の審査においても「VEGAS」部分は、「Las Vegas」を示す地名であって、指定役務との関係で顕著性を有さないと判断されている(甲16)旨主張している。 しかしながら、出願に係る商標が登録要件等を具備しているか否かについては、当該出願に係る国の法令及びその国の商取引の実情等に照らして判断がなされるべきものであるところ、諸外国の登録制度と我が国のそれとが同一のものと解釈しなければならない事情が存するものとは認められないことから、諸外国の審査事情をもって、本件商標が自他役務の識別力を有しないとする請求人の主張を採用することはできない。 3 まとめ 以上のとおり、本件商標は、その指定役務中「娯楽施設の提供」についての登録は、商標法第3条第1項第3号に該当するものでなく、同法第3条及び第4条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第46条第1項の規定に基づき、その登録を無効とすることはできない。 よって、結論のとおり審決する。

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