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商標取消審判

2019-670003

レデリツイエツェラ、デリツイエツェラ、レデリジエゼラ、デリジエゼラ、デリジエザラ

審判番号
2019-670003
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
—
請求日
2019年02月15日
審決日
2021年04月06日
公報発行日
2022年06月24日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【請求人】インダストリア・デ・ディセーニョ・テキスティル・エス・エイ(インディテクス・エス・エイ)
  • 【請求人代理人】小暮 君平
  • 【請求人代理人】福井 孝雄
  • 【被請求人】FFAUF ITALIA S.P.A.
  • 【被請求人代理人】青木 篤
  • 【被請求人代理人】田島 壽
  • 【被請求人代理人】外川 奈美
審判長/審判官
  • 審判長 半田 正人
  • 審判官 平澤 芳行
  • 審判官 佐藤 松江
分類
T132 .1 -Z (Y2930313233)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条1項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の国際商標登録第834140号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。

結論

国際登録第834140号商標の指定商品中,第29類「Meat,fish,poultry,game,meat extractsisalamis,hams,mortadella,sausages;pickles;preserved meat,preserved fish;eggs,milk and milk by一products;preserved,dried,cooked,frozen fruits;iellieS,jams,marmalades,compotes.」,第30類「Coffee,tea,cocoa,sugar,tapioca,sago,coffee substitutes;pastries and confectionery,ice一creams;honey,treacle;yeast,salt,mustard;spices.」並びに第31類,第32類及び第33類の全指定商品についての商標登録を取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。

理由

第1 本件商標 本件国際登録第834140号商標(以下「本件商標」という。)は,「LE DELIZIE ZARA」の欧文字を横書きしてなり,2003年1月24日にItalyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2003年(平成15年)7月23日に国際商標登録出願,第29類ないし第33類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成18年2角17日に設定登録され,その後,その指定商品中,第29類「preserves,as tomato puree,tomato juice for cooking;edible oils;preservod,dried,cooked,frozen vegetables」及び第30類「Fresh,dried,frozen,deep一frozen,ready to use(semi―cooked)pasta;rice,flour and cereal preparations,bread,vinegar,sauces(condiments);pasta with sauces.」については,商標登録の一部取消し審判により取り消すべき旨の審決がされ,令和元年12月12日にその確定審決の登録がされたものである。 なお,本件商標の権利者は,「Pasta ZARA S.p.A.」で設定登録されたが,その後,「FFAUF S.A.」に本権利の移転がされ,さらに,「FFAUF ITALIA S.P.A.」に登録名義人の表示変更がされ,その登録が令和元年5月14日になされたものである。 そして,本件審判の請求の登録は,平成31年2月22日であり,その請求の登録前3年以内の平成28年2月22日から同31年2月21日までの期間を以下「要証期間」という場合がある。 第2 請求人の主張 請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は,その指定商品中,第29類「Meat,fish,poultry,game,meat extracts;salamis,hams,mortadella,sausages;pickles;preserved meat,preserved fish;eggs,milk and milk by―products;preserved,dried,cooked,frozen fruits;jellies,jams,marmalades,compotes.」,第30類「Coffee,tea,cocoa,sugar,tapioca,sago,coffee substitutes;pastries and confectionery,ice―creams;honey,treacle;yeast,salt,mustard;spices.」並びに第31類,第32類及び第33類の全指定商品について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,その登録は,商標法第50条第1項の規定により,取り消されるべきである。 2 答弁に対する弁駁 (1)被請求人提出の証拠は,本件商標が要証期間に使用された事実を立証していない。 ア 「商標権者とPasta ZARA S.p.A(以下「PastaZARA社」という。)との間のライセンス契約書の写し」(乙1)は,本件商標権者とPastaZARA社との関係を示すものであるが,本件商標が要証期間に使用されたことを立証するものではない。 また,ライセンス契約の対象商品は,「in particular,to dried pasta for human consumption」であり,取消請求に係る商品には該当しない。 イ 「Pasta ZARA社力タログの写し」(乙2)は,日付がなく,日本国内で頒布されたかも明らかでない。 カタログには,「Le Delizie Zara」の記載があるが,かかる記載は文中に埋没しており商標として使用されているものではなく,本件商標が商品にどのように使用されたかも明らかではない。 ウ 「Pasta ZARA社カタログの写し」(乙3)は,力タログ紙面の左上部に「Le Delizie」の記載があるものの,「ZARA」の語を欠くものであって,本件商標と社会通念上同一とはいえない。 さらに,同カタログには日付がなく,また日本国内で頒布されたか否かも明らかではない。 工 「Pasta ZARA社商品写真の写し」(乙4,乙5)は,「バルサミコ酢」及び「トマトソース」の写真であるが,これらは取消請求に係る商品には該当しないものである。なお,当該写真には日付がなく,また日本国内で販売されたものか否かも明らかではない。 オ 「2017年7月10日付け納品書」(乙6)をみると,PastaZARA社により2017年7月10日付けで,福岡県の会社に対し,カタログ(乙3)の商品番号「911 pomodori pelati」及び「912 pomodori a cubetti」と一致する商品「トマト缶」が納品されたように思われる。 しかしながら,力タログ(乙3)において,本件商標と社会通念上同一の商標は使用されておらず,当該納品書の記載又はカタログ掲載の当該商品の写真においても,本件商標の使用は確認できない。そもそも「トマト缶」は,被請求人が使用を主張する指定商品「preserved,dried,cooked frozen fruits」に該当するものではない。 力 「FOODEX JAPAN 2018 ウェブサイトの打ち出し」等(乙7~ 乙9)は,本件商標権者が2018年及び2019年の「FOODEX JAPAN」に出展したことは認められるが,本件商標が取消請求に係る商品について要証期間に使用されたことを立証するものではない。 (2)トマト缶(トマト)が「fruit(果実)」に該当するか否かについて 被請求人が提出する日本植物生理学会による見解(乙15)のように,トマトを植物学的にとらえた場合には,「果実」に該当するといわれるのもあるかもしれない。 しかしながら,商標法において,商取引の目的となり得る「商品」に関する商標使用の問題を対象としているのであるから,上記のような学術的見地ではなく,あくまでも取引段階の「取引者・需要者の認識」を基準として判断すべきである。 この点,商品「トマト」は,取引段階では「くだもの屋・くだもの売場」ではなく,「八百屋・野菜売場」に置かれ,「野菜」として取引・販売されており,取引者・需要者の認識を基準にすれば,野菜に該当するものとして理解すべきである。 このことは,「特許庁編・類似商品・役務審査基準」において,商品「トマト」が野菜として分類されていることからも裏付けられる(甲3)。 一方,被請求人は,辞書における「くだもの」の「草木の実」との記載(乙10,乙11)を根拠として,トマトが果実に含まれるとも主張しているが,むしろ辞書における直接的な記載として,「トマトは西洋野菜の一種」とされている(甲4)。また同様に,被請求人は,農林水産省における「果実」の取り扱いを証拠として提出しているが(乙12),農林水産省における「トマト」の直接的な取り扱いとしては,「果実」ではなく,「野菜」に分類されている(甲5,甲6)。 その他,乙第14号証では,むしろトマトは「緑黄色野菜の一種である」と冒頭の3行目に記載されているし,英英辞典(乙16)の記載は,我が国における言葉の意味合いに関するものではない。 以上より,商標法上の商品としての「トマト」は,「果実」ではなく「野菜」に該当することは明らかであり,被請求人のかかる主張は失当である。 (3)まとめ 以上のとおり,本件商標権者は,本件商標を要証期間に日本国内において,取消請求に係る商品について使用したということはできない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とすると答弁し,その理由及び弁駁に対する回答(審決注:当合議体は被請求人が提出した令和2年10月22日付け審判事件弁駁書を回答書として取扱う。)を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第19号証を提出した。 1 本件商標権者は,要証期間に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を指定商品中「preserved,dried,cooked,frozen fruits」に付し,当該商品に本件商標を付したものを譲渡等し,さらに商品に関する広告,取引書類等に本件商標を付して頒布等してきた事実がある。 (1)要証期間における本件商標の使用 ア 本件商標権者は,2010年,イタリアのパスタ等の大手生産業者,かつ,輸出業者であるPastaZARA社との間で,本件商標の商標権の独占的通常使用権を許諾する旨の契約(「商標ライセンス契約」)を締結した(乙1)。 この商標ライセンス契約における,ライセンスの対象商標は「PASTAZARA」,「LE DELIZIE ZARA」等であると記載されており,本件商標「LE DELIZIE ZARA」が含まれている。また,ライセンスの対象商品は「食品・食品加工部門に関連する商品」等であることが記載されているところ,本件商品である「preserved,dried,cooked,frozen fruits」は,「食品」の一種類であることから「食品に関連する商品」に該当する。この商標ライセンス契約を補完するための本件商標権者作成の「宣誓書」(乙19)においては,商標ライセンス契約の対象に本件商標が含まれることが明記されている。 これらのことから,「Pasta ZARA社」は,本件商標の通常使用権者である。 イ この契約に基づいて,PastaZARA社は,本件商標を使用してきた。例えば,PastazARA社の力タログ(乙2)に記載されているとおり,同社は,本件商標をパスタに合わせるトマトソースなどに付して使用してきた。PastaZARA社のカタログ中「Le Delizie」と記載されたページ(乙3)に示されているとおり,本件商標は,PastaZARA社のトマト缶やバルサミコ酢といった商品にも付されている。 乙第3号証において,「Le Delizie」商標は,力タログ紙面の左上部に、太文字で日立つように大書され,いわゆる自他商品識別力を発揮する態様で使用されている。また乙第4号証及び乙第5号証においても,本件商標と社会通念上同一の商標である「le Derizie ZARA」が,容器の正面中央部分に,大きく目立つように表示されており,本件商標は,出所表示機能を発揮する態様で使用されている。 ウ PastaZARA社のカタログ(乙2,乙3)に表されているとおり,本件商標が使用されている商品は多種類かつ多数あるが,需要者及び取引者は,上記力タログに掲載されている品名や型番を引用して注文や納品を行っている。例えば上記カタログ(乙3)には,「911lpomodori pelati」及び「912lpomodori a cubetti」と商品の型番及び品名が表示されているが,これらの商品は,2017年7月10日付け納品書(乙6)において,福岡県所在の株式会社豊島屋に納品されたことが示されている。同納品書に表示された「POMODORI PELATI」(911)及び「POMODORI CUBETTATI」(912)は,上記カタログに掲載されている商品の品名及び型番と同一であるから,上記カタログに掲載されている本件商標を付された商品(トマト缶)が,2017年7月10日に日本国内で譲渡されていたのは明らかである。 工 PastaZARA社は,ソース,ホールトマト,オリーヴオイル,バルサミコ酢等を含む商品に関し,直近では,2018年度及び2019年度の「FOODEX JAPAN」に出展を行い,自社商品の宣伝・広告を行った(乙7~ 乙9)。 オ 以上から,本件商標が,要証期間に日本国内で使用されていたことは明らかである。 (2)トマト缶が取消請求に係る指定商品に含まれること 果物は,「草木の果実で食用となるもの」(乙10),「食用となり,水けの多い,草木の実」(乙11)と辞書においては定義され,農林水産省は,「概ね2年以上栽培する草本植物及び木本植物であって,果実を食用とするものを『果樹』として取り扱っている」(乙12)。これに対して,トマトは,「ナス科の多年草」(乙13),「南アメリカのアンデス山脈高原地帯原産のナス科ナス属の植物。また,その果実のこと。多年生植物であり,果実は食用として利用される」(乙14)と定義されるところ,多年生植物であり,果実が食用とされ,水気の多いトマトは,辞書上の定義及び農林水産省の取扱いにおける「果実」に該当する。 一般社団法人日本植物生理学会のウェブサイトにおいても,「トマト,リンゴ,バナナ,ミカンなどでの果物では・・。トマトでは葉緑体のクロロフイルが分解し・・これらの果物の成熟はエテレンによって誘導されます。」と記載されている(乙15)。また,「English Oxford Living Dictionaries」においても,「Tomato(トマト)」は,「日本語訳:科学的にいえば,トマトは間違いなく果物です。・・・」(乙16)と定義されており,日本国外でも,「果物」として定義されている。 仮に,「トマト」が野菜であるとする見解があったとしても,それは,トマトが一般の果物よりも糖分が少ないことが多いため,料理用の「野菜」とみなされるためにすぎないが,フルーツトマトのように甘いトマトが存在する昨今の状況下では(乙17),糖分が一般の果物より少ないことは,トマトを「野菜」とみなす理由とはならない。トマトは,植物学的にはあくまでも「果実」である。 したがって,「トマト」を水煮加工して缶請にした商品である「トマト缶」が,不使用取消請求の対象指定商品「preserved,dried,cooked,frozen fruits」に含まれることは明白である。 2 まとめ 以上のことから,本件商標権者ないし通常使用権者が,日本国内において本件商標と社会通念上同一と認められる商標を本件取消請求に係る商品について,商標法第2条第3項第1号,同項第2号及び同項第8号に該当する使用をしている。 第4 当審の判断 1 被請求人は,本件商標と社会通念上同一の商標を要証期間内に本件審判の請求に係る指定商品中第29類「preserved,dried,cooked,frozen fruits(参考訳:保存処理・乾燥処理・調理済み及び冷凍処理した果実)」に含まれる「トマト缶」(以下「使用商品」という場合がある。)に使用していると主張しているので,以下検討する。 (1)請求人又は被請求人が提出した証拠によれば,以下のとおりである。 ア 2010年6月1日に「FFAUF S.A.」(本件商標権者の旧名称)と「PastazARA社」との間で締結された商標権ライセンス契約書(乙1,乙18)には,「FFAUF S.A.」が「PastaZARA社」に対して「『LE DELIZIE ZARA』等の商標を,乾燥パスタ等について使用するための排他的ライセンスを付与し,その契約期間は2010年6月1日から10年間有効であり,10年の期間満了時に契約は更新できる。」の記載がある。 イ 本件商標権者による,2020年10月19日付け宣誓書(乙19)には,上記契約における商標登録及びその商標登録の全指定商品を含む旨宣誓し,その商標登録の一つとして本件商標及びその国際登録番号が記載されている。 ウ PastaZARA社のカタログ(乙2)の2葉目には,「Le Delizie Zara」の文字が記載されているが,当該力タログの作成日,頒布数,配布場所,頒布方法等については明らかにされていない。また,同社のカタログの「トマト缶」と思しき商品等が記載されたページ(乙3)には「Le Delizie」の文字が左上に記載され,下部には商品の型番及び品名の「911lpomodori pelati」及び「912lpomodori a Cubetti」が表示されているが,本件商標の表示は確認できない。 工 商品の写真(乙4,乙5)には,いずれも容器正面のラベルに筆記体風に斜め横書き2段に表された「le」,「Delizie」の文字及びその下部に「ZARA」の文字が確認できるが,当該写真の撮影日,撮影場所,撮影者及びラベルの作成時期,作成者は不明である。 オ 「PastaZARA社」が,福岡県の「株式会社豊島屋」に宛てた2017年7月10日付け納品書の写し(乙6)には,乙第3号証のカタログに掲載されている使用商品と思しき商品の品名及び型番の一部が記載されてはいるものの,本件商標は表示されていない。 力 「FOODEX JAPAN(展示会)」のウェブサイトの写し(乙7,乙9)及びブースの写真の写し(乙8)によれば,「PastaZARA社」が当該展示会に出展したことはうかがえるが,本件商標及び本件商標を付した商品は確認することができない。 キ 「商標法施行規則 別表」(第6条関係)の第31類「10 野菜」の下に「トマト」が置かれ,「特許庁編 類似商品・役務審査基準」において,第31類「野菜」の中に「トマト」(32D01)が分類されている(甲3)。また,「三省堂国語辞典 第七版」には,「トマト」の項に「畑につくる西洋野菜の一種。」(甲4)との記載があり,さらに,農林水産省のホームページにおいて,「野菜の魅力」や「野菜の生育状況」の記事中に品 日として「トマト」が掲載されている(甲5,甲6)。 2 判断 (1)本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。以下同じ。)の使用者について 上記1(1)ア及びイによれば,本件商標権者は,2010年6月1日にPastaZARA社と,商標「LE DELIZIE ZARA」等についてライセンス契約を締結していること,当該ライセンス契約は要証期間において有効であること,要証期間外ではあるものの宣誓書において,上記ライセンス契約には本件商標が含まれることを宣誓していることからすれば,PastaZARA社は,本件商標の通常使用権者と認めることができる。 (2)本件商標と使用標章の社会通念上の同一性について 本件商標は,上記第1のとおり,「LE DELIZIE ZARA」の欧文字を横書きしてなり,その構成文字に相応して「レデリジエザラ」の称呼を生じるものである。 上記1(1)ウのとおり,乙第2号証のカタログの文章中に「Le Dellzie Zara」の記載は確認できるが,具体的にどのような商品に使用しているか明確でなく,商標としての使用とは認められない。また,乙第3号証のカタログには,筆記体風に表された「Le Delizie」の文字(以下「使用標章」という。)の記載は確認できるが,本件商標は上記第1のとおり「LE DELIZIE ZARA」の文字からなるところ,本件商標と使用標章とは,外観においては「ZARA」の文字の有無において著しく異なり,称呼においては,本件商標から生じる「レデリジエザラ」と,使用標章から生じる「レデリジエ」とは,「ザラ」の有無に明確な差異を有するため,使用標章は,本件商標と社会通念上同一の商標と認めることはできない。 (3)商品力タログについて 商品カタログ(乙2,乙3)は,その作成日,頒布数,配布場所,頒布方法等が不明であるから,当該商品力タログが要証期間内に作成され,頒布されたものと認めることはできない。 (4)商品写真について 商品写真(乙4,乙5)については,容器正面のラベルに「le」,「Delizie」及び「ZARA」の文字が確認できるが,当該写真の撮影日等及びラベルの作成者等は不明であるから,本件商標権者ないし通常使用権者が本件商標を使用したということはできない。 (5)「PastaZARA社」と「株式会社豊島屋」との取引について 上記1(1)オよりすれば,両者の間において,2017年7月10日に使用商品と思しき商品の取引があったとしても,当該商品に本件商標が付されていたということはできない。 (6)「FOODEX JAPAN(展示会)」について 上記1(1)力よりすれば,「PastaZARA社」が当該展示会に出展したことはうかがえるが,出展した商品に本件商標が付されていたということはできない。 (7)取消請求に係る指定商品中「preserved,dried,cooked,frozen fruits」と使用商品「トマト缶」について 上記1(1)キのとおり,「トマト缶」の原材料である「トマト」については,「商標法施行規則 別表」(第6条関係)の第31類「10 野菜」の下に「トマト」が置かれていている(甲3)。また,「三省堂国語辞典 第七版」の写しには,「トマト」の項に「畑につくる西洋野菜の一種。」(甲4)との記載があり,さらに,農林水産省のホームページにおいて,「野菜の魅力」のタイトルの下に「トマト」が,「プレスリリース」「野菜の生育状況及び価格見通し(令和元年7月)について」の記事中に品目として「トマト」が,それぞれ掲載されている(甲5,甲6)。 そして,商標法における「商品」は,商取引における生産者や販売場所,用途等により,取引者,需要者の認識を基準として判断すべきところ,商品「トマト」は,取引段階では,フルーツショップや果物売場ではなく,八百屋やスーパーの野菜売場に並べられて,通常「野菜」として取引又は販売されていることから,取引者,需要者は「トマト」は野菜であると認識しているものとみるのが相当である。 そうすると,「トマト」に関する,商標法上の分類,国語辞典や農林水産省のホームページにおける記載や掲載内容,及び取引者,需要者の認識を総合すると,商標法上の商品としての「トマト」は,「果実」ではなく「野菜」であること明らかであるから,「トマト缶」は,野菜を加工したもの,すなわち「加工野菜」の範ちゅうに属する商品であるというべきであって,「preserved,dried,cooked,frozen fruits(参考訳:保存処理・乾燥処理・調理済み及び冷凍処理した果実)」の範ちゅうに属する商品と認めることはできない。 したがって,取消請求に係る指定商品中「preserved,dried,cooked,frozen fruits」には,使用商品「トマト缶」は含まれない。 (8)小括 上記(1)ないし(7)のとおり,被請求人が提出した証拠によっては,要証期間内に,本件商標権者又は通常使用権者が,本件商標又はこれと社会通念上同一と認められる商標を本件審判の請求に係る指定商品中「preserved,dried,cooked,frozen fruits」について使用した事実を認めることができない。 3 被請求人の主張について (1)被請求人は,本件商標の通常使用権者であるPastaZARA社は,同社のカタログに記載されているとおり,本件商標をパスタに合わせるトマトソースなどに付して使用してきた旨主張する。 しかしながら,当該カタログに記載された使用標章は「Le Delizie」の文字からなるものであり,本件商標と社会通念上同一のものとは認めることができないことは,上記2(2)で述べたとおりである。 (2)被請求人は,トマトはあくまでも「果実」に属するのであり,「トマト」を水煮加工して缶請にした商品である「トマト缶」は,不使用取消請求の対象商品「preserved,dried,cooked,frozen fruits」に含まれる旨主張する。 しかしながら,商標法上の商品としての「トマト」は,「果実」ではなく「野菜」であることから,「トマト缶」は,野菜を加工したもの,すなわち「加工野菜」の範ちゅうに属する商品であるというべきであって,「preserved,dried,cooked,frozen fruits(参考訳:保存処理・乾燥処理・調理済み及び冷凍処理した果実)」の範ちゅうに属する商品と認めることはできないことは上記2(7)で述べたとおりである。 (3)したがって,被請求人の主張はいずれも採用できない。 4 まとめ 以上のとおり,被請求人は,要証期間内に日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件審判の請求に係る指定商品のいずれかについて,本件商標の使用をしていることを証明したものと認めることはできない。 また,被請求人は,本件審判の請求に係る指定商品について,本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって,本件商標の登録は,商標法第50条第1項の規定により,その指定商品中の「結論掲記の指定商品」について,取り消すべきものである。 よって,結論のとおり審決する。

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